テンペストの鬼殺業   作:とあるスライム好き

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ここから少し鬼滅陣営の話が続きます。
追記 リメイク版を投稿しました。是非ご閲覧ください。


第十八話 潜入

 「・・・分かりました。ですがワシらが動くのはそやつが人間に危害を加えたら、ですぞ。それまでは大人しくしてくださいますようお願い申し上げますじゃ」

 

 リムル様ならば確かに・・・と思ったハクロウはこうして、仕方なくではあるが戦闘を認めたのだった。

 

 

 「なあ炭治郎」

 

 宇髄天元との待ち合わせの場所へ走っていく途中で人混みをかき分けながら善逸が炭治郎へと問い掛ける。

 

 「ん?どうした、善逸?」

 

 「どうした?じゃないよ!ハクロウさん達、あの人達絶対怪しいでしょ!」

 

 善逸が訴えるが炭治郎はきょとんとしたものだ。

 

 「怪しいって何が?」

 

 「何がって・・・俺たちの体を見てみろよ!さっきまでは言わなかったけどさ、傷を一瞬で治す薬なんて常識的に考えておかしいだろ!普通に考えて!」

 

 この善逸の意見はごもっともなものである。本来ならばこんな事有り得ないのだ。・・・だが、今回に限っては違う。

 

 「善逸・・・それはそうだけどさ、でもどれだけ考えても俺達の傷は治ってる。怪しいって言っても具体的に何が怪しいんだよ?この事実は変わらないんだぞ?あの薬のことだって海外で造られた新薬だって言ってたじゃないか。そうじゃなかったらおとぎ話の中から来たとでも言うのか?それにハクロウさん達も海外の商人だって話だし」

 

 「うっ・・・それはそうなんだけどさあ」

 

 以外にも真面目に正論を返されて言葉を詰まらす善逸。

 

 「それに、善逸だって楽しかったんだろ?さっき俺が帰ってきたときハクロウさん達と話してたじゃないか。楽しんでる匂いがしてたぞ。深く悩み過ぎない方がいいぞ、善逸」

 

 笑顔を浮かべながら炭治郎が告げる。

 

 「ああもう、確かに俺は結構楽しかったけどさ!・・・でもハクロウさん達はどうだかわからないよ・・・」

 

 「・・・?どういう事?善逸」

 

・・・

 

「・・・分かった。それが本当かどうか俺も、もし今度ハクロウさん達に会ったら確かめてみるよ。だけどそもそもの話、またハクロウさん達に会うかわからないからな。その時までこの事は誰にも話さないでくれ。間違いだった時にハクロウさん達に迷惑がかかる」

 

先程までの元気がなくなった代わりに緊張感のある声で炭治郎が善逸に告げる。

 

「分かったよ、炭治郎」

 

 

 俺の名は宇髄天元、元忍であり現「音柱」だ。

 俺が今いるのは遊郭・吉原のある裏通り。

 鬼の調査のためこの街に潜入していた、俺の嫁、まきを、須磨、雛鶴の三人が同時期に定期連絡をたった。

 そのため捜索、及び救出をしようと、しのぶの所から一人持ってきたんだが、気が弱くてしょうがねぇ。

 そんな感じだったから頭突き頭(炭治郎)のやつから「俺が代わりにやる!」とかいう事を言われた時は都合がいいと思ったんだが・・・

 

 「アンタみたいに道化師みたいなおかしな見た目の奴がモテる訳ないでしょう‼」

 

 「訳あるわ‼俺には三人、嫁がいる!そしてこの化粧は道化師じゃねえ!」

 

 ダメだ。

 今俺はこの任務の詳しい内容を教えているんだが、頭突き頭は兎も角、金髪野郎が文句しか言わねえ。

 

 「ウソだ!現実が悲惨過ぎて妄想と現実の境がわかんなくなったんでしょ!」

 

 ドスッと金髪の鳩尾に俺の拳が引き寄せられるように強烈な一発が入った

 

 「オヴェッ」

 

 ざまあみろ。だが、心の広い俺はこれでチャラにしてやろう。

 ああ。俺はなんて優しいんだ。

 

 「他になんかあるか?」

 

 「嫁等もう食われたんじゃね?」

 

 今度は女みてえなやつ(伊之助)に俺の拳が入った。

 

 「食われちゃいねえし必ず助け出す。分かったか!」

 

 そこまで宣言して俺は小僧共を引き連れて呉服店に向かった。

 

 

 

 「お前らにはさっき言ったように店に潜入調査をしてもらう。だが!その格好じゃ男だって事が一瞬でばれる。だからお前らには変装をしてもらう!嘴平。てめえはその格好のままでいい。竃門、我妻お前らは俺と一緒に来い。バッチリ変装させてやるぜ!」

 

 キメ顔をしながらそう言って俺は竃門と我妻を引っ張って店の奥へと入っていった。

 

 

 善逸達が出てきたのは店に入って数十分程たったあとだった。

 その中で善逸は目立っていた。

 何故ならば、目は半開きで青筋が顔に出ており吐く息は重たく、いかにも不機嫌と言う感情が言わずとも知れたからだ。

 そんな善逸達の格好はというと

 

 「グワハハハ!お前らなんだその格好⁉顔真っ白じゃねーか!ほっぺたにも赤丸も出来てるしよ~」

 

 伊之助が言った様に彼らの顔には驚くほど下っ手くそな化粧がされていた。

 

 「善逸。そんなに不機嫌になるなよ。さっきの伊之助みたいだぞ」

 

 「そっくりかどうかは知らねえが、女装させたのがそんなに気に入らなかったのか?」

 

 そんな善逸を見て炭治郎と天元が声をかけたが

 

 (チッ、んなこたーど~でもいいんじゃい。俺が気に入らなかったのは、てめえのその顔だよ。素の顔は普通にイケてんじゃねーか。なんだってあんなふざけた格好してんだよ!当てつけか⁉俺に対しての当てつけなのか⁉)

 

 と心の中で宇髄に文句を言っただけで善逸が返事をする事はなかった。

 すると天元がこの何とも言えない空気をやぶるかのように

 

 「よし、じゃあ今からお前らの潜入する店に連れていくが、へますんじゃねーぞ」

 

 そういって最初に伊之助を荻本屋、次に炭治郎をときと屋、最後に善逸を京極屋に受け渡していった。

 




この話は三月十二日に大幅に改変しました。他の話でおかしいところがあるかもしれませんが許して下さい・・・。申し訳ない・・・。

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