古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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アニポケ見てて思ったんですが、ヒカリのイノムー(マンムー)って、なんで言う事聞かなかったんですかね?



第七十二話「昼休み!」

 

 

 

「雄二、よくあんな非道な作戦たてたよね・・・。」

 

「いや、フィードバックについては想定外だったからな・・・。さすがの俺もあれには同情するぞ・・・。」

 

昼休み。

強敵3ーAにも勝利して、楽しいお弁当タイム!

・・・なはずなんだけど、私達は一切爽快感を得られてなかった。

 

「そもそも俺は3年には持ち物検査がなかったから、補充試験を受けてまで試合を続けるモチベはないだろうと考えていただけだ。あのババァが余計な介入をしてこなければ、あんな惨劇は起こらなかったんだ。」

 

「流石にやりすぎたと感じたみたいで、学園長も戻すって言ってたぜ。」

 

「まあ、召喚獣は人間の数倍のパワーがあるし、普通の野球でデッドボール当たった箇所が消し飛ぶなんてことはないもんね・・・。」

 

次はついに決勝の教師チームだけど、威力は姫路ちゃんよりも高い人がゴロゴロいるからね・・・。

 

「あの、ところで皆さん・・・。私、お弁当を作ってきたんですけど・・・。」

 

ズザザザザッ(姫路ちゃん以外の全員が距離をとる音)

 

「そんな風に警戒しないでくださいっ!普通のおにぎりですから!」

 

いやまあ、4月の料理での事件は忘れられないからね・・・。

 

「ちゃんと味見もしたんですよ・・・?」

 

うーん・・・。

姫路ちゃんの言葉には嘘は感じないし・・・。

 

「じゃあ、いただこっかな?」

 

「はいどうぞ、いっぱい食べてくださいね。」

 

姫路ちゃんのおにぎりを1つとって、ほおばる。

味は・・・。

 

「うん、美味しい!」

 

具は入ってないけど、シンプルで美味しい!

 

「良かったです。練習してもなかなかうまくならないので、炊いたご飯にお塩をまぶして、俵型に握ってのりを巻いたただけですけど・・・。」

 

「確かにそれなら普通に美味しそうだな。俺も貰うとするか。」

 

「はい、みなさんも一杯食べてくださいね。本当はおかずも用意するつもりだったんですけど、そっちはうまくいかなくて・・・。食べられない程ではないんですけど、焦がしたり生焼けだったり苦かったりで・・・。」

 

「大丈夫だせ瑞希!食べて痙攣した4月の時よりは格段に成長してると思うし、このおにぎりも美味しいぜ!」

 

「そ、そうでしょうか・・・。ありがとうございます・・・。」

 

励ます魔理沙だけど・・・魔理沙も大概だよね。

 

「あ、あのね・・・。」

 

「ん?どうしたの美波?」

 

「瑞希はおかずに失敗しちゃったって言ってたわよね・・・。それっ、ちょっと作りすぎちゃったから・・・よかったらなんだけど・・・これ、みんなで食べない?」

 

そう言いつつ、鞄から弁当箱と思われしものを出して蓋をあける美波ちゃん。

中には色とりどりでとっても美味しそうなおかずが入ってた。

卵焼きにウィンナー、唐揚げにサンドイッチ、トマトやブロッコリーといったお弁当の定番なおかずが所せましと並んでる。

 

「へえ、作りすぎた・・・ね。」

 

「その割には随分と量が多いのではないかの?」

 

「まったく、美波ちゃんは素直じゃないなぁ。」

 

「ほ、本当に作りすぎちゃっただけよ!サンドイッチならその・・・余っても家で食べられるし。」

 

「そういう時は僕に言ってよ。いつでも協力するかルァーーっ!!?」

 

吉井君が言葉の途中で絶叫する。

吉井君の方を見ると、分度器が背中に刺さってた。

 

