やはり俺の実力至上の青春ラブコメはまちがっていない。 作:ゆっくりblue1
島に到着した俺達は、携帯などの電子機器を預けさせられて船から降りる。大半の生徒が旅行気分で浮かれていて騒がしい。まぁ、先生からは島でペンションに泊まってバカンスをすると知らされていたので無理もないんだがな。
しかし、先生の不可解な動きに疑問を浮かべることになるのは先生達がパソコンや先生用と思われるテントなどといったバカンスのイメージとは掛け離れる物を設置し始めてからだ。そんな様子に生徒達に動揺が走り始める。しかし、そんなことにはお構い無しといった様子で真島先生が生徒達の前に立った。
「静かにしろ。中には先生達の動きや島の様子で気付いた生徒もいるだろうが、大半の生徒は不可解に思っただろう。今から君達の疑問を解消する。これより、今回本年度最初に行われる特別試験について説明するのでよく聞くように」
その先生の言葉に更なる動揺を生徒達が見せる。そんな中でも先生は気にした様子はなく、そのまま説明を続ける。
「今から君達にはこの無人島で1週間過ごしてもらう。本試験は8月7日の正午を持って終了する。尚、この試験では君達主体で動いてもらう為、私達教師は試験に関して以外は一切関与しない。そしてこの試験は実際にある企業の研修として存在すると予め言っておく。今から試験内容について説明する」
「ちょっと待ってください。無人島で1週間寝泊まりするってことですか?」
「そうだ。寝泊まりに必要な食糧や飲料水など全て自分達で用意してもらう。もちろん、寝泊まりする場所もだ。尚、試験中に乗船するのは基本、正当な理由で無い限り認められない。試験開始時点で、各クラスにテント2つ、懐中電灯2つ、マッチを一箱支給する。また、歯ブラシに関しては各生徒に1セットずつ、日焼け止め、女子生徒のみ生理用品は無制限で支給する。各クラスの担任に願い出るように。以上だ」
正当な理由ねえ・・・・・体調不良とかなら戻れるんだな。仮病で休めるって覚えとこう。女子への若干の優遇措置は納得出来るが、それにしても余りに物資が中途半端だな。特に衛生面がやばい。これだけでは流石に厳し過ぎる。ってことは・・・・
「ちょっと待つし!そんな無人島で1週間過ごすなんて急に言われても無茶だし!」
説明を遮って、1部の生徒が叫び喚くが真島先生は冷たい様子で言い放った。
「ほう、無茶とは言うが何故、無茶と思う?君はそんな状況に陥ったことが無いだけなのに何故無茶と分かる?君はそんな濃い人生を歩んできたのか」
先生の言葉に口を閉じる。すると今度は違う生徒が言った。
「しかし先生、今は夏休みですし、この行事の名目は旅行のはずです。企業研修なら、こんな騙し討ちのような真似はしないと思いますが」
その生徒の言葉に納得したのか、先生は普通に答える。
「なるほど、確かにそういう点では不満が出るのも納得できる。だが特別試験と言っても深く考えなくていい。この1週間、君らは何をしようと自由だ。海で泳いだり、バーベキューをしたり。キャンプファイヤーで友と語り合うのもいいだろう。この試験のテーマは『自由』だ」
自由・・・何をしてもいいのか。生徒達は混乱する。それはそうだろうな、試験なのに自由って言われたんだから。
「この無人島における特別試験では、まず、試験専用のポイントを全クラスに300ポイント支給する。これを上手く使うことで、君らはこの試験を乗り切ることが可能だ。今から配布するマニュアルにはポイントで購入できるものが載っている。食料や水のみならず、無数の遊び道具なども取り揃えている」
それで必要物資とか、娯楽器具とかを揃えるのね。喧嘩になりそうだなぁ、黙って買い物しそうで。しかも300ptって単位はcptの単位だろうなぁ。ってことはどう考えても・・・
「つまりその300ポイントで欲しいものがなんでも買えるってことですか?」
「そうだ」
「で、でも試験っていうくらいだから、何か難しいのがあるんじゃ……」
「いや。2学期以降への悪影響は何もない。それは保障しよう」
悪影響がないと言うってことは逆に良い影響があるって事だろうな。で、大方の予想が俺の中で付いた中、真島先生は言った。
「この特別試験終了時には、各クラスに残ったポイントをそのままクラスポイントに加算し、夏休み明け以降に反映する」
真嶋先生の言葉が風と共にビーチを吹き抜けて砂埃が舞い上がった。また面倒な事になりそうだな・・・・・
