刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 どうも皆様、ダグライダーです。
今回思っていたよりも長くなってしまいました。
何せ原作に沿いながら、オリジナリティを挟むので中々上手い事いきません。まぁそれも楽しみの1つですが……。
 とじともガチャのパジャマのサポート、雪那ちゃん……あれが拗れちゃうのか……と思うくらい可愛さ出してますね。ホント、高津のオバチャン何であそこまで拗らせちゃうん?



第十三話 風来坊再び。チョコミントと忍者?

 "前回の刀使ノ指令ダグオン"

 剣を失くしたから探して来てネ♪by管理者

 

     

私の仕事~!?


 

 明朝、舞衣が僅かな手掛かりを元に旅館へと踏み込んだその頃、可奈美と姫和は対面の建物の路地裏から外に停まる黒塗りの車を観ていた。

 「思った以上に早いな……。どうして此処を特定出来たんだ?」

警戒をしながらも、想定以上の捜索の手の早さに疑問を浮かべる姫和、その答えはすぐ下に屈んで同じ様に覗く可奈美から返ってきた。

「ゴメン…私のせいかも、昨日公衆電話から友達に電話したから……」

 アハハと伏し目がちに笑う可奈美に姫和はジト目を向ける。可奈美は再度ゴメンと謝る。

「……まぁ、どうせそんな事だろうと思った。おかしな奴だとは思っていたが友人を気にするような普通の学生らしい所もあったんだな」

 嘆息する姫和、だが可奈美の新たな一面を知り、それ以上怒る事はしない。

 

 「これからどうしよう?」

「そうだな…、人の多い場所なら紛れてかえって目立ったないかもな」

そうして、そのまま移動する2人であった。

 

 

 

そして原宿━━

 「だからと言って…観光に来たわけじゃないぞっ!」

「だって、人の多いとこなんてココしか知らないもん。私達くらいの制服の子もいっぱい居るし、見つかりにくいじゃない?」

 パーカーにギターケース、一見すると部活帰りの女学生という出立ちのまま原宿に降り立った2人。

 可奈美の言う通り、周囲は多くの若者や学生で溢れている。

 「確かに人は多いが……」

「そんな所で立ってたら、逆に目立つって!」

 「お、おいっ!?」

「普通に楽しそうにしてた方が自然だよ!」

可奈美が姫和の手を取り、駆け出そうとする。

 「…待て、そういう事なら━━」

それに待ったをかける姫和、彼女には何事かの妙案があるようだ。

 

 

 ━━アイスクリーム店前

姫和の提案とは、アイスの買食い。2人はそれぞれに注文した物を口にする。可奈美は無難なモノを、姫和はチョコミントをチョイスする。

 「……っ!」

「姫和ちゃん、チョコミント好きなんだ~」

 「これは小休止だ!……決してチョコミントが食べたかったワケでは!」

「…でも、チョコミントってなんか歯磨き粉みたいじゃない?」

 「馬鹿っ!!」

「ばか!?」

 可奈美の何気無い一言が琴線に触れたのか、大声を挙げる姫和。

 「チョコミント論争でその例えはもう言い尽くされているぞ!禁句と言っていいッ!!」

「そ、そうなの…なんかゴメン……」

あまりの剣幕の姫和に謝る可奈美。

「ふふっ、あははっ!さっきの話だけど、姫和ちゃんも普通の中学生っぽいとこあったんだねー♪」

 「なっ?!」

「よーし、中学生らしく次はパンケーキ!」

 「おいっ!」

年相応にはしゃぐ可奈美とそれに引っ張られる姫和、その顔はどこか楽しそうだ。

 

 「……悪くない…」

それをやや離れた所から尾行しながら、手にチョコミントアイスを持つ龍悟。どうやらチョコミントは彼のお気に召したようだ。

 2人を追って龍悟も人の波に消えていった。

 

 

 

 一方で調査隊の面々と対面を果たした焔也はというと━━

 「んじゃ、改めて。俺は鳳焔也、安桜と同じ美濃関の生徒で高等部1年だ。宜しくな!」

「瀬戸内智恵です。長船女学園の高等部三年生で美炎ちゃんとは幼馴染みよ」

 「へぇー、安桜にこんな美人の知り合いが居たのか、よろしくッス」

「どうゆう意味ですかっ!?」

智恵を見てつい零れた言葉に美炎が噛みつく。

 「まぁまぁ、んで他は……」

「七之里呼吹……」

 「その制服は鎌府だなよろしく」

「ケッ…」

 「………えっと、なんか機嫌悪いな。そこの平城の子は……」

ひゃっ!?……六角清香です……

 「六角……?なぁ君、兄貴が居たりするかい?」

「えっ!?兄さんを知ってるんですか?

