本当になんでも許せる人に向けてのみさはぐ。   作:裕々物語

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展開早いですよね。
書いてて突飛な話が多いなーとか感じてます。
そろそろ雪が降る季節ですね、風邪とか引かないようにお気をつけください。
気をつけた上でご覧下さい。


○○がいないと。

……え?

あたしは耳を疑う。こんなムードの欠片もなく、己の不甲斐なさが招いた不幸を暴露して苦しい告白を承諾されたのか?

 

「はぐみね?今まで、こんなに熱心に求められたこと無かったから……」

 

目の前の同性は少し照れた様子で、涙を拭っていた。

はぐみは落ち着きがないってだけで、可愛い部類だと思う。そんな彼女を放っておくとは思い難いが……。

 

「え、っと、告白されたことは……?」

「何回か、あるけど……」

 

あるんだ!?

放っておかないとか言っておいてビックリしてしまった。何回か、かぁ……。

 

「でもでも、その時のはぐみは勉強でいっぱいいっぱいだったから……」

 

高校時代の彼女は、成績が良かったとは言いづらい。とはいえ、専門学校で頑張ってるということは、勉強も頑張ってるということだろう。

 

「じゃあ、受けてくれるってことで……いいのかな?」

「うん、はぐみはこころんみたいには出来ないけど、みーくんのために、はぐみ頑張るよ!」

 

かくして、あたしらは付き合うことになった。

大学の寮を解約した後、はぐみと同棲することとなった。家賃の事を聞くと「大丈夫!」か「任せて!」としか言われない。必要なら働こうとも思ったが……。

 

「とりあえず今日は寝よっか、みーくんは明日やることあったんだよね?」

「あー……、ごめん。あれさ、泊めてもらうための口実なんだよね……」

「そうだったの!?すっかり信じちゃった!」

「ゔ……ごめんって……」

 

騙してたことを謝る。しかしはぐみは、何やら嬉しそうに「気にしてないよ」と言う。何故そんな顔してるのか聞いても、やはり教えて貰えなかった。

 

ひとまず今日は寝よう。

寝床は十畳部屋、はぐみが一人で使うには大きすぎるクイーンベッドを二人で使うことになった。

 

「はぐみ、思ったんだけどさ」

「なに?みーくん」

「いくらなんでも広すぎない?ここにはぐみ一人で寝てるの?」

「そうだよ?」

 

何か不自然なことでもあるのか、とでも言いたげな目をこちらに向けてくる。いやないです。広すぎではないかと思っただけで。

 

「こうしてると、お泊まり会思い出すね!」

「あー、言われてみれば……」

 

ハロハピメンバーでのお泊まり会、楽しかったな……。こころともこうやって寝たっけ、暖かくて、落ち着くあの瞬間。でもこころはいないんだ、そう思って対面している彼女を見やる。

感傷にふける中、はぐみは身を寄せてくる。

……こころも、こうして寄ってきたっけ。代わりはいない、わかってはいるが救いを求めてしまう。

彼女は手を伸ばしてくる。

 

「今日は一段と寒いから、近くで寝よっ!」

「ッ……!?」

 

バシッ。

 

……はぐみが、困惑している顔でこちらを見ている。手をおさえていることから、はぐみの手をはたいたのだろう。

 

「み、みーくん……?」

 

またやってしまった、他の人にもやったことを。こころと重ねてしまって、それでも違くて。あたしの本命はこころ、それには変わりなくって。

 

「あ……、ごめ、そんなつもりじゃ……!」

 

そんなつもりじゃない。どんなつもりだ?付き合うことになった彼女を、前の彼女を忘れられないあまりに手を上げる。それのどこが「そんなつもりじゃ」だ。

 

「う、うぅん、やっぱりこころんと寝たかった……?」

「……いないんじゃあ、何も言えないし。ほら、さっさと寝るよ」

 

有無を言わさず、自分の方へと彼女の腕を引っ張る。彼女はすっぽりと腕の中に収まり、抱き枕にする形で寝ることとなった。

 

……

…………

 

……カチ、コチ、カチ。

 

眠れない。色んなことがあって疲れたし寝られるだろう、と思っていたが眠れない。かたや、腕の中の彼女は、寝息を静かに立てながら気持ちよさそうに寝ている。

……起こすわけにもいかないよなぁ。かといって寝られないんじゃあどうしようもない。

 

ふと、かつての彼女を思い出す。

 

太陽の光をたっぷり吸ったような金の髪。

 

この世にある宝石全てを凌駕する双眸。

 

どんな芸術家にも再現できないであろう輪郭。

 

細く滑らかな曲線を描く四肢。

 

どれを取っても美の最高傑作と言わざるを得ない、弦巻こころ。それ以上に何を付け足せば良いだろうか。

 

……笑顔だった。彼女の笑顔は、人を笑顔にできる力があった。彼女の笑顔は、人の笑顔が源だった。

 

そんな笑顔を、あたしは途切れさせてしまった。たった一言で、あたしに向けられていた笑顔は潰えたのだ。

 

バカバカしくなってきた。届きやしないんだ。おとぎ話はあの頃で終わってよかった。

そうやって自分を騙して、眠りについた。

 

「美咲!一緒に帰りましょう?」

「は……?」

 

えーと……?

見たことがある景色、聞いたことのある声、思い当たりのあるシチュエーション。

 

「あら?卒業式はもう終わったわよ?何を見ているのかしら」

「え?あ、ごめん、今行く……!」

「ふふ、慌てなくてもいいのよ?」

 

目の前にいる金髪の少女は、後ろ姿で顔が見えない。それでも、その声色は楽しげなものだった。

 

「慌てなくていいの」

 

……やめて。

 

「これからも一緒なのよ?」

 

……やめてくれ。

 

「あたしはどこにも行かないわ」

 

あの時言った言葉を、後悔させないでくれ。

 

「それとも、美咲は……」

 

やめて、これ以上は―――ッ!

 

「美咲は、疲れちゃったのかしら?」




話数を重ねるうちに文字数増えてってますよね。
10話とかになったらどうなるんでしょうか。
痛々しい描写で1万文字とか行くんですかね?
書いてみたいなぁ。
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