俺は内心で思いっ切り溜め息を吐いた。
そして此処からは各担任の元で説明や質問を受け付けているので俺達Bクラスは星之宮先生の元に集合していた。
「真島先生からある程度、説明されたから此処からは配布物やクラスに関係する重要なことを説明するわね。まず1つ目、この腕時計を着けてもらうわ。この時計は心拍数や血圧の測定に計温機能が付いていて防水機能もある優れものだから。貴方達の位置情報はGPS機能でこっちが確認していて、もしもの緊急事態のときはそこに付いてるボタンを押してね?壊れたり失くしても先生に言ってくれればまた替えの物を配布するから安心してね」
使うような状況にならない事を祈ろう。使ったら他クラスに情報を与えることになるし、どんなペナルティーがあるか分からんからな。
「2つ目、貴方達の中でリーダーを決めてもらうわ。此処の島にはいくつかの特定の場所に『スポット』となる場所があって、そこを占領すれば1日に1pt増えるから。でも、占有権は8時間までだから必ず更新してね。そして1日に2回、スポットで午前と午後の8時に点呼を行うわ。1人でも揃っていなかった場合、支給した300ptから1人当たり5pt差し引く事になるから注意してね。そして体調不良などの理由で船に戻る場合は30pt差し引かれる。この場に参加出来なかった生徒も例外ではないから、Aクラスは270ptからスタートとなるわ」
そしてリーダー専用のキーカードを渡される。そして先生は続ける。
「3つ目は追加ルールで他クラスで決まったリーダーを1週間の最後で当てる時間があるんだけどその時にリーダーを当てれば、ボーナスで50pt獲得出来て他クラスのptを50ptとスポットで占有して生じたptから引かれる事になるから余裕が有れば頑張ってみてね。でも、それはこっちも同じだからくれぐれもリーダーを決めるときは注意してね」
あぁ、これは完全にクラス対抗だな。誰をリーダーに決めるのが重要になってくるな。そしてマニュアルが配布されるので俺は
・他クラスの生徒への暴力行為が発覚した場合は、失格とし、スポットのptや他クラスのリーダーを当てて生じたpt分を全て没収とする。更に暴力行為をした生徒は学校側の判断で罰を与えるものとする。
・大きく体調を崩したり、大怪我をしたりして続行不可能と判断された場合はマイナス30ポイントとなり、その者はリタイアとなる。
・環境を汚染する行為を発見したら、マイナス20ポイント。
・午前午後8時の1日2回ある点呼に遅れた場合、1人につきマイナス5ポイント。
・スポットを占有するためには専用のキーカードが必要である。
・一度の占有につき1ポイントを得る。占有したスポットは自由に使用できる
・他クラスが占有しているスポットを許可なく使用した場合、50ポイントのペナルティを受ける。
・キーカードの使用権はリーダーのみ
・正当な理由なくリーダーを変更することはできない。
説明と同じようなことが書いてあった。必要物資はキャンプの経験者がいないと分からないものもある。そして粗方確認を終えたのを見計らって帆波が先生に聞いた。
「そう言えばお手洗いはどうすれば良いんですか?」
「それについても説明するわ。トイレはこの災害時用の折りたたみ式のトイレが支給されるわ。用をたす時に臭いが気になる人対しては特別にビニール袋は何枚でも支給するから」
先生の話を聞いてクラスに動揺が走る。特に女子は青ざめてしまっている。流石に抵抗はあるよなぁ。俺も遠慮したいし。
「む、無理だよ私!絶対に嫌!」
「落ち着いて千尋ちゃん。他に方法を考えるから」
若干パニックになりかけたクラスを沈静化させる帆波。流石が委員長ポジションだな。俺はトイレの消費ptを確認する。30pt・・・これまた微妙な。
「取り敢えず皆、スポットを先に見つけよう。衛生面の問題や他の事はスポットを探した後に皆で話し合おう」
帆波の言葉に頷く。そして移動を開始するが、ふと、周りを見渡すとDクラスだけがまだ揉み合っていた。
「絶対無理だし!私はこんなトイレなんて御免だから!」
「このくらい我慢しろって由比ヶ浜!トイレにpt使わなかったらptが浮くんだから」
由比ヶ浜を含める何人かの女子と池?だったか、を含める男子がトイレの事で揉み合っていた。雪ノ下は関わっていないみたいだが。おいおい、他のクラスはもう移動してんぞ?
