刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは。
 今更ですがこのコラボ、コラボとして一応此方が省略したりした描写の会話等はロザミア様に描写して頂ける形となります。
 勿論、ソレとは関係無く敢えて想像力の余地を持たせる為に省いた部分もありますが。

 プリンセスプリンシパルCrownHundred第一章観に行きました。
 チビッ子コンビの顔が可愛いかったり、相変わらずドロシーが映る度お山に眼が行ったり、古賀ちゃんアンジェは可愛いかったりでした。



第八十四話 変態は終わらない。オカ研、刀剣類管理局へ

 

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 うう…うぅ……幼女が…幼女がぁ……。

 

 ウン。コイツやっぱ捨てよう。

 

 落ち着け!?こんなでも同盟相手だ!!

 


 

 ━━鎌倉・刀剣類管理局

 

 「浜名湖近辺で出現した荒魂にダグオンと謎の刀使、そして異世界から現れたとされる者達が対処…。現場には七之里、山城の両名のみが先行して対応に当たるか………待ちに待ったダグオンの出現だが…同時に厄介事も付随するのはどにかならないものか」

 発令所の本部長席にて浜名湖で起きた戦闘行動に於ける事前報告に目を通していた真庭紗南が嘆息しながら真後ろのモニターに視線を向ける。

 其所に映っているのは特徴的な装甲を纏う、最早日本に知らぬ者の方が少数派となった謎の戦闘集団ダグオン。

 「どうだ?映像の方は…?」

 紗南は同じく発令所に務めるオペレートや解析等のサポートを行う生徒に訊ねる。

 「ダメです。履歴をいくら洗い出しても荒魂出現からダグオン出現までの現場の衛星画像の記録がありません。それと刀使らしき人物が振るっている御刀ですが………二振りとも管理局に登録がありません!」

 紗南からの質疑にデータベースを参照しながら答えるのは綾小路の制服を纏った利発的な佇まいの少女、水科絹香。

 元は一般の学校に通っていたが、妹が御刀に選ばれ刀使となった事から伍箇伝の門戸を叩き、妹の安全を確実な物とする為に本部の作戦立案や参謀指揮を行うまでに至った勤勉(シスコン)の才女である。

 「それと……ダグオンと交戦していたと思われる人物の所有している御刀も未登録の物と思われます…」

 次にモニターに映し出されたのは鳳凰を握るアドヴェリア。勿論、奇行も記録されている。

 紗南達、本部の発令所詰めの人間には音声が無い為、ダグオンや異世界人とどの様なやり取りがあったのかは不明だが、少なくともアドヴェリアが只の人間では無いと言うのは映像からでも理解出来る。

 「登録不明の御刀が三本……、いやそもそもあの緑色の刃は本当に御刀か?」

 フード姿の結芽が最初に振るっていたチョコミン刀に訝しげに顎に手を充て眉を潜める。

 「途もあれ、これで正体不明の刀使らしき人物が三人。いや……あのドレスの女も入れれば四人か。七之里、山城が事を上手く運んでくれれば良いんだがな」

 そうして荒魂と戦う6人の戦士と異世界の紫色の女神と紅白鎧、奇妙な力を振るう少女達のモノに映り替わった映像を見て事態の打開を願うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━浜名湖近辺・自然公園

 

 「いや~こんなお綺麗なお姉さま方とお近づきになれるなんて……あたしってば一生分の運勢を使い切っちゃってるんでしょうか?でもうれしい!!」

 だらしない顔でデヘヘと声に出しながら山城由依はリアスに近寄る。

 「この娘…何かおかしなモノでも食べたの?」

 ニヤケ面でにじり寄る由依にそそくさ後退しながらターボカイに訊ねるリアス。

 「ぬぅ……(山城由依、これ程不埒な者であったのか…あの時感じた邪念は彼女のモノだったか)」

 返答に窮していると呼吹がカイの側に寄ってくる。

 「おい、ダグオンのリーダー。ちょっと耳貸せ」

 「別にリーダーと言う訳では無いのだが……何か要件があるのか?」

 荒魂が居なくなりやる気が駄々下がりの呼吹の言葉にカイが腰を僅かに下げ少女の言葉に応じる。

 

