刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは。
 本編と迷いましたが、あらすじでちょくちょく触れてた彼女達の出番を作るならここかなぁとか思い、幕間で投稿する事にしました。

 最近は仕事の疲労感が残る所為か中々早くプロットを作れませんが許して候。

 そしてデジモン図鑑を見るのが最近の日課の1つ、所で何時になったらバンチョーリリモン追加されるんでしょうか?
 新しいデジモンはちょくちょく更新されてるのに……ラブリーエンジェモン?新手のプリ○ュアかな?



幕間 迷い込んだ者達

 

 ━━美濃関学院・学長室

 

 「ええ、テレビで見ていたわ。そう彼等と一緒に……。例の彼女は恩田さんに預けたわ。ええ、五條学長が保護した娘はまだ彼女の元に居るみたい」

 学長の執務を行う机に備え付けられた電話を取りながら、美濃関学長羽島江麻は電話の向こう側の相手に穏やかながらも真剣みを帯びた声で応じる。

 江麻の視線の先、壁際のオーディオ棚に鎮座するテレビから流れるのは山北町──現在は駒王町となった土地の現状を示す報道が流れている。

 街が入れ替わって約2日半、絶えず警察の警戒網を割って入らんばかりにマスコミが詰め掛けている。

 上空からの報道ヘリによる空撮でも街の一角が言葉では言い表せ無い様な様相を呈している。

 敢えて言葉を使うならば、それは立体的なゲルニカだろうか。

 見えない壁の内は恐らく異星人であろう何某かの存在の手により自由の女神や凱旋門、ピサの斜塔、シドニーコンサートホール、万里の長城、ピラミッド、首里城、世界を問わず様々な建築物がごちゃ混ぜになっている。

 それだけに限らず、見た事も無い建物や奇っ怪な森林郡、京都の古都らしき妖しい木造やオドロオドロしい物もあれば神聖さをモニター越しにも感じさせる用途不明の建築物まである。

 何より色がカオスだ。

 元の色の上に己の感性に任せたのであろうサイケデリックな色彩変えられた建築物達が目に痛い。

 常人には一切理解出来ないが、恐らく製作者には全容が見えているのだろう、変わらず絶え間なくモノを動かしている。

 

 「これも異星人だからこそ出来る仕業なのかしらね……ダグオン達も動きを見せていないそうじゃない?あれから何かしらの接触はあったの?」

 電話の向こう側の相手も異変解決の糸口を掴めない事に苛立ちが募っているらしい、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()彼女としては手をこまねくしかないのだろう。

 質問が些か無遠慮だと思い直し、話題を替える事にした。

 「所で彼女の他に異世界から来たと証言している人物だけど……、ええ、五條学長が京都に立ち寄った時に保護した少女は狐の尻尾を覗かせていたそうよ。そちらの……陽司さんの青砥館で面倒を見てる女性は…え?そう…彼女自身がそれを望んでいるのなら良いんじゃないかしら」

 平城学長五條いろはと電話の相手が其々に保護した少女と女性の情報を思い返しながら江麻はテレビを消し、会話を締めに掛かる。

 「そうね、兎も角…彼等に動いて貰うなら、接触がある衛藤さんや安桜さん達を窓口にする方が穏便かつ的確かもしれないわね。私はこれから恩田さんの所に向かい例の彼女の様子を伺います。貴女も性急にならないようにね紗南」

 電話の相手──現在本部にて懸かり詰めの後輩に労いの言葉を掛け、江麻は通話を終える。

 

 「本当に…今年に入ってから忙しなく色々な物事が起きるわね…」

 折神紫暗殺未遂事件から事を発し、ダグオン出現、異星人襲来、鎌倉特別危険廃棄物漏出問題等々、この世界を取り巻く情勢は目まぐるしいモノだ。

 其処へ更に神隠し事件、街入れ替えと来たものだから紗南の処理すべき仕事に雑務が増えること増えること。

 学長職務以外ではどちからと言えば研究者気質な後輩の苦労を偲びながら江麻は数日前、美濃関の巡回区域で保護された金髪の少女を思い浮かべ、彼女を預けた美濃関OGの元へと向かう準備を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━都内某所・恩田累のマンション

 

「いや~、日を追う毎にどんどんおかしくなってくね、あの街」

 都内でもそこそこ優良な物件のマンションの一室でキャリアOLの独身生活です。忙がしくて片付けする暇もありません。そんな風に主張する程度に散らかったリビングで恩田累はテレビを見ながら呑気に語る。

 嘗て転がり込んだ可奈美と姫和の献身的な奉仕にて片付けられたその場所も同居人が消えれば瞬く間に元通り。

 それでも最低限ゴミ袋に纏めているのは、現在同居している少女を思んばかってか──

 「あの街って…やっぱり貴女の知ってる街だったりするの?()()()()()()()()

 なるべく陽気な声音で異世界の客人に画面の中の街との関係について訊ねる累。

 対してシルクも斯くやとばかりの金糸の髪を螺旋の様にカールさせた所謂ドリルツインテールの髪型に年相応の育ちの良さと気品を感じさせるつり目がちな少女が応じる。

 「ええ、はい……ある都合であの街には赴いた事があります」

 累からの問いに少々躊躇いがちに答えるレイヴェルと呼ばれた少女。

 彼女はまだ駒王町が山北町と入れ替わる前から起きていた神隠しによりこの世界に現れた異世界人の1人である。

 突如として見知らぬ世界に飛ばされ、偶然通り掛かった美濃関の刀使に発見され、紆余曲折の後江麻と対面、数日間の調書を経て進展が有った際を考慮した結果、江麻の手引きで累宅へ世話になっているのだ。

