刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

11 / 126
おはようございます。ダグライダーです。
 今回は大分端ってますが刀使ノ巫女のアニメの1話でもある話の部分ですね。
 まあ、二次作品ですし、クロスオーバー要素もあるし、とじみこは閲覧してくださる方々もアニメや先達の方々の作品で御前試合関係は知っているだろうからそこまで詳細に描写しなくても大丈夫かなと思い、
ダイジェスト風味でお送りしてますごめんなさい。
ではでは、どうぞご覧下さい


第九話 戦慄の御前試合!切先の向かう先。

"前回の刀使ノ指令ダグオン"

 妙子の発言に戦く生徒達、倒れる撃鉄。

聴取される焔也。始まる代表選抜戦。

決まる美濃関代表、項垂れる焔也。

そして迎える御前試合。果してそれは……

 


 

 ━━木星衛星圏周辺 エデン内大広間

 無数の怪物が蠢く嘗ての牢獄、そこに怒号が響く。

「いったイイツマデ大人しク指ヲ咥えテイレバ良いのだ!!?」

1つの異形がその大きな躰を怒りに奮わす。

 「オチツキタマエ、レイノワクセイノチョウサハマダマダフソクシテイル」

「其ハ何時までカト聴いているノダ!」

 「うんうん、わかる、わかるよ!つまんないよね?たいくつだよね!あそびたいよね♪」

 「嘲笑、怠慢、無意味、雌伏、忍耐、時期尚早」

巨体の宇宙人を宥める道化師のような宇宙人、巨体を煽る妖精。巨体を笑い、耐える事を覚えろと言う甲冑の宇宙人。

 それらを座して黙する鬼のような宇宙人。やがて、重々しく口を開く。

「指示ニ変更ハナイ、今ハアノ星ノ全容ヲ知ル事ガ何ヨリモ優先サレル、以上ダ」

 そう言い捨て、奥へ去る鬼。他の宇宙人達も含む所は在るも、方々へ去る。

そんな中、残った影が1人……。

 「バカなヤツ、ズウタイだけの単細胞。そう思わないかワタシ?」

誰も居なくなった広間で語るそれは、人間であるならば正気を疑われるだろう行為、だが……

「そうだな…だがアノデクノボウが言った事も一理アルト思わないかねわたし?」

先程の言葉に返す様に、別の声が聴こえてくる。

そうして1人にして2つの声の影は何処へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━神奈川県鎌倉

 御前試合の為、伍箇伝各学校の代表者、そして応援や観戦に訪れる学生達。その中に一際目立つ者が居る

 

 「ウッヒョ~♪可愛いコちゃんが選り取りみどりジャン!」

 「恥ずかしいので、離れて下さい」

「アッチが鎌府、アッチの白いのは美濃関、あの渋い緑は平城、んでアッチのやたら強調してんのが長船、御前試合バンザイ」

「はぁ…」

女生徒を見て騒ぐ申一郎だ。翼沙は呆れながら距離を取る。そこに、現在綾小路から特別出向扱いの戒将が現れた。

 「何を騒いでいる!全く、迎えに来いなどと連絡を寄越したと思えば……人の趣味性癖をどうこう言いたくは無いが、自重せよ!」

 はしゃぐ申一郎に戒将が忠告する、翼沙はどこか申し訳なさそうに周囲に視線をやる。

その光景を別方向から見据える平城の制服を纏った龍悟、隣に居るのは中等部の女子生徒。

 「…ふっ」

「どうかしたんですか?」

「…いや、知った顔を見付けただけだ。…可笑しかったか?」

「そうなんですね、とても機嫌が良かったみたいだったから気になって」

会話からは親しげな雰囲気を醸し出す2人、龍悟と共に居る少女の名は"六角 清香"、彼の妹である。

 

「やって来たぜ鎌倉!」

焔也もまた、鎌倉の地に降り立った。

「お?何か見知った奴がチラホラと……後でちょっかい出しに行くか」

 騒ぐ綾小路3人組や六角兄妹を横目に、焔也は焔也で折神家に向かうのだった。

 