 「リーダーは俺だろ?」

 「無いワァ…オマエがリーダーとかマジ無いワ」

 「……指揮自体はカイが執っているのだ。そう誤解しても致し方無いだろう……」

 「エン、戦隊はレッド以外もリーダーになるんですよ?」

 「お主、レンタルして見とるじゃろ?絵空事はその頭の中だけにしておけ、カリスマ性はお主には無いぞ?」

 呼吹の言葉を聴きエンが己を指差した所、シンがやれやれと肩を揺らしながら否定し、リュウがカイをリーダーと見た呼吹の判断は仕方無いと加わる。

 ヨクとゲキがダグベースで鑑賞会を開いてまで観ているニチアサ特撮作品を引合いに出す。

 そしてゲキの最後の一言で取っ組み合いになった。

 

 

 

 「ふへへ……あの、超絶美人のお姉さま、ちょっと抱き着いてもよろしいでしょうか?」

 一方由依は揉み手を携えここぞとばかりにリアスへ願望を垂れ流す。

 「えっ…?いえ、流石にそれは……いくら同性同士だからと言っても礼儀ってものがあるでしょう?」

 異世界で初対面で尚且つ知り合いに似たタイプが少ない事もあって尻込みするリアスに由依はならばと迫る。

 「これから親しくなりましょう!お互いに知っていけば良いんですよ!」

 瞳にハートを撮す由依の剣幕に圧されるリアスをパープルハートと頭部の兜を解放した一誠、ヴァーリが離れて見守る。

 結芽はライアンを握りながらイリナの側に着く。

 「ね、ねぇ…結芽ちゃん、あの娘達知り合い?」

 イリナはリアスに迫る由依とカイと何事かを話す呼吹を指しながらこそこそと訊ねる。

 「う~ん…。あっちのおねーさんは知らないけど、もう一人は前に清香おねーさんと戦った時に邪魔して来たおねーさんだよ?」

 清香おねーさんとはあの時駒王で会った娘だったかと思い出しながらイリナは隣の少女が宣った"戦った"という科白に戦慄を禁じ得ない。

 (この娘…もしかして結構戦闘狂なの…!?)

 結芽当人はその行いに彼女なりの理屈が通った上での行動であったので、別に戦闘狂と言う訳では無い。

 相手によっては楽しんでいる節も無いではないが、主目的は自分のスゴいところを見せたい!と言う幼さ心である。

 

 「ってか、おい、由依、お前……ちゃんと説明しろよ!アタシがダグオンの方にワザワザ話てんだから、お前はそっちの話早そうなデカチチにとっとと本部長からのオツカイを果たしやがれ!!」

 カイと話し込んでいる途中で一向に本筋に触れず緩んだ顔でリアスの胸に顔を埋めようとする由依に対して痺れを切らし当たり散らす。

 「へへぇ~♪分かってますよぉ~、ちゃんとはなしますからぁ~」

 当の由依は遂にリアスに抱き着く事に成功し段々と言葉も覚束無くなる程に表情を蕩けさせている。

 「デカ……?!」

 リアスはリアスで呼吹の己への呼称に軽いショックを受けている。

 リアスにとって幸いなのは呼吹からの呼称にショックを受けている間に由依がその手でリアスの双丘を揉みしだかなかった事であろう。

 由依本人は『えへへ~ぇ、幸せ~……てんごくはここにあったんだぁ~』

 と変わらず覚束無い口調で破顔している。

 「…………ダメだなアリャ。もうアタシの手には負えねぇ」

 由依の奔放さに呼吹は遂に匙を投げ、関わらない事に決めた。

 「致し方無い。彼女達には私から説明しよう」

 

 (あいつ、毎度の事だけど余所行きな感じになると私って言うよな)

 (……公私を別けているんだろう、稀に素が出ていなくもないが…)

 1年コンビがカイの後ろでこそこそ話し合う。

 

