刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

103 / 126

 明けましておめでとう御座います。本年も何卒宜しくお願い致します。

 さて、年明けになってしまいました、大変申し訳ございません。
 年末は本当に仕事が忙しくなるので帰って来てから中々執筆が進まず、この様と相成りました。

 光の聖剣自身がライダーだったとは思わなかったなぁ。
 所で福田氏の次のメイン脚本何時ですか?



第八十一話 出現!?新たなる異世界人!

 

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 イカれたマッドメガネ三銃士を紹介するよ!

 

 マッドメガネ三銃士?

 

 エントリーNo.1!口から出るのは論者の如く!森下きひろ!「失礼な!ですぞ!」

 エントリーNo.2!ハーフじゃないよ、アクティブサイエンティスト!渡邊エミリー!「なんか不名誉な呼ばれ方をされた気がする…」

 オオトリを飾るのは!綾小路のサイエンティックボマー!見た目は温厚、中身は狂人!渡邊翼沙ー!!

 

 ちょっと……詳しくお話しましょうか……。

 

 あれ?本部に行ったんじゃ…………ぎゃーっ?!

 

 南~無(。-人-。)

 


 

 ━━地球圏・月衛星軌道

 

 青い星を臨む灰白色の衛星に隠れる様に漆黒の新幹線が息を潜める。

 

 『むぅ…念の為にと月に沿って隠れてはみたが、果たして必要であったのか……』

 その呟きの答えは彼の牽引する貨物車輌から返ってきた。

 「此方(こなた)の身の安全を考えれば、其方(そなた)の行動は正しい。善きにはからえ。あの芸術家気取りは注文が細か過ぎていかん、其方(そなた)を見倣って欲しいものだ。うむ決めた。憂さ晴らしに何処か適当な場を入れ替えよう!」

 (この女は何故こうも偉そうなのか…。余、早くエデンに帰るか青いダグオンと戦うかしたい)

 地球から視線を外さない様に月の影に隠れつつも帯同者の愚痴を心の内でぼやくJーエースであった。

 そして仮面の修道女は新たに世界をひっくり返す。

 その土地に住まう者、巻き込まれる人間の意思など意に返さず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━静岡県某所・ダグベース

 

 ネプテューヌ達がこの世界に現れてから1日が経ち、異世界生活2日目の早朝。

 居住区画を静かに、しかし足早に駆ける人物──燕戒将である。

 彼の青年は日課としている素振りの為にダグベースの外へと向かっているのだ。

 

 「む…?」

 

 ダグベースより外に出た所、来客の為に使用されている特殊模擬専用スペース、シュミレーションボックス内から金髪の爽やか全とした少年木場祐斗が顔を出す。

 

 「やぁ、どうも」

 「木場か、君も早朝鍛練か?」

 同年代故か異世界の客人であっても気を遣う必要が無い為、気安く接する戒将。

 それでも綾小路の同級生やダグオンメンバーに向ける気安さとはまた違うのであるが。

 「まぁ…そんな所かな。そう言う君の方こそ、日課なのかい?」

 「そんな所だ。異常の中でも己が日常的に行う鍛練は疎かに出来ん。日々の積み重ねが己の糧となるのだからな…それに、これはまぁ…俺の精神集中法なのだ。何時如何なる非常識も、これを行えば存外容易に受け入れられる様になる」

 「それは…それですごいね…」

 戒将の返答の内容に苦笑を返す祐斗。神だの悪魔だのが存在する世界とて、それが常用であるならば日常の常であるが、それでも周りにトンデモを起こす人物が居る身としては戒将の割り切りの速さは感心を誘うモノであった。

