テンペストの鬼殺業   作:とあるスライム好き

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追記 リメイク版を投稿しました。是非ご閲覧ください。


第二十話 ヴェルドラ達は

所変わってヴェルドラ方面

 

この宿屋では朝から普段では有り得ない程騒がしかった。

理由はもちろんヴェルドラだ。

 

「この料理も我らの国(テンペスト)では見たことないな!もっともっと持って来い!」

 

「ヴェッヴェルドラ様!ほどほどにしてください!支払いがあるんですよ!」

 

この宿に炭治郎が来た時、あらかじめ代金を支払っていたのだがヴェルドラが朝食を次々に要求して追加料金が必要になってしまったのだ。

しかしながらテンペストの住人である二人がこの世界の通貨を持っているわけもなくハクロウとしてはどうしたらよいか頭を抱えて悩んでいるのだ。

だが、解決策がないわけでもなかった。

先程廊下にハクロウがでた時にこの世界の通貨を見たためそれを基にヴェルドラに『物質創造』で金を造ってもらうことだ。

つまりは『偽通貨』ということだ。

ハクロウとてそんな事はしたくないが致し方無い。

 

 

しばらくたった後ようやくヴェルドラの食事が終わった。

もっともヴェルドラが満足したわけではなく、この店の食料が尽きたからなのだが・・・

 

「ふむ。もっと食したかったのだが・・・」

 

「そんな事言わないでください、ヴェルドラ様。ところで支払いの話なのですが・・・」

 

「うむ!わかっておる!」

 

そこまで言うとヴェルドラはドタドタと受付の方に歩いて行った。

そして少したってヴェルドラが戻ってきた。

 

「ヴェルドラ様。何をしに行ったのですかな?」

 

戻ってきたヴェルドラに対してハクロウが聞いた。

 

「何をって支払いをしてきたに決まっておろうが」

 

「なッ⁉」

 

ヴェルドラの言葉が意外過ぎてハクロウから驚きの声がもれた。

 

「一体どうやって?この世界の通貨を持ってたのですかな?」

 

首をかしげて聞くハクロウにヴェルドラはフフンッと鼻をならして自慢げに

 

「そんな訳があるまい。魔鋼を代わりに渡したのだ。見た目は美しい宝石だからな。おかげで全て払うことができたし、更には多額の釣銭もゲットしたぞ。まあ、この我の魔素をふんだんに吸収しておる最高級の魔鋼故、当然のことだがな!クアーハッハッハ」

 

そう返事をした。

そのヴェルドラの言葉にハクロウは驚愕した。

悪い意味で、だが。

 

「ちょちょちょちょちょっとお待ちください⁉」

 

「なんだ、ハクロウ?我の素晴らしすぎる案に感動でもしたのか?」

 

ヴェルドラが自慢げに言うがハクロウからすればとんでもない事である。

なにせ

 

「何をおっしゃいます⁉こちらの世界に我々の世界の物を持ち込んでしまって良かったんですか!」

 

リムルならばこの世界にテンペストの物質、つまりは異世界の物質がながれるのは避けたいはずだ。

そう考えてのハクロウの発言にヴェルドラは

 

「あ・・・」

 

と言う、何とも情けない、またヴェルドラらしい声で返した。

 

 

 

 

 

 

 

 


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