刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは、去年某お空の果てを目指すゲームのエイプリルフールコラボ(ハジケまくるあれ)に感銘を受け、今年のエイプリルフールネタの話は連続するネタにしようと決めたダグライダーです。

 因みもう既にネタを書き始めてます。




第九十七話 進撃!!重連合体ライナーダグオン!!

 

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 何かぁ~四天王とかぁ~呼ばれてる~らしい~よぉ~。

 

 何だそれは?理解出来ない理解出来ない。

 

 一部の文明発展惑星等で良く聴く呼称、エデン内では当機を含む我等が該当。

 

 んなことより、わーの相方はまだなん?早ぉワチャワチャ楽しみたいんけど

 

 きっともうすぐだよ♪

 

 我が《友!?》《死?!》《主》《祖?》

 


 

 ━━都内某所

 

 突如として空より降って来た厄災、それはダグオンの力を今一度見定めともすれば彼等の最高戦力たるファイヤーダグオンを葬る為のエデンの刺客であった。

 彼等は今までの刺客と異なり、意思を持たぬ人形…。それもその筈、彼等の正体は東監獄主ヒュプティが造り出した囚人達で掛け合わされ組立てられた人形(アバター)なのである。

 監獄主不在となれば、物言わぬ人形を放置する訳にもいかない。

 最早元に戻せぬのだから、精々有効に使い潰してやろうではないかという思惑の下女医主導で外付けのコントロールシステムを搭載し、地球の前線基地もしくは大荒魂が拠点としている綾小路武芸学舎に食客として滞在しているマッニー達の戦力となるように細工を施し送り込んだのであった。

 

 そして、大型生物兵器として新生した2体の傀儡を前にファイヤーダグオンは僅かな隙を衝かれ一方的になぶられ、ダグターボ達ライナーチームは円柱型の装置と宇宙海賊オルゴン副船長ビッグローによる妨害を受け、シャドーリュウは同じくオルゴンの船員であるフリッジからの横槍でシャドージェットとの融合合体が行えない。

 シャドーガード達もビッグロー達の出現でカードに戻されてしまった。

 ドリルゲキは巨大戦力に対し対抗する手段を持たず、このままファイヤーダグオンは2体の傀儡相手にあわや処刑されてしまうのか!?

 ライナーチーム達は動けぬまま氷漬けにされ砕かれてしまうのか!?

 そう思われていた、しかし寸前の所でライアンが加勢に現れビッグローの氷を溶かし円柱型の装置を破壊、絶対零度の戒めから解き放たれたライナーチームは果敢に歴戦の傭兵へと挑む。

 

 多対一の不利を物ともせずにその力と技を以て相対するダグオン達を翻弄、追い詰めるビッグロー。

 しかしダグターボ、ダグアーマー、ダグウイングは尚もその心を折る事無く立ち向かう。

 その折れぬ意思に3人が融合しているライナービークルに秘められた最後の機能が解放される。

 自らの頭の中に流れるイメージに従い、互いの手を重ね合わせ、重連合体と叫ぶライナーチーム。

 そして現れたのは3体の鋼の巨人が1つとなった三位一体の姿、ライナーダグオンであった。

 

 

 

 「ぬっぅ……一つに纏まっただと?!」

 

 己の倍の大きさと化した獲物に動かぬ眉をひそめるビッグロー、幾多の戦場を渡り歩いた身の上であれど3人の意思が1つになる合体等早々拝む機会は無い。

 複数の機体が合体する存在は()()()()()()()()が、目の前の敵はどうもそれとは違う気がする。

 

 

 『こ…これは……!我々は一つに合体したのか!?』

 〔そうらしいナ、オレ達も意識あるからヘンな感じするが……〕

 〔細かい事は後で、まずはあの宇宙海賊とやらを撃退しましょう!〕

 

 ライナーダグオンに合体した3人、しかし実際に声を出しているのは戒将のみである。

 だが現在ライナーダグオンの内側、3人の意識が存在する空間で彼等は己の明確な肉体のイメージを保ったまま存在しているのだ。

 

