刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 おはようございます。
 夏の暑さに完全敗北、ダグライダーです。
 いや冷房付けてるんですけどね?なんと言うか、やる気のボルテージが上手く上がらないもので今月はチマチマこの話や次回のプロットやらを書いてはへばってました。

 タイトルの慣用句の数字がおかしい?いえ仕様です。

 そんな中での個人的吉報はスパロボ30にマジェプリとグリッドマンとジェイデッカー参戦、更にナイツマと覇界王の参戦には驚きました。いやナイツマは兎も角、覇界王はガチで驚きました。
 日竜、月竜、翔竜、ポルコートに声付くのかなぁ。

 どうでも良いですけど、私、ミルヤと誕生日同じなんですよねぇ…。好きなキャラと誕生日が一緒は嬉しいけどこれ以上歳を重ねたくないジレンマ……。



幕間 四者三様

 ━━冥次元・北欧

 

 「ふぅ……片付きましたぁ。皆さんお疲れ様でぇす」

 気の抜ける声色でハイライトが生きてるのか死んでるのか判らない、ローテーションの少女が、後ろで補助をしてくれた戦乙女達に礼を述べる。

 

 戦乙女達も此処数日の付き合いで彼女の性格を理解してきたのか幾人かは苦笑を、もう幾人かは軽く手を振り応えている。

 

 少女はそれに軽く会釈しながら腰の鞘に細剣(レイピア)を納める。

 

 (この世界に来てはや数日経ちましたが……未だ帰還の目処は立たず……中々効率的には行きませんねぇ)

 等と思考しながら、この世界での住居に歩みを進める。

 歩いて数十分、些か移動に盗られる時間が不便ではあるが、折角の好意で用意された場所に文句は言えまい……いや、彼女の場合、やや遠回しに皮肉を込めて発言した可能性もなきにしもあらずではあるが。

 そうして見えてきた北欧特有の建築構造物の一軒家、玄関のノブに手を掛けてそそくさと帰宅すれば奥に人の気配がするではないか。

 

 「おぉ!帰って来たか弘名ちゃんよ。待ちわびたぞ」

 

 「また来たんですねー、神様ってお暇なんですかぁ?」

 借屋の居間、そのキッチンテーブルに我が物顔で居座るのは隻眼の好好爺とした老人──北欧の主神オーディン。

 

 そんな老人をハイライトの薄い瞳で見つめながら、勝手知ったるとなった借屋の冷蔵庫を開いてドリンクを手にしつつ、神様相手にストレートに物を言う。

 

 「うん?まぁ暇を見付けてはと言う意味でなら暇かのう…」

 

 「なるほどぉ、お忍びですかぁ。これはヴァルキリーの皆さん可哀想ですねぇ。それはそうとなんの変哲もない水ですが、どうぞバラキエル氏」

 

 オーディンと言う食わせ者に振り回される戦乙女達に同情しながら適当にとったグラスに水を注ぎ、オーディンと共に借屋に来ていた堕天使バラキエルに、何食わぬ顔で差し出す弘名。

 

 「あ…あぁ、済まない……」

 

 「いえいえー、お気になさらずー」

 

 戸惑いながら礼を掛けるバラキエルに対し音にするならガックンと付きそうな勢いで頭を下げる弘名。

 

 (……彼女を初めて保護した時もだが……どうにも感情が読めんな…)

 神隠しの件で北欧にアザゼルの名代として出向いた際に弘名を保護した時の事を思い返し、思考に耽りながら居たたまれない気分になる。

 何せ保護した際に互いに把握している情報を交えた時も、駒王に居る刀使に合流するよりも、この地に残り状況を見定めながら荒魂退治に参加すると宣言した程だ。

 「その方が効率的なのでぇ」とは本人の談だ。

 

 

 「ところでぇ、お二人揃って私の所に来たと言うことは何か重要な要件があるのではぁ?」

 

 「おお!そうじゃった!実はのう弘名ちゃん、つい先日程に京都と冥界の使い魔の森の一部が元に戻ったらしいぞ」

 

 「はぁ、と言う事は向こう──元の世界で動きがあったんでしょうね。恐らく…まぁ十中八九ダグオンが対処したんでしょうが」

 

 北欧の主神と堕天使の主要幹部が揃って弘名の所に来た理由を問えば、好好爺が理由を愉快そうに教えてくれる。

 それを聞いて半眼のマイペース少女は自身の世界で昨今有名になった正体不明の戦士達を思い浮かべて予想を立てる。

 

 「そのダグオンとやら、気になるのぅ。ワシらの世界にも来てくれんかのう……」

 

