前回を読み返したら、あんまりデートらしい描写してなかったですねすいませんでした。
今回はとじともの調査隊の話ですが、ダグオンの方もある手段の事にさらっと触れています。
ではどうぞ
"前回の刀使ノ指令ダグオン"
東京へと逃げた可奈美と姫和を尾行する龍悟。
焔也、戒将、申一郎、翼沙が合流し引き続き龍悟が2人を監視する事が決まった。
一方、舞衣は公衆電話から掛かって来た可奈美の声を聞き、捜索を願い出す。
時同じくして、鎌倉では赤羽刀捜索の為のチームが結成されようとしていた。
赤羽刀。それはこの世界に於いて、錆びた御刀の事を指す。
元来、御刀とは特殊な鉱物である珠鋼を鍛え打った刀である。それを御刀に選ばれた刀使が隠世の力を引き出す事により、写シを行う事が出来るのだ。
その為、本来ならば御刀とは折れず、欠けず、錆びる、などという事はまず無い。
但し、何事にも例外はある。
終戦直後、アメリカが日本から持ち出そうとした御刀、約5千~1万本が浦賀沖に沈没。
その後に出没する荒魂より排出され回収された錆びた御刀こそ赤羽刀である。
理由は不明であるが錆びない筈の御刀が荒魂がその身の内に赤羽刀を取り込んでいると言うのだ。
そして、此処にもう一つの例外にあたる先端が欠けた御刀を持つ刀使が現在進行形で頭を抱えていたのだった。
暗殺騒ぎの直ぐ後、安桜美炎は可奈美を追い掛け飛び出したのだが、紆余曲折あり特祭隊の刀使を撃退してしまう。その際、共に居た長船の刀使、"瀬戸内 智恵"に諭され本部へと帰還し、羽島江麻学長によって自身の行いを不問とする代わりに、赤羽刀捜索の為の調査隊に智恵共々組み入れられるのだった。
調査隊のメンバーは、美炎、智恵の他、江麻によって紹介された六角清香、鎌府より高津雪那学長の推薦(という名のある種の自慢)である七之里呼吹、そして綾小路より、ヘリに乗って現れた木寅ミルヤの以上5名である。
ミルヤ加入の際、本部敷地内での荒魂との戦闘等あったが、ミルヤの指揮の下、見事討ち果たした。
こうして、話し合いの結果、清香の"原宿に行きたい"の一声で調査隊は東京は原宿、青砥館へと向かっていたのだが……
「いやー、奇遇だな安桜!こんなとで遇うなんてよ」
彼女達は原宿で偶然、焔也と遭遇したのだった。
「何で…」
「美炎ちゃん?」
「何で先輩がいるんですかぁ!?」
「うぉ!?びっくりしたぁ、急に大声出すなよ」
「いや、そうじゃなくて!どうして先輩はここに居るんですか」
バッタリと鉢合わせた焔也に大声で問い詰める美炎。
智恵は美炎のあまりの剣幕に心配そうな素振りを見せる。清香、ミルヤも何事かと目を見張る。
呼吹だけは興味無さそうにしているが……。
「ちょっと、青砥館に用があんだよ」
焔也はそう語る。では何故、焔也が原宿に居るのか?
事は数時間前に遡る。
あの後、龍悟と別れた焔也達は一度ダグベースを訪れていた。
「ンデ、何なんだよ気になる事って?」
開口一番、申一郎が切り出したのは翼沙が言った"気になる事がある"という言葉。
人の目を避ける為、念には念をという事でダグベースで話し合う事と相成ったのだ。
「そうだな、俺としても納得のゆく説明が欲しい」
「わざわざ転送までしてダグベースに…だしな。俺も少し気になるぜ」
戒将、焔也もまた翼沙に目を向ける。翼沙は皆に座るよう促し、口を開く。
「燕さんが納得いくかは解りません、ですが、この情報は話しておくべきと思いました」
翼沙はどこか躊躇いがちに言う。
「実は、折神家は荒魂を利用していると言う情報があるんです……」
「荒魂の利用?」
「ンダよそりゃ?ワケわからん」
「正確には回収されたノロを使った人体実験…です」
「馬鹿な!?そんな事が有り得る筈が無い!」
翼沙の言葉を即座に戒将が否定する。
「ですが、幾つかの疑惑があるのです」
そうして、翼沙は己の知る疑惑を語る。
現行の数世紀先を行く、スペクトラムファインダーやストームアーマーの技術、回収されたノロが全て折神家の一括管理の下、何処かへと運ばれた事、そして、鎌府……高津学長が主導しているノロを使った人体実験の事。
「その話が事実だとして、渡邊……貴様どこでその情報を手に入れた?」
戒将が何故翼沙がそう至ったかの理由を問う。
「皆さんは、"舞草"と言う言葉に聞き覚えはありますか?」
「も…くさ?」
「あー、確か御刀……ってか日本刀を初めて鍛錬した刀鍛冶の集団だかだったよな?」
「オマエ、本当に鳳?」
「どうゆう意味だ…こら!?」
