刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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おはようございます。仕事前に投稿です。
大和田伸也役大和田伸也のインパクトがまだ残ってる……。
いやぁ、宇宙人の名前を考えるのお陰で苦労しましたよ。

ところで、可奈美のお兄さんって名前とかの詳細、反面してましたでしょうか?
してないなら色々都合がいいんですが……。
取り敢えずどうぞ


第十話 逃亡!2人の反逆者。

"前回の刀使ノ指令ダグオン"

 

 鎌倉で行われる御前試合、伍箇伝各代表が凌ぎを削る。

迎える決勝試合、相対する衛藤可奈美と十条姫和。

しかし、姫和は開始の合図と共に何と、折神紫に御刀を向ける。

己に向けられた刃を防ぐ紫、驚愕に目を剥く姫和。

獅童真希により写シを剥がされ、沫や絶体絶命。

その瞬間を救ったのは可奈美だった。

その場から逃げる2人……果たして何が起きているのか?

 そして、2人を見詰める謎の影が一つ。

 


 

 ━━鎌倉 折神家屋敷前

 

 門前の屋根上から2つの影が飛び交う。

十条姫和と衛藤可奈美、御前試合にて折神紫に刃を向けた暗殺者とそれを庇った刀使、混乱する会場を尻目に逃げる彼女達、それを木蔭より覗く謎の人物が2人。

 「見たかい?わたし。この星の原生生物は愚かだね、同族同士で殺し合って」

「そうね、ワタシ。こんな星のこんな小さな島の同列人種ですら完全な意志疎通が出来ないなんて…」

「あのムシケラが消えた地だと言うから、どれ程かと思えば…所詮、文明を創りあげようと猿でしかない」

「サル?それはこの星の非文明種でなくて、ワタシ?」

「奴等は猿から進化したらしいよわたし」

 

お互いをお互いに私と呼称する男女、性別と極一部肉体的な違いを除けば、寸分違わず同じ顔、同じ身長、同じ体重、まるで双子の様な2人……しかし彼等は双子に非ず、彼等の視線は逃げていく可奈美と姫和を離すことなく見詰めていた。

 

 

 

 ━━御前試合会場

 「一体、何がどうなってやがる!?」

突如起きた事態を呑み込めず、狼狽える焔也。

周りの生徒達も未だ理解が追い付かないのか、困惑は治まらない。

 「可奈美ちゃん…」

柳瀬舞衣もまた、親友の突然の行動に動揺を隠せないでいた。

 何故あの場で十条姫和を庇ったのか?何故共に逃げたのか?

舞衣の頭の中は疑問で埋め尽くされる。

 「落ち着いて、こちらの指示に従い、別命有るまで待機せよ。不審な行動は即懲罰の対象とする」

警備に参加していた戒将を含めた者達が周囲に伝える。

 しかし、既にその時、龍悟は姿を消していたのだった。

 

 混乱もひとしおに、各学校同士で集められ美濃関と平城は事情聴取の為本部近辺に待機、綾小路、長船はバスへと集められていた。

 「アノ2人、まだ捕まってないみたいデスネー」

「オレ達は一体いつまで放置されるんだ……」

「ね~…」

長船の人間が集まる場所の一角に、そんな事を口にする2人組、1人は金髪碧眼でグラマラスなハーフであろう刀使、"古波蔵エレン"。

 もう1人は、頭上に奇妙な小動物を乗せる一見すると小学生と見違えるほど小さな刀使、"益子 薫"。

そしてその小動物、"ねね"。

彼女達はエレンが後ろから薫を抱え込む様に座り、ねねが薫の頭上とエレンの胸の間に挟まっている。

 「あー…早く風呂入って寝たい…」

「デスねー」

 

 