 「それはエインへリヤル的な奴ですかぁ?ならきっと来ませんね」

 

 (当人が許しているとは言え、バッサリ切って棄てるな……)

 

 何処と無く胃に手を沿えながら神と人のやり取りを黙って観察する堕天使。

 

 「それでぇ、お二人がわざわざ来たという事は私も向こう帰れる訳ですね…いやぁ待ちわびましたぁ」

 

 (そうは見えないが…まあ本心なのだろう…)

 (相変わらずそう見えんが…喜んでおるんじゃな多分…)

 

 言うや否や、そそくさと隣室に消える弘名。暫くしてこの世界に来たばかり時と同様、長船女学園の制服に身を包み、再び2人の前に姿を現す。

 

 「では効率的に、合理的に行きましょう。恐らくは私の現れた場所も直ぐにでも戻る気がするのでぇ」

 

 「むぅ…もうちょっとこう別れの情緒とか無いのかのう弘名ちゃんよ」

 

 「無くはないでぇす。でも取り敢えずオーディン氏とバラキエル氏にだけ挨拶しておけば十分なのでぇ。エネルギーは効率的に、最小限の労力で最大限の成果を果たすべきなので…あ、荷物の後処理はお任せしまぁす」

 

 「ドライじゃのう弘名ちゃん!?」

 

 オーディンのリアクションにも塩対応で足早に弘名は最低限の荷物と御刀だけを手に借屋を発った。

 

弘名in北欧 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━同・冥次元バチカン教会

 

 「此方の生活には慣れましたか?」

 

 この世の者とは思えぬ絶世の美形と形容すべき容姿を持った長髪プラチナブロンドの青年がティーテーブルを挟んで対面する少女に声を掛ける。

 

 「あー…まぁ慣れたっつーか、落ち着かな過ぎて一周回って落ち着いてきた……ってあたしは何を言ってるんだ」 

 

 そんな芸術的青年に対して言葉を選びながらまごつきつつも答えるのは前髪に1房赤いメッシュが入った黒髪に今時のティーンエイジャーにしては珍しい、左胸側に[逆境上等]と書かれたスカジャンを羽織り美濃関の制服を覗かせる刀使──稲河暁が未だに場違いな場所に居心地の悪さを感じつつ愚痴る。

 

 神隠しの折、この世界に飛ばされ暁。右も左も判らぬまま、手にしたスペクトラムファインダーの発する反応を頼りに散策していた所、やたらハイレグな肌にピッチリと張り付いたボディスーツを着た少女やら光の剣を振るう神父やらが荒魂相手にそこそこ善戦していたのを目撃する。

 色々と疑問に思う所もあったが、()()()()()()()暁とて刀使である。何より国外らしい上、通信も不通となる場所ならば、気紛れに()()()()()で荒魂を蹴散らしても管理局にも舞草のあの一派にも文句は言われまい。

 そうと決まれば跨がる2輪のアクセルを拭かして、謎の集団と荒魂の間に割って入る。

 

 突如として割り込んで来た少女に謎の集団は何やら英語か仏語か、兎に角流暢な外国語で叫んだりしているが暁は無視して愛車を止めると御刀を手に跳び出しては荒魂を斬って棄てる。

 そうして荒魂を掃討し終えれば、当然集団から見て身元不明な暁は要警戒され包囲される。

 あまり良い気分とは言えないが、藪をつついて面倒事になるのは御免だと急ぎ足にバイクに跨がろうとして…しかしハイレグなスーツの少女達に道行きを塞がれる。

 はてさていよいよ力付くで切り抜けようかと暁が行動に移そうとしたその時に変化は起こった。

 

 空が急に金色に染まったかと思えば、如何にも神々しそうに天から降りてくる、これまた絵に描いた様な美青年。

 彼は自らをミカエルと名乗り、小難しい理由を話していたが暁はミカエル登場のインパクトに話半分に応えながら唯々諾々教会の保護を受ける事と相成ったのだ。

 

 因みに、ミカエルが何故ああも仰々しい登場をしたのかと言うと、本人曰く茶目っ気だそうで、ソレを聴いて暁は深読みしていた事が馬鹿馬鹿しくなって白けた。

 

 そして今日に至る訳である──。

 

 「気のせいか…諸々はしょられた感じがすんな…」

 出された紅茶を啜りながらボソリと呟く。もしここに紫色の女神某の誰かさんや、ピンク頭の少女みたいな少年が居れば恐らくはこう言ってくれるだろう。

 

 「「尺が無いから仕方ないね!」」

 

 まぁどちらもこの世界に居ないが。

 