 「オォォォォァアァァァウゥゥギギギギ!!?(由依のヤツ!ウラヤマシイぞ!コンチクショウォ!)」

 「シン………気持ち悪いですよ…」

 「偶に思うが、こやつは真正のアホなんじゃないかのぅ……」

 リアスに抱き着く由依を羨望し奇声で慟哭するシンに対してヨクは辛辣な言葉を口にし、ゲキも呆れた様に(かぶり)を振るう。

 

 「ンンッ!宜しいだろうか?」

 咳払いをし、関係者一同を睥睨するカイ。

 「お…おう!とっとと済ませちまおうぜ!」

 「そうだな。我々はこの世界では外様、舵取りの指針を委ねる身だ」

 「取り敢えず…リアスちゃんの為にも手早く済ませましょう」

 鎧姿の一誠、ヴァーリ、女神パープルハート姿のネプテューヌが気を取り直して返事を返す。

 

 「七之里……私の横に居る刀使が言うには、刀剣類管理局は異世界人である君達から詳しく話を聴きたいそうだ。任意ではあるが帯同を願うとの事だが……どうする?」

 カイが腕を組ながら異邦人の少年少女へと訊ねる。彼としては自分達の正体さえ黙秘してくれれば選択は委ねる腹積もりなので、当人達の意思に任せる。

 「うーん、そうね……私達だけで決めて良いのかしら?基地に残ったみんなの意見もあるから…」

 ネプテューヌが躊躇いがちに顎に手を添え思案する。

 「では、連絡を取りますか?僕のダグテクターならネプテューヌさん達と木場君との通信での会話も可能ですよ?」

 言うや否や、ヨクは腕部を翳し、水晶状の装甲が空中へ映写機の様に映像を投影する。

 「便利ねー……ひゃんっ?!」

 感心するイリナはしかし、次の瞬間艶やかな悲鳴を挙げる。

 一体何事かと視線を下げれば目前に迫る跳ねた黒いポニーテール。

 「うへへ~、こちらも中々~。さっきのお姉さま程ではありませんが形が良く張りも相応、何よりニオイが最高です~♪」

 変態(ゆい)である。この少女、最早欲望を押し隠さずこのままこの場に居る女性全てに抱き着く気である。

 「……埒があきそうにないな…。失礼する…」

 ボソリと溢し、イリナの体に抱き着く由依の背後に瞬間的に周るリュウ。

 強化された身体機能を器用に変身前のレベルまで抑えて手刀を後頭部からうなじにかけての部分に当て、気絶させる。

 「ぱぅっ?!」

 「え?あっ?!ちょっと!!?」

 意識が落ち、イリナに由依と御刀蛍丸の重量が一気にのし掛かる。

 「オウエエオオオ!」

 シンは……最早人語の容を呈していない。そのままフラフラと立ち上がり仲間の元へと歩む。

 

 そうこうしている内に話は纏まったのか、ネプテューヌ達が呼吹に近寄る。

 「ええっと……七之里さんで良かったかしら?」

 相変わらずパープルハートの姿なので口調は生真面目だ。

 「おう、つかあんたその格好恥ずかしくねぇの?完全に痴女じゃん」

 「ちっ…!?!?コホン…。──意外と失礼だよ!キミィ!」

 言われたショックからか数秒間固まった後、元の少女姿へと戻り、僅かに見上げる形で呼吹を指差す。

 「知るかよ、アンタらの世界じゃどうか知らねぇけど……こっちじゃ普通にアレな格好だろ。てか指差すな」

 ケッと半眼で嘆息した後、ポケットに突っ込んだ手を出してネプテューヌの指を雑に下ろす呼吹、そのまま先程からやけに静かな謎の刀使たるフードを被った結芽に視線をやる。

 「なーんか、どっかで見た気がしないでも無いんだよなぁ……。ま、今は良いか。で?どーすんだよこれから?」

 「ううん、釈然としない…。取りあえずは一緒に行くよ!その…とーけんるい管理局とやらに!て言うか、他に選びようが無かったんだよね……」

 そのネプテューヌの言葉に呼吹は不思議がるも、本部長からの使命を果たせそうなので別に良いかと頭の片隅へ追いやった。

 実の所、ネプテューヌ達はダグオンと違い転送が一方通行なのでダグベースへ帰還出来ない事がヨクを経由した通信にて判明したのだ。

 「はーん。ま、来るってんなら何でもいいさ。待ってろ、ノロ回収班の連中が来るから、そいつらの車に便乗して本部まで来い」

 あー、メンドクセと一通り説明を終えた後、悪態を附く呼吹。

 パーカーからちょこんとはみ出た両側の短いツインテールを揺らす気怠そうな少女を横目にネプテューヌ達はダグオン達に首を向ける。

 「私たちは迎えが来るまで待つけど……みんなはどうするの?」

 