 『うむ…そうだな。今は敵を倒す事に集中せねば!』

 

 「ふんっ!当初の想定とは大分掛離れた状況だが、戦場とは生き物……この程度の事、狼狽えるものかよっ!!ダブルアームトンファー!!」

 ノーズキャノンを背中に背負い、両腕の装甲から黒い混紡の様なトンファーを展開するビッグロー。そのままライナーダグオンへと肉薄する。

 

 『っ!迷わず来るか!?ならば迎え撃つ!!』

 歴戦の雄姿が小細工無しに迫るのを認め、徒手空拳の構えを取るライナーダグオン。

 その瞬間、彼の勇者の()()()()()()()()()()

 

 『相手はエモノ有りだが、殴り合いってンならオレの領分だゼ!』

 戒将から申一郎へ、古武術からボクシングのフットワークへと姿勢が変化したライナーダグオンは突き出されたトンファーを見切りで躱し、左拳の連続ジャブを叩き込む。

 

 「ッァ?!このスタイル……緑の重火力型かっ!!?」

 

 『応とも!!』

 ラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュ。

 止めどなく繰り出される左拳に紺碧の巨体が思わず宙に浮く。

 

 「おぉぉォオ?!拳の連打だけで我が身を浮かばせるだとぉォオ?!」

 

 『ンでもって必殺の右ストレートだぁァァア!!』

 キャノン部を後方へ展開し妨げとならない様になった右拳の一撃をガードの上から打ち込む。

 趣味が高じて身に付いたボクシングの技と部活動で習得せしめた古式空手の業が混じった渾身の1発、その一撃はビッグローのアームトンファーを腕部装甲ごとひしゃげさせた。

 

 「ゴガッ?!」

 

 僅な呻きを溢して地に鑪を踏みよろける傭兵。

 

 『どんなモンよ!いつかの借りを返してヤったゼ!!』

 〔以前の京都での戦闘の事か〕

 〔意外と根に持ってたんですね〕

 ライナーダグオンの内側ではそんなやり取りが繰り広げられていた。

 

 「っぅぬぅ……(単純に合体してパワーが加算されたのでは無い、寧ろこれは乗算…三体の魂とでも言うのか?その爆発力がそのまま出力として出ている……)」

 腕間接部位から火花を散らしながら、己の身に起きた事や敵の戦闘力を冷静に分析するビッグロー、ライナーダグオン(申一郎)が高揚して何か口にしているのを聞き流しながら、部下のフリッジの方へと気付かれぬ様意識を配る。

 

 

 

 

 

 

 「ありゃあ?!せっかく凍った地面が溶かされちまったのよぉ~?!」

 

 ライアンの介入により己の有利な戦場を破壊され、思う様に機動戦闘を行えなくなったフリッジ、それを好機と見たシャドーリュウはライアンに1つの懇願を願い出る。

 

 「……ライアン、この時だけで構わん…。我が剣となりて敵を討て…!!」

 

 『ほぅ…、面白い。貴様もそれなりの腕だ、一時の使い手として認めようではないか』

 

 黄金の巨人が剣となってリュウの手に収まる大きさに変化する。

 

 『……シャドォォォライオソードッ…!』

 

 闇に紛れて悪を討つ!黄金の獅子剣を逆手に持った紫影が勢いの衰え始めた吹雪と言う名の白い闇の中、敵を目掛けて駆ける。

 

 「おぉんやぁぁ?こいつはヤバいとか言うヤツだよねぇ?!」

 

 最早吹雪が視界を塞ぐ事など無いと言うのに白闇にその身を消した紫影を目撃し並々ならぬ焦りを懐く。

 斬撃が光の軌跡を残して老獪な学者を斬り刻んでゆく。

 浅い傷だが体格差など物ともせず、次々とフリッジの躯に刻まれてゆく斬痕。

 しかして紫の影さえ捉える事叶わぬ。

 

 「あだだだっ?!一撃一撃は大したこと無いのにさっきから出来てきてる色んな傷に誤差無く連続して斬って来る……堪んないよこりゃ…だだっ?!」

 

