刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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皆様、どうもダグライダーです。
刀使ノ巫女×勇者指令ダグオンのクロスオーバー作品、刀使ノ指令ダグオンの2話になります。
今回は、前回のプロローグで登場した管理者についてここで少し触れます。
全てでは在りませんが。元々、私は転生作品モノに際して登場する神様の存在に僅かながら疑問を持っていました。
"神様のミスで云々"って幾らご都合主義でも、流石にどうなんだろうと……、其所で世界の管理者と名乗らせました。
彼は神では無く、あくまでも幾重も連なる世界の内のいくつかを管理観測、時に気付かれずに(己の趣味嗜好故)多少介入するというその世界に対しての上位次元存在という設定です。
詳しい設定等は何れ載せます。では本編です。


第一話 始動!新たなる勇者達のプロローグ。

地球、それは広大な宇宙に於いて奇跡に等しい惑星である。

彼の星には数多の生物が存在している。中でも人間は火を扱い文明社会を築き、多くの道具を造り出した。

 しかし、果たして彼等は知っているのだろうか。この無限の如き宇宙には、我々の想像を絶する文明や道具を生み出す生命体が居る事を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━東京━

 「ここが東京か……、遂にやって来たぜ!」

多くの人間が闊歩する大都会の中に、決意を感じさせる声が響く。

近くを通り掛かる人々は、声の主に視線を移し、ある者は胡乱に。又ある者は苦笑を漏らし、或いは無関心に通り過ぎてゆく。

 声の主の少年は気にせず周りを見渡す。彼はある目的の為に東京へと降り立ったのだ。

「さぁて、先ずは観光を兼ねて腹拵えだな」

………どうやら、目先の欲望を優先したようだ。

彼の名は鳳焔也【おおとり えんや】、伍箇伝の一校、美濃関学院刀匠技巧科程

の高等部1年生である。

刀使とは女性にしかなれない、伍華伝の各学校も基本的には女子生徒や女性教員ばかりである。

 美濃関学院は数少ない共学の学舎である。その上伍箇伝中、最も刀工に関する学科が豊富である。刀匠、研師、鞘師、刀袋職人等が存在する。

 焔也もまた、常日頃荒魂と戦う刀使を支える刀鍛冶として腕を磨く毎日を送っていた。

 近々、折神家にて御前試合が行われる事を聴き、焔也は気分が高揚していた。御前試合では美濃関のみならず、他の四校の御刀を目にする事が出来る。

それは彼にとって価千金のイベントだ。幼い頃から御刀を見て育った焔也はその美しさに心惹かれた、美濃関への入学も迷いは無かった。

彼は己が刀鍛冶の道に進む事を当然と感じていたからだ。少なくとも、今日迄は。

 

 そんな訳で、高ぶった感情のままに行動した結果、伍箇伝から代々仕事を請け負ってきた青砥館へ見識を広めんと勢い勇んで高速バスで東京へと向かった。

 これが、かれこれ約四時間前の出来事である。

「兎に角、飯だ。なるべく安くて量があってウマイ奴。で、空いた時間を観光しながら青砥館を目指す!」

━━我ながら完璧だな。

などと、嘯きながら街の喧騒へと歩みを進める。

 これからの自分の運命を代える出逢いが在るなどと知りもせず…………。

 

 

 

 

「いやぁ、やっぱ初見のラーメンは醤油に限る!」

食事を終え小休止も早々に、青砥館への土産探しという名の観光に洒落混む焔也。果して、東京の人間に己が地元の名産では無く、現地のモノを土産と言い張るのは如何なものか。