 「しかしまぁ…改めて…異世界ねぇ。最近は宇宙人がどうこうってテレビで騒いでたかと思えば、その次は異世界と来たもんだ」

 

 「アザゼルの話では我々や貴女の世界で頻発していた神隠しも、その宇宙人の仕業だとか」

 暁のぼやきにミカエルが苦笑を湛えつつ答える。

 

 「こっちとしちゃいい迷惑だ。アタシはあっちでやらなきゃならねぇ事がある」

 

 「それは……心中御察しします。ですが貴女が我々の保護を受け入れてくれたお蔭で荒魂なる怪異を退ける、より専一的な手段を講じる事が出来ました、その事には感謝の礼を尽くさねば」

 

 絶世の美青年からこう言われては粗暴な振る舞いを()()()()()()暁も暗に断れない。

 結果、こうして居心地の悪い感覚のまま会話に興じていると言う訳になるのだ。

 そんな天使と刀使の不釣り合いなお茶会に、第3者の闖入が入る。

 

「失礼しますミカエル様!」

 

 大天使の遥か後方、羽根に隠れて全体は見えないが、恐らくは神父であろう者が扉を手早く、しかし静かに開いて、足音も立てずに入室してくる。

 

 (ここ、こんなヤツばっかだな……)

 

 どちらかと言えばコーヒが飲みたいと思いながら出された高級そうな紅茶を啜り、目の前で大天使に耳打ちしている神父を観察してみる暁。

 合間にして1分にも充たない程度のやり取りを終え、些か顔付きに真剣味を増したミカエルが暁へと口を開く。

 

 「どうやら、向こうの世界で動きがあった様です。まだ未確定ではありますが、此方で消えた…と言うよりは入れ替わった土地、人が戻りつつあるとの事です」

 

 「へぇ、それは今も現在進行形で…って事かい?」

 

 「恐らくは」

 

 「ハッ!なら好都合じゃないか。折角アンタらがアタシにお膳立てして同じ様に巻き込まれたって刀使の連中と合流させようとしてくれてたのは有り難いけど、生憎、元から一匹狼でやってた所もあるんでね。世界が元に戻るってんならイチイチ他のヤツに併せるでもなく一番近い所からアタシの世界に戻りゃ良い。そうすりゃアタシのアシを面倒な審査通さなくても済むだろ?」

 暁がミカエルの言葉を聞いて、吹かした様に笑う。

 教会の人間達はどうだか知らないが、少なくとも目の前の大天使様は暁の事を憂い、同じ様に巻き込まれ此方の世界に来た刀使達と引き会わせようと奔走してくれていたのだろう。

 けれども、稲河暁は()()()()()()()美濃関では少々浮いている。

 当人は別段気にしてはいないし、()()()()()()()()独りで行動出来るのは有難いと感じている。

 それに、一匹狼などと気取ったが、実際には目的を同じくする同志が居る。後はまぁ、暁と一緒に転移して来たバイクが問題だったが、それも今の話で半ば解決したようなモノだ。

 

 「曲がりなりにも神様敬ってる所がアタシみたいな小娘一人の為にパスポート偽造だの、精神操作?認識がどうこうってのやる必要性が無くなったんだ。どっちにとっても好都合じゃねぇか」

 

 「ですが…」

 

 「皆まで言わなくて良い。アンタらには感謝してる、けど、ハナからケツまでおんぶに抱っこってのは柄じゃねぇのさ。だからアンタは見送るだけで良い。元に戻るらしいって事はアタシが最初に現れた場所もそうなるって事だろ」

 疑問ではなく確信を持って問いを投げる。

 答えは聞かずとも視線が雄弁に語ってくれる。

 であるならば、稲河暁の為すべきは決まっている。

 

 「……分かりました。では貴女の帰還は私自ら見届けましょう。それがせめてもの誠意です」

 

 「ったく、真面目が過ぎるね。まぁ良いさ、ここであれこれ口論する様な事でも無し、さっさと行こうぜ

、早くしないと帰れなくなっちまうからな」

 

 こうして稲河暁はミカエルと共に己が現れた地点へと向かった。

 

 

 

暁とミカエル 完
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━同冥次元・冥界

 

 この世界に於ける冥界の区分は大雑把に分別して3種。

 悪魔達が領地として管理、居住している広大な大地。

 

 堕天使達の組織"神の子を見張る者(グリゴリ)"が本拠地を置く一部の土地。

 

 そして悪魔と堕天使が住まう地上の下にギリシャ神話のハーデス神が統轄する冥府【タルタロス】が存在する。

 

