やはり俺の実力至上の青春ラブコメはまちがっていない。   作:ゆっくりblue1

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たくさんの応援コメントありがとうございます!モチベーションがめっちゃ上がりました。今回は特別試験の始まりです。今回もお楽しみ頂けたら幸いです。


無駄な時間は早めに終わらせるにかぎる。

結局あの後も優待者の法則を見抜こうとしても、行き詰まってしまった俺はそのまま1日を終える事となった。そして試験1日目の午前7時前。俺は部屋の中で静かに1度リセットした頭で法則を見抜こうとしていた。

 

 

「・・・・・ん、神崎?」

 

 

法則について考えていると、スマホが振動した。メールではなくて電話のようだ。こんな時間に掛けてくるとは珍しい。ていうか初めてだった。俺は周りを起こさないように注意して部屋を出て、電話に出る。

 

 

「もしもし、こんな時間にどうした?」

 

 

『寝てたところだったらすまないが、その様子だと早起きだったようだな。・・・・比企谷は優待者の法則は分かったか?』

 

 

どうやら神崎も見抜きに掛かっているが、口振りから行き詰まっている事が分かった。俺は現状の法則の推察について神崎に周りに聞かれていないか注意しながら伝える。すると神崎も同じところで行き詰まったらしく、著しくないようだ。

 

 

「分かってる事と言えば、クラス全体の関係を無視すること、名前順の表記、干支の何らかの関係性だな」

 

 

『・・・・確実性を追い求めるなら、グループディスカッションの時に相手の様子から見抜くのが正攻法だが・・・メンバーがアレだから簡単にはいかないだろうな。優待者の法則が当てはめて解けるなら良いんだがな』

 

 

神崎のグループは簡単にはぼろは出さないメンバーが多いからな。選ばれる奴次第だが、有栖や龍園はポーカーフェイスが上手いだろうから話し合いで見抜くのはキツイだろう。・・・・ん?神崎は当てはめて解けるなら良いんだがなって言ったよな。・・・・『当てはめて』・・・・ッ!

 

 

そこで俺は閃いた。俺は部屋に戻って自分のメンバー表を見る。そして1つずつ整理しながら当てはめていく。

 

 

【未】

 

 

秋本浩司 木崎優太郎 辻良子 山岡麗華

 

 

柴田颯 比企谷八幡 細川舞美

 

 

近藤修介 田辺黎人 葉山隼人

 

 

佐川裕也 日向誠子 前原圭人 由比ヶ浜結衣

 

 

これに先ず当てはめるのなら干支の順番だ。未は8番目だから・・・・

 

 

【8】

 

 

秋本浩司 木崎優太郎 辻良子 山岡麗華

 

 

柴田颯 比企谷八幡 細川舞美

 

 

近藤修介 田辺黎人 葉山隼人

 

 

佐川裕也 日向誠子 前原圭人 由比ヶ浜結衣

 

 

そして次は名前順に並べる。クラスの関係を無視して並べてみると・・・・

 

 

①秋本浩司

②木崎優太郎

③近藤修介

④佐川裕也

⑤柴田颯

⑥田辺黎人

⑦辻良子

⑧葉山隼人

⑨比企谷八幡

⑩日向誠子

⑪細川舞美

⑫前原圭人

⑬山岡麗華

⑭由比ヶ浜結衣

 

 

となる。そして干支の順番と当てはめるとーーーーーー

 

 

俺はまだ通話中の神崎に言った。

 

 

「神崎、優待者の法則・・・解けたかもしれん」

 

 

『本当か・・・!?如何やったんだ?』

 

 

俺は情報を整理して当てはめながら組み合わせてみろ。と言うと、神崎は答えにたどり着いたのか、感嘆の声を洩らす。やっぱり此奴は頭は回るな。俺は予め情報があって分かったからな。

 

 

『これだと納得がいくが・・・・しかし、試験が始まる前だ。万が一のこともある1度話し合いで様子を見ておいた方がいいな』

 

 

「そうだな・・・・」

 

 

試験が始まった瞬間に終わらせるのは万が一、この推察が外れていたときのリスクがある。様子見で少し仕掛けてみてからにするか。どっちにしろ今日で試験を終わらせるつもりだしな。俺はそう考え、他の奴にもこの情報を回すべきか考える。

 

 

「この情報は言っておいた方が良いよな・・・」

 

 

『ああ、一応様子見を頼んでおこう。それと比企谷』

 

 

