刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 おはようございます。お久し振りです。

 最近ちょっと五月病気味になりかけていたダグライダーです。
 しかしカイゼルグリッドナイトと天華百剣の月末恒例絢爛ガチャ神代三剣ピックアップ・天叢雲剣を回し天叢雲剣が出た事により回復(ムリヤリ)し投稿しました。
 妾ちゃん(CV井口裕香)可愛い。初めて絢爛ピックアップ出た。これはもう今年の運の残り三分の二使っちゃったかな?でも可愛いから良いや。

 総選挙!琴歌とマキノに遂に声が付くよ!楽しみです!




第八十八話 行動開始。世界を修復せよ!

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 敵の技かなんかでバラバラになっちゃったダグメンズ&ねぷねぷと愉快な仲間達!

 とりあえず壁はほっとくと広がっちゃうから解決しよう。ってことで案がないか考えてたらみんなの飛ばされた場所が世界中ってのが分かったよ!

 アルファがカンヅメだからアタシが代わりに色々調べて鉄ちゃんが残った愉快な仲間と京都に!

 したらまたヘンタイが現れたけど何とかしのいで、ついでに重要情報ゲット♪

 京都は元に戻ったも同然。後はみんなだけど…ま、何とかなるなる~。

 

 


 

 ━━エデン・東監獄棟

 

 

 

 「っぁぁあああ!!あのクソアマにクソゴミがっ!!折角のゲームを邪魔しやがって!!ダグオン共を倒せないじゃないか!?クソ、クソォッ!いきなり飛ばされた所為でコントローラーのリンクが切れた!折角強キャラを合成したのに!」

 

 少年の姿をした異星人が癇癪を起こし地団駄を踏む。

 

 その隔離、隔絶された空間に轍が入る。

 

 

 

 「やれやれ……困った子だ。何度も勝手に動くとは本当に困った子だ…一度目は戯れと赦そう。二度目は自ら望み我々も承諾したのだ、結果が敗北であっても能力の有用性から再起を赦した。が、三度目は看過出来ないな…。他の者の邪魔のみならず、その上で敗北する。見苦しいとは思わないかね?」

 

 

 

 「?!っ…何で?」

 

 

 

 少年が自らの聖域に侵入した存在──エデンを取り纏める首魁、鬼の異星人の登場に眼を見張る。

 

 

 

 「何故?可笑しな事を訊くね、この監獄を掌握したのは私とあの子だ、監獄主の部屋に侵入する事など用意だよ」

 

 (あ、有り得ない!僕の部屋だけは他の圧縮ブラックホールとは比較にならないくらい幾つも空間を歪曲させて、僕と僕が許した者以外出入り出来ない様にしたのに…)

 

 予想外の来客に少年は冷や汗を大量に流す。

 

 「ま、待ってくれ……、邪魔したのは確かに悪かった!けど負けてない!いきなり別々に次元跳躍で飛ばされたからコントロールを失っただけで…!それにもう少し近くで動かしてたらやられなかったさ!!」

 

 少年が空間液晶越しの各戦況を指差しながら必死に言い訳を捲し立てる。

 

 

 

 「ほう…?では君が地球に居れば負けなかったと?」

 

 「そ…そうだよ!地球に居れば例え空間を跳躍しても充分操れてたし負けなかった!!いや別に負けてないけど!」

 

 鬼の質問に間髪入れずに必死に返す少年。その言葉を聞き、鬼は口元を手で覆い考える様な仕草で唇を笑みに歪めた顔を隠しながら少年へ告げる。

 

 

 

 「ならば四度目のチャンスだ、正真正銘最後の機会となる。君にはこの部屋から出て地球に降りて貰う。何故などと言うまい?君が言ったのだ地球に居れば勝てたと」

 

 

 

 「っ…ぁ、くっ……あ」

 

 

 

 己が口に出した言葉により退路を塞がれた少年は口を意味も無く開けては閉口するしかない。

 

 

 

 「なに、安心したまえ。直ぐに動けとは言わない。君が確実に勝てると、勝利の確信を得るまでは精々この場所の様に引き隠っていればいい。此処ほど便利な場所では無いかもしれないがね」