 「ふむ…良い機会であるし、ここいらで訊ねさせて貰っても良いだろうか?」

 そんな好青年を見ながら顎に手を当て一考した戒将、生真面目な青年は最初に断りを入れて祐斗に訊ねる。

 「うん?なんだい?僕で答えられる事なら良いけど」

 その返答を是と捉えた戒将は、ならばと続け様に質問を飛ばす。

 「君の剣技……独自の物であるが、その剣筋に天然理心流の冴を視た。何処かで流派の教えを受けたのか?」

 昨日の覗き騒動の際、僅かな時とは言え祐斗の剣を視、見た戒将は己の中に生まれた疑問を素直にぶつける。

 これに対し、祐斗は最初どう答えたものかと躊躇いを僅かに顕していたが、自らの世界の事であるし大丈夫かと思い直し口を開く。

 「リアス部長のお兄さん…魔王様の眷属であるナイト(騎士の駒)の転生悪魔が僕の師匠でね、彼から剣術を習ったんだ」

 「ほう?魔王とやらは多少気になるが、転生悪魔と言う事は……元は人間か、天然理心流を修めたとなればさぞ高名な剣士なのだろう」

 戒将が発したその科白に更に苦笑を深くする祐斗。

 「高名と言うか……まぁ沖田総司その人なんだ」

 これには戒将も流石に大きく眼を見開き動揺した。

 「何……だと……!?いや、しかし……此方とは世界が違うのだから有り得なくは無いのか?だが、あの新撰組の天才剣士が転生とは言え悪魔だと…!むぅ……」

 何とも言い難い表情で唸る戒将、祐斗はまぁまぁと嗜めつつも話を続ける。

 「病床の折に、魔王様…サーゼクス・ルシファー様とお会いして眷属となる事を願い出たそうだよ。今ではかなりの実力者で、一人百鬼夜行なんて言われる程さ」

 病床と言う言葉に些か奇妙な反応を示す青年を眺めながら説明を続ければ、今度は一人百鬼夜行という所に眉を潜める。

 「彼の剣士が病に侵されていると言うのは何処の世界の歴史も同じく…と言う事か、いやしかし…悪魔は兎も角、何故百鬼夜行にまで発展するのか……だが、得心が云った。木場の太刀筋に理心流のソレを見たのは間違いでは無かった訳だ。であれば一応は同門の流派となる訳か」

 「君は天然理心流の使い手なのかい?」

 「うん?いや…うむ。一応は俺も理心流の技術は習得してはいるが……警視流が主だ。理心流は結芽がな…」

 言葉を濁しつつ妹の名を口に出す戒将、対して祐斗はあまり耳馴染みの無い流派の名前に首を傾げる。

 「警視流?どんな流派なのかな?」

 「なに、理心流等の流派と比べ歴史の浅い、警察の剣術だ。名の通り警視庁発祥の剣術でな、立合剣術、居合剣術、柔術から成る。我々が属する刀剣類管理局は警察庁の麾下組織だが剣術の流派自体は割りと自由が利く」

 戒将の説明に成る程確かに自分は知らない筈だと納得する祐斗。

 彼等は元の世界で様々な勢力と戦ってはいるが、そもそもの話…剣士の使う流派など気にはしないし剣士自体も遭遇するのは稀だろう。ましてや、極東の島国の剣術ともなれば聖書に記される勢力に属する祐斗達からすれば、使い手が現れる事の方がざらであろうと言うモノだ。

 警察組織にしても、そう言った人間組織との摂政を行うのは魔王達であるし人外魔境の怪物、怪人ばかりを相手にしてきたネプテューヌ達一行のメンバーである祐斗からしてみれば、純粋な対人剣術の機会はそれこそ悪魔の世界で流行っているレーティングゲームくらいなものだろう。

 

 「あー!見つけた!!」

 

 そうこう話している内に時間がそれなりに経っていたのか、可愛いらしい声が乱入して来る。

 「お兄ちゃんズルい!私が先におにーさんと戦うのに!」

 声の主は目の前に立つ青年の実妹、燕結芽である。

 一見して血の繋がりがあるように見えない程、見た目のギャップが激しい兄妹。

 祖先にどういった血筋が在ったのかは知らないが、白みがかった青い毛先の戒将と、薄紅の淡い桜の様な色合いの髪の結芽では大分正反対だ。

 強いて言えば結芽もまた毛先が桜髪から僅かに藤紫色に変化しているので、恐らくはそういう所に繋がりがあるのだろう。

 途もあれ齢12歳の少女は兄と金髪少年の元へと駆け寄る。因みに悪魔の羽が生えた熊のパジャマ姿である。

 「別に俺は彼と剣を交えるつもりは無いぞ?」

 「そーなの?じゃあいっか!ねぇねぇおにーさん天然理心流だよね?お風呂の時ちょっと見えただけだけど、それっぽい動きしてたし、私とあそぼーよ」

 少しばかり頬を膨らませつつ兄へ抗議をすれば、兄はそんな気など無いと返したので、ならばと祐斗の側に振り返りニヒヒッと笑って立ち合いをせがむ結芽。

 さて困ったと祐斗が戒将の方に視線を向ければ、彼はその視線に同じく視線で返す。

 "済まないが我が儘に付き合ってやってくれ"と、こうあってはこの金髪好青年で通る木場祐斗としても幼気な少女の頼みは断れない。

 しかし今から立合ともなると、と返そうと口を開きかけた時にソレは聴こえた。

 

