刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 はい、エイプリルフールネタ投稿直後の本編幕間投稿です。

 そう言えば、デジモン図鑑オリュンポス更新されてました。待ちわびました。

 次の仮面ライダー商標バレしましたね。

 ドンオニタイジン欲しくなって来たなぁ。



幕間 中間報告

 

 ━美濃関学院━

 

 鎌倉特別危険廃棄物漏出問題にて刀使と特祭隊に対し世論のイメージがマイナスへと傾き始めていた月日頃。

 刀剣類管理局主導の元、各伍箇伝学院担当地域内においても所属の垣根無く混成刀使部隊による荒魂討伐が行われていた。

 

 ここ美濃関では来週頃に本部出向が決まった柳瀬舞衣を含め、七之里呼吹、古波蔵エレン、木寅ミルヤの4人の刀使が集い、美濃関学院での任務の合間を過ごしていた。

 

 「やはりここ数日で世論から特祭隊や管理局に対し不信感や不満を聞く事が多くなりましたね。それに伴って悪質なデマに惑わされて色眼鏡でしか現実を見ない過激な発言をする者も多いと聞きます。愚かな事です」

 

 「お馬鹿ちゃんが多いと苦労するのデース」

 

 鎌倉特別危険廃棄物漏出問題で世論からバッシングを受けている最中、更に根も葉も無いゴシップによって刀使に対する風当りが強い現状にエレンが露骨に不満を露にして膨れっ面になる。

 

 「エレンちゃん、それは言い過ぎだよ…世間が事件の真相を知らないのは、情報規制をしているせいなんだから」

 

 「おっと、失礼シマシタ」

 

 「アタシは世間がどう思われようが知ったこっちゃ無いけどな。荒魂ちゃんをブッ潰す邪魔をされるのはイライラするな」

 舞衣に諫められるエレンが悪戯がバレた子供の様なお茶目な表情で謝罪する横で呼吹は何時も通りブレない我を貫く、それでも多少は不自由を感じてはいる様だが。

 

 「世論の声と言えば、ダグオンに関してもより一層色々な憶測が飛ぶようになりましたね」

 スペクトラムファインダーに使われる官給品のスマホ端末から読み込まれるニュースサイトを表示させながら眼鏡のテンプルを直す。

 

 「初期の頃はヤラセ映像とか眉唾扱いデシタね。最近は別方向に悪い噂も出てるらしいですケド……ホント、失礼デース。彼等は彼等で頑張ってくれてるのに…」

 

 「まぁ彼等の方の噂は正体不明の不信感から来る物ですからね、我々の様に直接…それも数度に渡って交流までしている身からすれば眉唾だと理解出来る物ばかりです」

 

 「ああ、何かでやってたな。緊急企画!ダグオンと宇宙人の戦いはマッチポンプだった!?だっけか?ハッ、B級バラエティ丸出しのヤツだったな」

 ミルヤの言葉に心当りがあって、何時かの待機時間に目にした深夜バラエティのタイトルを口にする呼吹の声は冷笑と分かるものであった。

 

 「彼等の世論の評価はどうあれ、戦力その物の出所は管理局でも度々話題に挙がりますからね。ともあれ──」

 

 ミルヤが話題を移そうと口火を切ろうとした瞬間、校内スピーカーがブレスノイズを伝える。

 

 【本学付近で荒魂の出現が確認されました。刀使は至急出撃準備をお願いします。繰り返します、本学付近で荒魂の出現が───】

 校内全域に木霊する荒魂出現の報、ここ連日に渡ってのソレに舞衣はやや辟易混じりに驚きの声を挙げる。

 

 「また!?」

 

 「へへっ、ストレス解消のチャンスだぜ!待ってろよ荒魂ちゃん!今行くぜ!」

 唯1人、七之里呼吹だけは嬉々として勇み飛び出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━桜島火山地下

 

 「ナスカの地上絵だとゥ?」

 

