「はぁ。ようやくついたー」
疲れきった、ため息混じりの声で善逸が述べた。
そう。ようやくというべきか今頃と言うべきか、とうとう吉原に到着したのだ。
「ほほー。
「そうですなあ。テ、ワシらの国には無い物も沢山ありますのう」
そう言いながら周りの店の商品を眺めていた。
ヴェルドラは言うにもれず、行くまではかなりうなだれていたハクロウも、いざ来てみればかなりテンションが上がっているようだ。
ヴェルドラ達の言うとうりこの吉原はかなりの賑わいを見せていた。
それに、これまで山道や田舎道ばかり見ていたため、尚更華やかに見えるのだ。
「まあまあ。ヴェルドラさんもハクロウさんも落ち着いてください。もうじき夕暮れ。早く寝泊り出来る所を見つけましょう」
それをみかねたのか炭治郎が困ったような顔をして言った。
今はもう夕方。
早く宿屋につかなくてはこんな花街で野宿することになってしまう。
自分ならまだしも善逸やヴェルドラさん方は嫌がるだろうと考えての発言だった。
「確かにそうじゃのう。はしゃぐのも控えめにしなければなりませぬのう」
「むう。ようやくついたというのに・・・」
それに対してハクロウは素直に、ヴェルドラは渋々といった様子で応えた。
ヴェルドラの場合はだら~ん、と腕を落とし、顔をしかめ、いかにも気分がそがれたというのを体全身で表現している。
それを横目で確認しながら炭治郎が
「じゃあ俺がどこか泊まれる宿を探してくるんで、ここで待っていてください。何か困った事があったら善逸に聞いてください。頼んだぞ、善逸」
「分かったよ。炭治郎」
善逸がこの言葉を言い終える頃には炭治郎はもう見えなくなっていた。
「さて、それはそうと、いい加減しゃべれよ。伊之助」
「・・・」
伊之助のその沈黙からは不機嫌さが痛いほど伝わってきた。
なぜかというと
「そんなに怒るなよ~。その顔でその格好すると、似合ってるよ。伊之助」
「うるせぇ!こんな動きにきい格好させやっがて‼」
そう今の伊之助は猪の頭をとって女性の着るような服を羽織っているのだ。
「ほっほっほ。ワシもお主の顔を見たときは驚いたものよ」
「まったくだ。遠回りした価値もあったというものよ。クアーハッハッハ」
実はこの街に入る前に街を出ていく者たちが伊之助やヴェルドラの格好をとても怪しんでいたため急きょ近くにあった藤の花の家紋の家に服を借りる為に立ち寄った。
ヴェルドラの物は問題なかったのだが、そこにあった服で伊之助の体にあう大きさの物が女物しかなかった為それを無理やり着せられたのだ。
その為機嫌を悪くして先ほどまで声を発していなかったのだ。
そんな話題でヴェルドラ達が盛り上がっている時に炭治郎はといえば・・・
「なかなか見つからないな~宿屋。というよりもここどこだろう・・・」
と首をかしげて迷子になっていた。
「誰かに聞くしかないけど・・・」
人は多くいるのだが皆忙しそうにせかせかと動いており話しかけにくいのだ
そこで辺りを見回した時に一人の女の子が目に付いた。
「お~い!そこの女の子!一つ聞きたいことが」
そこまで行った時にその女の子が振り向いてその顔が見えた。
その人物は・・・
「・・・って、えッ⁉アッアオイさん⁉」