 ブーブーと、携帯のバイブレーションの様な低く唸る様な電子音。

 意味が理解らず共に居る青年と少女を見ると少女は些か首を傾げ、青年は眉根を寄せる。

 「どうにも何かしら非常事態が起きた様だ。我々はダグベースに戻る、君は念の為に仲間を起こしてサロンにて共に待機していてくれ。行くぞ、立合はまたの機会だ」

 「むぅ…、はぁい」

 素直に兄の言葉を聞き彼と共に基地へ消える少女。祐斗もまた己が宛がわれ仲間達が眠る場所へと踵を返し目的を果たす為動く。

 

 

 

 

 

 

 

 所変わり、ダグベースメインオーダールーム。

 既に焔也、申一郎、アルファ、ゼータと顔を揃えている。

 「済まん。待たせた」 

 「お待たせー!」

 其所へ燕兄妹が揃って顔を出した事で、先程の警報についての会議が始まる。

 

 「ンデ……さっきの音は何ナンだ?いつもの敵さんが来るヤツじゃネェよな?」

 最初に申一郎が真っ当な疑問をアルファに訊ねる。

 「ん~、これはねぇ、ネプテューヌちゃん達が現れたでしょ?それでデルタがあの子達をタマ撃ってここに跳ばしたでしょ?その時のデータを元にあっちの世界から誰か来たら判るように、昨日片手間即席で組み上げたプログラムで作ったヤツなんだよね」

 ネプギアちゃん様々だよと締めながらケラケラ笑うアルファに他の皆は結芽以外呆れる。

 「精度はどの程度信用出来る?」

 「かなーーーーーーーーーり即席で組んだから大まかな場所しか分かんないんだよねぇ、だから転送装置はアテにしないでね」

 要するに異星人探知と違い転送装置の座標指定に情報が組み込まれていないと言う事らしい。

 「じゃあ直接その場所に行くしかねぇのか…」

 焔也が面倒臭そうな顔で天を仰ぐ。

 「ン、ちょい待ち。転送装置って宇宙人の出た場所とみんなが行ったことある場所しか行けないんだよね?」

 そこで会議の推移を眺めていたゼータが口を挟む。

 「まぁそうだね。それが?」

 「アンタさぁ、ちゃんと場所の詳細確認したの?」

 「ほぇ?」

 少女の様な少年が陽キャギャルの言葉にコテンと首を傾げてあざとい声を出す。

 「まだだよ。この身体に固定されてからここ最近不眠不休だったし眠いし寝たいし疲れたし、ボクが人間だったら死んでるからね?」

 とどのつまり会議を優先した為、詳細はこれから確認する予定であったのだと言う。

 「で、結局場所はドコナンだよ?」

 「ここからそんな離れて無い場所みたいだね~(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)」

 ゼータが己が座する場所にあるコンソールを手元と画面を見比べつつカタカタと操作してメインモニターの方に座標情報を映し出す。

 果たしてその場所は──

 

 

 

「浜松…?」

 

 

 

 そしてサロンでは祐斗の報せにより集まった男性陣とデルタによって集められた女性陣が互いにこの世界で迎えた朝に所感を交えていた。

 「どうしよう……凄いハイテクだよココ!」

 ネプテューヌが開口一番、そんなことを宣う。

 しかしそう発言するのも致し方無い事、居住区の個室は基本的にオートメーション機能が組み込まれた電化製品で溢れており、ボイスコマンド1つで照明からテレビのオンオフまで自在、そして使い慣れない場合でも普通に手動式に切り換えられる、そして部屋のレイアウトも自由……他にも機能はあるが、それらだけでも一般企業に勤める両親を持つ彼女からすれば驚くべき事である(まぁ…グレモリー家の計らいで普通の一般家庭よりは広い家ではあるのだが)。

