古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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新年あけましておめでとうございます。
時が経つのは早いものですね。
今年もあげていく予定ですが、現在Cクラス戦をどう展開させるか非常に悩んでいます。
それと、現在ポケきらの方を本腰入れて書いてるのでこの投稿遅れそうです。


第七十六話「教師戦4回!」

 

 

 

『Fクラス 稗田阿求 現代文 498点 VS 補習教師 西村宗一 現代文 401点』

 

4回表。

吉井君が言った通り、ピッチャーは阿求ちゃんに交代。

ちなみに、吉井君の点数は83点。

受け損なったら死あるのみだけど、吉井君ならやってくれるはず!

そうして、1球目が投げられる。

 

「ストライク!」

 

ど真ん中ストレートを宣言通り受けきる吉井君。

姫路ちゃんと違って、コントロールには問題なしみたい。

鉄人先生は反応できずにいた。

まあ、いままで吉井君の球を散々見てきたところに阿求ちゃんの速度だもんね。

そして坂本君の入れ知恵で、ボールを受け取った後に、普通ならサインやりとりをする時間を省略してそのままストレートを投げる阿求ちゃん。

 

「ス、ストライク!」

 

さっきより強い球を受けて、完璧にキャッチャーミットで受けたにも関わらずわずかにダメージを負う吉井君の召喚獣。

阿求ちゃんも吉井君の宣言を信じ、全力で投げてるみたい。

 

「普通の野球は出来ませんけど、召喚野球なら私も活躍出来ますからね。1点たりとも取らせませんよ。」

 

その言葉とともに、最高速で放たれた豪速球。

さっきの姫路ちゃんのを超えるスピードでありながら、まっすぐ飛んできたそれをキャッチャーミットで受けきる吉井君。

 

「ストライク!バッターアウト!」

 

これで最大の脅威だった鉄人先生は凡退。

そのままストレートで大島先生、豊郷耳先生を討ち取る阿求ちゃんと吉井君。

これで、4回表の攻撃は凌ぎきった。

あとは、点数をとって逆転するだけ!

 

 

 

 

 

 

 

「福村、秀吉、稗田。作戦だ。恐らくフォアボールやヒットが出ても、点数には繋がらないだろう。稗田がうまいこと打てたとしてもな。だから、そのあとの作戦に全てを賭ける。だから時間稼ぎを頼む。」

 

「うむ。了解じゃ。」

 

「は、はい。わかりました。」

 

「了解。そのかわり、次はしくじんなよ。」

 

3人は快く了承。

確かに相手チームには寺井先生と易者先生と、現国教師が2人もいるから、阿求ちゃんでも多分ヒットが関の山。

なら、5回での作戦に賭けるみたい。

坂本君によると、仕込みは万全らしいし。

でも、その為には時間稼ぎが必要。

だから唯一打てそうな阿求ちゃんも時間稼ぎに徹する。

 

「プレイっ!」

 

反則にならない程度にバッターボックスに入るのを引き伸ばし、時間稼ぎを狙う福村君。

相手ピッチャーは易者先生ではなく、野球経験がある寺井先生。

時間稼ぎすらうまくいくかはわかんないけど・・・。

 

「ストライク!バッターアウト!」

 

福村君はカウントをフルに使い、ファールも2回出して時間を稼ぐもアウトに。

続く木下君も必死に豪速球に食らいつくもアウト。

残るバッターは阿求ちゃんだけになった。

時計は2時28分を指している。

秒針がないから、針が進むのがすごく長く感じる・・・!

早く・・・!

 

「ファール!」

 

必死にバットにボールを当て、ファールで時間を稼ぐ阿求ちゃん。

阿求ちゃんは確かに現国500点あるけど、寺井先生は600点以上。

現在のカウントは2ー1。

向こうにはボール球を投げる余裕すらあるのに対し、こっちはもう1回すらミスできない。

見てるだけしかできないのがすごく歯痒い・・・!