 そして本来勝ち気が強いお嬢様である彼女だが、見知らぬ土地、慣れぬ場所での生活とあって些か元気が無い。

 累もそれを理解してなるべく暗くならない様に率先して話題を振っているのだが、レイヴェルに覇気が見られないもう1つの原因が己のものぐさな生活にあるとは累も露程に思ってもいないだろう。

 この辺りが裕福な真正のお嬢様と仕事に忙殺される独身貴族の違いである。

 「ならもしかしたら、レイヴェルちゃんの知り合いが居るかもしれない訳か……無事だといいわね」

 「はい、ありがとうございます」

 世話になっている身の上か、素直に感謝を述べるレイヴェル。

 とは言え彼女もここで生活するに当たって数日は経ったのである程度の苦言は累に呈している。

 来た当初よりは大分マシになったのだ。

 「後、今日は羽島学長……羽島さんが様子を見に来るから」

 と事の序でにとばかりにサラッと口にした累。レイヴェルはそうなんですのと普通に流しかけて、しかし目をひんむく。

 曲がりなりにもこの世界で後見人をしてくれている恩人が訪ねて来るのだ。

 家主がコレとは言え、この部屋の様を見せる訳にはいかない。

 レイヴェルはこの数日間で慣れた簡単な家事に急いで精を出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 暫くして、マンションの累の部屋に江麻が訪問すると、部屋の主が外に所在無さ気に立っているのを見付ける。

 曰く、客人の少女が大急ぎで掃除をしているのだとか、邪魔になるので追い出されてしまったとか。

 そんな累の言い分に江麻は何をしているのだと頭を抱えた。

 

 ──浜名湖の自然公園での戦闘が起こる数時間前の事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━渋谷・青砥館

 

 利用客の殆んどが刀使を占める研師の店。

 店内を覗けば所かしこに飾られた刀の類い。

 店内に人の気は無く、店の奥……住人の生活圏内である居住区画で店主青砥陽司が店の商品となる荷を持ち出し一旦テーブルに置きながら腰を軽く叩いて荷出しを手伝う女性に礼を述べる。

 「いやぁ~、助かったぜ。陽菜が居ない間は人手が足りなくてなぁ…一応、稀にだが手伝いに来てくれた血気盛んな坊主が居たんだが、最近何やら忙しいのかめっきり顔を見せなくてなぁ。お嬢さんが手伝ってくれて大分助かってるよ」

 初老に差し掛かった頭を掻きながら陽司は仕事を手伝う女性に向けて感謝を尽くす。

 「いえ…これくらい、此方こそお世話になっているお礼ですので」

 そんな陽司の言葉に謙虚に返すのは銀髪の長髪に若干幼さの残る顔立ちの女性。

 丁度、少女と大人の中間くらいの年齢層だろう人物が苦笑気味に笑って返す。

 彼女がこの青砥館に世話になって早2週間、居候生活にも慣れたものである。

 「いやいや、謙遜すんなよ。刀使の嬢ちゃん以外にも、お嬢さん……ロスヴァイセちゃん目当ての一般客も来るようになってウチは嬉しい悲鳴を挙げてる。まぁどちらにせよ最近は情勢柄研ぎの仕事が多くて俺も大変だ」

 陽司がロスヴァイセと呼んだ女性はそのようですねと頷く。

 「最初の数日は此処が私の知る世界と違う事に戸惑いましたが、陽司さん達のお陰で生活には困りませんし、ある程度、この世界が置かれている状況も把握出来ましたし、後は──」

 「帰る方法だけ…って訳だ。ま、その辺はダグオンに遭えりゃ判るかもな」

 そう言って居間に置かれたテレビに視線を移す陽司。

 番組は入れ替え現象の報道から週末に毎回行われているダグオンの特集へと移り変わっていた。

 

 「ダグオン……連日のテレビ報道でも度々名前が挙がりますけれど、何者なんでしょうか?」

 同じ様にテレビへ視線を向けながら話題となった戦士達への疑問を述べる。

 「さてなぁ、俺の所見では血気盛んな若人ってとこかねぇ。悪人では無いのは確かだろう」

 相応に生きてきた人生感からそんな見解を口にする陽司、その言葉は気軽でこそあるが確かな確信も覗かせるようだとロスヴァイセは感じた。

 少なくとも彼女が元居た世界の上司であるスケベ爺よりは素直に信頼出来る言葉だ。

 

 「何か判ったら陽菜が何かしら管理局での情報を差障りの無い程度には教えてくれるだろうさ」

 無論、陽司独自に舞草の方から情報を得る事も可能である。

 陽司の陽気な言葉を受け銀髪の戦乙女はそれは組織の機密としては如何なモノだろうと言う考えが頭の片隅に過るのであった。

 

 

 ──レイヴェル同様、自然公園での戦闘が起こる数時間前の出来事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 彼女達を含め、この世界へ迷い保護された者が同様に巻き込まれ、ダグオン達と行動を共にするネプテューヌ一行に遭遇するまで後──

 

 果たして彼女達は無事帰還する事が叶うのであろうか。

 

 

 





 サラッと五條学長の所にCVそらまるのお狐幼女がいると明かしましたが、幼女の出番は=変態出現の合図なので……。

 ウマ娘リリースされたら私のスマホは容量とか持つのだろうか………ダスカは確実に欲しいなぁ、次点でヒシアマ、タイキ、ブルボン、クリーク、お嬢、パーマかなぁ。
 ウララとターボはアニメの癒し

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