絢瀬家の日常   作:ガリレオガリレイの備忘録

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お久しぶりです。
コロナで一人部屋にこもってyoutubeばかり見ています。

この話は結構前に頭に浮かんでいたのですが表現することは難しいですね...。



にこさんと俺

 

 

 

自覚はあるのだが自分は元々目立ちたがりやの性格だ。小学校くらいの頃は授業中に積極的に発言を行うなどしていたが、一つの組織において目立つということは余計な責任と気苦労を背負うだけだと気付いてからは控えるようにはしている。そう、激しい喜びは要らない、その代わり、深い絶望もない。そんな人生を送ることを密かに目標にしつつ、上手く立ち回れるように生きていくつもりだ。念のために言っておくが、俺は女性の手に妙な執着心を抱いてはいないし、連続殺人犯でもない。

 

何が言いたいのかというと、街頭インタビューくらいであれば俺は喜んで出演する。

 

 

 

「...はい、これで企画の説明は以上となります。すみません、スタッフ一人が来るまでもう少しお待ちください」

 

 

大学の講義を聞き終えた後、バイトまで時間があるのでどうやって時間を潰そうかと考えているうちに声をかけられ、インタビューを依頼された次第である。テレビ出演を好まない姉には怒られそうだが、本名は地上波に乗らないらしいし、放送も深夜帯なので俺はこれを快諾した。

 

「あ、きたきた!それではよろしくお願いします」

 

肝心のインタビュアーが衣装の直しやら何かで席を外していたらしく、戻ってき次第、開始という事らしい。適当に返事をしつつ、周りを見渡してこちらに向かって来る人影を探していると妙に見覚えのある姿が見えた。

 

「...すみません!お時間取ってしまって!よろしくお願いしま.....」

 

息を整えながら顔を上げて俺をみるなり、そのインタビューアーは目を丸くして驚くなり、すぐに露骨に嫌な表情を見せてくれた。

 

「げ」

 

俺だって嫌な顔をした。不本意だけど。

 

 

「よし!揃ったので始めましょう。それじゃ()()()()()、始めちゃって!」

 

 

 

 

 

 

 

「...それじゃあ、しゅうさんは彼女さんとかいないんですねぇ」

 

「...まぁ,,,」

 

偽名を使うという話だったのにしっかり名前で呼ばれている気がするのだが、この際どうでもいい。いま、最も重要なことはいかにしてこの場を俺が失笑を漏らさず切り抜けるかという事である。インタビューの内容としては某大学に通う男子学生にどれくらいの割合で恋人がいるか調べるといったものだ。女子率が2割を切っている某大学としては如何にもなテーマだと思う。

 

「恋人を作ろうとは思わないんですかぁ」

 

「まぁ...機会がないから...」

 

にこさんのぶりっ子がテロップでいじられるというシーンは何度か見たことある。恐らく、これもその番組の一企画だろう。ちなみに「ぬわんでよ!」で反論するまでがお約束だ。それにしても、あたかも初対面のように俺にインタビューしている彼女の精神には感心するばかりである。

 

「それじゃぁ、にこにーがしゅうさんの彼女に立候補しちゃおうかな♪」

 

「冗談だろ」

 

つい反射的に答えてしまった。一瞬、周りの温度が2, 3℃ほど下がった気がした。にこさんが目で早く取り消せと訴えかけて来る。そういえば以前この番組を見たときも似たようなテーマをやっていいたような気がする。確か、奥手そうな男子学生に人気アイドルがインタビューをして照れてる男子学生や色目を使うアイドルをテロップで批判し笑をとる、みたいな流れだったような...。念のため訂正しておくが、にこさんは控えめにいっても魅力的な女性だ...多分...。ただ、姉貴が希さんとにこさんをよく家に呼ぶので一般男性と比べて免疫が付いているだけなのである。

 

 

 

「...いや、えっと、俺なんかがにこさんみたいなめちゃくちゃ可愛い女の子と付き合うなんておこがましいです...なぁんて...」

 

「やだぁ♪嬉しいにこ♪」

 

 

恐らくこのVはお蔵入りだろう。全く、やれやれだ。

 

 

 

 

「ありがとうございました!」

 

あれから2分も経たないうちにインタビューは終了し、必要書類を書き終えた俺はあっちの方向を向き、逃走を開始した。と同時にポケットのスマホが振動した。

 

通知を見るなり俺は送り主の方に目をやった。送り主は逃げるよと目で訴えかけてくる。流石はスーパーアイドル、目だけで的確に言いたいことを伝えてくる。

 

 

にこ: 画像を送信しました

にこ: ↑の店で待っときなさいよ

 

 

この日ばかりはバイトが早まらないかと願ったものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、私に何か言うことはない?』

 

腕組みをして不満そうにこちらを睨んでくる。アイドルと洒落たカフェで密会なんて字面だけ見ると夢のような時間だが、とてもそんな気分にはなれない。数刻ばかり前に問われたことの答えを探しても、机の上には二つばかりのコーヒーしかないし、当然、話を逸らす妙案なんてものはない。

 

 

「その...伊達メガネ似合ってるね」

 

「え? なんだって?」

 

にこさんが目も耳も良いということは知っている。コンタクトが手放せない俺には羨ましい話である。

 

 

「さっきは悪かったよ、悪気はない」

 

「ったく...こっちは生活かかってるんだからちゃんとしてよね!」

 

 

何をどうすることがちゃんとしたことだっったのか今でも検討がつかないが、火に油を注いでも仕方がない。ここは下手に出るのが吉だ。

 

「この店で一番高いケーキを奢るよ」

 

「....」

 

 

未だ不満そうにこちらを見つめてくる。少し小さいこの女性はケーキくらいでは許してくれないらしい。

 

 

「...わかったよ、今度、焼肉でも奢る」

 

「しょうがないわねぇ!ニコは優しいからそれで許してあげるわ!」

 

 

アイドルと焼肉デートに行けるという心踊る約束がたった今交わされたが、とてもそんな気分にはなれない。なんだかんだでμ's全員に奢る羽目になるなんてことにならないとい良いのだが。

 

 

「あ、ケーキ早く注文しといてね」

 

「...はいはい」

 

 

姉貴の友達と絡むようになってからろくな目に遭っていないような気もするが、一人部屋に篭ってyoutubeを見る悲しい大学生活を送るよりはマシかもしれないと思うことにして、俺はメニュー表から一番安いケーキを探すのであった。

 

 

 

 

 





また月曜日が始まってしまいますが、今週も頑張っていきましょう!(なんだこれ)

小説の時期を現実に合わせた方が良いかどうかで迷っています。ご意見貰えると助かります!
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