 

 鬼は少年の返事が返る前に有無を言わさず不可視の力で口元まで拘束すると部屋を出てエデンのポートレートまで黙々と連れて行く。

 

 

 

 その日、地球に新たな流星が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━フランス・パリ

 

 華の都の一角で紅い巨人が足下に倒れ付した化石を見つめる。

 

 『何だったんだ?急に棒立ちになりやがった…』

 

 駒王町で遭遇した際は雄弁に喋っていた恐竜の化石の様な鎧がパリへと飛ばされて以降話すどころか、動く事すら無くなり、案山子同然となったモノをダグファイヤー、パープルハート、赤龍帝兵藤一誠、白龍皇ヴァーリ・ルシファーの4人掛かりで打倒したのだ。

 

 「何一つ抵抗してこない割りにしぶとかったな」

 

 「半減して尚、この耐久性……宇宙人と言うのはほとほと厄介だな」

 

 「けれどどうして動かなくなったのかしら?」

 

 一誠、ヴァーリ、パープルハートが倒れ、沈黙した巨獣の不可解な状態に首を傾げる。

 一方で、共に巻き込まれた衛藤可奈美、安桜美炎双方は同じく飛ばされて来た荒魂ザゴス等の荒魂を駆逐し終え、一息浸く。

 

 「終わったねー。ところで美炎ちゃんはココが何処か分かる?」

 

 「え…と多分イタリア!」

 

 フランス。と即座に訂正、ツッコミを入れられる顔ぶれは生憎と此処には居ない。

 

 「うーん?多分違う気がするけど外国なのは確かだよね」

 

 恐らく美炎が挙げた国ではないと理解しているが、観光名所と地理が一致しないので可奈美も曖昧にしか否定出来ない。

 学業の成績を下から数えた方が早い彼女達では、指摘が無い限りはズレた勘違いをしたままだろう。

 

 「そ、それより!このノロ…可奈美はどうしたらいいと思う?」

 自身の眼下に散らばる橙色の液体を見ながら美炎が話題を変える。

 

 「う~ん……。ダグオンなら何とかしてくれるんじゃないかな」

 直感めいた物言いを返す可奈美、美炎も成る程確かにと素直に納得する。

 

 「それもそっか!おーい!ダグファイヤーーー!」

 そのまま釈然としない表情のダグファイヤーへと大声で呼び掛ける美炎。

 後輩の呼び掛けに気付き、気持ちを切り替え刀使達その方へ視線を向ける。

 『どうした?何か用か?』

 鋼の巨人からの眼差しを受け、美炎が身振り手振りと共にノロを指す。

 「ノロの回収ってどうしたらいいーーー!?」

 『あー、あー……このままって訳にはいかないよな…。確かファイヤージャンボとファイヤーラダーに何かしたってアイツ(アルファ)が言ってたような……ヒャクブンハイッケンニシカズだ!来い、ファイヤージャンボ!

 問われた手段に答えに詰まりつつも、そう言えばと思い出した様にファイヤージャンボを喚び出す。

 ダグファイヤーからの呼び掛けに間も無く飛行してくる旅客機の形型をした輸送機。

 更に右コンテナから梯子車を射出し、ノロの近くに停車する。

 少し離れてファイヤージャンボも垂直着陸しラダー側面とジャンボから伸びたノロ回収用の蛇腹のホースがオートメーションで散らばったノロを回収してゆく。

 

 「おー…!」

 「梯子車なのにホースが付いてるんだ!」

 刀使2人は素直に感心している。

 

 「あれ自動なんだ」

 「って言うか、普通に垂直着陸してんだけど」

 「宇宙の技術だ。今更だろう」

 女神姿から戻ったネプテューヌと一誠、ヴァーリが地球上の技術では有り得ない動きで作動したホースや大型ジャンボが垂直に着陸するという事象に呆れ半分に口を開ける。

 

 そしてダグファイヤーは融合を解除しファイヤーエンとファイヤーストラトスに別れる。

 と同時にエンに通信が繋がる。

 