 「どうするって言われてもなぁ、俺らは普通に帰るよ」

 「ですね。僕達は軽々しく同行出来ませんし」

 「……山城は任せる…」

 「同行出来ず申し訳無いが……くれぐれも、頼むぞ」

 「残りのメンツは後で本部の座標に送っちゃるからのう」

 「オォォォォ…!ハァ…一頻り叫んで落ち着いた…。ンジャま帰るか」

 エンが当然の事としてダグベースに帰還すると口にし、ヨクも正体諸々の事情から同意を示し、リュウが気絶したままの由依をイリナ他に託し、カイは謝罪の言葉と万に一つ機密を漏らさぬ様に念押しし、ゲキがダグベースに残った朱乃、祐斗、アーシア等と言ったメンバーも本部へ送る確約を述べ、シンはある程度落ち着いたのか帰りの音頭を取り始める。

 結芽は例の眼鏡を掛け最後まで口を閉じたままダグオンと共にライアンを伴って消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━鎌倉・刀剣類管理局特別祭祀機動隊本部

 

 ダグオン達の帰還を見届けた後、ノロ回収に帯同した輸送車に無理を言って帯同させて貰い、ネプテューヌ達は無事鎌倉へと到着した。

 勿論、ライザーも一緒である。

 

 「やって来たよ~~~!いざ鎌倉ぁ!!」

 長時間車に揺られていたとは思えぬはしゃぎっぷりを見せ叫ぶネプテューヌ。

 「とっとと行くぞー」

 そんなテンションを上げる少女を無視して呼吹は淡々と先へ進む。

 「差ぁ!?荒魂との戦いの時とテンション違い過ぎない!?」

 「ハァ?荒魂ちゃんでテンション上がるのは当然だろ?あんな楽しいモン他にあるかよ?」

 急にパーカーの裾を引っ張られ鬱陶しそうに答える呼吹。荒魂に対してブレないそのスタンスに異世界人達は唖然とする。

 途もあれ、本部──折神本家の正門前に立ちその威容に感嘆の声を洩らす。

 

 「なんか想像の十倍くらいデカイ!」

 

 「警察の一種って話だったからもっとガチガチの高層ビルかと思ってたぜ……」

 

 「武家屋敷とか言う奴か…いや少し違うか?」

 

 「ジャパニーズブシドーキャッスルね、私達が裏京都で見た妖怪の長の屋敷とはまた違った趣きね」

 

 「おも……。あっちのレンガ壁なんかがある建物は…学校…かしら?」

 

 「俺ら目茶苦茶見られてるな」

 

 ネプテューヌ達6人は比較的落ち着いて辺りを見回す、対して──

 

 「おい、結局此処は何処なんだ?!俺はレイヴェルを探さねばならないと言うのに…!」

 今日初めて飛ばされて来たライザーは苛立ち気に周りを睨む。

 「まぁまぁ、落ち着いてよライザー。もしかしたらレイヴェルもこっちの世界に居るかもしれないんだし」

 「そもそも()()()()()()と言うのが訳が分からん。何なんだ!?」

 「それも含めて先ずは彼女達の組織の長と話し合うのよ」

 そんな彼をネプテューヌとリアスが宥める。因みに由依はイリナが背負っている。

 (うひひへへ…役得とはこの事ですね……♪)

 当然ながら既に意識は戻っているが折角の美少女とのランデブー、からのおんぶなので狸寝入りを決め込んで背負われている。

 何故、イリナなのかと言えば、ただ単に一緒に車に乗った時から頑なに離れようとしなかった為である。

 そして黙々と前を行く呼吹の後を賑やかしく続く。

 暫くして先程、イリナがチラリと目撃したレンガ壁の明治中頃に造られた様なシックなデザインの洋館の前に辿り着く。

 