 

 「そうね……いかにもSFチックな部屋から、割りと普通のテレビが出てきたりするのはそれはそれで驚くべき事だけど」

 「お洗濯物もこちらで別けなくても勝手に選別してくれますしねぇ」

 リアスと朱乃も割当てられた部屋を思い出しながら感心した声を出す。

 

 「え?俺らは簡素な大部屋らしい場所で布団なのに、姉ちゃんや部長達はそんなホテルみたいなアフターサービス受けてたの?」

 「いやいや、確かに簡素な場所だったが空気清浄や冷暖房まで完備されているシュミレーションルームと言うのも普通は無いだろうよ」

 一誠が自分達とは雲泥と思える程の扱いの差に出荷された家畜の様な瞳で己の境遇を嘆けば曹操がシュミレーションボックス内の意外と充実していた環境を挙げ列いフォローする。

 

 そんな男女での生活の違い云々の会話を少し離れた場所から眺めていたデルタが何事かに気付いて声を発する。

 「どうやら同朋と勇者達は語らいを終えたようだ。間も無くこの場へと馳せ参じるだろう」

 彼女の言葉の通り、サロンの扉が開きアルファを先頭に焔也、戒将、申一郎、結芽、ゼータが入室して来た。

 

 「やぁみんなおはよー!昨日はよく眠れたかな?」

 

 「ええ、とても快適だったわ…恐ろしいまでに」

 

 「なんて言うか至れり尽くせりだよね」

 

 「ふかふかでした(お布団が)」

 

 

 

 「寝れはしたけど……何で俺達と女性陣でこんだけ差があんの?いやまぁ…俺は覗きに参加したから多少雑でも文句言えないけど」

 

 「何だよ?屋根があって布団が寝袋とは言え、眠れる道具と場所が揃ってんだから俺らだって至れり尽くせりだろ」

 

 「ぼくなんかワザワザ…テントまで用意してもらって心苦しいくらいですぅ」

 

 「野晒しで泥を啜るような事態よりは余程の極楽だろう」

 

 アルファからの質問に様々な返しが跳ぶ。

 「良かった良かった。じゃ、早速本題ね。今朝新たに次元がひっくり返って新しく君達の世界から誰か来たみたいだよ」

 

 「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」

 「へぇ…」 「何ぃ?!」 「ほぅ…またか」 「そんな事も分かるとは…」

 オカ研側が驚愕しヴァーリや英雄達は驚きこそすれ落ち着いている。

 「ち、因みに誰が来て、何処が巻き込まれたの!?」

 イリナが自分達の世界から誰が来たのかとこの世界の何処が巻き込まれてしまったのかを訊ねる。

 「その点だが…我々が感知している情報は飽くまで君達の世界の人物が1名此方に迷い込んだ事が分かっているだけで、土地ごとか人のみかはこれからの調査になる。また、既に件の人物の出現場所は判明しているが…我々のみでは警戒される可能性が高い。故に君達からも数人同行して貰う」

 戒将の説明を受け、彼等彼女等の面々ははてどうしたものかと話し合う。

 「はいはーい!取りあえず主人公としてネプ子さんは着いてくよ!!」

 「姉ちゃんが行くなら俺も行く!」

 「何があるか……誰が来たのか分からないのは不安だけどこの場にいる魔王の名代として私も同行するわ」

 「兵藤一誠だけでは頼り無い。何よりネプテューヌが行くなら俺も共にある」

 と、此処までで自ら挙手した者達でネプテューヌを除く面子ほぼ半数が悪魔である(ヴァーリは半人半魔であるが)。

 「種族偏り過ぎだし誰か分からないなら、一応私も一緒に行こうかしら」

 同盟を結び争う必要が無くなったとは言え、勢力のバランスを考慮した結果イリナも手を挙げる。

 「ふむ…では我々英雄派は俺が……「お前ばっか良いとこ持ってくなよ偶には俺にも出番寄越せ」…分かった、そこまで言うなら任せる」

 英雄派からは曹操を押し退けヘラクレスが同行と相成る。

 