 

 

 

━━折神家屋敷前

「でけぇ……」

道中、市街に荒魂が出現するも美炎を含めた数目の刀使達によって討伐された為、ダグオンになること無く折神家に到着した5人。焔也があまりの大きさに感嘆を漏らす。

 「ホント、デケェな…」

「本部と隣接しているからな」

「有事の際に即座に対応する為に…ですね」

 焔也の後ろから彼の言葉に併せる様に申一郎が驚き、戒将が説明し、翼沙が補足する。

 「よぉ!駅前の、見てたぜ」

「あまり、見られて嬉しいものではないがな……」

「オレは満足だゼ、可愛いコちゃんも見れたし」

「勘弁して下さい…」

1人浮かれる申一郎に対し疲れを見せる2人。

 暫くして龍悟が合流する。

「…相変わらず賑やかだな」

 「六角か、あまり嬉しく無い賑やかさだがな」

「よっす!あれ?さっき女の子と一緒にいたよな?」

「ナニィ!?彼女持ちかよぉ!テメェコンニャロウ羨ましいぞ!チクショウ!!」

「やめて下さい…みっともない」

「……生憎、妹だ」

焔也の振った話に申一郎が食い付き一方的に嫉妬し羨む、あまりの情けなさに翼沙も辛辣な物言いだ。

 「む、そうか、六角には妹が居るのか…仲は良いのか?」

「…悪くはない」

同じ兄妹同士、思うことでもあったのか訪ねる戒将に、龍悟は短く返す。

 「そろそろ時間か、ではなお前達、俺は本部の方に用がある。問題を起こすなよ」

そう言い残し去った戒将。残る4人は各々の学校の応援に向かう為、解散した。

 

 

 遂に始まった御前試合、会場には多くの刀使達や応援の生徒が見受けられる。

 中には警備だろう、親衛隊の姿も見られる。

二階、観覧席入口付近に獅童真希と此花寿々花、一階、代表選手入口付近に燕結芽…少し離れて戒将も見える。

 皐月夜見を除いた三名の親衛隊に加え、数名の刀使と警邏科生徒による警備態勢が敷かれている。

 

 第一回戦、第一試合は平城学館代表者と綾小路武芸学舎代表者の戦いとなった。結果は平城の勝利。

平城の代表は十条姫和。彼女は写シを張り、試合開始の合図と共に即座に構え迅移による踏み込みで相手を即座に切って捨てた。

 正に電光石火の如し、斬られた綾小路の代表は写シを剥がされ倒れ伏す。

 「……速いな…だが、まだ先があると見た…」

龍悟は姫和の迅移を見て、本気ではないと判断を下したのだった。

 

 続く第二戦、美濃関対鎌府の戦い。

美濃関からは可奈美、鎌府からは糸見沙耶香。

開始直後、沙耶香が素早く連撃を繰り出し可奈美は防戦一方となるも、受け、かわし、反撃する。

可奈美の攻撃に沙耶香は反応を返すも、斬られ敗北。

勝者は可奈美、敗北した沙耶香は特に何も感じていないかのように即座に控え席に戻っていった。

 

 三戦目、舞衣と長船の益子薫の戦い、緊張の面持ちを前にする舞衣に対し、全くやる気の無い薫。

そのまま身の丈を越す大太刀の御刀をやる気の感じない声と共に振り卸すも卸しきる前に、舞衣に斬られ敗北。

 無気力を出したまま長船の席に戻っていく。

同じ代表の刀使にも何事かを言われているようだ。

 

 

そうして、瞬く間に試合は進む。

準決勝、美濃関同士の戦い。選抜戦からの再戦となる可奈美と舞衣の戦いは、可奈美の柳生新陰流に対し、舞衣は居合いをもって対応するも抜き手を押さえ込まれ、敗れ去ったのだった。

 

 

 