 「あれ…呼吹さん?それに……」

 

 「あん?清香?」

 

 本部の正面玄関口から出て来た六角清香と出会う。

 そして少女は呼吹の後ろに居る賑やかな一行に見覚えがある事に気付く。

 「あ……調査の時の…」

 「ああっ!?えっと…あの時の……六角…清香ちゃん!」

 清香が記憶を探りあてるよりも早くネプテューヌが少女の名前を口にする。

 「あ、はい……すごいですね、あの時、わたしほとんど皆さんとは喋ってないのに……憶えてるなんて…」

 「え?えー…記憶力にはけっこう自信あるから!!あははは!(ホントはりゅーご君の苗字と同じだから思い出しただけなんだけど……)」

 それを口にする訳にもいかない為、笑って誤魔化す。

 

 「皆さんはどうしてこちらに?と言うか……そちらの人が背負っているのって……由依ちゃん?!」

 コテンと可愛いらしく首を傾げる清香。そのまま今居る面子を改めて見直せばイリナに背負われた由依の姿を見付ける。

 「あ、あああ、あわ、ああの!ごめんなさい!由依ちゃんが失礼な事を……!?!」

 「え?!いやそんな迷惑だなんて……迷惑なんて…迷惑……」

 慌てふためく清香にイリナも慌て止めようと言葉を探すが先程までの由依の行動諸々を思い出して言葉が尻すぼみになっていく。

 「何やってんだお前ら?とりあえずそのアホはその辺に捨てとけ、どうせその内起きるかもう起きてるだろうしな」

 「………………そうですね。由依ちゃんも偶には反省して貰いましょうか♪」

 呼吹の言葉を受け、清香は一瞬顔を伏せ思案すると次にはとても晴れ晴れした笑顔でイリナから呼吹を引き剥がす。

 そのままアスファルトに放置される由依、そんな彼女を無視して少女2人が客人達を発令室まで案内するのであった。

 

 

 (はぁはぁ……放置プレイ!清香ちゃんの放置プレイ!)

 

 もうこの少女はダメかもしれない。

 

 

 

 

 

 ━━刀剣類管理局・発令室

 

 両開きの木製の扉の前で呼吹が足を止める。

 「着いたぞ、ここにアンタらに用がある人間が待ってる。アタシの仕事はここまでだ、後は勝手にしな」

 「呼吹さん?!」

 そうして手を軽く振りながらそそくさと1人離れる呼吹、清香は去り行く呼吹の背中と客人達を見比べながら、じゃ…じゃあ、と扉を開ける。

 「し、失礼します……あの真庭本部長…お客様が来てますけど……」

 少々緊張した面持ちで清香が声を挙げて入室する。

 ネプテューヌ達もそれに続く。

 

 

 「ん?おう、六角か。客人を案内してきてくれたんだな。七之里はどうした?」

 「え…と、呼吹さんはこの人達をここまで連れてきた後、そのままどこかに…」

 「ん…まぁ仕方無い。此処まで連れて来ただけでも上出来か。六角、お前もご苦労だった」

 部屋の中央、長机の置かれた場所に立つ褐色の女傑。

 真庭紗南。長船女学院学長にして現在は、刀剣類管理局特別祭祀機動隊本部本部長、兼、鎌府女学園暫定学長代理を勤める人物である。

 

 「ようこそお出で下さいました。異世界の方々……」

 そしてそんな彼女の側にもう1人…此方は椅子に座り佇まいを正している白い羽織を羽織った柔和な目元の凛とした女性──現・刀剣類管理局局長代理折神朱音の姿があった。

 

 「初めまして!絶対不変の主人公…ネプテューヌだよ!!」

 

 「……ネプテューヌさんですか…貴女が代表と言う事で宜しいでしょうか?私は折神朱音と申します。この組織の代表…と言えば宜しいでしょうか、実を言えば皆さんをお呼びしたのは私と言う事になります」