俺は呆れながら移動するクラスメイトの後を追っていく。そして拠点となるスポットを見つけたので帆波は話し合いに入る。
「取り敢えず、先にトイレ問題を解決しようか。まず、トイレにptを使いたくないって人はどのくらいいるかな?」
帆波が聞く。しかし、流石に折りたたみのトイレを皆は使いたくないのか手を挙げる奴はいない。それを確認すると帆波は言った。
「じゃあ、男子用と女子用で2つ購入するのが私の考えなんだけど反対意見はあるかな?」
そしてこれにも反対意見は上がらず、帆波の意見が通ることとなった。帆波を皆は信頼し切っていてスムーズに話が進む。まぁそれが帆波の美徳でもあるのだが。まぁ、これくらいは必要経費と割り切った方が賢明だろう。ここで仲間割れは面倒だからな。そして次の議題に移る。
「じゃあ次に役割を決めていきたいんだけど・・・・」
すると神崎が意見があるようなので神崎が話し始める。
「大きく分けて3つで何人かのグループで纏まって行動するのが良いと思う。主に食糧調達班とスポット探索班と此処の見張り番という感じだがどう思う?」
「良いんじゃないか?」
「それが妥当かと思います」
クラスメイトも納得したようで賛成する。そして役割は食糧調達班は運動神経が良い奴が中心的に組んで日替わりで交代、スポット探索班は帆波や神崎といったクラスの中心人物が探索して、その他は見張りになる。俺はスポット探索班に入った。有栖の依頼があるからリーダーを探らないといけないしな。無かったら見張り班に入っていたと思う。
大方、方針も決まったところで最後、リーダーの役割を決める。
「じゃあリーダーについてなんだけど・・・・やりたい人、いる?」
誰も手を挙げない。まあ、責任重大だからな。こんなこと余りやりたくないに決まってるか。最終的に網倉という女子がやる事になった。俺はここで意見を話す。
「あー、ちょっと良いか?」
俺が言うと、聞く体勢を見せるクラスメイト。あれ、ここまですんなり受け入れてくれるとは思わんかった。
「どうしたの?八幡君」
「スポットを更新する時に正午を過ぎてからにした方がいいと思ってな。それと更新する時も男女混合で何人かを連れてジャージで顔を隠して、男子は詰め物で女子に変装、女子は細身の奴を男子っぽく変装させてリーダーが分からない様にする。もしも力ずくで来られてもこれなら大丈夫だからな。キーカードもスポットに登録する時以外は他の奴が持っておいた方が良い」
暴力行為の対策としてはこれで大丈夫だろう。俺の意見に納得してくれたのか、関心した様な眼差しを受ける。その視線がむず痒いので俺はそっぽを向いて、頰をかく。
「八幡君の言う通りのことを実行するけど良いかな?皆」
そう全員が賛成してくれた。その後はキャンプ経験者がクラスにいたようで、その意見を元に工夫して過ごしやすくなった。幸い水が近くにあって上流を流れていた為、水質は綺麗だった。更に早い内から食糧調達をしたのでptが浮く。今消費しているptはトイレ2つにウォーターシャワーが男女兼用に1つ、更にテントが追加で2つだから。