 「かっー!柳瀬のヤツ惜しかったなぁ。しかし、衛藤のヤツは相変わらずか……決勝は会場、場所が違うんだよな。早いとこ移動しとくか」

観覧席から先程の戦いを見ていた焔也は直ぐに席を立ち移動を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

━━御前試合決勝会場

 「これより、折神家御前試合、決勝戦を行います。両者前へ!」

昼の休憩をはさみ、再開した御前試合、その決勝戦。

可奈美と相対するのは十条姫和、可奈美は彼女との戦いを楽しみにしていたのだ。

 前日、事前に現地入りした際にすれ違った時から何か言葉では言い表せないモノを感じていた可奈美。

事実、姫和の戦いを目にし試合が出来る事を楽しみに思っていたのだ。

 決勝は折神紫も観戦に現れる。隣に付き従うのは親衛隊第三席、皐月夜見。

 周囲が固唾を飲んで見守る中、前に出て構える2人。

無行の位で相手の出方を視る可奈美、姫和は車の構えで身を低くする。

 「始めっ!」

一瞬の静寂の後、審判が合図を告げる。

瞬間、姫和が消える。ガキンッ!という金属の打ち合う音が会場に響き渡る……、可奈美に…ではない、なんと折神紫の前に姫和は御刀を突き出しているではないか。

 

 突き出された姫和の御刀"小烏丸"を一体何時取り出したのか二本の御刀で防いだ紫。彼女は姫和に向かって言う。

 「予備動作無しの三段階迅移……、それがお前の"一つの太刀"か?」

「…ッ!まだっ!」

 

 自らの必殺を防ぎ、余裕を見せる紫に対し姫和はもう一度斬りかかろうとするも、背後から真希によって写シを貫かれ剥がされる。

 三段階迅移により、精神の気力を疲弊させた姫和に真希の刃が振るわれる。死が迫り来る正にその時、姫和と真希の間に割り込む影、なんと可奈美が姫和を庇ったのだ!

 「迅移!」

 

「待て!」

「良い…追うな」

可奈美は姫和に迅移を行うよう口にする。

それを止めようとする真希に対し紫は追わぬよう指示する。

迅移によって高速で移動する2人、しかし突如背後から迫る小さな影。

 「アハッ♪面白そう!わたしもま~ぜてっ♪」

影の正体は親衛隊第四席、燕結芽。彼女が楽しげに嗤い御刀を構える。

 「結芽っ!?」

一連の出来事に息つく暇も無い戒将が、しかし、妹の突然の行動に驚きの声を挙げる。

その瞬間出来た結芽の僅な隙を見逃さず、八幡力によって強化された身体機能で跳躍し逃亡する可奈美と姫和。

 

 「千鳥と小烏丸、まだ幼い二羽の鳥よ……」

周りの混乱など気にせず、感慨を溢す紫。

 

 こうして衛藤可奈美、十条姫和の両名は反逆者となった。

 

続く

 


 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 美濃関学院、中等部2年、柳瀬舞衣です。

突然、紫様に御刀を向けた十条さんとそれを庇った可奈美ちゃん。そのまま逃げた2人……可奈美ちゃん、一体どうして……?

 混乱する最中、鳳先輩達は可奈美ちゃん達を追い掛けます。

 そこに謎の人物が現れ先輩達の前に立ち塞がるのでした。

 "次回、刀使ノ指令ダグオン"

 逃亡!2人の反逆者。

次回も"トライダグオン"です……可奈美ちゃん……。

 




 如何でしょうか?
今回、新たに出ました宇宙人、詳細は次回になります。
話は変わって、今作品の結芽は、戒将という兄の存在も有り、行動はそこまで変わりはしませんが、割とブラコン入ってます。
 いやね、彼女がアニメで彼処まで強い事…凄い事に拘る理由が両親の存在が起因しているので、兄が居れば多少依存的にはなるかなぁと思いまして……ブラコンと相成りました。
 お叱りは覚悟の上です。
では次回、御会いしましょう


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。