 座席から立ち上がり目の前の少女へ頭を下げる朱音。

 流石にちょっと真面目な空気を察したか、ネプテューヌもおちゃらけた雰囲気を改め朱音の返礼に応じる。

 「ご丁寧にどうも……えっと、朱音さんって呼べば良いのかな?」

 ネプテューヌの応答に周囲に居た刀使と同様の制服を着た少女達やスーツの男性達がざわめく。

 「あ、あれ?何か変なコト言ったかな?」

 「いえ、お気になさらないで下さい。所で……貴女を含めて、此処に居る方々で異世界から来たと言う方は全てなのでしょうか?」

 ざわめく周囲を朱音が視線を紗南へ配ると紗南が手で周囲の喧騒を制する。

 そうして問われた異世界から迷い込んだ人数の確認、報告ではまだ数人居ると聞いていた為、当人達から是非を問う。

 「あー…えっと、後からこっちにみんな転送で送られて来るから全員じゃないかな……じゃなかった、です」

 「ふふ…其方の楽な話し方で構いませんよ?しかし転送…ですか……」

 ネプテューヌが周囲の反応から無理矢理取って付けた敬語に苦笑しながら普段の口調で構わないと許しを出す朱音。

 そしてネプテューヌが口にした言葉に紗南と顔を合わせ考え込む様子を見せる。

 「成る程…転送か、連中がやけに始動から現着まで速い事や一切の足取りが掴めなかったのはソレの所為か…」

 紗南が今までのダグオン出現に得心がいったと納得する。

 そんな事を言っていたからか、部屋に居る通信士を務める少女の1人から声が挙がる。

 「本部長!本部中庭に不審な集団が出現したとの事です!」

 制服は長船女学院のモノ、色素が赤みがかった茶髪のウェーブが掛かった短いサイドテール、良く通る声を持つ少女の名は西 梢。

 彼女の報告に紗南はどうやら来た様だなと溢す。

 「その集団には手を出すな!誰か、案内してやれ」

 紗南からの声に梢がインカム越しに指示を伝える。

 指示が伝わったのだろう、暫くの後、複数人の足音とが近付く。

 

 「HEY!紗南センセー!団体御一行ご到着デース!!」

 最初に飛び込んで来たのはカタコト混じりの快活な声。

 皆がその声に扉の方へ視線を向ければ視界に飛び込むビッグバン!

 

 「デケェ!!」

 「……一誠くん?」

 再び目にしたアメリカンDNAに思わず反応した一誠をイリナが笑顔で威嚇する。

 「エレンか、ご苦労──うん?渡邊?」

 紗南が声の主を見やれば、金髪の刀使は左腕に眼鏡の少年の右腕を絡めて引っ張っているではないか。

 「ど、どうも……。えと…古波蔵さん、そろそろ離して頂けると…」

 豊満な胸の感触に狼狽えしどろもどろする翼沙、何度目かの抵抗の後、脱出に成功し適切な距離を取る。

 逆にエレンは少し残念そうに眉根を寄せている。

 「Oh……バサバサはシャイデスね」

 「バサバサ?!」

 妙なアダ名まで付けられた。

 

 「ふむ……仲睦まじいのは結構な事だが、どうして渡邊が此処に?」

 「あ、はい。本部の中庭にいきなり人が現れたと聞いて……」

 嘘である。実際はダグベースに戻った後、変身を解きベースに残っていた面子が転送された直後に翼沙も装置により本部の己の研究室に転送、ネプテューヌ達の様子を見に来た所、エレンに捕まったのである。

 「研究者の野次馬根性か。まぁ良い、しかし………思ったより多いな異世界人!?」

 翼沙の理由を都合良く解釈した紗南は改めて発令室に詰め駆けた人数に大仰なリアクションを取る。

 

 そして更に──

 

 「もう!何で先輩まで着いて来るのっ!?!」

 

 「つれない事を言うなよ!俺だって異世界人が気になってんだからさ!」

 

 「じゃあ別に私と一緒じゃなくても良いじゃん!」

 

 「そこはお前、最近、安桜で遊ん……安桜と遊べてないからな!先輩からの訓示?ってヤツだ」

 