 「sir、フリッジと合議した結果其処が一番怪しいと言う結論になった」

 マグマ煮え滾る中心部に設置された装置の駆動音に負けぬ程の声で訝しむヴァルトロンに対し、培養槽を管理しながらコンソールを叩く浅葱色の鋼の機人が応える。

 

 「まだ調査の中間報告な為、確実な物証がある訳では無いが、下名から見た人間なる種族の持つ技術では説明の付かない事象が多い。これは推測なのだがこの惑星には我々以前にも星間航行技術を持った異星文明が来訪しているのではないかと思う。

 エデンの連中が言う宝とやらの正体は案外、この惑星に来た先達が残した物ではなかろうか」

 浅葱色の機人──オルゴン船医こと医療工兵長スローターが片手間で球体スクリーンを投影して仮説を立てる。

 

 「金目の物はあると思うか?」

 

 「それは分からん。先人がどういった文明だったかは定かでは無いからな、そこはフリッジの解読に期待する他にあるまい?

 問題は私掠船免状を持たない我々にとって、見付かった宝が船長が想像している様な金銀宝石財宝の類いであった場合、再び宇宙の運河に飛び出した際に足が着かない事で逆に厄介な連中に目を付けられる可能性がある事なのだが……」

 

 「そんな心配は無用だぞ?スローターよ。向かって来る者在らば叩き潰すのみだからな!グハハハ!!」

 

 「やれやれ…船長がこうも楽観的ではな…。(しかし……ヴァルトロンにはああは言ったものの、この惑星に眠る宝は恐らくもっと強大な物…であれば)エデン監獄の連中はどうあっても邪魔になる時が来るな」

 宝の正体におおよそアタリを付けつつあるスローターが何時か訪れるその時が存外に早く訪れるのではないかと言外に仄めかす。

 

 「確かになァ。商人や炎の塊、女医、道化師はどうとでもなるが、ワルガイヤーとか言ったか?奴とあの小童……特に小童の方が厄介になるな。だが暫くはお互い腹を探りながらこの地の原生体を利用しようじゃアないか」

 

 「そうなれば、今暫くはアスクラには頑張って働いて貰わねばならないな」

 

 海賊達の心算が定まる中、只1人アスクラだけが貧乏くじを引かされ続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━美濃関学院付近・山林

 

 振り抜いた一閃が最後の1匹を駆逐し終え、ミルヤが周辺を確認した後、その言葉を口にする。

 

 「───任務完了ですね」

 

 「ったく、まーた弱っちい荒魂だったぜ!アタシをもっと強い荒魂がいる所に異動させてくんねーかなー」

 獲物の歯応えの無さに不平を述べ人事に一抹の希望を賭ける呼吹。

 そんな彼女の発言を聞いて、舞衣はやや憂いに瞳を揺らす。

 

 「……各地で頑張ってくれている他の刀使達は大丈夫でしょうか………」

 

 「マイマイは、みんなの事が心配デスカ?」

 

 「うん。私達の任務なんて他の地域の過酷さに比べると、随分マシなはずだから……」

 

 「そうデスネ……薫は元気にしてますカネ……」

 舞衣の言葉に、別の意味で過酷な状況に追い込まれている相棒を想うエレン。

 その2人の様子に呼吹はぶっきらぼうに口を開く。

 

 「心配いらねぇだろ。アタシが知ってる刀使は全員、殺したって死なねぇようなヤツらばっかりだ。

 つーか、任務がキツくて心が折れるならとっくに刀使なんか辞めてるだろ。だから全員何とかやってるはずだ、それに困った時のセイギノミカタもいるんだ、少なくとも道端でくたばるなんて事はあり得ないだろ」

 

 「…そうですヨネ!多分薫も「休みが欲しい」って言いながら、歯を食いしばって頑張ってると思いマス!」

 

 「……七之里さん、ありがとう」

 

 「礼なんかいらねぇよ。辛気臭いのが嫌なだけだ」

 

 素直な感謝の言葉に気恥ずかしいのかバツが悪いのか、そっぽ向く呼吹。

 

 ──Pi Pi Pi !!