 

 

 

 

 

 「(潮目だな、これ以上この戦場に留まる謂れ無し。又しても死に損なったが……部下まで道連れには出来ん)…見事だライナーダグオン!此度の勝ちは貴様等に譲る!だが、この場は退かせて貰おう、やれ!グシアノース!!」

 ビッグローが空に向け声を挙げる。するとその声に従い彼方から複数のミサイルが雨の様にライナーダグオンとビッグローの間に降り注ぐ。

 

 『これはっ?!』

 〔以前も現れた空母型の!〕

 〔近くの海に居たのカヨ?!〕

 

 否、彼の空母は太平洋沖に潜航していたのだ、それをビッグローの合図により急速浮上、甲板を"開放"し弾道ミサイルを射ち出した。

 更に爆煙で視界が塞がる中、短い口笛の音が響く。

 すると今度は何処からか接近する何者かの反応をライナーダグオンは捉えた。

 

 『新手か!…此方に近付いている?!』

 

 しかし敵の新手はライナーダグオンに攻撃を仕掛けては来ず、爆煙の中で金属が擦れ合う様な音を立てた後、煙から大きな影が飛び出す。

 

 〔何だぁアリャァア?!〕

 〔翼が生えた虎?…いえ…四足の鷲?〕

 『奴等…まだ仲間が居たのか!!?』

 

 飛び出した影は翼沙が困窮する様に黒い虎の躰と紅い差し色が入った鷲の翼を持ち、しかし頭部は虎の様であり鷲の様でもあると言う、何とも形容し難い生物。

 その謎の生物が器用に四足でビッグローを掴み東京湾の方へと翔び去って行くのだ。

 

 

 

 

 同じ頃、フリッジとリュウの戦闘にも横槍が入る。

 

 「……っ?!」

 

 突如として無差別にバラ撒かれる銃弾。

 咄嗟に躱すリュウと幾らか浴びるフリッジ。

 

 「おどだだだっ?!ちょっ?!おまっ!!狙いが雑ゥウ!」

 

 「ヤホホ、ヤホホ。つまんねぇこと気にすんなよ?誤差だ誤差。助けに来てやったんだから寧ろ感謝しな?全くよぉ、合流してから初の実戦ウォーミングアップが撤退たぁ情けねぇなぁ?!」

 

 そして予兆無く現れた声と、バラバラと先程まで聴こえもしなかったローターの音。

 見ればフリッジの直ぐ側まで藍色の軍用ヘリが滞空している。

 ご丁寧に円筒の機関砲…俗にガトリングと呼ばれる火器の銃口を向けて。

 

 「ヒホホ♪そら逃げろ!ほら逃げろ!アッチもコッチも逃げまくりぃ~!?ヤホッ…ホッ…ヒィィィハァァァア!!」

 ヘリは騒ぎ立てる様に謳うと機関砲をリュウに向け斉射する、対しリュウはライオソードを振るい自らに降り掛かる銃弾を斬り落としてゆく。

 

 「オイオイオイオイ?正気か?本気か?イカれてんのか?ヒィホホホ!まぁ良いや!今ン内にトンズラこくぜぇ!」

 

 「あいよ、逃げるが勝ちとは言ったもんだ」

 

 人型からペンギンへ変形しヘリから垂れ下がったフックに躰を固定するフリッジ。

 リュウは機関砲の速射に足を止められ、彼等が空に去ってゆくのを見送るより無い、よしんば機関砲の射程が遠退いてもヘリの両脇にマウントされたミサイルラックからミサイルを撃たれる可能性がある以上、深追いは禁物だ。

 

 「……ここまでだな…思わぬ相手に手こずり過ぎた……」

 言って片膝を着くリュウ、ライオソードを杖代わりに残る敵を見据える。

 

 「…済まないが、俺はファイヤーダグオンの助けに加われん様だ…」

 思いの外消耗した肉体に忸怩たる物を懐きつつも後の事をライアンとライナーダグオンに託す。

 