 

「ボール!」

 

混ぜられたボール球も、振りかけるもギリギリ見送る阿求ちゃん。

こう何度も投げられてると、阿求ちゃんの集中力もいつ切れてもおかしくない。

 

「ファール!」

 

何度目かのファール宣告。

福村君、木下君合わせて10回以上ファールを出しているのに、それはいまだに来ない。

もう少し、もう少しなはずなんだけど・・・!

 

「・・・来た・・・!」

 

ムッツリーニ君がピクッと反応し、呟く。

来たってことは・・・!

続いて、スピーカーから、ザザ、ザという音。

 

「これより、借り物競争を始めます。参加する選手の方は・・・」

 

「「「来たぁっ!!」」」

 

それは、私達の作戦の鍵となる福音。

その直後、ついに阿求ちゃんが打ったボールがキャッチされてアウトに。

でも間に合った!

 

「何故、彼らはアウトになったのにも関わらず、喜んでいるのでしょうかね?」

 

「さあ。あいつらのことですし、きっと何か企んでるのでしょう。」

 

教師サイドから聞こえる声。

確かに4回の攻撃は終わったね。

でも、これは全て最後のための伏線。

そこで絶対に勝つよ!

 

「吉井、坂本。何を喜んでいるかは知らんがさっさと準備をしろ。」

 

鉄人先生が来て、守備につくように言う。

 

「わかってます。でも、もう少し待ってください。」

 

「今に来ますから。」

 

「来る?一体何のことだ?」

 

訝しげな鉄人先生。

そして、向こうから走ってくるFクラスのみんな。

 

「遠藤先生!借り物競争です!すみませんが一緒に来てください!」

 

「え?でも私はこれから召喚野球の立ち会いを・・・。」

 

「なんと言われてもダメですよ!召喚野球大会より体育祭競技の方が優先されるのですから!」

 

「「「っ!?」」」

 

先生達が目を見張ったのがわかる。

クラスメイトの手によって、遠藤先生がひっぱられていく。

 

「なら仕方ない、ベンチの先生方に立会を頼んで」

 

「船越先生!お願いします!」

 

「胡桃沢先生!来てください!」

 

ベンチの2人も別のクラスメイトに連れていかれる。

勿論、これは作戦。

彼らの手の中の紙には、きっと全く違うのが書かれているはず。

 

「これで立会の先生はいなくなったな。」

 

「坂本、これは貴様の作戦だな。まあいい。さっきの回の立ち会いの先生に頼んで」

 

「おっと、そいつはルール違反だ。事前に決めただろう?同じ科目は使わないと。」

 

「ならばどうしろと言うんだ。こっちのチームに8人でやれとでも言う気か?」

 

鉄人先生が坂本君や吉井君を交互に鋭い目で見る。

もしかして、これを利用して無効試合にしようと考えてると思われてるのかな?

・・・勿論、私達はそんなことは1ミリも考えてない。

だって、無効試合にしてもお姉ちゃんの写真は帰ってこないもん。

 

「鉄じ・・・西村先生。まだ他にも勝負できる科目があるじゃないですか。」

 

「だから何を言ってるんだ吉井。立ち会いの教師はもういないと」

 

「違いますよ。立ち会いの教師がいなくても、野球の勝負が可能な科目が残ってると言ってるんです。5回の勝負は、体育の・・・実技といきましょう!」

 

これが、坂本君が最初にたてた作戦。

成績最低クラスだけど行動力だけはある、私達Fクラスが点数が高い教師チームに勝つための一手。

体育の実技だって、れっきとした科目だからね。

 

「さぁ全員、グローブをつけろ!5回の勝負はハードだぞ!」

 

坂本君が事前に野球部から借りて用意していたグローブを指差す。

こうして、最終回。

たった1回だけの、教師と生徒の交流野球大会が幕をあけた!




いかがでしたか?
体育実技のためあっきゅんは退場。
多分いままで言っていませんでしたが、あっきゅんは体育をはじめとした運動を厳しく禁止されています。
ちなみになんですが、苗字がない旧作の東方キャラはガヴリールドロップアウトのキャラから苗字をとっています。
出す予定はないですが、天真=サリエル=ホワイトとか似合いそう。
え?何故この話をしたかって?
それはまあ、ね。

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