トイレ×2・・・60pt、ウォーターシャワー×1・・・15pt、テント×2・・・40pt。300−115=185ptが暫定である。後もう少しだけptを使う可能性が高い為、なんとも言えないが。
その後、俺はテントの設置を手伝い、休憩を貰ったので各クラスのcptを整理していた。
Aクラスは1004cpt、俺達Bクラスは810cpt、Cクラスは552cpt、Dクラスは87cptで、中間試験後の数字だ。AクラスとBクラスの差はそこまでないのでこの試験でAクラスに昇格する可能性はある。まあ、逃げ切れる可能性は極めて低いが。有栖に勝てる生徒はそうはいない。帆波には悪いが勝てる確率は2割もない。龍園なら4割近くだろう。
さてと、動くなら明日からだな。そう思い、俺達の無人島生活の初日は過ぎていった。
そうして無人島生活の最初の朝を迎えた俺は、無事に点呼を終えると、帆波に話し掛けた。
「なぁ、帆波。スポットを1人で探してきても良いか?」
「駄目、って言いたいけど、八幡君は1人で行動した方が良いと思ってるから・・・・」
単独行動は危険だと思いながらも俺の活かし方を考慮すると悩むらしい。ぶっちゃけここからは俺も単独行動したい。その方が依頼もこなしやすい。帆波はしばらく考え込んだ後、意を決して言った。
「・・・良いよ」
「・・・ありがとな「ただし・・・」?」
「4時までには戻ってくること、そして怪我をするような危険な事は絶対にしないことっ。この2つを守ってね?」
2本の指を立てて、俺に言ってくる帆波。俺はそんな帆波に苦笑しながら言った。
「分かった分かった。お前は俺の母ちゃんかよ・・・」
「心配だなぁ・・・八幡君、何かと事件に巻き込まれやすいから」
俺は鞄から取り出したボールペンでマニュアルに載っている島の地図を細かくメモ帳に書き写して、そのメモ用紙を折ってポケットに入れた。そして、俺がスポットの敷地内から出ようとした時。
「行ってらっしゃい八幡君」
その言葉は小町に言われて以来何ヵ月ぶりだろうか、不思議と胸が暖かくなった。後ろを向くと帆波が微笑んでいた。俺もそんな帆波の様子につられて言った。
「・・・行ってくる」
そうして俺はスポット探索に出掛けた。
俺は森が生い茂る中を迷うことなく進む。何故迷うことなく進められるのか、俺が目指しているのは船が旋回した時に記憶していた洞窟だ。洞窟は幾つかあって俺が向かっているのは1番大きな洞窟だ。そこにスポットがある可能性は高いと睨んでいる。そこを張り込めば他クラスのリーダーが通るのでリーダーを絞れる。
そしてスポットがあるであろう洞窟を発見する。そして森の中で俺の18番『ステルスヒッキー』で息と気配を潜めて張り込みを開始する。そしてその20分後に人影が現れた。
「おい、此処にもスポットがあるぞ!」
現れたのは戸塚率いるAクラスの奴らだった。Aクラスもカモフラージュの為に何人か連れて行動している。此奴等は3人で行動しているようだ。しかし今回のリーダーであろう葛城は見当たらない。Aクラスを纏めるのに時間がかかってんのか?