 『であれば、私はまず残る雑兵共を片付け貴様の身の安全を確保してやろう。ある程度手透きになればドリルゲキが合流するだろうから、その時点で私はファイヤーダグオンの元へ向かう……と言っても私が駆け付ける頃には何とかなっている…だろうがな』

 

 ライナーダグオンの戦い様を見た所感から戦略概論を述べるライアン。

 彼の言う通り、撤退する宇宙海賊オルゴンの面々を尻目にライナーダグオンは巨体に見合わぬ速さでファイヤーダグオンをリンチする赤カブト達の元へ一目散へと駆けている。

 

 〔ヤロウ、ご丁寧にファイヤーダグオンの両腕両足を捕まえてビルに磔にしてヤガル〕

 

 〔もう一体の赤い甲冑も拘束具を上手い具合に避けてファイヤーダグオンの反撃を封じつつ嬲っている様です〕

 

 2人の言う通り、装甲版によって四肢の関節駆動部を抑え込まれ尚且つ逃げられぬ様にファイヤーダグオンの背にしたビルを磔台とし、ジェットファイヤーストームやジェットファイヤーミサイル、ファイヤースターバーンを放てない様に攻撃を加えている。

 

 『〔ならば先ずはあの蛇腹の方をどうにかする!〕アーマーバスタァァア!!』

 

 目的を定め右腕のアーマーユニットの2つの砲門を棒人間状の装甲版の集合体に放つ。

 砲撃が直撃した集合体──後にロータススケイルと呼称される怪物体がその衝撃によろけ赤カブトを巻き込んで倒れる。

 

 

 

 「む…、後ろからとは卑怯な。です」

 「言うて向かってくんの見えてたやん?」

 東京タワーの第2展望台の上で吹き曝しの風に煽られながらフュンフが僅に眉根を潜めて呟く。

 それにマッニーは見えてたよね?卑怯もクソも無いよね?とツッコむ。

 

 「そもそもこのコントローラー使い勝手が悪すぎるのです。どちらか片方に注力するともう片方が人工知能頼りになって複雑な動きが出来ません。です」

 

 「せやな、スカーレットホーン(赤カブト)エニグマドレペント(ロータススケイル)じゃあ、只でさえ搭載人工知能に差があるもんなぁ。コスト的な意味でも今度から片方有人にしてもらおうな」

 趨勢がダグオン側に傾いた事、欠陥が洗い出せた事含め既にやる気が削がれたマッニーがケラケラと乾いた笑いを挙げながら結論付ける。

 

 

 東京タワーで異星人達が敗残ムードを出している中、戦場ではライナーダグオンがファイヤーダグオンを装甲版──花弁鱗──の拘束から解放せんと彼を捕らえている花弁鱗に向け技を放つ。

 

 『ターボホイールッ!カッタァァァアア!!』

 左腕ターボユニットの右車輪から円盤状の刃物が展開、高速で飛翔し花弁鱗を次々斬り裂いてゆく。

 

 『ぐ……ぁ……?』

 

 『まだ動けるか?ファイヤーダグオン』

 

 『その声……ダグターボ…か?その姿は……』

 

 『今の我々はライナーダグオンだ。積もる話は後に、結論だけ訊く。まだ戦えるな?』

 

 『っ…たりめぇだ!こんくらい屁でもねぇ!!』

 

 磔の拘束から解き放たれ、ライナーダグオンの問いに威勢良く啖呵を切るファイヤーダグオン。

 それを確認してライナーダグオンは方針を伝える。

 

 『我々が蛇腹を相手取る、お前は赤い甲冑の方を』

 『おうよ!散々好き勝手してくれた借り、返してやるぜ!!』

 

 2体の勇者が並び立つ。倒すべき敵は今頃になってようやっと体勢を立て直し立ち上がる。

 

 『奴等を分断する……フッ!』

 

 ターボホイールカッターを操り、赤カブトとロータススケイルが其々別方向に飛び退く様に誘導する。

 

 『今だ!』

 

 『ぜぇぇりゃぁあああっ!!』

 

 ライナーダグオンの声に合わせてファイヤーダグオンが赤カブトに突進、蹴りを叩き込む。

 

 『まだまだぁぁ!!ファイヤァァアスタァァバァァァアアンン!!