 

 「あ、メールが届きまシタ!」

 エレンの端末に届いたメール、それを確認したエレンの声色は1段階弾む。

 

 「……みなさん、ちょっとしたお知らせがありマス。今から寮に行きまショウ」

 

 「エレンちゃん、それってもしかして……」

 エレンの発言の意図に心当りがある舞衣がその意を質す。

 

 「お察しの通り、例の中間報告デス」

 

 「何の中間報告なんですか?」

 

 「説明は後でまとめてシマス!みなさん行きまショウ!」

 エレン先導の下、少女達は美濃関学院学生寮へと進路を取るのであった。

 

 

 

 

 

 場所を改め、美濃関学院学生寮エントランス。

 近場のソファに向かう道すがらにエレンが状況の説明を始める。

 

 「実は私とマイマイはグランパや学長のコネクションを使って、薫達の動向を調べていたのデス!」

 

 「可奈美ちゃん、姫和ちゃん、沙耶香ちゃん、薫ちゃん、それから美炎ちゃん、瀬戸内さん、清香さん、山城さん、鈴本さんが今何処で何をしているのかをね」

 エレンがどの様な手段を用いたのか、舞衣が誰の動向を中心にして集めていたのかをミルヤ達に話す。

 

 「なる程、その中間報告を今から聞けると言う訳ですか」

 得心いったと唸るミルヤ、ラウンジの休息用ソファが見え、呼吹が真っ先に大型ソファに無遠慮に座り、舞衣、エレンが個人用に腰掛け、ミルヤは壁に背を預けて報告を待つ。

 

 「それでは報告をさせて頂きます。

 調査対象となっている九人の刀使の内、各学園指揮下にいる六人の情報は入手出来ました」

 報告を告げ、資料を読み上げるのは舞衣と同じ美濃関学院の制服を纏った刀使、福田佐和乃。

 

 「ただし、安桜美炎、山城由依、鈴本葉菜の三名は主に警視庁指揮下への出向と異動の繰り返しで、まったく情報が手に入りませんでした」

 

 「そうなんだ………美炎ちゃんとはスマホで連絡を取る事も出来ないんだよね……」

 佐和乃からの報告に連絡の安否が着かない美炎を愁う舞衣、よしんば官給品とは別にプライベート用の端末を持っていたとしてもそちらも連絡が着かないのであればそれもまた仕方ない。

 

 「綾小路の二人…ユイやハナは、どうなんデスカ?」

 

 「私、その二人の連絡先は知らないから…」

 交友関係の接点が少ない相手の連絡先は流石の舞衣でもどうしようもない。

 なのでエレンはソファから身を乗り出して壁の華と化したミルヤへと話題を振る。

 

 「ミルヤは二人の連絡先、知りまセンカ?」

 

 「済みません。どちらも分かりません……鈴本葉菜とは、連絡を交換出来る状況では無かったので……」

 

 「ユイとは交換しなかったんデスカ?結構長い間一緒に行動していたと聞きましたケド」

 

 「山城由依からは剰りに執拗に連絡先を求められた為、身の危険を感じて断りました」

 

 「Oh……」

 エレンの反応もむべなるかな、ミルヤの答えは至極残当な選択の末である。

 余談ではあるが、申一郎は由依の連絡先を知っているので、ミルヤが頼めば直ぐにでも経由して貰えるのだが、そもそも申一郎と由依が親しいとはミルヤの中で図式が成り立たない上、彼の好みから由依は微妙に外れてしまう事をミルヤは知っている為、ハナから頭に無い。

 

 「尤も、安桜美炎と連絡が取れないという事は電波が届かない程の僻地に居るのでしょう。若しくは自由時間が無い程忙しいのか。警視庁へ出向と異動を繰り返しているのならば…或いは燕戒将とニアミスしている可能性もゼロでは無いでしょうが…期待は薄いでしょうね」

 

 「Oh…心配デース」

 

 「警視庁指揮下になると自由時間も無いくらいずっと荒魂と戦えるって事か?