 「おっ?通信……ダグベースからリンク通信か。一応プライベートにしとかねぇとヤバいよな」

 バイザー内に表示された情報を確認し、応答する。

 暫くしてピピッと短い電子音が鳴り、バイザー内に見知った顔ぶれが表示される。

 念の為、ファイヤーストラトに乗り込むエン。

 

 「お、これ今みんなと繋がったのか?」

 居並ぶ顔ぶれを視線で確認しながら、己の声が皆に届いているかを確認する。

 

 『その様です。一応訊ねておきますが…きっちり僕達だけのプライベート通信にしていますね?』

 

 『そりゃ、異世界の連中はトモカク…カワイコチャン達に聴かせるワケにいかねぇしな』

 

 『……撃鉄も其処に居るのか…』

 

 『おう、おるわい』

 

 ターボカイ、ウイングヨク、アーマーシン、シャドーリュウ、田中撃鉄と口々に会話を交わす。

 撃鉄のすぐ側にはゼータも居る。

 

 互いに飛ばされた先の照合をし、方針を定めんと会話する彼等エンが凱旋門を見てヨーロッパと大雑把に答えた事でシンが国名をツッコミメンチを切り合う。

 脱線しかけた会話をヨクが咳払い気味に修正する。

 そこから撃鉄とゼータを通して伝えられた星人が展開した壁の事実。

 『マジか!ヤベェな!』

 「やっぱ早く帰って倒さねえと!」

 『……しかし策も無く再び相間見えたとて、先の二の舞になるだけだ………』

 シンのリアクションに続く様にエンなりの焦燥を言葉にするがリュウが無策では徒労、無意味だと述べ証するのでぐうの音も出なくなってしまう。

 

 『ちょまち!みんな今居る場所調べてちょ』

 

 『何かあるのか?』

 

 『みんながトばされた所…多分、宇宙人が何か仕掛けたかもしんない』

 

 そんな八方塞がりかと思われた時にゼータが何かに気付き声を挙げる。

 そしてカイの疑問にまだデータから類推された憶測にも乏しいモノではあるが、異星人絡みと思われる情報の手掛かりがあるのだと管理者の1人は語る。

 となれば勇者達もその指針を纏める。

 例え蜘蛛糸を掴む程の物でも…藁に縋る形になろうとも、可能性が示されたのであれば、其処に全力を注ぐ。

 更にゼータはダグオンが現在点在している国家・都市以外にも同様の反応がアメリカ、イギリス、ロシア、中国、タイ、オーストラリア、チリ、インド、イタリア、そして京都にあると言う。

 

 『ん?京都?』

 

 『ん、京都』

 首を傾げる撃鉄に短く返すゼータ。

 

 『法則が解らんな』

 

 『無いんじゃネーの?』

 

 『或いはそうかもしれません。あの異星人は芸術と、己の行いを称していましたから』

 

 『……ならば方針は決まったんじゃないか?』

 そんな中で異星人の脈絡の見えない意図に当惑しつつも為すべきを定めた彼等は次々動き始める。

 

 「俺らが世界中で宇宙人の仕掛けを壊して、撃鉄が京都の仕掛けを壊す。そんで決まりだ!」

 

 

 『……。まぁそうだな、今は敵の動機どうこうでは無く、一刻も早く事態を収終させる事が専決か。頼めるか?』

 

 『おうよ!この国の事は任せろい!!』

 エンが総括する様に方針を口にすればカイも暫しの黙考の後、同意し撃鉄に京都…延いては日本の状況を任せる。

 

 そうして話が終わりに差し掛かったと同時にファイヤーストラトの窓が軽く叩かれる。

 エンが其方に目を配せると可奈美が立っており、指を可愛らしくラダーとジャンボの方に向けているではないか。

 

 「お、ちょうど回収し終えたか。よっしゃ!」

 リアウインドを下げ軽く顔出すと、エンは皆に聴こえる様に声を張る。

 

 「みんなちょっと聞いてくれ!俺達は日本に帰る前にここフランスにあるだろう宇宙人の奴が仕掛けた仕掛けと、他の国にある仕掛けを破壊する。そうすると多分、街を覆ってる壁が何とかなるかもしれねぇ

