刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは、ダグライダーです。
いやぁ年末が近づくと中々忙しいですね。
 今回はちょっと最初が詰まりましたが、何とか形になりました。
 可奈美ちゃんのお兄ちゃんが今回言及されてますが……これは大分ヒントになっちゃったかなぁ
 
 それでは十九話です。


第十九話 心なき刃、忍び寄る者。

  "前回の刀使ノ指令ダグオン"

 青砥館に到着した調査隊一行、ミルヤは店主青砥陽司にある御刀の所在を尋ねる。

 ミルヤの目的に不信を懐く智恵。

 刀剣類管理局では、雪那が可奈美達に新たな刺客を差し向ける。

 それと並んで太陽系では新たな脅威が刻一刻と地球に近づいているのだった。

 


 

 調査隊が青砥館にて再び世話となっている頃、可奈美と姫和が居るであろう累の部屋を見上げる龍悟、ダグコマンダーを通信状態にしながら街路樹に背を預けている。

 

 『という訳で、六角くんにはどうにかして彼女達に発信器を取り付けて欲しいんです』

 「……理解した、手段は此方に一任して貰う…。しかし、俺は今此処を離れられん……そちらから此方に来て貰おう……」

 『そうですね、判りました。準備をした後そちらに向かいます』

 通信の相手は翼沙、内容は可奈美と姫和に発信器を取り付けると言う要件。

 

 そんな話題の渦中たる者の1人、姫和は小烏丸を手に瞑目し気力を高めていた。

 「…………よし、全快だ」

既に三段階迅移によって疲弊した心身は快調した、後は再び折神紫となった大荒魂を伐つだけだ──心の中でそう改め決意する姫和。ふと隣のリビングからやけに物音がするので覗くと、可奈美が頭に三角巾を巻いて作業をしている。

 「何をしているんだ?」

 「あ、姫和ちゃん!お世話になったから、何かお礼出来ないかなと思って!」

 「…そうだな」

可奈美の案に乗り、累の部屋の炊事、掃除といった家事を始める二人、因みに可奈美は掃除をすると余計に散らかすので早々に姫和が指示を出すようになり、可奈美がそれに従って動くという形に落ち着いた。

 

 「すごーい!姫和ちゃん料理上手なんだねー」

 「以前よく、母親に作っていた、最近は全くだが…」

 「お母さん?」

 「長患いの末、去年亡くなったがな……」

 「そっか……、姫和ちゃんのお母さんも」

可奈美の『も』と言う言葉に反応する姫和、可奈美はぽつぽつと語り出す。

 「私のお母さんもね、去年辺りに亡くなったんだ」

可奈美が語る可奈美の母の話を黙って聴く姫和、それを視線で確認し続ける可奈美。

 母が刀使であった事、その母が最初の剣の師匠である事、父と兄に見守られながら母とよく稽古をした事、母が死んでから周りは哀しんだが自分は何故だか哀しくなかった事を滔々と語る。

 その雰囲気に可奈美自身耐えられなくなったのか母の話から父と兄の話に変わる。

 「お父さんはお母さんが亡くなった後色々頑張ってくれて、だから家の事は主にお兄ちゃんがやるようになってね、私も手伝いしたんだけど……何故か止めるように言われて……後、お兄ちゃんってば料理するけどキノコだけはダメなんだよね、キノコを見るだけで顔色が変わっちゃって……他にもお兄ちゃんってば最近、バイクの免許証を取るんだって張り切っちゃって、免許取ったら乗せてあげるよ。なんて言うんだもん──」

 「か…可奈美、手が止まっているぞ」

 話の内容が段々とおかしな方に舵を切っているのが判ったのか姫和は可奈美の口を止め食器を洗う事を促す。

 何せ途中から兄の話が矢鱈と多いのだ父はほんの僅かしか語られないのにも関わらず兄は母と同じくらい語る。それはもうブラコンを疑ってしまうくらい語るのだ。

 兎も角、夕飯の支度を済ませ、累の帰りを待つ二人は一時の穏やかな時間を過ごすのだった。

 

 夜、累が帰宅し三人で食卓を囲む

「美味しい~!仕事から帰って美味しいご飯が待ってるって良いもんなんだねぇ……ありがとう」

 累の素直な言葉に照れる姫和とはにかむ可奈美

 「エヘヘ、姫和ちゃんが作ってくれました!」

 「掃除は可奈美が……あまり役に立ちませんでしたが」

「2人とも家にお嫁に来ない?」

 和気藹々とした会話を続ける中、累が箸を綺麗になった茶碗の上に置き、二人に告げる。

「実は2人に会って欲しい人がいるの」

 累からの突然の提案に顔を見合せ、一瞬の思考の後頷く二人。

 累はある部屋に二人を案内する、そこには起動済みのパソコンがチャットの画面を映している。

 チャットルームにある名前は【グラディ】簡単なデフォルメの眼鏡顔のキャラクターのアイコンが表示されている。

 カーソルが点滅していることから累のハンドネームなのだろう。

 もう1つやけに可愛らしいマスコットのようなキャラクターからチャットが表示されている。

 [ようこそ。グラディのご友人達。我々は君達を歓迎する。]