 羨ましいぜ。あー誰かアタシと代わってくんねーかなー」

 

 「フッキーは仕事熱心デスネ!薫と足して2で割ったらちょうどイイ気がシマス」

 

 「七之里さんは仕事熱心とはちょっと違う気がするけど……」

 やはりどう転んでも荒魂と戦う方向に結び付ける呼吹にエレンは薫の惰性と足して割ってしまえば勤勉な刀使が生まれるのではないかと提案するが、舞衣はそれを勤労精神では無いのでは?と柔に主張する。

 そんな時である。再びスピーカーから荒魂出現の一報が掛かる。

 

 「おっ!また荒魂ちゃんが出たのか!よっしゃっ!一暴れしてくるか!!」

 呼吹、当然の様に喜び勇んで荒魂討伐へと駆け出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━綾小路武芸学舎・部室棟

 

 「ナァ~んか、一世一代のチャンスを逃した気がする……」

 

「ナニ言ってんっすか?副ぶちょー?」

 

 「何でもネェよ」

 

 スマホ片手に呟いた申一郎の声に反応した、1年生部員──東谷臥鸞と言う神職科の生徒──が応えたが、独り言として呟いた言葉なので突っぱねる。

 まさか、ミルヤが由依の連絡先を必要としている状況にあり、己がソレを知っている等とは…この時は彼も思いも因らなかったに違いない。

 

 

 閑話休題──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━美濃関学院・学生寮ラウンジ

 

 荒魂討伐後、再びラウンジへと戻った4人。

 

 「今回も楽勝だったな。あーあ、もっと強い荒魂と戦いたいぜ…ただ数をこなすってのも飽きてきたぜ」

 頻発する荒魂も十把一絡げの雑魚と称して、より強い大物を求める呼吹。荒魂はウェルカムだが強い異星人はノーセンキューではある。

 

 「ともあれ、荒魂は片付きました。報告の続きを聞きましょう」

 

 皆が傍聴の姿勢となった事を確認し、佐和乃が再び報告の言を告げる。

 

 「それでは報告を続けさせていただきます。調査対象の刀使については異動が多く、リアルタイムでの情報は中々入って来ません。分かっているのは益子薫さんが現在群馬への遠征が、衛藤可奈美さん、十条姫和さん、糸見沙耶香さんが鎌倉に居ると言う事だけです」

 管理局本部の圏内にて重宝されている腕前を持つ4人の情報は比較的新しい物が手に入った様で、薫を除き3人が現在も鎌倉の本部務めとなっている事が判明。薫も数日間群馬での任務に部隊を率いての遠征調査といった情報が明らかとなっている。

 

 「やはりみんな異動が多いデスネー、聞くところによるとたった数日で別の場所に異動になる事もあるそうデス。それだけ荒魂災害が頻発して人手が足りて無いって事デショウケド」

 

 「旅行しながら荒魂ちゃんを退治する感じか。悪くないかもな!」

 

 「その言い方には語弊があるような……」

 

 エレンの言に呼吹がエンジョイ気分でカラカラと笑う。舞衣はその表現に何とも言えない表情でツッコむ。

 その話題にふと思い出した様にミルヤは1つ、2ヶ月前の事を語り始める。

 

 「そう言えば、情報として役に立つかは分かりませんが…2ヶ月程前、一時的な転属先で山城由依、鈴本葉菜の二人と同じ部隊に編成されました」

 

 「そうなんですか?」

 

 「はい、今思い返すと…少し奇妙な話なんですが───」

 

 

 

 

 