 そんな中人目を避けるように集まる4人の男子生徒……ダグオンの若者達は顔を合わせていた。

 「なんかトンデモ無い事になってんな……」

「まさか、暗殺だなんて……」

「俺も驚いている。主犯は平城の生徒だが……あの美濃関の生徒に関して知っている事を喋って貰うぞ、鳳」

申一郎、翼沙の反応に対し最低限の言葉で返し、戒将は焔也に可奈美の事を訊ねる。

 「んなこと言われても…衛藤は暗殺なんてする奴じゃねぇ……何で平城の、十…条?だかを庇ったのかはわかんねーけど…」

 可奈美をそれなりに知る焔也は彼女が不義を働く人物ではないと断言するも姫和を庇った事に関しては解らないと答える。

 「大体、平城って言ゃあ六角の奴が………、あいつ何処だ?」

 「そう言えば、先程から見掛けませんね?」

「トイレか?」

「ふむ奴めの、ダグコマンダーに通信を掛けるか?」

 「なら、俺が聞く。一応美濃関の事でもあるしな」

戒将の提案に則り、龍悟のダグコマンダーに通信する焔也。暫くして

 

 『…何だ?』

「何だ?……じゃねぇ!今、どこに居やがる!?」

 『……例の2人を追っている。用がそれだけならば切るぞ』

「何だと!?待て六角!詳しく聞かせろ」

 『…悪いが、アチラに気付かれたく無いのでな…、落ち着いたら連絡する』

龍悟のまさかの発言に驚く焔也と戒将、戒将が詳細を訊ねるも、一方的に通信を切ってしまった龍悟。

 「こうしちゃ居られねぇ、俺達も追っかけようぜ!」

「待て、今不用意に此処を動けば怪しまれる!」

「ならよ、燕がナントカして鳳に同行、オレらは監視的な役割で助っ人扱いで同行……てな感じでドウよ?」

 「流石に無茶では………」

直ぐにでも追おうとする焔也に対し戒将が注意するも申一郎が助け船を出し、翼沙が穴だらけのそれにツッコむが、戒将は暫く黙り混み考える素振りをすると口を開く。

 「いや、それで行こう。あまり好きでは無いが上には俺が適当な理由をでっち上げ、六角に合流する。念のため、変身して追うぞ!」

 「よしっゃ!」

「変身すんの?目立つダロ?」

 「いえ、下手に生身で動けば素性がバレてしまいます。ならばいっそダグオンになって仕舞えば特祭隊の意識は正体不明の怪人としての僕達に向く…ダグオンの身体能力なら逃げ切る事も不可能ではありません。つまりは、そう言う事ですよね?」

 「ああ、では人気の無い場所に移動していてくれ。俺も報告を終えてから合流する」

 

 

 

 「「「「トライダグオン!」」」」

 

 

こうして、戒将の策を実行した4人。折神家屋敷の敷地内から飛び出し、道行く人々が捉えられぬ程の速さで走り、屋根づたいに駆ける。と、人通りの無い場所に来た瞬間それは起きた。

 「ふん……オマエ達がトラルクの大食いとギロザバスのムシケラを倒した連中だな?」

 そう言って現れたのは、一見何の変哲も無い男性、しかしその姿は擬態に過ぎない。

 彼は先程の暗殺騒ぎの際、逃げ行く可奈美と姫和を見ていた人物の1人……

 4人は突如現れた謎の人物を前に警戒する。

「何者だ?我々の動きを完全に捉えている…」

「おい、あんた何でこんなとこに居る?迷子ならちょいと目立つが案内するぜ?」

「ワリィけど用が無いんなら退いてくれ。アンタに構ってるヒマは無くってヨ」

「僕達は怪しいかもしれませんが、危害は加えません。なので、この事は見なかった事に」

 カイが男性を怪しむも、エン、シンが気にせず冗談混じりに誤魔化し、ヨクも警戒しながらもあくまで一般人に触れる様に接する。

 

 「ワタシはジェンゲンガ星人、宇宙監獄エデンの犯罪者だ」

 