「お姉様の手料理をブタ野郎が食べるなんて罪、許せません・・・!美春の憎しみで人が殺せたらどんなにいいことでしょうか・・・!」

 

分度器が飛んできたであろう方角を見ると、物影から美春ちゃんが吉井君をにらみつけて、怨念を送ってた。

憎しみで殺せたらもなにも、直接攻撃してるよね・・・。

美波ちゃんも気配に気づき、美春ちゃんは隠れるのをやめて猛ダッシュして追いかけてくる。

全力で逃げる美波ちゃん。

 

「お姉様!お姉さま!おネェ・・・サ・・・マ・・・!」

 

「こ、来ないで!なんか最近のアンタは特に怖いのよ!」

 

「何を言うのですお姉様!美春はお姉様の為ならば畜生道に堕ちることすら厭わないというのに!」

 

「だからアンタのそういうとこが怖いって言ってるのよ!」

 

ダッシュで逃げる美波ちゃんとそれを追う美春ちゃん。

まあ、いつもの光景だよね。

 

「まあ、あれも一種のコミュニケーションではあるよな。」

 

「・・・仲睦まじい。」

 

「翔子と坂本みたいなもんだしな。」

 

「おい待て。当人達がどれだけ必死か知ってるのか。」

 

突っ込む坂本君だけど、もう素直になっちゃえばいいのにね。

 

「そういえば、飲み物を買ってこないといかんの。」

 

「「「・・・・・・(クルリ)」」」

 

吉井君達が私達に背を向けてジャンケンを始める。

あ、吉井君負けた。

飲み物の注文をする他の3人を見ると、買い出しジャンケンだったのかな?

 

「へいへい了解。他のみんなは?」

 

「え?何がですか?」

 

「飲み物だよ。」

 

「え、いや悪いですそんなの。」

 

「じゃあ私は緑茶がいいかな。お金は渡しとくね。」

 

「私はコーラで頼むぜ。」

 

「じゃあ私はアクエリだな。」

 

遠慮する姫路ちゃんを尻目に、私、魔理沙、正邪ちゃんは注文をする。

ちなみに阿求ちゃんは保健室で休養中、お空はお燐と食べてるよ。

 

「そんな遠慮することはないのに。紅茶でいいよね?」

 

「は、はい。」

 

「それじゃ、買ってくるね。」

 

自販機がある方に走っていく吉井君。

 

「そういえばなんだけど、次の教師戦の科目ってどうなってるの?」

 

「えーと・・・生物、日本史、地学、現代文、英語だな。」

 

やった!

地学がある!

現代文が良くないけど・・・。

 

「そうなると、私は活躍できそうにないな。残念だぜ。」

 

「日本史なら稗田は教師をも越えるからな、そこで点をしっかり稼ぎたいところだ。」

 

そんな感じでご飯を話しながら打順等を決めてく。

楽しいお弁当タイムって感じでいいよね。

 

「そうじゃな、ワシは今回は生物以外あまり取れ・・・んぐっ!?」

 

しゃべりながらおにぎりを頬張った木下君がいきなり咳き込む。

大丈夫?

 

「ど、どうした秀吉。」

 

「今食べた握りが塩味でなく砂糖味での。いきなりじゃったから驚いてしまったというわけなのじゃ・・・。」

 

「姫路ちゃん、もしかして砂糖と塩間違えて入れた?」

 

「ご、ごめんなさい実は・・・。失敗作として置いておいたはずなんですけど、間違えて混ぜてしまったようで・・・。」

 

あらら。

まあ、塩と砂糖間違えるくらいなら王道なミスだし、食べて気絶や痙攣するようなこともないし可愛いもんだよね。

 

「ちなみに、間違えちゃったのは何個くらいなの?」

 

「2つです・・・。」

 

となると、あと1つだね。

まあ、砂糖くらいなら命に関わるようなことはないし、気にしなくても大丈夫だよね。

木下君も何事もなかったかのように食べてるし。

その後も普通に楽しいお弁当タイム。

ちなみにもう1つの砂糖おにぎりは吉井君に当たったよ。

 