 

 ミルヤの回想・2ヶ月前とある戦場にて──

 

 

 「ミルヤさーーーーん!!お久しぶりですっ!!ずっとずーっと!お会いしたかったです!!!」

 例に漏れず、各地を転々と異動転属を繰り返す側の刀使である山城由依は、久方振りに再会したミルヤ相手に常々以上の抱き着かんばかりのハイテンションで近付いて来る。

 

 「山城由依。お久し振りです」

 

 「あたし…!ミルヤさんと会えなかったこの2ヶ月間は、まるで20年くらいの長さに感じていましたぁっ!!!」

 割りとマジである。

 

 「そうですか。私にとって2ヶ月は2ヶ月でしかないので、全く理解出来ない感覚です」

 対しミルヤは何処までもクールに返す。そこが良いとは申一郎の談。

 

 「うぅ…っ、ミルヤさんが相変わらず冷たい……」

 

 「木寅ミルヤ先輩、またご一緒出来て光栄です本日はよろしくお願いします」

 

 「鈴本葉菜。こちらこそよろしくお願いします」

 しくしくと態とらしく寒々しく泣く由依を放置してミルヤと葉菜は世間話と言う名の、今回の編成事情について会話を始める。

 

 「ところで、知っていますか?ぼくたち三人は今回、綾小路の相楽結月学長の直接命令で急遽、部隊として編成されたみたいですよ」

 

 「ええ、その様ですね。もっとも…私達が選ばれた理由は教えられませんでしたが──」

 

 と、区切った所で司令部から荒魂出現の一報が入る。

 

 「えー!?もう出撃ですか~?もっとミルヤさんと愛を語らいたかったのにぃ~」

 

 「貴女は相変わらずの様ですね。ふざけていないで、出撃しますよ」

 

 「はーい!ミルヤさんと一緒に戦うの楽しみだなー!」

 

 

 

 

 

 「──荒魂討伐後、私達は戦況報告をしたのですが…何故か、個別に聴取される事になったのです。

 あれは一体何だったのでしょうか………」

 経緯を話終えて、最後に感じた違和感に未だ納得し難いモノを抱えるミルヤ。

 舞衣も結月の行動の意図に一抹の不信を覗かせる。

 

 「個別に聴取というのは気になりますね。相楽学長は何を考えているのか………」

 

 「そう言えばミルヤ、調査隊ってどうなったんだ?今って活動休止状態ってヤツか?」

 呼吹がふと、思い出した様に嘗ての馴染みの顔で見馴れた部隊の現状をミルヤに問う。

 

 「判りません。もしかすると、相楽学長は調査隊を再編成するつもりなのでしょうか?」

 結月が調査隊の結成に深く関わった人物として知るミルヤは憶測ではあるが1つの結論として疑問は残るものの答えを出す。

 

 「きっとそれデース!ミルヤもユイもハナも調査隊だったんですカラ!」

 

 「調査隊の再編成か……。それで強い荒魂の居る所に異動になりゃ、文句はねェな」

 エレン、呼吹はミルヤの結論に賛成と同意を示すが、舞衣はまだ不信と不安があるのか慎重的に意見を述べる。

 

 「でも…個別に聴取というのは、やはり違和感がある気がます。私の考え過ぎなら良いんですけど……」

 

 「ウ~ム…。取り敢えず、悩んでも仕方無い気がシマス。今の私達に出来る事は、目の前の荒魂を倒し、事態収拾の為に尽力するしかないのデス!」

 

 「そ、そうだね!」

 ある種の疑心に埋没する舞衣を励まし思考を切り替える様に今は目の前の荒魂に集中しようと鼓舞するエレンの心遣いに舞衣もまた無理にでも不安を片隅に追いやり肯首する。

 

 「アタシ的には事態が収束しない方が良いんだけどな!荒魂ちゃんといっぱい戦えるし」

 

