刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 おはこんばんちわすみなさい!
 今回はつぐみちゃん一行のお話とその前に以前も触れたとじともオリジナル御刀、四神と四霊について。
 まぁ登場したのは四霊刀の霊亀だけですけども……。
 読者の方でとじともプレイしてるユーザーで四霊と四神の御刀を持っていてTwitterやってる人が居ないものですかね。
 ぶっちゃけ、霊亀と玄武と鳳凰以外ビジュアル知らないんですよね……。
 その3振りも持って無いんですが…。



第七十九話 其々の世界で。その頃の刀使達。  

 

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 ナノマシンだったか?すげえな、痛みがもう引いたわ。

 

 まぁ、あんな事した後じゃアーシアちゃんには頼れないしね。

 

 いや…てか、アルファだったよな?あんたは大丈夫なのか?

 

 平気へーき、いやホントは痛いけどボクらは人間とも悪魔や天使とも身体の造りが違うから。

 

 ((すげぇ死にそうなくらいボロボロなのに?!))

 


 

 ━━ドイツ郊外・とある田舎だった場所

 

 人口も少なく都心部より離れた場所に位置した小さなドイツの農村はしかし今、何処とも知れぬ場所の一部と入れ替わっていた。

 その郊外にはこれまた不釣り合いに漆黒に黄色のラインが走った新幹線──Rーマックが停車している。

 『a-ha……ヒマだZE、あいつら交渉に何時間かけてんだ……』

 ビークルモードなので判りづらいが、入れ替わった村の更に入れ替わったと思われる場所を見続けながら嘆息していた。

 

 

 

 

 ━━???

 

 「哀しい。詰まる所……貴殿達は拙僧達に協力するつもりは無いと?」

 ダグオンや刀使達が居る世界とは違う、ネプテューヌ達が居た世界。

 今、その世界のとある場所で珍妙な2人組が何某を相手に交渉をはね除けられていた。

 「貴様等の様な得体の知れぬ輩に力を貸して何の意義がある?冥界を我が物顔で彷徨く蝙蝠と鴉の存在は確かに不快であるが、それと貴様達と手を組むかは別の話よ」

 そこは太陽の光など射さない場所、人間は決して生きられぬ世界。

 「またぁ~だぁ~めぇ~だったぁ~ねぇ~」

 2人組の片方、触角が生えた斑模様の笠のような髪の半目の少年が間延びした口調で相方に語りかける。

 「拙僧は哀しい。行く先々でこの様な対応を受ける事が実に哀しい……。所詮、世界が異なった所で、神などと囃された所で、辺境の惑星の下等な知性態は我々の実力を正しく理解出来ないのだ」

 少年の相方……特徴的な牛の骨の被り物をすっぽりと被った騎士甲冑と革鎧とローブをない交ぜにした奇妙な格好の存在が項垂れて嘆息する。

 2人組はこれ以上、此処に長居するのは無駄と断じ、そそくさと引き返そうと交渉の相手から背を向ける。

 だが相手方はそれを黙って見てはくれない。

 「おのれ!散々好き勝手に暴れた上、その態度…貴様等無事に帰れると思うな!」

 激昂し殺気を飛ばす何某、それに応じるように周囲にも複数の気配が生まれる。

 

 「えぇ~?帰るよぉ~。ふぁ~、帰れるよぉ~?」

 半目の少年が欠伸混じりにそう答えると、彼の笠の様な髪から目に見えない程小さな粒子が放出される。

 すると周囲の気配も、2人組に憤っていた存在も一切合切がバタバタと音を立てて倒れ伏す。

 「哀しい……力の強弱等、我等には関係無いと言うのに……奴等はそれすら理解出来ない」

 「後はぁ~どこだっけぇ~?」

 「目ぼしい候補はもう残っていない、哀しい…」

 倒れた存在を無視して2人組はもと来た道を歩き続ける。

 彼等は此処に至る迄も他に数ヶ所、勢力として存在する場所に同盟や協定の交渉に訪れては断られ続けていたのだ。

 「何故連中は拙僧達を害せる等と思い違いをするのか理解出来ない。哀しい…」

 牛骨が倒れ伏した者達を睥睨しながら言葉を洩らす。

 倒れた者達は命に別状は無い。皆、等しく眠っているのだ。

 

 「拙僧は哀しい…。交渉が決裂したのなら問答無用で皆殺しにして仕舞えば良いのだ。だと言うのにあの方は放って置けと仰る」

 「でもぉ~、此処に来るまでぇ~何匹かぁ~斬ってるよねぇ~、ねぇ~ちゃ~んん~はぁ~」

 「それは向こうが勝手に警戒して抵抗するからだ。拙僧は始めにきちんと交渉事に来たと申しているのに、哀しい」

 

