ダグライダーです。
いやはや、今回は所謂日常描写的な話だったんですが……難産でしためちゃくちゃ難産でした。
正直、今までで一番疲れました。
もう皆様お察しとは思いますが、そうです。彼が六人目のダグオンです。
まあ、胎動編では変身しませんがね。
最近、資料としてとじみこのコミカライズの単行本を買いました。次は小説かな……、ドラマCDはネットに上がって無いかなぁ。
ではどうぞ
"前回の刀使ノ指令ダグオン"
ダグオンとしての戦いも慣れが出てきた5人。
焔也は戦闘後の観光にまで繰り出す始末。
異星人達の侵攻も疎らとなり、荒魂との戦い以外は平和な日が続いていた。
そんなある日の美濃関学院に謎の男が現れる。
焔也との因縁があると言う男、田中撃鉄。当の焔也は記憶に無かった。
混迷の場を納めに現れた教師、田中妙子。
彼女はなんと、撃鉄を弟と言い放ったのだった!
「「「「「ええぇぇぇぇぇえ!?」」」」」
辺り一面、驚愕と困惑の絶叫が響く。
突如として現れた撃鉄と名乗った大男、その後頭部に手刀を叩き込んだ美濃関教員、妙子。
彼女の発言にどよめく生徒達、焔也も驚き間の抜けた顔をする。
撃鉄は手刀が程好い具合に決まった為か、意識を失っている。
「重っ…、またデカくなったみたいね……。」
妙子は撃鉄を背負い、呟く。
「ほらほら、もうすぐ御前試合の代表戦でしょ?散った散った!」
━━あっ、鳳は私と一緒に来なさい。と焔也に釘を刺す。
彼はショックを受け、ガックリ項垂れる。
トホホ…そんな漫画のような事を口にしながら妙子の後ろに続く焔也、その足取りは重い……。
「ここで良いか……さて、話を聞こうじゃない?」
手近な場所として保健室を選び、ベッドに撃鉄を放置する妙子。そのまま、養護教諭に暫くの人払いを頼む。
そうして、雑談用のソファーに腰を降ろし、焔也にも視線で座るよう促す。
「話っても……ちょっと前に色々あって…………」
まさか、ダグオンとして京都に行っていた━━等とは言えず、口を濁す焔也。
その反応を観て、しばし思案する妙子。考えが纏まったのか、少々呆れを含んだ表情を焔也に向ける。
「話たく無いみたいね…、ならしょうがない。授業態度に多少問題があるけど、刀匠科の生徒として真剣なのは、私がよく知っている。アンタ達が何処でどう知り合ったかは聞かないでおいてあげる」
「あざっす!」
妙子の案に勢いよく応える焔也、そのままベッドに眠る撃鉄に視線を向け、疑問を口に出す。
「あの…、アイツって本当に先生の弟なんッスか?義理とか親戚とかじゃなく?」
「ええ。甚だ不本意だけど、血の繋がった立派な家族よ。似てないってよく言われるけど」
彼の疑問に正直に返す妙子、疲れが顔に出ている。
「じゃあ次、あの愚弟と何があった……って喧嘩以外無いか、アンタ達の場合」
「ひでぇ!?いや、違わないけど!他の可能性とか考えないんッスか!?」
「なら聞くけど、あるの?」
「無いッス…」
あまりにも解りきった答えを出すも、抗議の声が挙がり、一応の対応をする妙子に焔也は間髪いれず返事をする。
「ハァ…ま、良いわ。コッチは私が面倒見とくから、アンタは後で反省文ね」
━━代表戦、観たいんでしょ?と妙子が話を切り上げる。
焔也は有り難いと言わんばかりの勢いで保健室の扉を開け……思い出したかのように礼を言う。
「サンキュー!流石、姐御は伊達じゃねぇ!」
そう言葉を残し走り出す焔也。後に残った妙子は……。
「誰が姐御か……、後、廊下は走らないって、もう聴こえちゃいないわね…これも反省文に追加」
そう決めた妙子であった。
━━美濃関学院武道館
武道館では、折神家御前試合の決勝が今正に始まろうとしていた。
決勝に残った刀使は互いに中等部の生徒。
1人は肩まで切り揃えた短髪に短く左サイドに黒いリボンで纏めた髪を一房垂らす、活発そうな少女"衛藤可奈美"。
もう1人は艶のある黒髪をサクラ色のリボンで纏め上げた大人しそうな少女"柳瀬舞衣"。
2人が模擬刀を手に向かい合う。
「これより、決勝戦を行います!二年二組、衛藤可奈美!」
「はいっ!」
「同じく、二年二組、柳瀬舞衣!」
「はい」
「礼!」
審判の教員の声に答える2人、互いに親交が深い間柄の彼女達、その顔は真剣ではあるが対象的だ。
「始め!!」
その声を合図に打ち合う2人、舞衣の一撃を受けかわす可奈美、追撃に移る舞衣、その一撃を反らし体制を低く回り込むようにして一閃!