 「あ…ああ、ちょろっと縁があってな…(声小せぇ、兄貴とは別の意味でやりずらい子だな…)」

清香に対し適当に誤魔化しながら最後にミルヤに目を向ける。

「綾小路武芸学舎高等部二年、木寅ミルヤです。貴方も青砥館にご用が?」

 「ああ、前に行き損ねてな。不謹慎かもしれないけどよ、御前試合で折角関東に来たんだし、改めてと思ってな」

ミルヤの自己紹介ついでの質問に無難に返す。まさか赤羽刀に混じった剣を荒魂から探す為に調査隊に同行するなど言える筈もない。

「なら先輩だけでさっさと行って来たら良いじゃん」

「ダメよ美炎ちゃん、そんな事言っちゃ」 

「そうですね、目的地が一緒ならば共に行く方が効率的です」

私は皆さんが良いのなら…

「アタシは別に…、荒魂ちゃんも関係なさそーだしどうだっていいぜ」

 「なら決まりだな!」

こうして、一先ず青砥館までの同行をする事になった焔也、とはいえ彼女達は元々、清香の要望で原宿を楽しむつもりであった為、暫くは観光に付き合う事になる。

 呼吹は興味が無いのか一人別行動。

清香は目を輝かせながら、ミルヤを連れ洋服店へ勇んで向かって行った。

 「何処からまわろっかなぁ~!」

「何だかんだ言ってみんな楽しんでるわね」

 「ちぃ姉も行こ!」

「(俺、二度目なんだよなぁ)」

 「アイス♪アイス~♪」

「もう美炎ちゃんたら結局甘いモノに夢中じゃない」

 「え~、だって原宿だよ!一度は来てみたいよね!変かな?ちぃ姉はなに食べる?私はメロンシャーベット」

「そんな事無いわ。じゃあ私はコットンキャンディーで」

 「こっとん…きゃんでぃ?」

「綿菓子のこと」

 「なるほど!解った、行ってくるね♪」

「(綿菓子ってコットンキャンディーってのか)あ、俺バニラな」

 「先輩は自分で買ってくださーい」

残され美炎、智恵、焔也の3人はアイス屋に向かう。

美炎は上機嫌で鼻唄を口ずさみ、智恵の分も含め走り出す。焔也の要望は無視だ。

 「ちぇ、しゃーねえ。自分で買うよ」

「ごめんなさいね鳳くん、美炎ちゃんも悪気は無いから」

 「大丈夫ッス、解ってるんで。瀬戸内先輩は待っててくださいッス」

焔也も美炎を追うように人混みを掻き分けて行く。

「うふふ。何だか私も楽しくなってきちゃった」

智恵も楽しそう微笑み、2人を追う。

「待って美炎ちゃん、やっぱり私も並ぶ……どうしたの?」

 「あ…、ちぃ姉。あれ」

追い付いた智恵はアイス屋の前で固まり動かない美炎に不振に思って声をかける。

彼女が指した方に視線をやれば、可奈美と姫和━━2人の逃亡中の反逆者が楽しそうにアイスを食べていた。

 「可奈美…」

「どうするの美炎ちゃん、みんなに連絡して集まる?」

 「ううん。私はあの時可奈美を信じるって決めたから。それに今ミルヤさん達を集めたら可奈美達を捕まえなきゃいけないし」

「そうね……って、鳳くんは?」

 「先輩?見てないけど…」

可奈美達を見逃す判断をした美炎に同意し、しかし先程美炎を追った焔也の姿が見えず、彼女に問い掛ける智恵

「何処に行ったのかしら?」

 「もう、迷子だなんて「鳳ぃえんやあああ!!此処で会ったが百年目ぇえええ!!」うぇ?!な、何?」

 突如、轟く大声に慌てる美炎と智恵。

声の方向に視線を飛ばせば、そこに居たのは焔也とかつて美濃関に現れた時代錯誤の格好の男、田中撃鉄の姿があった。

 「げぇ、何でテメェがいんだよ!?」

「ふん!武者修行に決まっとるじゃろが、それより良いとこで会ったのう…」

 「俺は会いたくなかったけどな」

「キサマの都合なぞ知らん!あん時のリベンジじゃ!」

 撃鉄は焔也に京都での…そして美濃関で有耶無耶になった勝負の決着を着けようと彼に啖呵を切る。

 