 

 額の星から放たれる高熱のエネルギー波が赤カブトの象徴たる角をへし折る。

 

 『ファイヤァァアホォォォルドッ!!』

 

 へし折れて重心が大幅に崩れた所へお返しとばかりに赤カブトが持っている蛮刀ごと胸部から発せられる拘束エネルギービーム、ファイヤーホールドで動きを止める。

 

 『ファイヤァァアブレェェエドッ!!』

 

 右腕のラダーを剣と化したファイヤーブレードが赤カブトを十文字に断ち斬る。

 数の有利が無くなれば遠隔コントロール補助が無ければ複雑に動けぬ簡素な人工知能など敵では無いのだ。

 

 

 

 

 

 〔ンで?どうスンだ、さっきみたいな不意討ちはもう通じねぇから普通に攻撃してもバラバラになって躱されるだけだぜ〕

 〔決まっているだろう、分離して躱されぬ様…奴の全身を固めてしまうだけだ〕

 〔なる程、"アレ"ですか〕

 自らの内での会話を終えライナーダグオンは両腕を頭より上に上げ空中で回転し始める。

 

 『『『ライナァァァブリザァァァアアドッ!!!』』』

 

 3人の声が重なり叫ぶ。

 ライナーダグオンを中心としてダグウイングのブリザードハリケーン等比較にならぬ程の超絶対零度の竜巻が巻き起こりロータススケイルを呑み込む。

 元より分離を前提としたロータススケイルは頭の先から爪先まで分子レベルで凍り付き、重力に耐えきれず自壊した。

 

 『やったな!』

 

 『ああ!』

 

 互いに相対した敵を倒した2体の勇者は互いの手を差し出し固く握手を交わしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━グシアノース甲板

 

 「ヤホホ、例のオモチャ負けたってよ」

 藍色の軍用ヘリから人型に変形した宇宙海賊オルゴンの空挺暗殺者アパンティスタがマッニーからの報告を仲間達に告げる。

 

 「まぁ中身が無いからねぇ、それに予想外の戦力が生まれちゃったし」

 フリッジがペンギンのまま器用に額を掻き溜め息を溢す。

 

 「また死に損ないましたな、大尉」

 

 「大尉はよせ、今の俺は海賊団の副船長だ」

 

 ビッグローに嘗ての階級で呼び掛けるのは黒い姿のヒューマノイドロボット──左肩に虎と鷲の頭部を持ち胸部に鷲の鉤爪らしき意匠を持つ、ツインアイをバイザーに隠した猛獣戦士ティガルト。

 

 「ゴボボボボッ…ゴボォォォオ!」

 

 「お前さんその状態だと海に遮られて声出せねぇんだから、素直に思考通信で会話に参加しろよ、ウン」

 

 グシアノースがビークル状態のまま会話に加わるも海水でゴボコボとしか言えぬ為、相方のアスクラが呆れた様にツッコむ。

 

 これに船長ヴァルトロンとこの場に居ない2体を加えたメンバーが宇宙海賊オルゴンである。

 

 「くく…空より来る者達は皆貴様等の様に能天気なのか?」

 

 「いやぁ、これでも副船長とかティガルトとかオイラ、後ここには居ねぇけど船医のセンセーとかは至って真面目なんだぜ?ウン」

 この場に同席した白い少女──大荒魂が皮肉気に嗤う。

 対しアスクラは心外とばかりに何時もこうではないと反論、そのまま彼等はグシアノースの中へと消え、グシアノースも再び海中へと潜航するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━都内某所

 

 「~~~~!!めっっっっちゃカッコ良かったぁ~~~!!!!」

 吹雪が晴れ、事後処理に追われる特祭隊の処理班の車輌の中で安桜美炎は先程の光景を思い出して興奮の声を挙げる。

 

 「まさか新幹線のダグオン達が合体するなんてね。これはもしかすると残った忍者の…シャドーリュウ……じゃなくてダグシャドーだっけ?彼も合体するのかもね」

 美炎に些か呆れつつも鈴本葉菜もあの場で目撃した衝撃に僅に高揚を隠せない。

 

 「しかしあの光景……薫さんが見たら美炎ちゃん以上に興奮したんじゃあないですかねぇ、まさしく戦隊ロボ!みたいな合体でしたし」

 

 (((ありうる……!)))