舞衣の胴の脇腹に一打が決まる。
勝者は可奈美。その顔は何処か楽しげだ。
「それまで!勝者、衛藤!」
周りに歓声が沸く、焔也は最後の瞬間を目に留めるのみとなり、残念そうに溜め息を付く。
代表戦の後、講堂に集う生徒達、代表者2名を激励する美濃関学院学長、羽島江麻の言葉に可奈美と舞衣は朗らかに答える。
「あ~あ、肝心な部分が見れなかったぜ…」
そう項垂れながら歩く焔也の前に、元気の無い少女が1人……、彼女は"安桜美炎"。衛藤可奈美、柳瀬舞衣と同じクラスであり代表選抜戦の出場者にして、準決勝で可奈美に破れた少女だ。
「よっ!なんだよ安桜、敗けたの気にしてんのか?らしくねぇな、何か奢ってやろうか?」
「げっ!?鳳先輩!!?別に気にしてませんー!って言うか、先輩の場合、わたしが奢らされちゃうじゃないですか!」
そう言い顔を膨らす美炎、焔也は彼女と可奈美、舞衣のクラスによく顔出しては彼女達の御刀の砥などをさせて貰っているのだ。
「まぁまぁ、今回はちゃんと奢るって、大丈夫大丈夫。ついでに衛藤と柳瀬、後服部パイセンとか何人か呼ぼうぜ!」
「それ何て嫌がらせですか!もういいです!」
美炎は焔也の言葉に憤慨し去っていく。それを見送った焔也は今度は後ろに向き直り、誰かを探す。
果たして、見付けたのは、先程話題に上がった2人、衛藤可奈美と柳瀬舞衣である。
「おーい!衛藤!柳瀬!」
「あっ!先ぱーい!」
「鳳先輩、どうもこんにちは」
焔也の存在に気付いた可奈美と舞衣が近付いてくる。そのまま話始める3人。
「衛藤、柳瀬、代表決定おめでとう。いやぁ、肝心なとこ見逃して悔しいぜ!どうだ?これから視てやろうか?」
御刀の様子を視ようかという提案はしかし、2人共断ってくる。
「そんな…悪いですよ。この間も鞘袋を戴きましたし」
「うーん、ごめんなさい!今回はいいです」
「おう、そうか残念だ」
亦してもフラれる焔也。そこに舞衣が疑問を挟む。
「あの…鳳先輩?今朝の校門での出来事なんですけど…」
「あー、アレな?取り敢えず、あのヤロウとは前にちょっとな」
「はいはい!あの人って本当に先生の弟さんだったんですか?」
可奈美が撃鉄と妙子の件を尋ねる。
「詳しくは知らねぇけどそうらしいぜ。あっ!後で反省文書かされるんだった……」
「「あ、アハハ…」」
焔也の反応に苦笑する2人。その後も他愛のない会話をし2人と別れた焔也、すると、遠方から彼に近づく大きな足音が…。
「見付けたぞ、鳳焔也!」
件の男、田中撃鉄である。
「おう、起きたのか?」
「うむ、今回は姉貴の顔に免じて大人しく引き下がる。が、次はこうはいかんからのう!さらばじゃ!」
そう捨て台詞を残し去っていく撃鉄。
「嵐みてえなヤツだったな……」
この後、焔也が門前の事に加え廊下を走った件の反省文を書かされたことは、言うまでも無いだろう。
続く
次回予告(BGM:輝け!ダグオン)
ダグオンファイヤーエンの鳳焔也だ!
遂にやって来た念願の御前試合!他の学校の刀使の御刀が選り取りみどり!
試合も中々見応えあるぜ。
で、迎えた決勝。衛藤と対戦すんのは平城の十条とかいうペッタン子……って、おい!?アイツ何してんだ!!?
次回"刀使ノ指令ダグオン"
戦慄の御前試合!切先の向かう先。
次回も"トライダグオン"!
如何でしょうか?
個人的にはかなり頑張ったので皆様の反応が少し不安です。
まあ、気持ち切り替えていきましょう!
最近また、アイディアがでまして、イースシリーズ新作の怪人達の能力を使った奴が頭にうかんじゃったんです。
まあ、この作品を完結させるまでスカルマンと共々、短編か何かで出してみて評判良さそうなら連載とかしようかとか不相応な事を思ってしまいました。
ではまた