 「決まりだね。じゃあ転送装置のある部屋まで行こっか!浜松の座標はトラッカー星人の時に入力されてるしね~」

 「ちょっと待ったー!取りあえず、話の詳細が纏まるまで触れないでいたけど……ネプギアは?どうしたの?それにそっちも全員揃って無いよね?」

 ふと姿を見せない妹の事が気になり、序でに先程から一向に姿を見ない他のダグオンメンバーの所在も訊ねるネプテューヌ、その彼女の質問に焔也が頬を人差し指で掻きながら困った様に答える。

 「あー…まぁ、俺らってさ学生な訳で…しかも伍箇伝って所は普通の学校と違うもんだから、仕事もあってだな、それになんて言うか……これが一番重要なんだけど……………俺らの正体って世間一般だけじゃなくて、管理局の人間にも秘密なんだわ」

 そんな少年の答えに対しゼノヴィアがそう言えばと駒王での出来事を回想して口を挟む。

 「刀使と言ったか…?彼女達も見たところ君達の正体や詳細を詳しくは知らないようだったな。何故だ?」

 一般の市勢に対しては未だしも、彼等が己の所属する組織にまで正体を隠す理由を問うゼノヴィア、答え如何によっては我々の信用も失うぞと言外に含むその瞳の奥底には後ろ暗い事があるのかと問うているようであった。

 「まず最初に、我々は決して悪意があって正体を伏せている訳では無い。話が些かややこしいのだが……簡潔に言えば、君達が現れる以前、刀剣類管理局内ではゴタゴタがあってな、事次第によっては日本…いや、世界の命運が懸かっていたかもしれない事件だ」

 戒将が当時を思い出すように語る。

 「マァ、アレに関しちゃ今もチョイとゴタついてんだけどナ」

 申一郎も戒将に同意しつつ現在進行系の厄介事に顔をしかめている。

 「簡単に言えば、組織内の敵に目を付けられないようにしてたんだ。後は異星人連中に目を付けられた場合とか、他所の国の思惑とか考慮して…だったか」

 焔也もダグオン結成当時を振り返りながら皆で決めた事を簡潔にゼノヴィアやネプテューヌ達に説明する。

 見かねたアルファも補足として口を開く。

 「この世界、荒魂っていうか、ノロや御刀の隠世の技術あっての高度な文明発達があるからねぇ、例え所属組織であっても宇宙警察のオーバーテクノロジー(byボク監修異世界アップデート)なんてモノを身近に持った人間が居るなんて明かせないよ……特に今現在の雪那ちゃんとか、舞草日高見派とか……転じて情報がDARPAとかに洩れちゃうかもだし

 少女の様な少年が最後に言い放った言葉は声が小さく尻すぼみであった為、この場の同朋2人以外には聴こえる事は無かった。

 「やはり人間にとって最も恐ろしいのは同じ人間と言う訳か……得体の知れぬ力を持つ者なら尚更…。どの世界もそれは変わらないだろうね」

 壁に背を預けながら曹操が皮肉染みた笑みを浮かべて口走る。

 一同が沈黙し重苦しい空気が漂いそうになり、慌てネプテューヌが話題を変えようと自ら率先して動く。

 

 「もぉー!暗い話は禁止!シリアス反たーい!!」

 

 そしてこれに同調したのがアルファである。

 

 「そうそう、せーっかく新しい異世界人が来たんだし、楽しい気分で迎い入れなきゃ!」

 

 (そもそもまだ味方って決まってねぇんじゃね)

 (現れた人物が必ずしも彼女達の知人とは限らんだろう……)

 (ぶっちゃけヤローじゃなきゃ誰でも良いや)

 (強い人だと良いなぁ~)

 四者四様である。

 「でさ、ツバッティとりゅうちんと鉄ちゃんはどうすんの?」

 ここで今まで沈黙を保っていたゼータが会話に加わる。

 「()()で連絡をする。十中八九、後で合流するだろうからな」

 戒将が左腕に装着されたダグコマンダーを翳しながらゼータへ応える。

 「よし!じゃあ今度こそ話も纏まったし、いざ目的地へレッツゴー!!」

 アルファの号令に勇者達は呆れつつ、少女は楽しそうに、女神一行は未だ見ぬ来訪者に期待と不安を馳せ転送装置へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━静岡県浜松市・浜名湖近辺

 

 静岡にて最も有名な湖を一望する事が適う街で、とある人物が悲鳴に近い怒号を挙げる。

 

 「クソォッ!?此処は一体何処だ!何故こんな事になった!!?