「おい、あんまり大きい声で叫ぶな。聞かれてたらどうするんだ。そんなんだから坂柳派に揚げ足を取られんだよ。俺達は見張っとくからさっさと行ってこい」
Aクラスの葛城派の2人は左右を見張って、洞窟の中に入っていったのはーーーーー戸塚弥彦だった。・・・・此奴等は阿保なのか?全員で中に入って隠しながら更新すれば1/3の確率で分からなかったのに。キーカードの使用権は本人のみなのでこれは確定だな。
ともあれリーダーは戸塚弥彦だ。後は此奴等が此処を去るまでじっとしておこう。それにしても呆気ないな。此奴が仮病を使って
そうして葛城派の3人が去って5分経った後に動き出す。割と早めの終了だったので、これからどうしようか考える。適当に散策しながら今度はCクラスのとこに行ってみるか。
そう思い、俺は欠伸をしながらCクラスが拠点としているスポットに向かった。
そうして暫く、歩いているとCクラスの拠点スポットのビーチに着いた。そこで目にした光景に俺は驚く。
「おいおい、遊具ばっかりじゃねえか」
そこにあったのはビーチチェアにパラソル、水上スキーにBBQセットといった娯楽のアイテムが揃っていた。すると俺は声をかけられた。
「おいおい、誰かと思ったら比企谷じゃねえか。ククッ、クラスの居場所がなくなったのか?」
歩いてきたのは龍園だった。俺も笑いながら言い返す。
「散歩に決まってるだろうが。で、お前はバカンス満喫して仮病を使って船に戻る気か?」
その俺の言葉を聞いて更に愉快そうにしながら言った。
「クハハハハ!流石だな比企谷!見ただけで分かるとはな」
クラスメイトを顎で使うような奴がこんな試験を協力して乗り切るわけがない。ちらっと視線を移せば楽しそうに騒ぐCクラスの生徒。
「ゆっくりして行くといいぜ。お前がクラスのリーダーを教えるならpptも付けて待遇を良くしてやるが、どうだ?」
「それは無理だ。だけどAクラスのリーダーなら教えてやれる。ptかけてもいいぞ」
「へえ、誰なんだよ?」
面白そうな表情で聞いてくる龍園。有栖の依頼を遂行する為に手は打っておかないとな。そして俺はそのリーダーの名前を言った。
「戸塚弥彦だ」
「・・・ハハッ!良いぜ、のってやるよ。20万ptでどうだ?」
「違ったらこっちが20万送る。それで良いか?」
「ああ」
契約を結んだ俺はCクラスのスポットを去る。長居は余りしない方がいいだろうからな。そして少し歩くと声をかけられた。声をかけてきたのは暴力事件の時にいた。近藤という奴だった。
「少し良いか?」
「何か用か?」
近藤は少し悩むような苦しそうな表情で言った。どうしたんだ此奴?
「お前を椎名さんが呼んでるって、何か2人きりで話したいって言ってたぞ。そっちの森の方に行ったから、一応伝えてくれって伝言を頼まれた」
なんか違和感があるが、ひよりが俺と入れ違った可能性もあるので、分かった。と伝えてその森の奥に行った。
暫く歩くが一向にひよりの姿は見えない為、引き返そうとしたその時、後頭部に鈍器で殴られたような痛みと衝撃が走る。
「ガッ・・・!?」
何だ!?一体何が起こった!?状況を冷静に整理しようにも痛みの所為で全く脳が働かず、意識が暗くなっていく。身体が倒れて沈みかけた意識の中、最後に見えたのはーーーーーーーーー
ーーーーー石を振り落とした体勢の葉山隼人の姿だった。
ーーーー近藤をつるのは簡単だった。レストランで恥をかかされた俺は、比企谷にどう復讐するか考えていた。そんな時に始まった特別試験を利用してやることに決めた。
しかし、俺が直接話しかければ怪しまれるので俺はクラスメイトを利用することを思い付いた。近藤に10万ptを払って誘き寄せろと頼んだ。
近藤もレストランにいて、女子に囲まれる姿を見ていたので妬ましかったらしい。2つ返事で協力してくれた。そしてまんまと引っかかってくれた比企谷を石で後ろから殴って気絶させる。そして死んでいないか脈を確認する。・・・・生きてるみたいだな。
念のため腕時計も破壊しておくか。そしてキーカードを持ってないかの確認をする為、服を漁る。此奴がリーダーだったら俺の手柄になる。そして龍園に代わってCクラスの支配者になれる。しかし、キーカードは入っておらず、入っていたのはメモ用紙1枚だけだった。俺は舌打ちしてメモ用紙を破く。
「まぁ、いいだろう。復讐は出来た。それとお前と一緒にいる坂柳さんや一之瀬さん、椎名さんを俺の物にしてやるよ。その時のお前の顔が楽しみだよ」
そして比企谷を此処とは少し離れた場所に運ぶ。
「精々頑張って生き延びるんだな。比企谷」
そうして葉山は森の奥に消えていった。
だが、葉山隼人が自分で破滅の道に進んでいるとは知らない。その行動を見た人物を見逃していた為に。
「こんな場面を目撃するとはね・・・・坂柳に何て言えば良いのよ」
そう言って、その人物は倒れている八幡の元に行ったのであった。