ヒロインは俺のローside
一目見たときから目が離せなかった。
とある日の新聞を何気無く開き、何時ものように手配書を見た俺は思わず固まった。
ペンギンが不思議そうにこちらを見やるが、そんなこと気にならないぐらい俺は夢中だった。
ビッグ・マム海賊団 冷酷殺人鬼
シャーロット・ジェラティーナ 5億7000万B
かの有名なビッグ・マムの息子だと簡単に分かってしまうほど大きく取り上げられ、男にしては綺麗すぎる顔立ちの手配書は誰もが欲しくなるほどの色気があった。
「それは....ビッグ・マムの、」
ペンギンが俺の見ている手配書に気が付き、ビッグ・マムの文字を見て驚く。
「......ペンギン」
俺は手配書を机の上に置き、立ち上がる。
名前を呼ばれたペンギンは怪訝そうに俺の事を見てくるが、何かを言う気配はない。
「コイツを仲間にする。」
「え、は...ハァァァ!?」
俺の言葉に驚いたペンギンの絶叫が船中に響いたことにより、クルー全員が集まると言う異例の状態を起こした。
■■■
自棄にザワザワとしている。
島について数分、俺達が来る前から何故かざわついていた。
それを怪訝に思い、村人に尋ねてみるとどうやらここにビッグ・マム海賊団が来ているらしい。
もしかしてと淡い期待を込めて誰かが来ているのかを更に問い詰めると"千手のクラッカー"が来ているらしい。
チッ....期待外れかと思い、その場を離れた。
ビッグ・マム海賊団といざこざを起こすなよとクルーに伝え、俺は船に戻るために適当に島を見ながら帰っていた。
「!」
その時、見付けた。
ビッグ・マム海賊団 冷酷殺人鬼のシャーロット・ジェラティーナを。
まさか居るとは思いもしなかったが、遠目から見ても綺麗な顔立ちをしていた。
「へぇ、綺麗な顔してるな」
ジェラティーナに近付いてがニヤリと笑みを浮かべれば、ジェラティーナは少しだけ驚いたように俺の事を見た。
「なにか?」
「全然表情変わらねぇな」
だけど次の瞬間にはもう既に無表情になっていた。
「お前がシャーロット・ジェラティーナだろ?」
「だったら?」
「噂通りだな...」
無表情で極端に言葉が少ない。それに加えて綺麗すぎる為に誰もが容易く近寄ることを躊躇する。
「なァ、ジェラティーナ」
「気安く呼ぶなよ」
「クックッ...そう言うなよ。」
普段だったら苛つくような冷たい生意気な言葉もジェラティーナの言葉だと思ったら欲情する。
ジェラティーナに手を伸ばして抱き上げる。
「ちょっ....!」
「ジェラティーナ、俺の元に来い。」
「は?」
ジェラティーナの事を抱き上げながら俺はまるで世間話をするように軽く言った。
「お前...」
「まぁ、拒否権なんてないけどな。海賊は欲しいものを奪うからな。」
「テメェ....」
「が、ビッグ・マムを敵に回すなんてごめんだからな。」
まだその時ではない。
別にジェラティーナを手にいれる為ならば、ビッグ・マムを敵に回すぐらいどうってことない。
まぁ、クルーには迷惑をかけるだろうが。
「......」
多分ジェラティーナは無表情だが、俺の事を嫌いでは無いのだろう。
それにここで会えたのも何かの縁だ。
「....友人なら、」
「!ああ、それでいい。」
取り敢えずは、な。
絶対に逃がしはしない。
「よろしく、トラファルガー」
「友人なんだからそこはローだろ。」
呆れたように笑った俺にジェラティーナも笑った。
船に帰ったらペンギンにビッグ・マムの船があったのに単独行動をするなと怒られたが、これからの事を思い浮かべたらそれすらも気になりはしなかった。