 

 人目も憚らず叫ぶは金髪を適度に流した青みの強い碧眼の優男。

 格好と相まって、一見するとチンピラ崩れがホストになった様に見えなくもない。

 彼は自らの置かれた異常に苛立たし気に地団駄を踏む。

 そんな彼、冥界の名門貴族悪魔フェニックス家三男──ライザー・フェニックスは何故この様な事態になったのかを怒れる頭で思い返していた。

 

 そもそもの発端は冥界で多発していた神隠し(実際には冥界のみならず、人間界の至る所や果ては天界までも起こっていたのだが)にて、ライザーの妹にしてフェニックス家長姉レイヴェル・フェニックスが被害にあった事が事の興りである。

 愛娘が行方不明とあってフェニックス夫妻は大いに動揺し悲嘆に暮れた。

 そしてその息子3人も溺愛する妹の事とあって大慌てで持てる術を行使して行方を探していたのである。

 そんな時、そんな時にだ。妹を探して己の眷属とも手分けし冥界の方々に散って捜索に当たっていた間際に大地が……いや、世界が揺れた。

 そして気付けば己1人見ず知らずの場所に居た。

 正確には一度、ライザーごと冥界の街がこの世界の何処かと入れ替わった後、ライザーだけが改めて浜松に跳ばされたのだ。

 

 「見た所、人間界のようだが……リアス達の居る駒王では無い、ええいっ!一体全体何だと言うのだ!!」

 

 忌々し気に眉間を歪めながら白地のスーツの襟元を緩め独り語ちる。

 そんな彼の元へ何やら制服警官が近付いて来るではないか。

「そこの君、ちょっといいかな?あー…Can you speak English?」

 2人組の制服警官の内、1人がライザーへたどたどしく語り掛ける。

 「うん?何だ貴様ら?」

「ん?日本語が話せるのか…丁度良かった。近隣の住民から奇妙な外人が騒いでいると通報があってね。申し訳無いが交番まで任意同行して貰えるかな?」

 ライザーが流暢に日本語を喋るので警官も手間が省けたとばかりに同行を求める。

 「断る!こっちはそれどころじゃ無い、目障りだ消えろ」

 元来の性格が傲慢な所もあるが、レイヴェルの件や何時の間にやら見知らぬ場所に跳ばされた事により、ライザーの機嫌は底辺に達していた。

 故に外聞も省みず、声を荒げ、警官達を邪険に扱ってしまった。

「……ならせめて身分証なり身の上を証明出来る物を出してくれるかな?」

 ライザーの態度に眉をしかめる警官、しかし職務であるからには向こうが手を挙げていないのであれば任意を乞う自分達は穏当に済ませなければならない。

 まぁ、地域によっては過激な警官も居るだろうが…少なくとも彼等は違った。

 「っ…図に乗るなよ、此方は急ぐと言ったはずだ」

 だがライザーはそんな彼等の心遣いを無視し彼等を無理に押し退けこの場を離れようとする。

「待ちたまえ!」

 警官の1人がライザーの肩を掴む。しかしそれが余計に気に障ったのか掴んだ警官の手首を掴み返し、力を込める。

 「不敬な奴め、俺の邪魔をするな…!」

「っあ?!ぐっ!」

「お、おい!?君!?止さないか!離したまえ!公務執行妨害だぞ!!」

 もう1人の警官が慌てて相方とライザーの間に割って入り苦言と警告を呈する。

 「チッ…!」

 これ以上は面倒だと思ったライザーは逃げようと足を向ける。

「此方、巡回19!通報にあった不振な外国人より暴行を受けた。応援を要請する!」

 が警官としても仕事である。易々と逃がすつもりは無い、無線を通して応援を請い2人もライザーの肩を今度は抵抗されぬよう、2人がかりで押さえ込むように組み付く。

 

 「ヌォオッ?!何をする!?離せ!俺が誰だと思っている!?俺はフェニックスだぞぉぉぉお!!