 少年に姉ちゃんと呼ばれる牛骨は一層深く嘆く。

 「泣くぅ~なぁ~よぉ~。悪ぅ~いぃ~のはぁ~あっちのぉ~方なんだからぁ~。それよりもぉ~、その御刀だったっけぇ~?それの使い心地をぉ~先生にぃ~報告しなきゃ~ならないんでしょぉ~?」 

 

 嘆く牛骨に触角の少年は彼女が担ぐ亀の甲羅を模した様な刃の刀──再生赤羽刀、【四霊"霊亀"】を眺め口をすべらせる。

 「哀しい、人間程度が造り上げたにしては中々の使い勝手と言うのが哀しい。星単位で下等の癖に……」

 「不思議だよねぇ~?ソレってぇ~、女のヒトにしかぁ~反応しないんでしょぉ~?」

 「だからこうして拙僧が一振り振るう羽目になったのだ。哀しい…拙僧の霊亀、あの変質者の鳳凰、そして応龍と麒麟の四振り、その全てが赤羽刀なる地球の物から生まれた事が哀しい」

 牛骨が口にした通り、彼女が持つ御刀は嘗てジェゲンガ星人がジェム星人分体を通して送り込んだ荒魂を解析した結果から得た赤羽刀をエデン流の再生の儀にて錆落としした物から生まれた御刀だ。

 銘は文字通り中国における四神と同等に扱われる事が多い四霊から採られたモノ。

 彼女──牛骨を被った異星人、宇宙アマゾネスヴァルキュレ星人のブリューリテからすれば承服し難く、しかし同時にとても手に馴染むので複雑な気分なのだろう。

 

 片や触角に半目の少年の異星人──宇宙菌糸知性体マタフォ人パラノスからすれば、ブリューリテの心境などどうでも良く、新しい玩具が羨ましい程度の事なのだ。

 

 この2人組がこの様な場所に居るのには理由がある。

 彼女と彼はエデンの実質的な支配者たる鬼と妖精から密命を受けたのだ。

 

 2人がエデンの鬼達より請け負った任務は2つ。

 1つはダグオン達が保護した勢力と敵対するだろう勢力との同盟交渉。破談した場合は相手を無力化し撤収。

 もう1つは異世界にザゴスやシード星人、そして荒魂を放ちこの世界を守るだろう戦士やそれに準ずる組織または勢力の攪乱と牽制である。

 Rーマックが牽引して来た輸送車輌には今彼女と彼が引き連れているザゴス星人以外に待機中のザゴスソルジャー、荒魂ザゴス、シードトルーパー、荒魂シード、ガードロイド、そして培養した荒魂が詰まっているのだ。

 これらはこの世界の人間界、冥界、天界、そして各神話体系が拠点を置くであろう場所にこれからも放たれる事になる。

 宇宙の悪意は2つの世界に同時に牙を向く──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━駒王町・郊外

 

 突如として街の殆んどが消え別の街へと変貌したその土地を、とある人物が数人の部下を引き連れ調査に当たっていた。

 

 「参ったな…ったく、ねぷ子達に頼んだ昨日の今日でこれか……」

 頭髪の一部を金髪に染めた渋味の深い中年男性が頭をガシガシと掻き毟る勢いで抱える。

 彼の名はアザゼル。

 聖書に綴られる堕天使にして三大勢力堕天使陣営の組織、神の子を見張る者(グリゴリ)の総督である。

 また彼は駒王学園でネプテューヌ達が属するオカルト研究会の顧問を勤めている人物でもある。

 昨今、一部表社会と自分達の様な人外の勢力の間で頭を悩ませている神隠しの一件をオカルト研究会+αの面子に相談、調査を頼み込んだのが昨日の昼。

 そしてそのまま他の同盟を結んだ勢力──天界の天使長達と堕天使同様冥界に存在する悪魔の魔王達に会談を申し込み対策等を話し合っている内に駒王町は見ず知らず……と言って良いかは解らないが、見覚えが無い街と入れ替わっていたのだ。

 その一報を受け大慌てで会談を切上げ、駒王町に向かったアザゼルが見たのは、丁度入れ替わった街が空から大地に沈み固定される瞬間であった。

 そして入れ替わった先の街の住人は大混乱、彼の街の住人はその情報を瞬く間に拡散し暴動もかくやとばかりに騒ぎ出した。

 当然、そんな事態を放っておく訳にもいかず、堕天使達、延いては同じ様に連絡を受けた悪魔と天使陣営の協力者と共に暗示を使用し何とか場を納めた後、改めてこの非常識極まる事態を専門に調査する為の人員をグリゴリから連れて来たのだ。