「あ、それとデザートも持ってきたんです。」

 

「デザート?」

 

「ちょっと珍しい果実を頂いたので持ってきちゃいましたっ。」

 

果物なら安心だね。

 

「そうなんだ。それは楽しみだねっ!」

 

「珍しい果実とは気になるな。」

 

「はい、えっと・・・」

 

姫路ちゃんが容器の蓋に手をかけ、中身を披露してくれる。

 

「ザクロを持ってきましたっ。」

 

その果実は、姫路ちゃんによって変わり果てた坊主の召喚獣の成れの果てによく似ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより、一年生各クラスによる応援合戦を行います。一年生の生徒は・・・」

 

お弁当タイムも終わり、グラウンドにアナウンスが流れる。

お昼休みが終わった後は応援合戦。

色とりどりの衣装に身を包み、音楽に合わせて演技を始める一年生達。

華やかでいいよね。

そんな一年生達を尻目に、私達も次だから準備をしてた。

私達女子はチアの衣装で、吉井君達男子は学ラン。

この学校の制服は学ランじゃないから、なかなか新鮮かも。

そんなことを思ってると、美波ちゃんがチアの衣装を持って真剣な目をしながらやって来る。

 

「ねえ木下。」

 

「嫌じゃ。」

 

「うぅ、まだ何も言ってないのに・・・。」

 

木下君にしては珍しいつっけんどんな返事。

手に持つチアの衣装から考えるに、木下君にもチアやらせようとしてるみたい。

まあ、Fクラスは女子7人(阿求ちゃんは参加しないから実質6人)だし、応援団の人数は余ってるもんね。

 

「そんなこと言わないで、ね、木下?チアの衣装はこんなにも可愛いのよ。」

 

「可愛いからイヤなのじゃ。」

 

なおも食い下がる美波ちゃんとつっぱねる木下君。

でも6人が7人になったからって正直そんなに変わらないのに、どうしてそんなに拘るのかな?

 

「あ、美波ちゃん!早く着替えないと時間がなくなっちゃいますよ!」

 

「こいしちゃんも!早く着替えなきゃだよ!」

 

2人のやりとりを見てると、既にチアの衣装に着替えて準備万端な様子の姫路ちゃんとお空がやってくる。

タッタッタッと跳ねるように走ってくるせいで、2人とも胸がすごい揺れてる。

吉井君とムッツリーニ君が鼻をおさえるのもわかる気がするかな。

というかもしかして美波ちゃん、あの2人の揺れる胸と比較されるから胸ない仲間を増やそうとしてるのかな?

姫路ちゃんとお空の胸見て血の涙を流しかねないような表情してるし。

そんな姫路ちゃんは吉井君と何故か坂本君にもチアの衣装を差し出してる。

 

「てか姫路ちゃん、身体は大丈夫なの?」

 

「はい。迷惑かけちゃうかもしれませんけど、私は私の出来ることを頑張りたいですから。」

 

私の質問にそう答える姫路ちゃん。

なんというか、姫路ちゃんも変わったよね。

昔の姫路ちゃんなら、出来ないことを気に病んで落ち込んでたと思うけど、今は自分の出来ることを頑張ろうと、なんというか前向きになった気がする。

Fクラスのメンバー・・・特に吉井君による影響があるのかな。

悪影響もあるけどいい影響もたくさん受けたんじゃないかな。

そんなことを考えてると、珍しく翔子ちゃんが坂本君の気配に気づかずに素通りしようとしてた。

なんか随分元気がなさそうだけど・・・。

 

「あ、おい翔子。どうしたんだ?」

 

「・・・あ、雄二・・・。」

 

坂本君が問いかけても、元気なく返事するだけ。

大丈夫かな?

