古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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第⑨話「Bクラス戦後半!」

 

 

 

「では、昨日言っていた作戦を実行する。」

 

翌日。

戦争のために集まった私達に対し、坂本君が言った。

 

「うにゅ?Bクラス戦はまだだよね?」

 

「Bクラスにではなく、Cクラスにだ。とりあえず秀吉、前に出てきてくれ。」

 

「んむ?何じゃ?」

 

「とりあえず、これを来てくれ。」

 

そう言って坂本君が取り出したのは・・・・・・女子の制服?

坂本君がどうやって手に入れたのか気になるな~。

今度聞いてみて、お姉ちゃんの制服を《ドッパーン》して《ズッキューン》する方法の参考にしよっかな?

 

「・・・おい。それなんで男の木下に着せるんだ。」

 

「まあ、わしは構わんのじゃが、確かに理由が気になるの。」

 

「・・・いや、そこはかまえよ。お前男だろ。」

 

ちょっと変わってるはずの正邪ちゃんが、ここでは一般人に見える。

不思議だな~。

 

「まあ、木下君は演劇に命かけてるといっても過言じゃないくらいに真剣だからね~。」

 

「うむ。この程度、劇では着なれておるのじゃ。」

 

「とりあえず、これを着る理由は、CクラスにAクラスの木下優子として行き、挑発して敵意をAクラスに向けさせるためだ。」

 

「ちなみに、木下優子とはワシの姉上じゃ。」

 

確かに、二人はそっくり・・・なんだけど、木下君の方が女の子っぽいんだよね・・・。

凶暴性・・・怒りの沸点?は吉井君に対する美波ちゃんくらいだし。

まあ、Aクラスにいるだけあってすごいことは事実なんだけど。

 

「と、いうわけだ。さっそく用意を頼む。」

 

「うむ。了解なのじゃ。」

 

言いつつ、制服に手をかける。

ちょっと木下君!?

ここで着替えるの!?

 

「ちょっと木下君、こっちで着替えようね。」

 

「何故じゃ!?わしは男だというのに!?」

 

「男の子だったら、女の子の前で着替えるのはダメでしょ?」

 

「・・・確かに、それもそうじゃな。」

 

まあ、本当はムッツリーニ君がカメラ構えてるのと、吉井君達が秀吉君の全身に穴があきそうなくらいみつめてたからなんだけどね。

木下君見た目は女子だから美波ちゃんとかも気にしてないし。

みんなが残念そうな声をあげるけど気にしなくていいよね。

 

「もしかしてこれはこいしちゃんと秀吉のゆ・・・」

 

聞こえてきた言葉は聞かなかったことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

3分後。

秀吉君が戻ってきたけど・・・、もうこれ女子だよね。

知らずに見せられたら、多分見抜けないよ私。

 

「・・・これは、売れる・・・!(プシャアアァ)」

 

ムッツリーニ君も鼻血を出してるし。

 

「よしじゃあ行くぞ。」

 

「あ、私もいい?」

 

「まあ、構わないが。」

 

私も、面白そうだからついていくことにしたよ~!

不自然に思われないように距離をとってついてく。

そして、秀吉君がCクラスの扉を開けた!

 

「静かにしなさい、この薄汚い豚共!」

 

うわぁ・・・。

なんというか、エグいね。

多分Cクラスの人達固まってるよ。

 

「な、何よアンタいきなり!」

 

「話しかけないで!豚臭さがうつるわ!」

 

自分から入っていってこの言い草。

多分これ、精神が弱い人なら泣き出すよ?

 

「私はね、こんな豚臭くて醜い教室が同じ校舎にあるなんて我慢できないの!あなた達なんて豚小屋につながれてるくらいがちょうどいいのよ!」

 

「なっ!?言うに事欠いて私達にはFクラスがお似合いですって!?」

 

秀吉君もひどいこと言ってるけど、豚小屋=Fクラスの式が成り立ってるのはなんでなの!