「あン?ありゃ……」

何かに気付き、足を止める。視線の先には小さな子供と何処から現れた小型の荒魂。

「おいおい!?不味いって!」

ダッと駆け抜ける焔也。よく見れば他にも子供を助けようとした者達が居るではないか。

 如何にも生真面目そうな制服を着用した青年。

 少々、軽薄さを感じさせる制服を着崩した青年。

 幼さを残した穏やかそうな顔つきの眼鏡に白衣の青年。

 長髪にジャージ姿の美しい顔の青年。

彼等も共に子供を襲わんとする荒魂を見て助けに動いたのだ。

 しかし、間に合わない。距離がありすぎるのだ。それでも焔也を始め彼等は諦めなかった。

その時、不思議な光が空の彼方から降って5人を包む。

 

    「「「「「うわぁぁぁあ!?」」」」」

 

 

 

 

━???━

「……ぁぁぁぁあ!?…あ?」

 

「此処は一体……?」

 

「オレたち、どうなった?」

 

「たしか…子供を助ける為に荒魂に向け飛び込んだ筈です」

 

「ならば、この空間はあの世か…」

 

 

「何をバカな!?」

≪そうとも!此処は死後の世界なんかじゃないよ!!≫

<意識は問題無いようだな>

 

「何者!?」

<私はブレイブ星人、君達は今、通常の一万分の一の時間の中に居る>

≪ボクの計らいでね♪≫

 

「なっ!?何だよアンタ!?」

「ブレイブ星人だと?」

「って言うか、ナンかもう一人居ね?声が聴こえんだけど」

「姿はブレイブ星人と名乗った方以外に見えませんが……」

「……」

≪ボクは、此処とは違うトコロから話し掛けているのさ≫

「ええい、一体何なのだ貴様達は!?」

≪まぁまぁ、そんなにカッカしないでよ。燕 戒将【つばくろ かいしょう】くん≫

「なっ!?……何故、名前を!?」

≪他にも、色々知ってるよ?難病の妹が居る事、その妹を両親が見捨てた事、今は戒将くんが共に暮らしてることなんかね♪≫

「ズケズケと個人的なことを、其所まで知っていると……まるで神だとでも言わんばかりだな…」

≪ちょっと違うね。≫

「ならば、何者か?」

≪管理者って呼んでよ、六角 龍悟【むすみ りゅうご】くん≫

「ほぅ……」

「何がナンだかサッパリだ、説明してくれんのかよ?ええ!?ナンタラ星人さんにカミサマよぉ!」

≪勿論だとも。鎧塚 申一郎【よろいづか しんいちろう】くん。後、管理者だから≫

「お…おぅ」

≪じゃあ詳しく説明宜しくブレイブ星人くん≫

<了解した>

「あっ、管理者さんでは無いんですね…」

<問題ない、ワタシの側でもある程度把握している。説明は可能だ、渡邊翼沙【わたなべ つばさ】

「何と……」

「で、結局。俺たちが助けようとした子供は無事なのかよ?」

<………>

≪へぇ、自分じゃなく子供の方を気にかけるんだ≫

「?当然だろ?」

≪………クッ…クフ、フフフ…アハハハハハ!!いい!実に良いよ鳳 焔也くん。うん、子供は無事さ。今の所はね。どうだい、ブレイブ星人。ボクが見込んだ彼等は?≫

<嗚呼、彼等ならばきっと大丈夫だ>

「ダイジョブって何がよ?」

「話が一向に見えませんね」

「笑うことないだろ……」

「いい加減にしろ!何か話すならさっさと話せ!」

「…同感だ。早く荒霊を何とかしなければ」

<済まない、であれば単刀直入に言おう。君達にはダグオンになって貰う>

「「「「「だぐ…おん……?」」」」」

≪そう、ダグオン。この地球を悪の魔の手から護るヒーローさ!≫

 

「ヒーロー?」「ふざけているのか!」「あっ、こりゃ夢だな。ウン」「……どうにも現実味のない話だ」

 

≪なら、君達の左手首の辺りを見てごらん。面白いモノが有るから≫

「「「「「面白いモノ…?」」」」」

 

「何じゃこりゃあ!?」

 

「……何かの玩具か?」

 

「いえ、何らかのデバイスではないかと」

 