 規模としては地球と同様の大きさであり空は紫色、環境的には人間がなんの加護や防御の術等を持たぬ限り生活する事は不可能である。普通ならば。

 

 さてここで話は変わるが、神隠し事件が発生してから巻き込まれた人間の中には刀使も含まれる。

 その内巻き込まれた、伊南栖羽は冥界の使い魔の森と混ざった裏京都で臆病故に遮二無二逃げ回り、新多弘名は北欧でマイペースに過ごし、稲河暁が教会で居心地の悪さを感じている。

 これで3人。しかし巻き込まれた刀使は5人。後2人は何処に居るのかと言えば、もうお分かりだろう。

 

 「さぁ!早くそのダグオンと言うロボットの話を私に聞かせてくれないかしら!!」

 

 「え…えぇっと……」

 「これは…ちょっと予想外だったなぁ……」

 

 明度の暗い金の長髪に知性を感じさせる眼鏡を掛けた美女に詰め寄られ困惑する2人の少女。

 1人は濃紺緑の制服を着た、白みが強い灰髪のボブカットの少女。

 もう1人は白い制服に明るめの茶髪をサイドテールに括った少女。

 

 ボブカットの方は平城学館中等部3年、岩倉早苗。

 

 サイドテールの方は綾小路武芸学舎中等部3年、鈴本葉菜。

 

 共に冥界にて発見され、早苗は悪魔に、葉菜は堕天使に保護され様々な経緯を経てこの状況へと至る。

 その中で最も幸運だったのは早苗を保護した悪魔が人間に対して友好的かつ真摯であった事だろう。

 詳しくは割愛するが、悪魔の社会は表向き円滑に回っているが、裏ではきな臭いモノが多く、人間とは言え異世界人ともなれば早苗はタダでは済まなかったであろう。

 ともあれ詳細は省くが、現在早苗と葉菜の2人は神の子を見張る者と魔王の後見と庇護の元、不自由無く過ごしている。

 冥界の政治など彼女達には関係無い事である。

 

 話は戻って、現在そんな2人に叡智の輝きを煌めかせながら詰め寄っている美女──大公悪魔アガレスの一族次期当主となる事を定められた貴族の若手上級悪魔、その名を"シーグヴァイラ・アガレス"冥界の悪魔社会で【若手四王】と呼ばれた才女である。

 これまた詳しい事情は割愛するが彼女が早苗を発見した人物であり、そして女性としては珍しい類いの趣味の持ち主である。

 そもそもの話としてシーグヴァイラが早苗を発見、魔王──主にサーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタンの2人──にてあるが報告、引渡しをした後、早苗と再会した際に葉菜が溢した「ロボットがあるくらいだから、ダグオンも世界を行き来出来ないモノかな」と言う言葉が切っ掛けとなったのだ。

 

 「まず具体的にどういうロボットなのかしら?!変形はするの?合体は?秘密基地なんかもあるのかしら?もしくは空飛ぶ戦艦!」

 

 「ぐいっぐい来るなぁ……」

 

 「ええと……ちょ、ちょっと待って下さいね?確か画像が端末に──」

 

 葉菜が初見のイメージから一変したシーグヴァイラに慄き、早苗が何とか窘めようと管理局から支給されているスペクトラムファインダーを操作し、初期に刀剣類管理局で出回ったダグオンの判別画像のファイルの中からダグファイヤー等の物を表示していく。

 

 「成る程…こういうタイプなのね、口まである顔付きの…機動騎士ダンガルとは真逆の所謂スーパーロボットタイプ…でもサイズが思った程大きく無いのね…名前は何と言うのかしら?」

 

 「え、と、この赤いのはダグファイヤーと言いまして、一番最初に現れたダグオンの巨大戦力ですね。それまでは私達の間でも謎の装甲服集団として認知されていましたから」

 画面に囓り付きながらブツブツと呟くシーグヴァイラに気圧されながら早苗が生真面目に解説する。

 

 (機動騎士ダンガル…って、田中先輩が集めてるガンダムみたいなものかな?)