 

 

 

 そしてそんな光景を呆然と見やる集団。

 「妖怪ボタンむしりか?」

 焔也が休日にレンタルした特撮作品を思い出して口を滑らせる。

 「お前は何を言っているんだ…」

 戒将も呆れながら眼前の光景に頭を痛める。

 「私知ってる!焔也おにーさんが見てた仮面ライダーのやつ!」

 結芽がサロンで見掛けた焔也の観賞風景を回想して声を挙げる。

 「ヤローかよ、ってかフェニックスってたな。あれってオマエらのオナカマ?」

 申一郎が指差しながら隣のネプテューヌと一誠に訊ねる。

 「ねぇ…一誠、リアスちゃん、あれって……」

 「ああ、間違いねぇ…あのホストみたいな見た目」

 「まさか、此方に来たのが彼だったなんて……」

 オカ研メンバーが見知った顔に動揺する。

 「ふむ……あれがフェニックスの三男か」

 「誰?」

 「ほ~ん、アイツがフェニックス家の」

 面識の無い残り3人が目の前の光景をして呑気な事を言ったり知らない故に洩らしたり、感心したりしている。

 

 

 「離せぇ!!俺はフェニックスだぁぁああ!!」

 

「暴れるんじゃあない!」 「大人しくしなさい!」

 

 

 「えっと…助けた方が良いんだよな?」

 「関係者と言うのなら放っておく訳にもいかんからな」

 「シャーねべ、適当に理由デッチ上げてこっちで回収すっぞ」

 「強そうに見えないなぁ」

 「……同意する。警察との揉め事は避けたい」

 「うわっ?!りゅーごくん!?」

 4人の言葉に続け何時の間にか現れていた龍悟の存在に驚き慄くネプテューヌ。

 全く一切気配を感じなかった為、驚くのも仕方無い。

 「マジで忍者か何かかよ…!?」

 『この俺が何一つ感じなかっただと…!?』

 「アルビオン?」

 『此方も同様だ。六角龍悟の気配を一切感知しなかった』

 「変身しなくても忍者なのね…?!」

 「忍者って怖い!?」

 「マジか…何時来たんだよ…」

 ネプテューヌ達も一様にその驚愕を言葉に出す。

 「こう言う時ってアイエエエ!?ニンジャナンデ!?ってお決まりのアレをやっといた方が良いかな!?」

 そして改めてネプテューヌがダグオン達にはよく解らない事を口にする。

 「何を馬鹿な事を言っている、君達も手伝え、警察は我々が対処する。君達は彼の方へ」

 戒将が呆れに呆れながら指示を飛ばす、その時であった、ダグコマンダーからスペクトラムファインダーのアラートが鳴り響く。

 

 「何だと!?」 「荒魂?!こんな時にかよ!」 「もしくはこんな時だからカモナ!?」 「……」 「……来る…」

 龍悟の言葉を皮切りに、不気味な音が近付いて来る。

 何処からか聞こえる何かが跳躍する音、その音の主が揉める警官とライザーの前に着地する。

 

 ──Gurrrru…!

 

 それは巨大な虎とも狼ともとれる異形、妖しく体躯を輝かせる朱色と橙色の血脈、大型トラック大の獣型荒魂が牙を覗かせ涎を滴ながら人類と悪魔の前に現れたのであった──

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:We are DAGWON)

 

 あちゃー、あの子達転送装置になんの備えも無く入っちゃったよ…。

 ダグオンのみんなはともかく、あの子達はまたデルタに頼んで回収しなきゃ。

 

 そんな悠長言ってる場合じゃないし!荒魂が出たんだよ!?ヤバいジャン!しかもデカイし!!

 何か増えてるし!変なドレスの美女が出て来たし!

 

 あー…何か結芽ちゃんとねぷねぷを危ない目で見てるね…。

 

 次回、"刀使ノ指令ダグオン"

 激震?!四霊刀鳳凰!!?

 

 え?ナニソレ??(・_・;?

 

 嘘ん?!赤羽刀に四霊があるなんてボク聞いてない!!

 





 天華百剣に影打の新顔が!ってまさかのマサヒデ……のロリ版!"すいしんしまさひで"とは!!
 あざとい!可愛い!
 って言うか基本影打のマサヒデがまずあざとい!
 後、影打のヒロもわりかしあざといエッッッ!
 テツはもう面白キレ系芸人枠が板に付いてきたなって、可愛いけども。
 ではまた次回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。