<それは、ダグコマンダー。君達が戦う為の力だ>

 

「ダグコマンダー……」

≪……っ!?遂に現れたね…、君達!残念だけど悠長に説明している時間は無くなったようだよ。≫

「何だよ、いきなり切羽詰まったように?」

<管理者の言葉のままの意味だ。我々…イヤ、この地球の敵が出現した>

「だからと言って一体、何をどうしろと言うのだ?」

≪ダグオンに変身するんだ!≫

<手段は今から指示する>

       「「「「「…………。」」」」」

 

 

    「なぁ、最後に1つ訊いてもいいか?」

       ≪何だい?焔也くん≫

 

     「コイツは戦う力なんだよな……?」

        ≪…そうだよ≫

 

      「なら、荒魂とも戦えるのか?」

    <勿論だ。倒す事も不可能では無い>

 

(ガキの頃、どうしてオレは御刀を持って荒魂と戦え無いのかって思った。成長するにつれ、それは仕方無い事なんだと心の何処かで納得しちまってた。だから、刀使を支えらる道を選んだ……でも)

 

 

 

(荒魂と戦える……ダグオンとやらで?彼奴等の技術は、今の我々人間を凌駕しているのか…?ならば、妹の病も……)

 

 

(ナンか知らねーケド、用はコイツを使えりゃ可愛いコちゃん達が泣かなくて良いんだろ!それなら…)

 

 

(興味深い出来事ばかりで正直、頭が一杯です。でもコレが荒魂に有効だとしたら試してみる価値はあるかも)

 

 

(……俺が荒魂と戦えれば、アイツも怯えずに済むやもしれん。であるならば………)

 

 

 ≪さぁ!準備は良いかい?左腕を手前で上向きに掲げてダグコマンダーに触れてカバーを下にスライドさせて叫ぶんだ!≫

 

     <≪トライダグオンと!≫>

 

 「腕を掲げる…」 「…スライドさせる…」 「叫ぶ…」 「トライ…」 「…ダグオン?」

 

「よっしゃ!こうなったら出たとこ勝負だ。行くぜお前ら!」

「指図するな!」

「男は度胸!」

「いきます!」

「……ああ」

 

 

「「「「「トライ!ダグオン!!」」」」」

 

 

「ファイヤァァァ!エンッ!」

 

 

「タァァァァァボ!カイッ!」

 

 

「アァァァマァァ!シィィンッ!」

 

 

「ウイングゥゥゥ!ヨクッ!」

 

 

「シャドォォォ!リュウ!」

 

 

<ゆけ!ダグオン!!人々の明日を守り戦うのだ>

 

 

        「「「「「応!」」」」」

 

続く


 

次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 

燕 戒将だ。

突如、管理者なる者とブレイブ星人によって、戦士ダグオンへと変貌した我々。その力で荒魂を討伐する。

そんな我々の前に凶悪な犯罪宇宙人が現る。

良かろう、早急に妹の治療をする為にも、この様な輩、さっさと片付ける!

 

次回、刀使ノ指令ダグオン。

初陣!5人のダグオン。

 

次回も"トライ!ダグオン!!"

 




はい、以上二話でした。
またもや、とじみこのキャラは出ず。
しかし、作中で記した通り、カイとリュウの2人は彼女達の兄です。
とじみこ作中で、共学の美濃関を除いて学校名が女学院が付かない平城、綾小路には今作中では男子生徒が存在します。
原作ファンの皆様、ご免なさい。
因みに、ヨクの苗字である渡邊はとじとものあのキャラです。登場は未定ですが、ヨクとは親戚にあたる関係です。
他にも、胎動編や波瀾編、ゲキやライの本作での設定など、既にプロットはありますが、遅筆な為、更新は時間が掛かると思いますので悪しからず。では

※Wikipedia見たら、最初から平城と綾小路は共学だったんですね……(*/□\*)ハズカシイ

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