 

 「本当なんですか?」

 一番近くに居た可奈美が純粋な疑問として訊ねて来る。

 

 「おう、少なくても可能性はあるぜ。だから悪ぃなすぐにでも帰りたいだろうが我慢してくれっか?」

 

 「大丈夫です!だよね可奈美!」

 エンの言葉に誰よりも早く、真っ先に答えを返したのは美炎。

 特に深く考えずに返事をした友人にしょうがないなと内心で苦笑しつつも、己も直感的にそうすべきだと思っていた可奈美は「うん」と頷く。

 

 「元々宇宙人倒さなきゃ帰れないもんね。ほのちゃん達が良いならOKだよ!」

 当然ネプテューヌ達が反対する理由は無い。サラッと美炎を渾名で呼びつつ同調する。

 

 「で、その仕掛けってのはドコにあるんだ?」

 

 「それはこれから探す!取りあえず一回空からぐるって回るからみんなファイヤージャンボに乗ってくれ」

 

 一誠の手掛か云々の疑問に大雑把に回答するエン。

 肩をずるむけながら呆れる一誠の後ろでヴァーリが声を抑え喉元で笑っている。

 

 「なせば成る!きっとすぐ見つかるよ!」

 宛の無い空中遊覧にも美炎は前向きに宣言する。

 チーム美濃関with女神とドラゴンは活動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 ━━エジプト・サハラ砂漠

 

 「さて、この広大な砂漠の何処かに異星人の仕掛けがあるのか……」

 

 一方、此方はエジプトのターボカイ。ターボライナーのターボユニットに併設されたノロ回収機を作動させ全てのノロの回収が完了したのを見届けた後、燦然と輝く太陽の下、延々に続くサハラの大地を睥睨する。

 

 「暑っ……」

 『宛はあるのか?』

 暑さに茹だる結芽の側で影を作る金色の巨人――ロボット形態のライアンがカイに訊ねる。

 

 「駒王の一部を覆う壁の中にはピラミッドとスフィンクスがあった。であれば仕掛けはそれらが元あった場所の近くにあると見て良いだろう。しかし……」

 『何処のピラミッドとスフィンクスなのか、或いは全く別の場所から入れ換えたのか、と言う事か?』

 「ああ。そこでなんだが…ライアン、二手に別れて捜索したい。君には単独で動く事になってもらうが構わないか?」

 『良いだろう。私が主人と認めた少女の兄の判断とあれば従ってやらんでもない』

 カイの判断に些か慇懃に応じるライアン。

 出会った当初の事を思い返し、マシになった方かと首を竦めるカイ。

 

 「頑張れーライアン…」

 暑さ故か何時もの様におじさん呼びすら億劫になった結芽がライアンに声を掛ける。

 

 『フッ、では私はこれより北西側から回る』

 

 「ならば我々は南東からだな」

 

 カイの言葉を待たず即座に空を飛び剣に変形し彼方へと飛んで行くライアン。

 カイは妹に発破を掛けながらターボライナーのコックピットへと向かう。

 

 因みに祐斗、曹操、朱乃は結芽の持っていた剣が巨人に変形した事に大層驚いていた。

 どうやら特殊なインテリジェンスソード程度だと思っていたらしい。

 そんな彼等は瀬戸内智恵と山城由依が結芽の正体を探る事の無いよう、ターボライナー内で無難な会話で意識を反らす事に協力してもらっている。

 そんな事もあってやっと涼しい車輌内に入れる結芽は兄に支えられながらも共にコックピットへと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 「………フフッ」

 

 僅かに離れた砂の海の中で彼等の行方を見定める視線があることも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━ドイツ・ケルン

 

 「つーワケで、オレらは帰る前にココとまぁ多分イタリア辺りにあるだろう宇宙人ヤローの謎シカケをぶっ壊す事になったから」

 

 「は?