俺の事を何処か神妙そうな声で呼んだ神崎。俺は怪訝に思いながら言葉を待つ。やがて言った。

 

 

『試験ではお前に頼りっきりになってしまって済まない。本当なら俺達も気付くべきことなのにな・・・・』

 

 

神崎は申し訳なさそうに謝ってきた。・・・・本当に此奴はいい奴だ。普通だったら気付けてラッキー。って言っても可笑しくはないのに。前までイケメンの此奴とは仲良く出来ないだろうと思っていたが、今はそこまで忌避感はないのはこういった神崎の人格故か。総武中がこんな奴ばっかだったら過ごし易かったかもしれん。・・・・・ないか、ないな。

 

 

「別に謝らんでいい。この学校にこういう邪道なやり方が相性が良いだけで、王道のやり方でこられたら立場は逆だろ。こういうのは気付く奴が気付けばいいんだよ。適材適所、アウトソーシングって言葉があるんだからな」

 

 

正直学力では神崎と帆波には総合力では及ばない。純粋な学力勝負の試験では俺は足を引っ張ってしまうだろう。ただ、搦め手やハッタリとかで何とかなっているだけ。王道を進める此奴等と、邪道を進んでいる俺では相性が悪いだけ。実際に使えるようになれば俺は此奴等の足元にも及ばなくなるだろう。

 

 

『そうか・・・・』

 

 

神崎はそんな声を洩らして沈黙する。俺もそれ以上言葉が続かず、沈黙してしまって通話している筈なのに静寂が辺りを支配しているのではないかと錯覚してしまう程、物音がしない。ふと、気付いた事があったので神崎に言う。

 

 

「Bクラスの優待者はどうする?ばれんように話し合いに応じないっつう事も出来るが・・・・」

 

 

この試験では余程の自信のある奴以外は裏切らないだろう。有栖は派閥の奴がいなければいいし、龍園とかに優待者の法則が気付かれたら終わるが、万が一に気付かれなかった場合、如何するか考えなくてはならない。話し合いに応じない手もあるが、その時点で絞られる可能性もある。

 

 

『いや、それよりも携帯のSIMカードを入れ替えればいいんじゃないか?』

 

 

!その手があった。そうすれば優待者の法則が分からない限りは大丈夫だろう。しかし、動揺してしまえば看破されるので動揺しない事が必須だ。携帯を余り使わないから思い浮かばなかった手だ。そこは友達の少ない俺よりも友達の多い神崎の方が分があるだろう。

 

 

そして俺達は優待者の法則とSIMカードの事についてBクラスの各々のグループのメンバー1人にメールしておいた。多過ぎると情報漏れがあるかもしれんからな。

 

 

裏切るのは確信した時以外は裏切らないでおいてくれとも付け足しておく。これでむやみには使わないだろう。メールは神崎からだ。俺より信頼されている神崎の方が説得力はあるだろうしな。グループである柴田や細川には伝えていない。裏切るのを反対されるかもしれないからだ。

 

 

帆波にもメールしようとすると、神崎に止められる。神崎が言うには、俺にいつまでも頼っている訳にはいかない。と言われていたらしい。もしも優待者の法則が分かったとしても教えないで欲しいとも。・・・帆波が選択したならそうさせるべきだろう。勝とうが負けようがそれで後悔しないというのなら。強制する訳にもいかんしな。

 

 

粗方やる事も終わったので朝食を食べに行く。廊下を歩いていると、前から上裸の金髪でガタイの良い生徒が歩いてきた。彼奴は、高円寺か。何で上裸なんだよ、服着ろよ。そんな事を思いつつ通り過ぎようとすると、声をかけられる。

 

 

「おや?君はBクラスの腐り目ボーイじゃないか」

 

 

腐り目ボーイってなんだよ。そんな印象的かよ俺の目は。俺は抗議の視線を向けると高円寺は笑いながら言った。

 

 

「ハッハッハ、気に入らなかったようだねぇ。まぁ訂正する気はないがね。それよりも君がBクラスの参謀だろう?」

 

 

「別に参謀でも何でもないんだがな。んで何か用か?自由人」

 

 

唯我独尊の此奴から声をかけられるなんて思わなかったな。まぁ、俺から声をかける事もないだろうがな。

 

 

「フッフッフッ、他クラスのガール達と何時もいる君とは話してみたいと思っていたんだよ。女性のリードの仕方を私がレクチャーしよう」

 

 