 

 「街そのモノにこれといったおかしな所はねぇ……()()()()()。土地の霊脈の類いがぷっつり切れた筈なのにだ……」

 不自然極まりない自然な状態に髭を蓄えた顎に手を充てながらアザゼルは自身が立つ大地をコツコツと革靴で叩く。

 そして先程からちょくちょく挙がってくる家屋や幾つかの施設の入れ替わり現象、一部は元々の駒王町のモノであったり、全く別の土地の建物であったりと規則性が一切見られない。

 この異変、最初は()()()()()()()()かと思ったが、混乱を望み破滅を唱うにしては回りくどい。

 故に別件と見たのだが、だとすると黒幕が見えて来ない。

 各神話勢力に潜む戦争を望む存在や壊滅したテロリスト組織"禍の団"の残党かとも思ったが、前者は行動の是非を考えても得や利益は低く、後者はそもそも求心力のある人物が残って居ない為にまず有り得ない。

 これ迄に無い未知の事象に好奇心よりも厄介さと苦労が涌き出るアザゼルであった。

 

 しかし、異変はこれだけでは終わらない。

 

「きゃぁぁぁああああ!!?」 

 

 突如として挙がる悲鳴。その声の出所に急行してみれば、恐らくはこの街の住人であろう至って普通の人間の女性が、奇妙な異形に襲われている。

 

 「ありゃ…最近報告に挙がってる正体不明の怪物か!?」

 アザゼルの視線の先、女性を襲う異形の怪物──荒魂はその醜悪な口を大きく開ける。

 「ちぃっ…!仕方ねぇ、あのお嬢さんの記憶は後で弄っとくとして、柄にも無く人助けするか!」

 普段、チョイ悪親父を気取ってダメな大人をしている彼も流石に目の前で起きている事柄を見逃す程薄情では無い。

 しかし距離、位置的にアザゼルの場所から女性と荒魂まではかなり拓きがあり遠い。

 いくら彼が人外の種族堕天使だとしても間に合わない。

 ともすれば翼を生やしても届く事能わずという場面に運命の歯車を呪いたくなるアザゼル。

 だがそんな彼の予想を裏切る事態が起こる。

 自分が駆け付ける側とは逆方向から音を斬らんばかりの速さで異形に立ち向かう影が現れたのだ。

 影が吼える。

 

 「とりゃぁぁああ!!」

 

 影が異形を蹴飛ばす。車大のソレは声ならぬ声を挙げ女性と影から後退る。

 「ぁんだと?!」

 その光景に思わず声を洩らすアザゼル、そうしてマジマジと注視して影を見れば、それは自分の肩辺りまでの背丈しか無い少女であった。

 アザゼルから見て少女は中々個性的と言うか特徴的な装いであった。

 学生服なのだろう橙色の上着で寄せ上げられ強調された白のブラウスシャツの胸元にまず目が向く、次いで異形を蹴り飛ばしたであろう短いスカートから覗く健康的かつしなやかに鍛え上げられた脚、そして手許に握られた刀。

 最後に顔を伺えば、年の頃は高校生かその手前の年代の快活そうな少女のソレだ。

 短めの前髪をカチューシャかヘアバンドらしき装飾品で後ろに流す様に留め、元気が溢れんばかりの大きな眼が荒魂を睨む。

 「ったぁ~っ……やっぱ益子先輩みたくいかないッスね~。播さんお願いするッス!」

 これまた見た目通りの快活な声で誰かの名前を呼ぶ少女。

 それに応える様に新たな人影が快活な少女の後ろから飛び出て来る。

 「いやぁ、念のため御刀を持って来たのは正解でしたね。せい!」

 新たに現れた少女は些か気合いの抜けた掛け声で両手で握った刀を振り下ろす。

 その一撃によって荒魂の顔に傷が駆る。

 「あらら、浅かったですか。丸山さん、今度は二人で畳み掛けます」

 「OKッス!」

 2人の少女が其々に刀を構え怪物へと斬り掛かる。車程の大きさを持つ荒魂は前肢を大きく振りかぶり迎撃するが播と呼ばれた少女の巧みな受けにより攻撃の威力を反らされ、そこから出来た隙を丸山と呼ばれる快活な少女が容赦無く攻める。

 瞳の場所も定かでは無い異形の頭に傷が増えていく、怪物は絶叫を挙げ抵抗するが2人の少女は慌てず堅実に攻め獣の脚を切り落とす。

 脚を斬られバランスを崩した怪物はマトモな抵抗も出来ず、逃げる事もあとわず、己の終りを待つだけとなった。

 