 「なっ!?」 「ここに来て、久しぶりの宇宙人かよ!?」 「空気読めよコンチキショー!」 「そんな事言っても仕様がないですよ、それより警戒してください!」

 

 「キサマ達は何だ?」

男性…ジェンゲンガ星人が名乗り、4人に緊張が走る。

ジェンゲンガ星人は更に彼等に誰何を訊ねる。

 

 「知らねぇってんなら、憶えとけ!俺達はダグオン。お前ら犯罪宇宙人の侵略から地球を守る正義のヒーローだ!」

 

 「ダグオン……、成る程、記憶しておこう……ヌン!」

そう言ってジェンゲンガ星人は、姿を変える。

青い肌に二の腕から生えた爪、鋭い牙が覗く口元、但しその顔の場所は人間でいう所の左胸の部分、本来顔がある場所にはのっぺらぼうのような頭がある。

 

 「イクゾ、ダグオン!」

ジェンゲンガ星人が跳び掛かる、4人はバラバラにかわし、迎撃する

 

 「へっ、今までの奴に比べたら大した事無いぜ!」

 

 「油断するな馬鹿者、確実にダメージを与え倒すぞ!」

 

 「おうよ!喰らいな!アーマーライフル!」

 

 「任せて下さい!クリスタルブーメラン!」

シンとヨクの攻撃がジェンゲンガ星人にヒットし怯む、動きを止めた星人にエン、カイが更に追い討ちを掛ける。

 「よっしゃっ!カイ、こいつで決めるぜ!ファイヤーナックルゥッ!!」

 

 「うむ。止めだ!ホイールキィイック!」

 

「ぐぅ!?あがぁ!!」

 

エンの炎を纏った拳とカイの超速から繰り出された蹴りにより吹っ飛び倒れるジェンゲンガ星人、吐血し遂にその体は生命活動を停止した。

 

 「何だ?全然大した事なかったな」

「手応え無さスギだろ、今まででイチバン弱くね?」

 「確かに……それに遺体まで残るのも初めてです」

「………気になる事も多いが、今は六角との合流を優先すべきだ。回収は後回しで奴の遺体は目立たぬ場所に捨て置くしかあるまい」

 こうして、ダグオン達によって、人目の着かぬ場所に放置された死んだジェンゲンガ星人の肉体、其所に片割れであった女性が現れ、死体に話掛ける。

 

 「どうだった、ワタシ。戦った感想は?」

 「中々にやるようだ。ワタシしか居なかったとは言え、見事にやられたよわたし」

即座に返ってくる答え。何と死体だった筈のジェンゲンガ星人の口が動きみるみる内に傷が再生し、立ち上がったではないか。

 「これは暫くこの星で様子見かな?ワタシ?」

「不承不承だがね、奴等の戦力を分析せねばならないよわたし」

 

「「フフフフフ…」」

2人にして一つの声が響き消える。

一体、ジェンゲンガ星人とは何者なのか……。

 

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 

 やあ、管理者だよ!って、今ボク色々忙しいんだけどぉ!?ファイヤージャンボ造って、ファイヤーラダーにファイヤーレスキューも完成させて、今作ってるライアンの魂をちょっと……ヴぇぁ!?

 ……………うん、そんな事より次回予告だね♪

ジェンゲンガ星人を退けた4人、一方、龍悟くんは可奈美ちゃんと大和へ……姫和ちゃんを尾行していた。

 やれやれ覗き見なんて、趣味が悪いナー。

 

 次回"刀使ノ指令ダグオン"

 追跡?反逆者はデート中?

 

さぁ、次回も"トライダグオン"だ!

どうしよう……

 




 はい、如何でしたでしょうか。
次回予告でチラッとライアンについて言ってますが、登場はまだです。
そして龍悟の忍者ムーブは、ほら勇者指令ダグオンの竜も諜報能力高いしこれくらいなら出来るかなっと思いまして……。
ではまた次回お会いしましょう

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