 解説している間も目の前の才女が呟いた言葉に、つい最近平城に高等部3年と言う次期で編入してきた警邏科と神職科を兼任している異例の男を思い出す。

 

 (田中先輩も色々な意味で凄かったなぁ…)

 

 何せ平城に編入して早々、刀使科の生徒達にこれから世話になるだろうからと教室行脚で挨拶に来たのだから制服の改造と相まってインパクトは抜群である。

 これから先、あんな濃い人物と会うことは長い人生の中でも早々無いだろう。

 等と思っているとシーグヴァイラが何時の間にか早苗を見つめている。

 

 「どうかしました?」

 

 「いいえ、続きまだかなと」

 

 どうやら早苗が撃鉄の事を思考している内に解説が止まったので、待っていたらしい。

 

 「あ、はい。えーと、現在確認されてるダグオンの巨大戦力は──」

 

 自分より歳上の美女が子供みたいに瞳を輝かせながら食い入る様に説明を聴いている事実に微笑ましいやら苦々しいやらどんな表情をしているのか自分でも判らない早苗。葉菜に視線をチラリと寄越すと彼女は肩を竦めて欧米のファミリードラマみたいなリアクションをしている。

 その間にもダグターボ、ダグウイング、ダグアーマー、ダグシャドーと説明を続ける。

 

 「動画は!動画は無いのですか!!?」

 

 仕舞いには動画求めるシーグヴァイラ。最早趣味を自重しない。

 

 「動画までは…流石に」

 早苗が申し訳無さそうに目を背ける。

 

 (どうしよう…ぼくのスペクトラムファインダーに動画あるや……)

 

 葉菜は不味い事になったと思わずポケットに手を入れて端末を掴む。しかしそれが仇となった。

 早苗が目を背けた際に、シーグヴァイラは残念な表情をしたものの、即座に葉菜の方へ顔を向け、目敏く彼女の行動を認識し早苗から離れ音もなくスススッと近付く。

 

 「うわぁっ?!」

 

 「貴女…持っているわね?」 

 

 眼鏡が光を照り返して表情が読めない。それが葉菜の心を恐怖に染める。

 反論は出来ない。それだけの迫力が彼女にはある。

 

 「ああ……うぅ……」

 

 呂律が回らない。何かもうジャンルが違う、何かは分からないが違う。言葉に出すよりも行動で示さねば、()()()()

 無論気概の問題であって、実際に命を獲られる訳では無いのだが。

 

 平民が貴族に献上品を明け渡すが如く、両手でスペクトラムファインダーを差し出す葉菜。

 画面も後は再生を押すだけである。

 

 「ありがとう。それとそんなに畏まらないでも良いわ」

 

 差し出された端末を受け取り、ご機嫌になるシーグヴァイラ、対して葉菜は暫し頭を下げた体勢で固まっていたが才女のルンルン気分の鼻唄が聞こえた段階で頭を上げ、そっと息を吐く。

 

 「ふーん、成る程…最初はジャパニーズスーパーフォースみたいな集団なのね……?!専用デザインじゃなくて既存式のマシンなの?!──?!?!融合合体?!搭乗式ではなくフュージョンスタイル!?動物型のメカに武器型も!!?」

 

 キャーキャーはしゃいでいる。

 

 「寿命が縮まるかと思ったよ」

 「あぁ…あはは…それはなと言うか…御愁傷様です」

 シーグヴァイラから離れる様な席に位置取る葉菜と早苗、葉菜の言葉に同情の意を送る。

 その間に件の才女はファイヤーダグオンが初確認された映像に差し掛かったらしく興奮の絶叫を挙げる。

 

 「キャァァア!!?合体!合体したわ!!?これよ!これぞジャパニーズスーパーロボットよ!…嗚呼!行きたい!見たい!触りたい!やはりロボットは素晴らしい!特に日本のロボットは至高!未来に生きてると言っても過言ではない!

 

 とても盛り上がっているが、そもそもこの世界の日本にはロボットはいない。なので彼女の望みはまず叶わないだろう。

 

 ((スゴいはしゃぎようだ……)) 

 

 特にロボットに興味の無い、年頃の女子の極めて真っ当な反応でシーグヴァイラのはしゃぎっぷりを眺める2人、この後再び解説させられる。

 

 これより以降の事は語るまい。何故ならば早苗、葉菜共に帰還は確約されているのだから。

 しかし敢えて語るとする事があるのならば、彼女達は元の世界に戻った時、どこかとても疲れた顔をしていたと言うことを記載しておく。

 

 

早苗&葉菜、疲れる 完

 

 





 オチの話はまぁ大分省いた感ありますが、幕間ですし、そこまで長々やる話でも無いので。

 刀使側は普通に早苗ちゃんガンダム言ってますがダグオンがクロスしてるのでサンライズ的に伏せ字は良いかなぁと。

 次回はどのくらい掛かるかなぁ。8月は更に意欲が上がらなくなるからなぁ。早く秋になってくれぇ、でも休みは欲しいから程々にぃ。
 取り敢えず、アイディアが纏まるまではカリギュラってようかと……。

 では次回お会い出来たら良いですね。
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