 

「どうした?ずいぶんと元気がないようだが。」

 

「・・・野球、負けちゃった・・・。」

 

「ああ、そうらしいな。まぁ、代わりに俺達が勝ったから安心しろ。仇は討った。」

 

偉そうにしてるけど、微塵も考えてなかったよね多分。

 

「・・・でも、私の没収品、返して貰えない・・・。」

 

悲しそうに呟く翔子ちゃん。

没収品って、さっき坂本君が言ってた同意書かな?

 

「没収品って、お前な・・・。」

 

額を押さえ、呆れたように言う坂本君。

 

「・・・結婚式まで、大事に保管しておくつもりだったのに・・・。」

 

「バカ言うな。あんなもん、没収されてなかったとしても、見つけたら俺が代わりに捨ててやる。」

 

「・・・え・・・?」

 

悲しそうに呟く翔子ちゃんに、いつもの調子で答える坂本君。

その言葉を聞いて驚いたような態度を見せる翔子ちゃんだけど、坂本君はそれに気づかず言葉を続ける。

 

「いや、『・・・え・・・?』じゃないだろ。あんな物を没収された程度でそこまで落ち込むなって。」

 

「・・・あんな物、って・・・。」

 

「そもそもそんなつまらないものを没収された程度でへこむなら、常夏コンビごときに負けたことをだな・・・。」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

いい気になって説教を垂れようとする坂本君。

そこに、パシンという乾いた音が響き渡った。

 

「・・・つまらないものじゃ、ない・・・!」

 

目に涙をため、そう言う翔子ちゃん。

・・・え、どういうこと?

 

「雄二にだけは、そんなこと言ってほしくなかった!」

 

翔子ちゃんらしからぬ大声を出し、向こうに走ってく翔子ちゃん。

えっと・・・・・・。

 

「わ、私、翔子ちゃんのところに行ってきます!」

 

「わ、私も!」

 

その場の全員が茫然とするなか、早く我にかえった姫路ちゃんとお空が翔子ちゃんを追って走ってく。

私も行くべきかもしれないけど・・・。

 

「翔子のヤツ・・・・・・!な・に・が『つまらないものなんかじゃない』だ!俺本人が同意してない婚姻届なんか、つまらないもの以外のなにものでもないだろうが!」

 

そして自分を取り戻し、怒りを顕に空に叫ぶ坂本君。

 

「俺にだけは言われたくないって、俺だから言うんじゃねぇか!こっちは何も承知してねぇんだぞ!悪く言うのは当然じゃねぇか!」

 

烈火のごとくという表現がふさわしいくらいに怒り狂う坂本君。

近くに机とかがあったらボコボコにしそうな勢いだよね。

 

「う~ん・・・。まぁ確かに霧島さんにとっては大事でも、同意した覚えのない婚姻届であんなに怒られても困るよね・・・。」

 

「まったくだ!つまらねぇという言い方が気に食わねぇなら、くだらねぇとでも言い換えてやろうか!あのバカがぁーっ!」

 

同調する吉井君と、怒りがおさまる様子のない坂本君。

まあ、傍観者の私にとっても、翔子ちゃんの言い分は少し理不尽に思えるからね・・・。

当事者の坂本君が怒り狂うのも、無理はないかも・・・。

 

「じゃあ、ウチが学ランを着るから、アンタがチアを着るのはどう?」

 

「それはワシにとって何の解決にもなっておらぬのじゃが!?」

 

向こうでは、こちらの様子に気づかず言い争ってる美波ちゃんと木下君。

坂本君も翔子ちゃんも、大丈夫かな・・・?

ちなみに、木下君は最終的にサラシに学ラン姿でボンボンを持って踊るっていう折衷案で妥協してたよ。




いかがでしたか?
悲しき事件。
姫路ちゃんは料理の味を自覚しているので、被害はせいぜい砂糖で済みました。
まあ砂糖つけすぎてもはや砂糖の味しかしていないのには気づいていません。
しっかしこの話が出る時にはシャイニー・シスターズが発売されてるのか。
楽しみ。
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