 

 シンの突然脈絡の無い説明に間抜けな声を挙げてしまう呼吹。

 

 「申し訳ありません。もう少し詳しく説明して戴けませんか?」

 蟀谷を解しながらミルヤがフォローに入る。

 

 「あ?しゃーねぇナ、んじゃハナッから説明するぜ」

 特に意味も無くダグテクターの後頭部を掻きながら先程通信で判明した事実を話し始めるシン。

 そんな彼と彼女達を黒歌はアーマーライナーの上で寝転がりながら欠伸を溢して呆れる。

 レオナルドなど当に客車の中だ。

 

 「――成る程、おおよそ理解しました。つまりはこの国を含む幾つかの国家に仕掛けられたであろう、異星人の装置を破壊すれば日本の方の攻略の活路になるのですね」

 

 「ちっ、アタシはさっさと帰って荒魂ちゃんで遊びたいってのによ…」

 

 説明に納得したミルヤの横で拗ねる呼吹。

 ともあれチーム常識人ただ一人(普段は)は行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━ニュージーランド・カンタベリー地方

 

 「では先程説明した通りに、先ずは異星人の装置と思われる物を調査、ないし破壊に行きます。とは言えどういったモノかは分かりません。恐らく京都の調査結果待ちになる可能性が高いでしょうけれど、お手数かとは思いますが皆さんご協力をお願いします」

 

 「YES!NO PROBLEM♪気にしないでくだサーイ、貴方達の方針に全面的に従いマス」

 そうでもなければ不法入国した自分達は帰れないので。とまでは言わないエレン。

 祖父に連絡すれば潜水艦で飛んで来てくれる可能性もあるが国家間の荒波は不用意に立てるべきでは無い。

 

 「俺的には大歓迎だ。なんせ堂々と仕事をサボれるんだからなっ!」

 「ねねー!」

 片や相方は観光気分マシマシである。これも普段から紗南にコキ使われている反動故仕方あるまい。

 

 「あの娘…大丈夫なのかしら?色々と」

 

 「私が神器で癒してみましょうか?」

 

 「それって効果あるんでしょうか?」

 

 薫の黒い笑みに何とも言えないリアクションのリアス。

 アーシアが何と無しに口にするが、基本的物理的な怪我や病の治癒等を得意とする"聖母の微笑"で果たして蓄積された勤務疲労に有効なのか甚だ疑問なギャスパー。

 当然であるがノロは回収済みである。

 ともあれウイングライナーは皆を乗せて飛び立った。

 

 

 

 

 ━━ブラジル・アマゾナ

 

 「何と言うか奇妙な光景だ………」

 姫和が目の前の光景に苦虫を噛み潰さんばかりの絶妙に微妙な反応を起こす先でシャドーガード達がガードアニマル形態でノロを啜っている。

 

 容量的にシャドージェットにはノロ回収機能が登載出来ない為の処置である。

 

 そんな(しもべ)達を尻目にリュウはゼノヴィア、ジャンヌ、小猫、ヘラクレスに先程の通信の内容を語り終える。

 「――……と、言う事になった。生憎、シャドージェットに余人を乗せるスペースは無い事も無いが、この人数は不可能だ……不便だろうがお前達は十条、糸見とシャドーガードの背に乗って移動してもらう…」

 沙耶香程度なら同乗出来なくも無いジェットだが、機器の都合上乗せる事は出来ないと論ずリュウ。

 

 

 「なら虎さんに乗ります」

 真っ先にガードタイガーを指名する小猫。乏しい表情がどこか興奮気味である。

 

 「じゃあ鷹に失礼するわね」

 出来る限り競合せず、そして揺られる事が少なそうなガードホークを取ったジャンヌ。

 

 「名前的に狼だな!」

 別にオルトロスと言う訳では無いがガードウルフに跨がる事に決めたヘラクレス。

 

 「くっ…先に言われてしまったか…!だが私もウルフに乗るぞ!」

 ガードウルフの性格が気に入ったのかヘラクレスに先に指名された事を悔しがりながらも自分も譲らないと主張するゼノヴィア。

 

 「……ならば決まりだろう。糸見か十条が残りのタイガーとホークに同乗するだけだ…」

 

 がリュウは特に取り合わず、決まったとばかりに話を進める。

 

 因みに沙耶香はノロを回収し終えたガードタイガーの下顎を恐る恐る撫でてはタイガーからすり寄られている。

 