 

「私の手が豚なんかで穢れてしまうのは本当は嫌だけど、今回は特別に私がふさわしい教室に送ってあげようと思うの。せいぜい豚らしくブヒブヒと感謝の意を示しなさい。」

 

もうね、なんというか、ひどいよね。

さっきからCクラスの声が聞こえてこないし、狙い通りに挑発できてるんだろうけど、なんだろうこの素直に喜べない気持ち。

 

「ちょうど試召戦争の準備もしているみたいだし、覚悟しておきなさい。近いうちに私たちが薄汚いあなた達を始末してあげるから!」

 

そして、秀吉君の声が途切れ、中から出てくる。

 

「・・・と、まあこんなもんじゃろうか。・・・む?古明地よ、どうしたのじゃ?」

 

「とりあえず、やりすぎだよ・・・。」

 

狙い通りに挑発出来たとはいえ、流石に・・・ね。

 

「Fクラスなんか構ってられないわ!とりあえず、あの女、許さないんだから!」

 

Cクラスから声が聞こえてくる。

あれが代表の小山さんかな?

 

「ところで秀吉君、一応聞くけど、もしこれが優子ちゃんにバレちゃったらどうするの?」

 

「・・・・・・(ダラダラダラダラ)」

 

秀吉君、真っ青になって冷や汗かいてる。

まあ、私が出来ることはなにもないし・・・ね。

 

 

 

 

 

 

 

そして、Bクラスとの戦争の開戦時刻になった。

昨日の時点で、私達FクラスはBクラスを教室に押し込んでるから、今日はそっから開戦だね。

私達の役割はBクラスを外に出さないよう閉じ込めることだよ!

まあ、私とお空は少し特別な役割があるんだけどね。

 

「くそっ、Fクラスのくせに!」

 

「私達だってやるときはやるからな!」

 

「そっちも抑えててよ!」

 

「任せとけ!」

 

「古明地さん、相手が予想以上に強いです!」

 

「一人で勝てそうにないなら二人一組であたってください!とにかく、この教室の出口を解放するのを優先に!」

 

「わかりました!」

 

戦況は今のところ五分五分。

でも・・・。

姫路ちゃんが、さっきからオロオロするばかりで仕事を果たせてないんだよね。

 

「姫路ちゃん、さっきからどうしたの?なにかあった?」

 

「あ、あの、その・・・。」

 

泣きそうな顔をしてる。

なにかあったはずなんだけど・・・。

 

「な、何でもないんです。」

 

このように、答えてくれないんだよね。

 

「おい、後ろの出入口の科目が英語に変えられたぞ!」

 

「阿求ちゃんは一旦引いて!」

 

「わ、わかりました!」

 

英語は阿求ちゃんの苦手分野。

だから、現状はかなりマズイ。

姫路ちゃんが大事なのに!

 

「なにもないわけないでしょ!そんな顔で!」

 

「ほ、本当に何でもないんです。」

 

「ちょっと厳しいかもしれないけど、姫路ちゃんはこの戦争、いや、このクラスにとって大事な人なんだよ。このままだと作戦にも影響しちゃって、姫路ちゃんは自分のせいで負けたと後悔し、自分を責め続けちゃうことになるよ。だから、ね、言お?」

 

「ほ、本当に何もないんです!」

 

私・・・いや、誰ににとってもバレバレな嘘をつきつづける姫路ちゃんに、嫌な予感が混ざる。

まさか・・・。

 

「姫路ちゃん。もしかして、脅されてたりする?」

 

「!・・・あ、う、あうあ・・・」

 

私の考えが確証に変わる。

 

「マズイ!前の入り口の科目が世界史に変えられた!」

 

「物理の先生はどうした!」

 

「Bクラスに拉致された模様!」

 

こちらの得意科目を封じ、相手の得意科目で勝負か・・・。

上手い指揮だね・・・。

 

「私が行きます!・・・・・・あっ。」

 