 「あー、あの人…前にウチの学校に来て先輩に喧嘩を売った人だ」

それを遠目で見た美炎が思い出したかのように言う。

「大変!?止めないと」

 「え~、辞めとこうよちぃ姉。先輩ってああ見えて強いし、大丈夫だよ」

「美炎ちゃん!往来の真ん中で喧嘩なんて見逃せません。兎に角、私は止めに行くから」

そう言い残し、騒ぎの中へ進む智恵。

 「今忙がしいってんだろ、空気読めよ!」

「ワシと闘って勝てば去ろう。じゃから闘え!」

 

 「待ちなさい!」

 「な、何じゃ!?」

「こんな所で喧嘩だなんて許しません!きっちり平和的に話し合うべきです!」

 「誰か知らんがオトコの喧嘩ぁ割って入るとは良い…度胸………」

 智恵の制止に文句を言おうと彼女へ顔向けた瞬間、語尾が弱くなっていく撃鉄。

どうしたと言うのか。

 「あの…聴いてます?喧嘩なんて「可憐じゃ…」やめ…はい?」

「ちぃ姉、大丈夫!?」

 「お嬢さん、宜しければお名前を伺ってもよろしいでしょうか!」

「なんだこいつ」

智恵を前に突然礼儀を正した撃鉄、そのまま名前を尋ねる姿に焔也は軽く顔を引き吊る。

 

 「え…?あ、はい。瀬戸内 智恵と言います」

「智恵さん!素敵なお名前ですね。ワシは田中撃鉄と言います。以後お見知りおきください」

 「は、はぁ」

いきなりの撃鉄の行動に呆気にとられる智恵。焔也も美炎も困惑するしかない。

 

 そんな騒ぎもなんのその、既にあの後アイス屋から離れパンケーキ目指した可奈美達は騒ぎに気付く事なく途中、姫和の持つスペクトラム計の反応が表れる。

 「「荒魂!?」」

「近いな…」

 「よし、行こっ!」

可奈美は即座に荒魂を退治しに向かおうとする、しかし姫和は躊躇する。

「放っておこう、今はそんな事やっている場合じゃ無い……」

 「えっ!?だっ、駄目だよ!」

「管轄の刀使達がもう補足しているかもしれない、鉢合わせたら面倒だ…」

 「でも…」

「そもそも、私達だけでは荒魂を退治してもノロの回収は出来ない。散らすだけだ」

 「それでも良いよ!被害が出るよりは……行こう姫和ちゃん」

しかし姫和は動かない。だが次に可奈美が言った言葉が胸に刺さる。

 「捕まるのが嫌だからって荒魂を放置するなら、姫和ちゃんがやった事自体もおかしくなるよっ!」

 

「!?…お前……まさかあの時見えて━━」

 「行こう!姫和ちゃん。荒魂を倒しに」

驚愕する姫和に手を差し出す可奈美、彼女の迷いの無い瞳に姫和も覚悟を決め駆け出す。

 2人を付けていた影はそれを見届けると、己の左腕を掲げ、告げる。

 

 「…トライダグオン…」

 

 「シャドー…リュウ…!」

 後には紫色の疾風が吹く……

2人の刀使の決意に呼応した戦士は荒魂目掛け走り出すのであった。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 

 六角龍悟……ダグオン…シャドーリュウだ……。

…衛藤、十条の両名を追い荒魂と対峙する2人の助太刀をする…。

 十条に不審がられたが……問題ない、そのまま荒魂を討滅する。

 …そこに柳瀬が現れ……。

次回"刀使ノ指令ダグオン"

 刀使の使命、疑惑の折神家。…次回もトライダグオン。

 




 
 はい、後書きですね。
実は今回あらすじに出た管理者ことアルファ。
あのあらすじ空間は彼らの世界だったのです!
今まであらすじを語っていたシータ氏、仕事を盗られました。
 シータ氏の世界はあれ今のところ平和なんであらすじしてます。
 ではまた次回でお会いしましょう。

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