 「…くすぐったい」

 

 『Gnorr…♪』

 

 「可愛い」

 

 その光景を眺めた小猫が癒されている事はご愛嬌。

 

 「…幸いにして、此処にあるであろう仕掛けとやらの反応は近い……と言うよりも近付いているようだ…」

 リュウがバイザーに映る反応を確認しながら、件の物体があるだろう方向を見定める。

 

 「近付いてるだって?罠か?」

 「……いや、この気配は動物のモノだ。恐らくは何かしらの手段を用いて…星人が野生動物の背か…あるいは体内に仕掛けを設置したのだろう(個人としては前者を願いたいが……)俺は先に行く……お前達は後からウルフ達に乗り付いてこい…」

 言うや否や音も立てずに消えるリュウ。

 ゼノヴィアがその様に見事な物だと感心しながらガードウルフに飛び乗る。

 

 『Wuon…』

 いきなり飛び乗って来たゼノヴィアに少々抗議の吠えを挙げつつもヘラクレスにまで飛び乗られては堪らないと考えたガードウルフは素直に伏せる。

 

 「ははっ!お利口じゃねぇの」

 その様子を見た巨漢は笑いながらゆっくり彼の背に乗る。

 

 「糸見さん一緒に乗りましょう」

 

 「ん。よろしくね?」

 

 沙耶香は小猫の誘いに短く返しながらガードタイガーにぎこちなく言葉を掛ける。

 鋼鉄の虎はそれを受けて頭を垂れ沙耶香が背に乗るのを待つ。

 

 「ん?何か知らない内に私があの鳥モドキに乗る事になってないか?」

 「ダイジョーブよ、落ちそうになったら助けてあげるから」

 自分を置いて決まってゆくペア割当に釈然としない姫和。

 ジャンヌはそんな彼女の肩を軽く触れて冗談混じりにフォローする。

 

 『Kiieee!』

 

 鳥モドキと言われた事が不服なのかガードホークが抗議の嘶きを鳴らす。

 3匹の鋼鉄の獣は主の翼たる紫影の翼を追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━日本・京都

 

 そして京都駅にて中央コンコースの吹抜けを一望出来る天井の鉄骨の1つに奇妙な石膏像が鎮座している。

 

 「成る程のう…こいつがなんちゃらモナコだかモナドだか言うヤツか」

 

 「重かった……」

 

 石膏像から少し離れた鉄骨の上でそれを観察するドリルゲキと彼を空から輸送し疲労したイリナ、2人の姿が京都駅にあった。

 

 「さて…一気にドリルクラッシュで砕いてやろうか」

 此処まで連れて来て貰った少女を労う前に、さっさと仕事を済ませようと屈伸し構えるゲキ。

 

 念の為と言う訳では無いが観察し、獲たデータはタグベースに送信済みである。万に1つヨク辺りからデータを取らなかったのかと文句を言われる事も無い筈だ。

 

 

 「然らば!どっせぇぇぇぇいっ!!

 

 ドリルの矢となったゲキがモナドを強襲する。しかし石膏像は意外にも砕けない。

 

 「ぬぅ?!一度で砕けんとは生意気な!」

 

 思いの外頑丈な像の耐久力に眼を見張りつつも繰返し攻撃を仕掛けるゲキ。

 通算にして17回目にしてやっと少し大きな石程度になったモナドをトドメのストンプで完全に砕く。

 お陰で東京程では無いとは言え、人々の往来激しい場所で妙な注目を浴びてしまう。

 悪い意味で無いのは、日頃のダグオンの活躍のお陰か。

 「やれやれ思いの外時間を取られた。しっかし京都駅のがこれ程硬いとは…大文字の方に急がなくてはのう。紫藤、疲れも退いたろう、降りるのを手伝っとってくれんか」

 大文字がある方向を見やりながら呟くゲキ。

 帰りもイリナ便に頼る。と言うより1人で落下した場合、堂々と公共機関の建物内にドデカいクレーターが出来るので頼らざる負えない。

 