姫路ちゃんが救援に行こうとしたけど、ある一点を見た瞬間、うつむいて立ち止まってしまう。

その一点を見ると、ニヤニヤとこちらを見下ろす根本君の姿。

そして、その手には可愛らしい封筒。

ここからでも、姫路ちゃんが心をこめて書いたのがわかるような封筒。

本人に事情を聞かなくてもわかる、靴箱とか机の中に入っていそうな封筒。

・・・・・・・・・へえ、そんなことまでしちゃうんだ。

私の中で、なにかが切れた音がした。

 

「うん、姫路ちゃん。ちょっと体調悪そうだから、保健室なり教室なりで休むといいよ。まだ戦争は続くんだから、体調管理はしっかりしないとね。」

 

「・・・はい。」

 

「姫路ちゃん、そんな風にならなくても大丈夫だよ。私達がきっちりと勝って取り戻してくるからね。」

 

さて、私が許せる一線を越えてきた根本君には、どう償ってもらうかな。

 

「とりあえず、まずは突破しないとね。」

 

「化学の先生、連れてきたぞー!」

 

うん、私はこっちだね。

お空もいるし、絶対に突破するよ。

 

 

 

 

 

 

 

「マズイ、古明地妹に原田と杉崎がやられた!」

 

「今度は霊路地に平賀がやられた!」

 

「おいお前ら!しっかり守れ!」

 

「・・・根本、あなた、何したか言いなさい。」

 

「お、俺はなにもしてねえ!」

 

「んな訳がないでしょう。あの娘が私関連以外であれだけ怒りをみせるなんて、姉の私でもほとんどみたことがないですからね。心の眼がなくたってわかります。」

 

中から根本とお姉ちゃんの声が聞こえてくる。

私は今、怒ってるから強いよ?

もうすぐ突破できそうかな。

 

「扉、突破されます!」

 

Bクラスの人が報告すると同時に、私達Fクラスが教室になだれこむ。

 

「どうもー、2日ぶりのFクラス古明地こいしだよ!」

 

「同じくFクラスの・・・・・・えっと、霊路地お空だよ!」

 

「そして同じくFクラス稗田阿求です。」

 

「お、お前らいい加減にしろよな。昨日から扉に固まりやがって、暑苦しいことこのうえないっての。」

 

「ふーん、そ。それはどこかのBクラス代表が卑怯な無能だからでしょ?」

 

「それは、あなたの代表としての能力が劣っていたからでしょうね。例えば人望や思考力などといったものが。」

 

「つまり、Bクラスの代表は私達よりバカだったってことなのかな?」

 

「ぐっ・・・!貴様ら・・・!」

 

私達の挑発(1人は天然だが)に歯噛みし、こちらに歩きだそうとする根本。

 

「待ちなさい!」

 

だが、お姉ちゃんが引き留める。

 

「こんな明らかな挑発にのってはいけません。まだ戦況的にはこちらが有利です。一応代表なんですから、それくらいは冷静に判断しなさい。」

 

「・・・チッ!それくらいわかってらあ!」

 

お姉ちゃんにとめられた根本は足を止める。

さすがお姉ちゃんだね!

 

「なるほど。Bクラスの指揮がうまかったのはあなたが理由ですか。納得しましたよ。」

 

「ともかく、こいつらを補習室送りにしてやれ!古明地、火焔猫!他の奴等は稗田を圧殺しろ!」

 

「あなたに指示されるでもありません。サモン。」

 

「にゃはは、お空、行くよ、サモン!」

 

『Fクラス 古明地こいし 化学 241点 VS Bクラス 古明地さとり 化学 293点』

 

『Fクラス 霊路地空 化学 371点 VS Bクラス 火焔猫燐 化学 217点』

 

対戦カードが表示される。

でもこれは2対2だ。

 

「お姉ちゃん、言われた通り本気で行くよ!」

 

「ええ、かかってきなさい。」

 

点数的はこちらが有利。

そして、お空は遠距離タイプだ。

 

「えいっ!」

 

まずは小手調べに触手を使って攻撃する。

 

「遅い!」

 

だけど、お姉ちゃんはあっさりとかわし、こちらにハート型の弾を撃ってきた。

えっ、お姉ちゃんも遠距離攻撃あるの!?