 「ふぅ、何とか二人で対処出来ましたね。これがもう少し数がいたら危なかったです。こう言う時…七之里さんの存在が如何に有り難いかが分かります」

 荒魂にトドメの一撃を加えた刀を引抜きこびりついた橙色の液体を軽く振るって払い落とし、腰に装着された器具に備えられた鞘へ納刀する。

 「大型の割にそこまで強くなくて助かったッスね」

 そんな2人の少女の一連の戦いを呆然と眺めていたアザゼル。

 (何なんだ……あの嬢ちゃん達は…。あの怪物に怯むでもなく向かっていただけじゃねぇ、明らかに手馴れてやがる。それに、あの刀……神器って感じはしねぇ、しかし普通の刀でも無い。ありゃ…()()?)

 研究者としての気質から思わず考察に思考を巡らせるアザゼル。

 だが、そんな事をしている場合でも無いと思い直し、少女達に声を掛けようと一歩踏み出した瞬間、少女達の側に新たに闖入する2つの人影が現れる。

 「いやぁ~!お見事お見事!二人とも充分強いですネ!ワタシも思わず見入ってしまいました」

 「私クンも感心ですぞ!まぁ置いてかれた時はどうやって身を守ろうかと慌てましたが…それはそれ!出来れば私クンが持ち込んだ装備も試してみて欲しかった所ではありますが、それは次の機会にとっておきましょう!」

 1人は快活な少女と同じ制服を着、その上から白衣を羽織っている赤毛に眼鏡の少女。

 もう1人も同じく眼鏡だが、快活な少女と赤毛の少女ともセミボブカットの少女とも違う白い制服にジャージの上着を肩辺りまで着崩して今にもズリ落ちそうな、スカートの下もジャージを履いた黒髪の少女が捲し立てる様に口を動かす。

 その光景にあんぐりと口を開け呆けるアザゼル、片や少女達はそれに気付かず構わず会話を繰り広げる。

 

 「さて、荒魂を倒しはしましたが…このノロはどうしましょう?」

 播と言う名のセミボブ少女が足元に広がる橙色の液体を睥睨しながら呟く。

 「回収しようにも異世界で連絡のしようも無いからネ、いやはや困った困った」

 赤毛の少女がやれやれとばかりに肩を竦める。

 「どうしますかな?放っとくとまた結合して荒魂になっちゃいますぞ?」

 黒髪眼鏡の少女もどうしたモノかと頭を悩ませる。

 「ずっと見張っておく訳にもいかないッスからね」

 丸山と言う名の快活な少女が豊かな胸の前で腕を組みムムムと唸る。

 と、4人が集まって唸り悩ます所、アザゼルは今度こそ声を掛ける。

 「あー…お嬢さん方、ちょっと良いか?」

 少女達は己に掛けられた声に反応し一斉にそちらに顔を向ける。

 「ワオ、ダンディなおじ様ですヨ、我々に何か用があるんですかね?」

 とは赤毛の少女のリアクション。

 「なんか怪しい雰囲気……不審者ッスか!?」

 先程まで荒魂が暴れていた場所に無警戒に現れたアザゼルを訝しむ丸山少女。

 「むむ?そう言えば、私クン達がお二人に駆け付ける時には既にあの辺に立っていましたね」

 肘までズレたジャージで所謂萌え袖風になった手で眼鏡を直す黒髪眼鏡の少女。

 「もしや第一村人ならぬ第一異世界人でしょうか?」

 「「それだっ!!」」

 播と呼ばれる少女が出した結論に赤毛と黒髪の少女が口を揃えて指をアザゼルに突き付ける。

 (…本当に何なんだ……このお嬢ちゃん達は…!マイペースにも程があり過ぎるだろ!?)

 約3名の怒濤のマイペース振りに困惑を滲み出すアザゼル。

 正直、関わるのが面倒臭くなってきた所だ。

 だが、そんな胸中をさらけ出す訳にもいかず、何よりこの異変の一端を知っているかもしれない貴重な人物を無視する事は出来ない。

 悪態を飲み込み、再び声を掛けようと動き出した所、向こうの方から声を掛けて来た。

 「失礼ですが…もしかして駒王町なる街をご存知ですか?」

 播と呼ばれた少女が代表して自分に訊ねてくる。

 だが、アザゼルが何より驚いたのは彼女が口に出した駒王町の名と、まるで自分達が全く違う世界の住人だとでも言わんばかりの訊き方であった事だ。

 「!?それは……いや、何故それを?お嬢ちゃん達は何者なんだ!?」 

 と驚きつつも先程までの少女達の会話を思い返す。

 彼女達は自分を見て第一異世界人と言った、それに怪物を倒した時も異世界だから連絡が着かないとも口走っていた。

 詰まる所、彼女達は自分達が己が居る世界が異世界と自覚していると言う事だ。

 そんなアザゼルの反応に対し赤毛の少女がお茶らけた感じで返答する。

 「我々はまぁ何ともうしますかしがない公務員ナノです。位置的に警察のお仲間的な?ま、そんなこんなで調査に出た所、宇宙人の仕業でこの世界に来てしまったんですネ~コレが。あ、申し遅れました、ワタクシ、渡邊エミリーと申します、以後お見知りおきを~♪」