 

 外でノロ回収改め異星人遺体処理班が奮闘する中、暖房が効いた車内での3人の心が1つとなった瞬間の一幕であった(合体はしない)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━ダグベース・格納庫

 

 「やぁ~良かった良かった♪ライナーズ合体おめでとう♪パンパカパ~ン♪パフパフ♪」

 

 「帰って来て早々ウゼェ…」

 

 「とは言え、まさか僕達が合体するなんて、改めて振り返ってもまだ信じられません」

 

 帰還したダグオンの若者達を出迎えたアルファの第一声に青筋を浮かべる申一郎と愛機を優しく撫でる翼沙。

 

 〈見事だったダグオン諸君〉

 

 「ブレイブ星人…。やはり今回の合体もアルファ共々貴様達は事前に知っていたのだな」

 

 〈ああ〉

 

 「何ぃ?!んじゃ俺らのビークルが何とどう合体すんのか最初の頃から知ってたのかよ!!?」

 

 戒将の確信混じりの憶測にブレイブ星人は短く返す。

 すると焔也がそんなの聞いていないぞとばかりのリアクションでアルファ達を問い詰める。

 

 「まぁ知ってるけど……そこはお楽しみって事で☆彡」

 

 このピンク頭はまたしても自然に若者達から怒りを買うのである。

 

 「結芽、そこの所…どうなのだ?」

 

 「ううん、おねにーさんはぐらかしてばっかりで詳しく教えてくれなかった。ね、キッドくん」

 

 『あるファ…おしえてくれない、イジワル』

 

 桜色の少女と少女の首から提げられた紐を通したキューブからもやや責める声色が飛ぶ。

 

 「そ・れ・よ・り・も!ワシのビークルが無いのが目下無視出来ん問題じゃろうがっ?!

 ドリルライナーが出来ておったらリュウの負担も、焔也…ファイヤーダグオンがリンチされてる時ももう少し何とか出来たハズじゃろ!!」

 

 「……一理あるな、結局お前は何をコソコソしていたんだ…?」

 

 撃鉄の訴え、龍悟からの冷徹なまでの一瞥に暫し迷った後アルファは若者達をオーダールームへと導く。

 

 

 

 

 「わざわざオーダールームに移動とは……一体何を見せる気です?」

 

 オーダールーム到着の第一声を翼沙が切る。

 

 「ちょっと待ってね~、ブレイブ星人~メインモニターのピックアップよろしく~!」

 

 〈了解した〉

 

 アルファの要望に応じメインモニターに地球圏内の衛星軌道を映し出す。

 

 「宇宙だと…?」

 

 「ほいほいのほ~いっと」

 

 戒将の困惑も露にも掛けずアルファはコンソールを素早く操作する。

 そして映し出された衛星軌道の映像から、取分け巨大な人工衛星が表示される。

 

 「……衛星……?」

 

 「足がいっぱいある!」

 

 「あんぇ?なんかどっかで見たよ~な」

 

 映し出された物の意図を計りかねている龍悟と見たままの感想を述べる結芽、焔也だけが何か引っ掛かるモノがあるのか頭を捻る。

 

 「こりゃ何じゃ?」

 

 「んふっふ~♪よくぞ訊いてくれました!例の黒い新幹線の三兄弟に好き勝手やられ放題の現状を重く見たボクは、解決策として今までの様なアメリカとかの軍事衛星をハックしての警戒網から、謹製の特化衛星基地による警戒防衛を念頭に置いた衛星を開発したのです!