 

「にゃはは、こっちも忘れないでね!」

 

なんとか回避したけど、お燐が猫車を持って殴りかかってくる。

 

「それは私のセリフだよ!」

 

でも、お空の召喚獣がビームを放ち、お燐の攻撃の軌道を変えさせる。

 

「そのままさとりちゃんに、どーん!」

 

「させませんよ!」

 

そのレーザーをそのままお姉ちゃんに照射するけど、飛び退いて回避するお姉ちゃん。

なら・・・!

 

「お空、援護して!」

 

「わかった!」

 

先にお姉ちゃんを倒す!

ハート型の弾を放ってくるお姉ちゃんの弾幕を潜り抜けつつ、お姉ちゃんに近づいていく。

どうしても回避不可能な弾は私の触手ではじくか、お空がビームで打ち消してくれる。

 

「・・・!お燐、お空を止めて!」

 

「了解!」

 

お燐は猫車をかまえてお空の方に行く。

ビームは速度が速いが、照射にわずかにためがあること、同時に1本しか放てない欠点がある。

 

「にゃはは、猫車にはこういう使い方もあるんだよ!」

 

「お燐!?」

 

でも、普通に近づいていたら追いつかれて焼かれると判断したのか、猫車を使うお燐。

なんと、猫車を勢いよく押し、セグウェイのように飛び乗って突撃していってる。

 

「こいし、よそ見してていいの?」

 

「もちろん、してないよ?」

 

お姉ちゃんまであと2メートルくらい!

お姉ちゃんは冷静に後退しながら弾幕を放ってるけど、私の方が速い!

 

「つかまえたっ!」

 

「なっ・・・!?」

 

お姉ちゃんの召喚獣を触手で捕らえる。

弾幕を放つ両手をこちらに向かないように拘束し、あとはとどめをさすだけなんだけど・・・。

お姉ちゃんの形をした、お姉ちゃんの分身にとどめをさそうとしても手がうまく動かない・・・。

 

「こいしちゃん、そのさとりちゃんを倒しても本人に痛みはないから倒しちゃってよ!」

 

「こいし!敵に情けをかけるのはやめなさい!それは精一杯戦った私にも失礼よ!」

 

「・・・わかった。ごめんね、お姉ちゃん!」

 

触手をお腹に突き刺す。

すると、お姉ちゃんの召喚獣は静かに消えていった。

 

「・・・ってお空!危ないよ!」

 

「もう避けられないよ!ごめんね、これも勝負だからね!」

 

お空が眼を離した隙に、お燐の召喚獣がお空のそれの目の前に来ていた。

私のせい・・・だよね。

 

「まだ手はあるんだよ。爆符『ギガフレア』!」

 

「にゃっ・・・!?」

 

お空が言葉を発するとともに、お空の召喚獣の回りに【caution!】と表示される。

お燐も異変に気づいたが、もう止められない。

 

「いっけえーっ!」

 

そして、お空の召喚獣が大爆発をおこす。

爆発がとまった時、お燐の召喚獣は黒焦げになって倒れていた。

 

「よし、今だよムッツリーニ君!」

 

「・・・・・・参上。Fクラス土屋康太、Bクラス代表根本恭二に保健体育勝負を申し込む。」

 

「なっ、そんなとこから・・・!」

 

私が言った瞬間、窓から突入してくるムッツリーニ君と保健体育の大島先生。

Dクラスに条件として室外器を破壊させていたのと、私達が教室前で戦っていたため、室温が上がったBクラスは、熱中症を避けるために窓を全開にしていた。

だが、そこから入ってくるなんて誰が予想できただろうか。

 

『Fクラス 土屋康太 保健体育 441点 VS Bクラス 根本恭二 保健体育 220点』

 

点数差は2倍以上。

そして、勝負は一瞬でついた。




いかがでしたか?
こいしちゃんぶち切れ。
次回、制裁。
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