熱が出ているときはホントにきつい。
学校がめんどくさいとよく風邪をひいては休みたいと思うけど実際にひくとほんときつくて早く治らないかと思う。
せっかく休んでるのに好きなことできないし勉強も止まっちゃうしでかえって気が休まらない。
今日は姉と兄のどちらもいないので一人で余計につまんない、というかさみしい。幸い、動けるくらいには元気だけど気だるさは一向によくならない。ご飯も食べれられる気しないし……とりあえず寝よ……
(あいつ、何も食べてねぇな)
俺は冷蔵庫を開けながら独り言を呟く。一人でいるとついつい言葉に出てしまうのが昔からの悪い癖だ。
お昼ご飯を食べている前提で買ってきたコンビニのレジ袋を眺めてもプリンやヨーグルトが食べやすいお粥に変わってくれるはずがない。あれこれ考えても本人の状態がわかっていないことには仕方がないのでとりあえず愛すべき妹の部屋を訪れることにした。
「亜里沙、入るぞ」
ドアノックをしなくてもいいくらいに仲がいいことは自慢できると思う。なつかれているかは分からんが嫌われていないので安心できる。
「…おにいちゃん…?」
「そうだけど」
「大学は?」
「嫌いな先生だったから抜けてきた、簡単な所だったからな」
「ふーん…」
疑われているようだがまあいい、大事なことはサボりをご誤魔化すことよりも妹の状態を確認することである。
「なんか食べた?」
「うんうん、なにも」
「…ったく、とりあえずプリンとヨーグルトは買ってきたから食べな」
「うん、ありがと」
風邪のときは普段の数倍は素直になるところが可愛い。風邪が治ってからも、もう少しデレがあると個人的にはありがたいのだが。
「なにが食べたいものあるか?」
「カレーがいい」
「わかった、買ってくるから待っとけ」
「おにいちゃんが作ったやつがいい」
料理をしていてよかった、と感じる瞬間でこれを越えるものはあるだろうか。
「作る分には構わんが30分はかかるぞ」
「いいよ、待っとく」
「…わかった」
料理は趣味程度にやるくらいで、加えてあまり味は気にしないためコンビニの方が美味しいとは思う。しかし、可愛い妹のためとあらば己にできることは何でもすることが兄の務めといえよう。愛すべき可愛い妹のため俺は全力をもって料理に取りかかるのであった。
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パチリ、と目が覚める。部屋の中は薄暗いので夜も更けた頃だろうか。寝る前と比べるとだいぶ気分がいい、熱が下がったのだろう。意識が少しずつはっきりするにつれ、足元に何かあることに気がついた。兄である。ずっと看病していてくれたのだろうか。今はすーすーと心地よい寝息を立てている。
そっと頭を撫でてみる。うちの家系はくせっけが少なくみんなストレートの綺麗な髪の毛をしている。本人はコンプレックスを抱いているようだが、母と同じきれいな黒髪は羨ましい。海未さんも綺麗な黒髪で憧れる。
「ありがと、おにいちゃん」
ほっぺにそっと口を重ねる。ロシアでは挨拶みたいなものだが日本に長くいるせいかちょっぴり恥ずかしい。普段は恥ずかしくて甘えられないぶん今日はさんざん甘えてしまった。カレーも食べさせてもらったことも思い出すと少し顔が熱くなってくる。きっと熱があがってきたのだろう、そう思うことにしてベッドに横になって目をつむることした。
この作品エリーチカ全然出てこんやん…