 その名も────!!」

 

 不敵な笑みを称え溜めを作る。

 時間にして凡そ数秒、しかし彼等はそれが数分にも感じられた。

 そしてアルファがその名を告げる。

 

 「勇者支援特殊衛星前線基地!ダグサテライト!!これで何が地球に来ても見付けられるのさっ!!!!!」

 

 「ハァ~ん、そりゃスゲェこって」

 

 「もう!リアクション薄いよ!申一郎くん!!?」

 

 「イヤ、宇宙なんて連中の本拠地の場所でも判かんネェ限り行くアテも今んトコねぇだろ?」

 

 「まぁまぁ、探知範囲が広がるのは悪い事ではありませんから」

 

 「確かにな、それで?この衛星既に使えるのか?」

 

 「そこら辺は今詰めてる所さ。何せこの大きさだからね」

 

 若者達の言葉にアルファはフンスと鼻息を荒くしながらプログラムを書き込んでゆく。

 

 アルファが言う通り、件のダグサテライトなる衛星はかなりの大きさである。

 

 「なぁ…これクラーコフ「おおっと?!何を言うのかな焔也くーん!ダグサテライトだよ?サンダーサテライトと名前迷った末に決めた最光傑作だよ?」いやどうみてもクラー「チガウヨ」……おい」

 

 何やら思い出したらしい焔也の声を必死に遮るアルファ、しかし後頭部を鷲掴みにされ無理やり首を捻られては口をつぐむざる終えない。

 

 「フム…焔也、何か心当たりがあるのか?」

 流石に2人の反応や態度が気になってか、戒将が焔也に問い掛ける。

 

 「いやこれこいつのオリジナルじゃねぇんだよ、昔の……つってもそこまで古い作品じゃねぇが、三分間で怪獣と戦う光の巨人が出てくる奴に登場した陸海空宇宙の場所を選ばない万能基地?だったか…クラーコフNF-3000ってのが元ネタ」

 

 焔也が説明した通り、アルファがダグサテライトと名付けた衛星基地は人工衛星にしては歪な形を成している。

 人間が作業する居住ブロックとなる中央のユニットの四方から生えた重機の様な脚が、どことなく機械の蜘蛛に見えなくもない。

 

 「ヨウはパクりか」

 

 「失敬な!リスペクトだよ!?だいたいさ、イチからデザイン起こしてたら作業量半端じゃ無いんだから、あるところから持ってきた方がコスト的にもカット出来るし合理的でしょ?元々架空のモノなんだから製作から見つからないなら問題無いって!」

 

 申一郎からパクり呼ばわりされて憤慨するがどう取り繕っても事実である。

 だが宇宙にある上、簡単には目に出来ず、しかも人類の技術では発見出来ぬ様ステルス機能を搭載されているので尚更質が悪い。

 

 「はぁ…。造ってしまったのならば仕方あるまい、今更どうこうと揉めた所でどうしようも無いからな」

 

 「確かに。デザイン云々は別にしても我々の戦力となるなら、存分に活用させて貰いましょう」

 

 呆れながらも既に造り上げてしまった以上は利用すべきと頭脳2人が結論を下しその場はお開きとなったのであった。

 

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:静かなる瞳)

 

 ねぇねぇ、おねにーさん。

 

 何かな結芽ちゃん?

 

 何であのえーせー基地の名前候補がサンダーサテライトだったの?

 

 それは……まだその時じゃ無いからとか、サンダーの方だと露骨かなぁとか諸々ね?

 

 ???

 

 次回"刀使ノ指令ダグオン"

 激動、刀剣類管理局・特祭隊24時?

 

 おのれブラック上司めぇっ!誰か俺とねねに休みをくれ……!

 

 ねねぇ……。

 





 はい、今回出た衛星はTDG三部作のDの方に出た奴が元ネタです。

 最近掲示板モノなる作品に触発を受け、試しに書いてみたのですが……凄く面倒臭い!!
 ので、二度と書かない事に決めました。
 因みに触発して書いたモノはまだ未完成なのでその内読切りに載せるかもしれません。
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