 「ええっ…仕方ないわね……」

 一瞬、とても嫌そうに声を溢すも頼られる理由が理解出来てしまう為、渋々引き受けるイリナ。

 華奢なツイテールの美少女がゴテゴテした黒い装甲の戦士を抱えてゆっくりと浮遊する様は京都駅に居た利用者の内、数人の手によって後にSNSに拡散される事となる。

 

 

 そして大文字の方に設置されたモナド彫刻はゲキの懸念が外れ、ロスヴァイセとアーサーの攻撃であっさりと撃破される事をイリナはゲキと共に山へ向かう途中で知り、へたり込むのであった。

 

 

 

 こうして日本、京都の入れ換えられた土地、建物は其処で神隠しに遇い行方不明となった人々の数人と共に元に戻る。

 その中には何と伊南栖羽も居たのだから驚きである。

 その際栖羽は涙目で北斗の名を連呼しながら経念仏を唱えていたのである。何があったかは往々にして知るべしと言えよう。

 

 また、京都が元に戻った事で九重も元の世界に戻った様である。

 そしてその事を喜びを司る変態は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━京都・とある山中

 

 「う~む、まさか大文字の方はあっさり解決してしまうとは…もしやあの石膏像、個々に材質が異なるのか?」

 人気の無い山中でロスヴァイセ達と合流したゲキ達。

 顛末を聞きながら首を捻る。

 

 「九重ちゃん戻れたんだ」

 

 「ああ、丁度君達からの連絡を受けた辺りで、あの少女が消えた。敵影らしき者もなかった様だし、恐らく元の世界に戻ったと見ている」

 

 「その辺りはアルファかゼータに訊けば分かるじゃろうて。しっかしこうなると破片の一つくらい持って帰るべきじゃったか」

 

 アーサーの言葉を聞いて専門的な事は解る奴に任せると投げるゲキ。

 モナド彫刻の破片を持って帰ればヨクがおおよその対抗策なりを出してくれるかと考え、失敗したかと肩を落とす。しかし――

 

 「破片でしたら此処に…」

 

 ロスヴァイセがそっと挙手しながら拳大の破片を持ち出す。

 

 「ぬぉっ?!大手柄じゃロスヴァイセ嬢!しかし何故?」

 

 「未知の物質との事でしたので解析に必要かなと思いまして……拝借してきました。どうやらお役に立てたようで」

 

 「大金星じゃ。これでカイやヨクにネチネチ言われんで済む。さぁて急いで基地に戻るぞ!」

 

 破片を砕かない様に気を付けながらバックルを操作するゲキ。

 アーサーとイリナも事前に渡されていた転送装置を操作する。

 消える3人。残されたロスヴァイセ。何とも不幸な事に彼女1人出費で帰る事になった。

 そんな戦乙女が居ない事に彼等が気付いたのはゲキが破片をラボに調査に出した後であった。

 

 

 続く

 


 

 次回予告(BGM:we are DAGWON)

 

 思わぬ情報により異星人の策を突破する事が出来たダグオン、刀使、異世界人の同盟。

 エン、シン、ヨク、リュウとゲキに続くように次々と彫刻を破壊してゆく中、カイ一行は"怒れる"ラーシュメイラに遭遇する。

 怒涛の攻撃に防戦一方となるターボカイ、その時結芽はライアンにその力を兄に貸すよう懇願する。

 

 次回、刀使ノ指令ダグオン

 

 炸裂!ターボライオソード!!

 

 次回もトライダグオン!

 

 

 おぉ~、ブレイブ星人まっじめ~!

 つーわけで次回もヨロヨロ~♪

 

 




 後半ちょとダイジェスト気味ですが、その分次回、カイの方に描写を割くのでこの配分でございます。

 それにしても妾ちゃん可愛い、強い、て言うかスプリット舌なんだ妾ちゃん。
 確か能登神の方は嫌いなモノに蛇とあるので、叢雲は羽々斬とは相性が悪いのかしら?
 妾ちゃんどう見ても蛇蛇しい見た目だし、でも可愛い、強い、三種の神器全て持ってる、凄い。
 はい、あまりの喜びにテンションおかしくなってる私です。これから寝ます。おやすみなさい、また次回
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