 緊張感に欠ける自己紹介の中に含まれた重大なワード、それを頭の中で咀嚼し、その意味を吟味し、慄くアザゼル。

 「異世界だと……?!それに……(宇宙人。宇宙人と言ったのかあの娘?!マジかよ、いや、もしソレが本当の事ならこの不条理にも説明が付く)…兎も角、詳しい話を聞きたい!嬢ちゃん達が知っている事、全部聞かせてくれ!」

 近付いていた播少女の肩を勢い良く掴み掛かりゆく様は絵面としては少々危ない。

 「お巡りさん呼んだ方がいいッスかね?!」

  丸山少女が実際に繋がりもしない携帯片手に狼狽えている。

 「落ち着くのですぞ、丸山嬢。そこのダンディなおじ上殿、一度落ち着いて下さい、播先輩が話せませんぞ」

 ジャージ黒髪眼鏡の少女が割りとマトモな事を口にする。

 「あ、ああ…悪ィ……つい。ンンッ、兎に角だ!お嬢ちゃん達が知っている情報を俺にも教えてくれ。取り敢えず落ち着いて話せる場所まで行こう」

 己よりもずっと年下の少女に窘めなれ、咳払いで一度気持ちをリセットし少女達をグリゴリが用意した拠点へ向かい入れようとする。

 しかし彼女達は頻りに橙色の液体を気にして歩き出そうとしない。

 「うん?どうした?ソレに何かあるのか?」

 「はい、出来ればこのノロを回収しておきたいのですが……生憎、今の私達には器材の持ち合わせが無く…」

 「ふむ…分かった。それも此方の方で手配しておく。だから詳しい話を──」

 兎に角情報が欲しいアザゼルは彼女達の心証が悪くならないよう、要望に応える方向に決め、ノロも望んだ通り回収の人員と器材を配備すると答え拠点に連れ込もうと喋っていたその時、彼の後方より部下の堕天使が大慌てで駆け寄って来る。

 

「総督!アザゼル総督!大変です!!」

 「ーーッ、何があった!?」

 出鼻を挫かれ頭を掻きながら部下に苛立ち気に向き直る。

 部下も一瞬、怯みこそしたが、己の持つ情報を伝える事を優先し即座に言葉を紡ぐ。

「消えた筈の兵藤邸が再び現れました!!」

 部下の言葉に堕天使総督は目を見開き驚愕する。

 「何だと?!それは本当か!!?」

「はいっ!間違いありません!この街の一角、本来の駒王町に存在した兵藤邸跡地に間違い無く出現したとのことです!」

 確かめる様な問いに部下は頷き、アザゼルは光明が差した気分になる。

 

 「よし、お嬢ちゃん達!予定変更だ!今から俺と一緒にある家に着いてきて貰うぜ!」

 滲み出る喜びを噛み締めながら大手を振るうアザゼル。

 少女達は些か状況を飲み込めないながらも、ソレらも含め情報を把握する為、アザゼルの後へ続くのであった。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:We are DAGWON)

 

 いやぁ、何やら急展開ですぞ!

 

 うーん、このおじさん信用出来るんッスかね?

 

 虎穴に入らずんばとも言いますし、手許になんの情報も無いよりマシでしょう。

 

 フフ…何だか未知のモノと対面出来る予感がヒシヒシとするヨ!コレは実に楽しみですネ~♪

 

 次回、"刀使ノ指令ダグオン"

 考察、神隠しの真相?

 

 エミリー……あちらの世界に迷惑をかけてないと良いけど…(イストワールをマジマジと見詰めながら)





 伊吹童子来ない、ヤマダも来ない、鷹ノ巣はまだ回して無い。
 でも個人的には鷹ノ巣よりもその次のイベントに実装されるだろう巫剣が欲しい私です。
 いやぁG'sで確認したけどサラシで抑えられるレベルのお山じゃ無いですよアレは……なのに欠けないと一見ペッタンにしか見えないと言う罠。
 ではまた次回
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