何の気まぐれだよ。噂でしか聞いたことはなかったが、此奴は入学当初は女子の先輩と一緒にいる事が多かったらしい。多分御曹司だからと擦り寄られていたのだろうが。

 

 

「女性のリードって・・・それと女子と何時もいる訳じゃねえよ」

 

 

「いくらまだまだ未熟な君とガール達とはいえ、君がガールに向けられている少なくない好意の気持ちに応えてあげるのが紳士の役目と言うものだよ」

 

 

そう言われ、沈黙する。俺はラノベ主人公のような鈍感ではない。寧ろそう言った感情には敏感だ。だからこそ気付いてはいる。しかし、後一歩踏み込むのが怖い。裏切られるのが怖いんじゃない。信じているからこそ期待してしまう。そして裏切られてしまえば勝手に失望してしまうのが怖い。

 

 

あの時の奉仕部のように。誕生日に素直になってみようとも思ったが、やはり振り切れていない。俺は動揺している様子を知られない様にしながら言った。

 

 

「・・・・遠慮しとくわ。そんな事より何で上裸なんだよ。女子に見られたら色々言われんぞ」

 

 

「ふむ、私の究極の肉体と美しさを保つ為のトレーニングをしているから服を着たままではトレーニングするのに煩わしいから脱ぐのさ。女子に何を言われようとも構う気は無いねぇ」

 

 

服を脱ぐ程のトレーニングってどんなやつをやってんだよ。しかし噂通りの自由人だが実力はヤバいのも本当だろう。俺も生徒会長の怪物級の強さの堀北先輩を相手していて見ただけである程度なら分かるようになったが、此奴は隙が見当たらない。下手をすると堀北先輩より強いだろうな。学力もトップクラスというのは聞いたことはあるからな。

 

 

「それでは私はトレーニングを再開する為にもう行くとしよう。しかし私は君に興味がある、だから暇がある時にまた声をかけることとするよ。See,you」

 

 

そう言ってオリンピック選手レベルの速さで走って行く高円寺。俺はその姿を見送る。やっぱり彼奴も要注意だな。この試験では動くか分からないが優待者の法則を見抜いている可能性が高い。グループは違うが、此奴の動きも注意しといた方がいいな。そう考えつつ俺は朝食を食べに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして朝食を食べているとキーンという学校側からのメール受信の音が鳴った。恐らく優待者の事だろう。俺はメールを見てみる。そこには予想通りの事が書かれていた。

 

 

『厳正なる調整の結果、あなたは優待者に選ばれませんでした。グループの一人して自覚を持って行動し試験に挑んでください。本日午後1時より試験を開始いたします。本試験は本日より3日間行われます。羊グループの方は2階羊部屋に集合して下さい』

 

 

そして朝食の時に一斉に送られて来たメールに朝食を食べている途中の生徒達のざわめきが多くなった。俺は特に騒ぐこと無く朝食を食べ終えて席を立とうとする。すると声がかけられる。

 

 

「比企谷君」

 

 

俺は声がする方へ顔を向けると、朝食を乗せたトレイを持った雪ノ下がいた。

 

 

「・・・雪ノ下か。今から朝食か」

 

 

「ええ、比企谷君は食べ終えたところよね」

 

 

「ああ。んで、わざわざ声を掛けてきたって事は用があるんだろ?」

 

 

俺が聞くと雪ノ下は頷き、真剣そうな顔で俺に言った。

 

 

「貴方のグループの事なのだけど・・・由比ヶ浜さんと葉山君が一緒だけど大丈夫なの?」

 

 

少し心配そうな様子で俺を見てくる雪ノ下。此奴がこんなに俺を心配そうにするとはな。大分と角が取れたみたいだ。俺は表情を変える事なく言った。

 

 

「ん・・・まぁ、大丈夫だ。何とか出来るしな。それよりもお前の方がヤバいだろう」

 

 

「ええ・・・・相手が相手だし、上手くやるしか無いわ」

 

 

そう言ってこめかみに指を置いて溜息を吐く雪ノ下。如何やらかなり緊張しているようだった。まぁあのメンバーじゃあ雪ノ下には分が悪いだろうしな。

 

 

「優待者の法則を見破られれば終わりだからな・・・」

 

 

俺の呟きに雪ノ下は目を見開いて驚きながら言った。

 

 

「・・・・貴方、そう言うって事は優待者の法則を見破ったの・・・!?」

 

 

幸いざわめきの中で雪ノ下の声は掻き消えたようで、周りに気付いた奴はいない。俺は口に人差し指を立て、静かに言った。

 

