もしも、自分が大好きなアニメの世界にいけたら 作:きのこシチュー
本当にお久しぶりです。コロナ感染して回復したらすぐに進路関係でめちゃめちゃ忙しくなった挙げ句終わったと思ったらテスト………そして本当につらいこともありました………ですが、それらを乗り越えて復活しました!前のように一週間に一回は更新出来るよう頑張ります!
では、どうぞ
はじめから出た言葉を聞いて、二人は少し硬直した。
「虐められていた·······?」
「はじめが····ですか?」
「あぁ、毎日毎日虐められてた。学校に来れば周りから悪口を言われ、机にはいつもごみが捨ててあったり落書きがされていた」
「学校の先生達は……どうしたん?」
「見て見ぬふりばかりされたよ。先生達もそういうめんどくさい事に関わりたくないんだ」
「なら、はじめがそのような仕打ちを受けているのに、はじめの親は一体何をしているのですか……?」
「いないよ」
「「え………?」」
「俺の本当の世界の母親は死んでいるんだよ。父親もいない。俺はずっと一人。全く他人に相談せずに生きてきたんだ」
「「……………」」
「そして、命を断とうとしたこともある」
「「!!」」
「毎日虐められ、相談する相手もいない、家に帰っても誰も居ない、だから命を断とうとした。そうなれば、こんな地獄から解放されるって………」
「でも、命を断とうと決心した日、辞めようって思うきっかけが出来たんだ」
「それが、私達という訳………ですか?」
「そう。どうせこの世から居なくなる前に、最後にいろんな事をして去ろうって思ったんだ。ご飯作ったり、本を見たり、遺書も書いた。そしてその夜中に、最後に何かテレビでも見て死のうと思って、テレビをつけたら、お前らが主役のアニメの『ラブライブ!』がやってたんだ」
「ら、ラブライブなんですか…………(笑)」
「そ、そのまんまやんな(笑)」
暗い雰囲気に笑顔が出る。
「た、確かにそうだけど(笑)…………でも、アニメでお前らを見ている内に、頑張ったらこんな風に楽しい学校生活が出来るのかなって思った。それで俺はもう少し生きてみようって思った。けど、何も変わらなかった。自分自身で悪いと思うことはしっかり考えて行動したり、頑張って話しかけようともしたけど、結局は悪口を言われて追い返される…………」
「そんな日を毎日送っていたのですか…………?」
「あぁ。最終回まで見終わった後も、お前らのグッズを買ったりして自分の心を出来る限り癒していたつもりだったからね」
「そうだったんですか…………」
「それも長くは続かない、そう考えた時に神様が現れたんだよ」
「神様って、あの海の時にいたおじいさんのことやんね?」
「希、その神様というのは?」
「合宿の時にはじめ君が海でそのおじいさんと言い争いをしたところを見たんよ。それで話を聞いてみると神様って答えたんよ」
「…………なんかとてつもなく嘘っぽいのですが…………」
「多分いると思うよ。この部屋に」
「え?」
「そうだろ?神様」
はじめがベランダの窓を見る。海未もそれにつられて窓を見るが、一匹の小さい虫以外何もいない。
「誰もいませんが…………?」
「見てな」ガタッ
「?」
はじめが立ち上がり、窓についてる虫を指で潰そうとするが
バチィン!!とバリアに阻まれる。
「!?」
「ったく。良い加減盗み聞き辞めろこの虫やろう!」
「はじめ………?」
海未がはじめの事を心配して声をかけようとした瞬間。
『まったく、別にそれくらいいいじゃろう?』
「!?」
はじめが潰そうとした小さい虫が急に人の言葉を話して驚く海未。
「いや駄目だわ。お前に法が適用されるならプライバシーの侵害で訴えるレベルまできてるんだわ」
『ケチ臭い男じゃのう……ほっ!』ポンッ
「!?!?」
虫が急にポンッと煙を立ち上がらせ、その瞬間に人になったことにより更に驚く海未。
「まぁ、さっき言ってた神様っていうのがこいつの事だよ」
「は、はじめまして………わ、私は園田海未と申します」
「うむ。何処かの誰かさんと違って礼儀ただしい子じゃのう♪」
「一言多いわこの虫やろう」
「お久しぶりです、お爺さん」
「お久しぶりじゃのう希さんや」
「あれ?前にウチお爺さんに名前教えましたっけ?」
「わしはこう見えてもすごい神様じゃからのう!何でも知っとるぞ~」
「へ~」
「まぁ、この神様のおかげで俺はこの世界にいれるんだけどな」
「つまり………?」
「さっきの話しを繋げると、もう耐えられそうにないって思っていた時にこの神様が現れて、俺の願い、μ'sの皆がいる世界に行ってみたいって願いを叶えてくれたんだ」
「そんなことが出来るのですね………」
「でも、それには限度がある。だろ?神様」
「そうじゃ」
「どうゆうこと?」
「俺は、一年しかこの世界に居られないんだ」
「「え!?」」
二人が驚く。
「ど、どうして………?」
「そういう契約だからじゃ。こやつの母親、佐藤紗綾が願ったのも同じような願いじゃった。この世界のこやつはとっくに死んでおって、母親は何も出来なかったと絶望していたのじゃが、別次元のこやつを来させると聞いたらそりゃもう涙が溢れとったわい。それで了承をもらったからこやつをこの世界にいさせとる。まぁ、この世界に居られるのは一年じゃないかもしれんがな」
「何故です?」
「最終的にはこの世界に残るか、それとも自分の世界に帰るかをこやつ、はじめ自身が決めないといかん」
「………………」
「そういうことやったんや……」
「はじめ自身は……今のところどっちなのですか……?」
「………………」
決められる訳がない。確かに大好きな皆、そして唯一の存在である母親が生きているこの世界に残りたい。けど、それだとこの世界の皆の未来が変わってしまうかもしれない。だからまだ
「まだ、決めることは出来ない」
「そう………ですか………」
「まぁ、わしゃもう去るからの~じゃあのう~」
突如神様がその場から消える。
「「「………………」」」
「でも、俺がこの世界にいられるのも残り半年しかないからな。悔いのないよう、ちゃんと自分で決めるさ」
「そ、そうやんな!まだ半年もあるんやし、ゆっくり決めればええんよ」
「そ、そうですね。はじめが知っている歴史とは違ってしまうかもしれませんが、そこは頑張って乗り越えて出来るだけ変わらないようにしましょう」
「ありがとう、二人とも。でも、このことは絶対に秘密にしてくれ。真実を知っている人は少ない方が良いっていうからな」
「勿論♪(です)」
「よし、じゃあこの後どうする?」
「私は特に何もありませんが………」
「希は?」
「うーん…………」
(………………そうや♪良いこと考えた♪)
「なら……」
「「?」」
「三人でデートでもせえへん?」
「…………え?」
「な………////」
単純に驚くはじめと、赤面する海未であった。
(はじめ君に残された時間もしれたとこやし、今のうち勝負しとかんと♪)
(はじめがこの世界にいられるのも日に日に少なくなってしまっている………なら、このチャンスは逃しません………///!)
二人はそう考えていた。
急いで書いてます