まさかの焔也の解答に申一郎は目を剥き問う。
「舞草…聞いた事がある。反折神紫勢力として、現在の刀剣類管理局と敵対している勢力だな」
「その通りです。そして、Sアーマーの開発者"リチャード・フリードマン"氏と"折神朱音"様が率いている組織でもあります」
「なっ!?」
バカ2人の漫才は取り合わず、戒将の答えに肯定する翼沙、更に衝撃的な事を言い出す。
「誰だよ、そのリチャードなんちゃらって?」
「ヤロウの名前何ざオレが知るかよ…」
「まさか…そんな事が……、では結芽は!!?」
「親衛隊であるならば、可能性は有るかと…」
重苦し空気が広がる。誰もが口を閉じ静まったその時。
≪おや?いらっしゃい皆、良いところに来てくれたね♪≫
そんな空気をぶち壊したアホが現れた。
「空気読めッテノ…」
「いや、逆に読んだんだろ?」
「正直、有難いです。あまり好ましい方向に行きそうになかったので」
「……、何の用だ?」
≪え?何か雑じゃない?僕偉いんだけど~≫
「いいからとっとと要件話せよ」
またしてもいつぞやの様にあんまりな対応に文句を言い出す管理者、焔也が話の先を促す。
≪ま、いっか!うん、近々君達の学校合同のチームが結成されるからさ、誰か付いていってよ≫
「ハァ?!」
「それは伍箇伝でと言うことですか?」
≪そだよ、何だっけ南む…南无薬師景光だったかな?それを探す為に結成されるらしいから≫
「マジか!?南无薬師瑠璃光如来景光を!!?やべぇ、俺も行きてえ」
≪あ、じゃ焔也くんで良いよ。本当は龍悟くんに頼みたかったけど居ないし≫
「よしゃあ!」
「あー、管理者ヨォ、何でンナコト知ってんだよ?」
≪それは勿論、管理者だ「そんな事はどうでもいい」ヒドイ!≫
「何故、このタイミングで僕達にそんな話を?」
≪………怒らない?≫
「つまり、怒られるような事だと言う事だな?」
あれよあれよと話が進み焔也が調査隊に同行することが決まる。申一郎は何故そんな情報を知っているのか問い、管理者は自慢気に言おうとするも戒将に遮られ、翼沙が何故調査隊の話を自分たちに振ったのかを聞く、すると、途端に子供のような事を言い出す管理者。
戒将は呆れている。
≪実は……君達の戦力アップの為に用意したとある物を落としちゃって………てへ♪≫
「落としたって…それだけで俺達に?」
≪うーん、色々質問される前に、簡潔にいいます。剣創った。落とした。約500前に。多分赤羽刀と同じような状況。以上≫
「「「「…………」」」」
「バカだコイツ」 「何をやっているのだ貴様…!!」
「何と言うか…言葉が出てきません」 「なんでだよ!」
あんまりな理由にしばし沈黙し、しかし次には各々に言い出す4人。
≪いやー、手が滑って…つい。でもでも、後3つはちゃんと持って来たから!格納庫へレッツゴー!≫
━━ダグベース格納庫
こうして管理者の無理矢理なノリで格納庫へと来た4人、そこには新たなマシンの姿が…。
「これは…旅客機か?」
「消防車に救急車もあります」
「でもよ、オレら乗れないだろ?」
「真の覚悟がーってやつな」
≪え?乗れるよ?≫
「は?」
「しかしブレイブ星人は…」
≪あーあ、アレの事かぁ。≫
「アレ?」
「アレとは何でしょう?」
≪ま、ブレイブ星人が言ったことは半分本当だよ、でもただ乗り回すだけなら今の君達にも出来るから≫
ーそれじゃあ頼んだよと言い残し管理者の気配が消える。
そして再び場面は戻り、以上の経緯を経て、焔也が原宿に居たのだった。
その頃の舞衣は可奈美からの電話に紛れ聴こえた町内放送から居場所を特定し、2人が宿泊している旅館に赴いたのだった。
しかし時既に遅く、部屋は藻抜けの空、徒労に終わる。だが舞衣は諦める事無く、捜索を続けるのだった。
続く
次回予告(BGM:輝け!ダグオン)
瀬戸内智恵です。
美炎ちゃんの美濃関学院の先輩である鳳焔也さんと共に私達調査隊は青砥館へと向かいます。
ってええっ!?いきなり現れたあの人はいったい?
随分、独特な格好だけど……鳳さんとのリベンジマッチ?喧嘩はお姉さん許しません!
次回、風来坊再び。チョコミントと忍者?
次回も"トライダグオン"!って、何かしら?
如何でしたか?
舞衣ちゃんのパート短めでしたが今回の場面はチョコミントに下りの為に短く切るしかなかったので申し訳ありません。
後、次回また彼が登場します。
余談ですがダグベースの転送はダグオン達が一度でも行った事がある場所や異星人反応がある場所以外転送出来ない使用です。
ではでは、また次回でお会いしましょう。