 

「お前のグループは辰・・・竜だろ?だから優待者は櫛田の筈だ。一応連絡して聞いて欲しい」

 

 

何でメルアド持っているのに俺が聞かないのかと言うと、俺は彼奴が苦手だからだ。雪ノ下は俺の言葉に頷いてくれて、櫛田にメールを送る。て言うか、頼んだ俺が言う事じゃないだろうけど、雪ノ下って櫛田とメルアド交換していたのか。これで櫛田が優待者なら完全にこの法則は正しい。そして応答が返ってきたようで雪ノ下は言った。

 

 

「・・・・当たりのようよ。はぁ・・・つくづく貴方ってこういう捻くれた問題に関しては神がかった頭のキレを見せるわよね。普段はだらしないのに」

 

 

ビンゴか。俺は内心ほくそ笑みながら雪ノ下の言葉に抗議する。

 

 

「おい、俺は休む時はきっちり休んでるだけだから。そんな毎日怠惰に暮らしてないから」

 

 

中学の頃はともかく今はそこまで気が抜けない。この学校がこんなに鬼畜仕様じゃなければ中学と同じようになっていただろう。本当、テスト赤点取ったら即退学とか、クラス対抗とか、特別試験とかてんこ盛り過ぎぃ!俺の平穏どこ行ったよ・・・・ああ、マイスウィート小町と戸塚・・・元気にしているかな。後、平塚先生は結婚出来たのかね?・・・悪寒がしたからこれ以上は辞めておこう。

 

 

「俺はもう行くわ。これ以上お前と一緒にいる所を由比ヶ浜とか葉山に見られたら面倒だしな」

 

 

「・・・・ええ、また試験が終わった後に」

 

 

「ああ」

 

 

そう言って俺は雪ノ下と別れて、学校側の特別試験専用メルアドに優待者である者の名前を入力しておく。後は送信ボタンを押すだけなのでグループディスカッションが始まった瞬間に裏切れば良い。正直現時点で裏切られるのならそうしたいが、ここで俺はミスをしてしまった。

 

 

試験説明時に茶柱先生に俺が聞いたのは『話し合いの時間以外でも裏切られるのか』だ。先生は可能とは言っていたがそれがグループディスカッションの前も可能なのかは言ってなかったので出来ない。万が一のペナルティーが怖いからな。

 

 

そして俺はグループディスカッションが始まるまで温泉やスパなどに行ってのんびりと過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてグループディスカッション5分前の時間となったので、俺と柴田と細川は羊グループのメンバーが割り当てられた部屋に入った。

 

 

入るとほとんどのメンバーが揃っていた。しかしDクラスの由比ヶ浜がまだ来ていない。椅子に座って黙って待とうとした時、小声に柴田に聞かれた。

 

 

「なあ比企谷。お前の事を葉山がめっちゃ睨んでるけど何かあったのか?」

 

 

そう、俺を見た瞬間、葉山が殺意の宿っているであろう目を向けてきた。細川も疑問に思ったのか、こちらに向けて目で問いかけてきた。無関係な奴を巻き込みたくはない為、色々濁して言う。

 

 

「・・・・まぁ、色々あったんだよ。それ以上聞かないでくれ」

 

 

俺はポケットに手を入れながら椅子に座って始まるまで待つ。2人共、それ以上言う気がないと察したのか引き下がった。しかし細川からの視線が何故か離れなかった。

 

 

そして1分前に由比ヶ浜が入ってきた。俺以外の全員が注目している。

 

 

「ごめーん、さっきまでトイレに行ってて遅くなったの」

 

 

「・・・・良いから早く座れ」

 

 

「はーい」

 

 

そして由比ヶ浜は椅子に座る。その時に俺を睨んできたが無視する。相手したら無駄に疲れるだけだしな。そしてグループディスカッションの合図が鳴った。

 

 

『ではこれより1回目のグループディスカッションを開始します』

 

 

その放送が流れた瞬間に俺はポケットに突っ込んだ手で中にあるスマホを操作して優待者である『()()()()』の名前を入力してある状態で止めているので送信した。葉山と由比ヶ浜が居る時点で話し合うつもりはないしな。

 

 

『未グループの試験が終了いたしました。未グループの方は以後、試験へ参加する必要はありません。他の生徒の邪魔をしないよう気をつけて行動してください』

 

 

 




正直、5巻がまだ出てない時にこの優待者の法則が分かった人は凄いと思う。
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