 「今、私で遊ぶって言った!?」

 

 「気のせい気のせい!はっはっはっは!」

 

 開きっぱなしの扉から、廊下を反響してまで聴こえて来る男女のけたましいやり取り。

 その正体は、少女の方が安桜美炎。少年の方は鳳焔也である。

 因みに焔也もまた翼沙同様の理由が本音である。

 

 

 「少々、手狭になってしまいますね…」

 朱音が続々と増えていく人の数に苦笑を洩らす。

 「あー……お客人、代表の人間を残して後は食堂に移動して貰えるだろうか?」

 「確かに私達の所為で迷惑を掛けるのも不味いわね、ネプテューヌと私が残るからみんなは本部長さんの言う通り此処の食堂へ、そこでライザーにも事情を説明して貰って良いかしら?」

 紗南の言葉に一理あると判断しネプテューヌとリアスが発令室に残る事を選択する。

 「分かりました。其方の殿方、案内お願い出来ますか?」

 意図を察した朱乃が焔也に案内を懇願する。

 「え?あ、ああ!任せろ!」

 一瞬間があったものの、少々の思考停止の後、遅れて理解した焔也が勢い良く返事を返す。

 「えぇえっ!?先輩が案内?!なんで?!!バカなのに!!」

 「ほのちゃん…それは流石に酷いと思う…」

 そして美炎は何故焔也が選ばれたのか解らないと本気で驚き、清香が困った様子で焔也を見る。

 

 途もあれ、焔也先導の元、ネプテューヌとリアスを除く面子に美炎、清香、エレンを加え食堂の方へ移動を開始したのであった。

 

 

 

 

 

 

 「さて、残って貰った二人には改めて感謝する」

 紗南が軽く頭を下げる。

 「いえ…大した事ではないですから…」

 「うんうん。みんなには後で説明するしね!」

 リアスとネプテューヌが各々で紗南へ返事を返す。

 

 「あの……所で何故僕は此処に残る事に?」

 そして紗南から残るように請われた翼沙も発令室にその姿があった。

 「その辺りはまぁ…お前の優秀さを見込んでだ」

 翼沙の疑問に紗南は不敵に笑う。

 そんなやり取りを見届け、朱音はネプテューヌとリアスを視線に捉え一息瞑目してから口を開く。

 

 「異世界の方々、詳細な話をする前に…結論を単刀直入に言います。我々にお力添えをして頂けないでしょうか?」

 

 芯の強い澄んだ声が異世界から来た2人の少女へ波紋の様に投げ掛けられた──

 

 続く

 


 

 次回予告(BGM:We are DAGWON)

 

 うーんバサバサに拒絶されてしまいマシタ……VeryFriendになれると思ったんですケド。

 

 うん?翼沙は別に古波蔵の事は嫌ってないぞ?

 

 え?なんで先輩そんな事まで分かるの?先輩、渡邊先輩と仲良いの?

 

 そう言えば…鳳先輩、よく兄さんや渡邊さんと一緒に食堂で食事しているの見かけます…。

 

 まぁまぁ仲がよろしいのですわね!

 

 うーむ……あの鳳とか言う男、何処かで見たような……

 

 き、気のせいだろ?俺達、ここに来るの初めてだぜ?それより何が起きてるか説明してやるから暴れんなよ?それより姉ちゃん達大丈夫かなぁ

 

 ネプテューヌ達の事だ問題あるまい。万が一口を滑らせる可能性があっても渡邊がフォローする筈だ。

 

 次回、"刀使ノ指令ダグオン"

 

 同盟、共同作戦。ファーストアタック!

 

 街を解放する為に貴女方とダグオンの力……頼らせては貰えませんでしょうか……。





 次はシドニアとスーパー戦隊ムービーですかね。
 ガルパン三章もありますし、スケジュールを調整しなくては!
 
 SD三国伝再放映の曹操と呂布良いなぁ……孫策も好きですけど、ホンタイサンは翔烈帝になってからが好きですよ?後張遼と太史慈と郭嘉も好きです。
 
 ウィクロス見る度に言ってます昭乃ちゃんドスケベな格好してるなぁ…好き
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