 「Oh……フッキーは考える事が怖いのデース…」

 どうあってもブレない思考にエレンは恐怖を覚える。七之里呼吹という少女はやはり荒魂を"愛"しているのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━エデン監獄・円卓

 

 「ノロによる人類の新たな進化か…」

 

 『せや、アホらしいやろ?異相の技術から得たちょっとの知識で精製した異物を使ったところで、宇宙じゃ通用せぇへん。それに不老になって、病やら痛みに無縁になったとしても進化とは言えへん。

 ま、替えの効く生物兵器としてはええかもしれへんな、それなりの人数確保すりゃ、害虫並にポコジャカ増えるしなぁ!』

 

 「あらそうぉ?妾的には充分進化と言えるレベルだと思うわよ?この星の文明技術の進歩を考えればだけど」

 

 「マァ、ドクターノイイブンモイチリアル。ワレワレガイタセカイノウチュウモ、セイケイニヨッテハ、シンカノカタチハサマザマダッタダロウ?」

 

 「フン、しかしそこの商いの言葉にも理はある。老いと言う楔から解き放たれたとて、精神が未熟なままではな…!それに不老だけでは完全とは言えまいよ、不死を重ねて、その上で停滞せず進歩する事でこそ真なる進化と云えよう」

 

 『皆さん、意外に意見が割れるのですね、です。

 でもわたしもメレトおじいちゃんの言う通りだと思うのです』

 

 1部通信を介した者を交えながら、囚人の代表者達による会議は続く。

 

 「諸君。彼等の進化の是非を問うのは我々では無いよ、答えはあの星の者達が勝手に出す事だ。まぁ…裏から手を貸すなり口を挟むくらいは眼を瞑るがね」

 

 「ねぇねぇ!それより、たぎつひめってどんなの?つよい?おもしろい?かわいい?ぼくとどっちがかわいいかな?うふふふ♪」

 

 『はっはぁ~、御大の言う通りかもしれへんなぁ。なら好き勝手裏からやらせて貰んますわ。

 それとあんさんの質問にはノーコメントや、ほな、おおきに』

 最後に妖精からの無邪気な問に当たり障り無く返事をしてフュンフ共々通信を終了するマッニー。

 ぞんざいな扱いに妖精はしょんぼり項垂れつつも、即座に切り替える。

 

 「ちぇっ、ま、いっか!ねね、それよりせんせえ、れいのこたちはどんなかんじ?」

 

 「うん?あぁ、あのモルモットちゃん達ねぇ。それなりに良いわねぇ。男の子達の方は抵抗した子は何人か使い物にならないくらい壊れてしまったけどぉ、女の子達の方はアナタが求めている候補になりそうなのが居そうよぉ?

 まぁ適性にはちょっと足りないけれど、そこはアナタが何とかするでしょう?」

 妖精から振られた話題に女医は上機嫌に語り、問う。

 

 「うん!わぁ~たのしみだなぁ!はやくおうりゅうにももちぬしをみつけてあげないとね♪」

 

 人類が預かり知らぬ会議は踊る、新たな脅威が生まれ来る。人にとっては悲劇であっても、彼等にとっては喜劇なのだと示す様に──

 

 





 そう言えば、今期アニメ実況を纏めた感想のサイトに始まってまだ1話から3話程度しか経ってないのに登場人物の性格が気に入らない行動が不愉快どうこうというのを見掛けたのですが、まだ始まって数話なのに一気に情報なりを求めすぎなのでは?と私は思うのです。

 多少露悪的だろうが独善的だろうが偽悪的だろうが、面白いならそれで良いのではないかと思うのです。確かに私も時々登場人物の取った行動如何によっては眉を潜める時もありますが、まず、前提としてフィクションである事を念頭に置いているのでそこまで攻撃的な感想は無いです。
 や、まぁ流石に視聴者を馬鹿にした様なモノは噴飯しますけどね?

 ではまた次回
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