 【FineMan】と表記されたアイコンのフキダシは二人に対して向けられたモノと分かる。

 累に好きに答えるように促され、姫和がチャットに応対する。FineManに対し誰何を問えば、味方であると返し続けて姫和が持つ手紙について言及する。

 最後にFineManは問う。"立ち向かう覚悟はあるか?"と姫和がYESを選択しFineManが合流場所を教えようかという時、突如ベランダの窓ガラスが割れる。

 割れた窓から現れたのは、鎌府の制服に着た刀使──糸見沙耶香。  

 

 

 時同じくして木蔭から累の部屋を見上げていた龍悟、そして合流した翼沙が沙耶香の襲撃を目撃していた。

 「…あれは……?!」

 「まさか!?」

 

 もう一組、その襲撃を目撃する者達。

「どうやら愉快な事になりそうだねわたし」

「ええ、楽しみねワタシ」

 彼等は不敵に顔を歪める。

 

 

 

 

 カキンッと金属同士がぶつかる音、沙耶香の剣戟を姫和が受け止め可奈美に千鳥を持ってくるよう促す。

可奈美は累を退避させつつ千鳥の元に向かう。

 「貴様は鎌府の…!」

姫和の驚愕に沙耶香は無感情な瞳を返すばかり、そのまま姫和を外に押し出す。

 「速いっ…この迅移、二段階以上か!」

落下しながらも構えを取る姫和に追い縋るように連続して二段階迅移を使用し追撃する沙耶香。

 「(馬鹿な…二段階の迅移がこんなに続くはず……何故持続出来る!?)」

 沙耶香の技量に驚愕しつつも、回復した自身の身を瞬間的に三段階迅移で相手を上回り写シを斬る姫和。

互いに八幡力で強化された身体能力で地上に着地する姫和と沙耶香、沙耶香は連続迅移の使用の影響か既に写シを張る事が出来ない。流石に終わりかと一瞬気を抜く姫和に沙耶香はあろうことか生身で斬り掛かる。

 無念無想──写シを剥がされ尚戦う沙耶香は正に物言わぬ人形が命令された事を唯々従うのみ、姫和に迫る凶刃に取れる手段それは──

 「もう、……斬るしか…ない」

意思なき殺意に対し殺人の覚悟を迫られる姫和、再び2つの刃が交わる──その瞬間

 

 「ダメェエエエッ!」

静寂な広間に二人を止める声が響く。

 声の主は二人を追って降り立った可奈美、彼女はそのまま自身の御刀で2つの刃の間に割って入る。

弾かれる三人、姫和は可奈美に顔を向ける。

 「退いて姫和ちゃん。私が相手する」

 「お前にこいつを斬る覚悟があるのか!?」 

 

 「斬らないっ!」

 「!!」

姫和の殺める覚悟があるかと言う問いに可奈美の宣言は

単純明快、斬らないというモノ。

 「(この子の剣、前はこんな虚ろじゃなかった…。剣から何も伝わってこない)」

 可奈美は以前交えた沙耶香の剣と今の沙耶香の剣を比べ意思の無い剣気に勝機を見出だす。

 「そんな魂の篭って無い剣じゃ──何も……斬れないっ!」

 "柳生新陰流無刀取り"──御刀を収め、斬り込む沙耶香に対し素手で相手の握り手の甘くなった部分に自身の手を入れ刀を弾く、御刀 妙法村正を弾かれ動きを止める沙耶香、徐々に瞳に生気が戻る。

 正気に戻った彼女が最初に目にしたのは、差し出された手 。

 「覚えてる?一回戦で戦った衛藤可奈美」

差し出された手と掛けられた声の主に視線を向けると──笑顔の可奈美が嬉しそうに語る。

 「あの試合すっごく楽しかった!…ずっとドキドキしっぱなしだったんだよ!!また私と、試合してくれない?」

 先程の剣呑さなど意にも反さず沙耶香に対して嬉々として差し伸べる可奈美。彼女の行動に姫和は飽きれ、累は全力で走ったせいか息を切らし、蔭から変身して見守っていたヨクとリュウは安堵の息を洩らす。

────無論、そんな結末を望まぬ者がいることも知らずに。

 

 「つまらない幕引きだ。これでは意味がない」

 「そうね。わたしが暴れましょうか、ワタシ?」

 「いや、丁度ゴミの処分をしようと思っていた所だ。奴からくすねた薬を使おう」

 ジェゲンガ星人は自身の擬態の際に皮を剥がした人間の死体達を混ぜ合わせ薬瓶を取り出し、1滴雫を垂らす。死体だったモノが鳴動を始める。

 

 

 

 沙耶香が止まった事により、一段落ついた。そう可奈美、姫和、累は思っていた、しかしそこに新たに乱入する者が一人──。

 「何ッ?!」

 「姫和ちゃん!」

 「……!??」

「何事!?」

 四者四様に反応する彼女達、砂煙が晴れるとそこに立っていたのは肉の塊──そう表現する他に無い怪物であった。背中に腹、上半身至る所から腕が生え足が垂れ下がり首がおかしな場所にくっついている、それは正に人を粘土の様に捏ね回して作りましたと言わんばかりの醜悪な見た目だ。

 

 「荒魂!?」

 「いや、私のスペクトラム計に反応は無い。それにこれはどう見ても……」

 二人は再び戦闘態勢を取るも、あまりに醜悪なソレに僅かに怯む。

 『ア……アアアァ、……テェ!』

何事かを呟き、迫る肉人形。二人は気を取り直し迎え撃たんとするその時。

 「ブリザードハリケーン!」

 二人の後方から間を縫うように小さな嵐が通り抜け、肉人形を凍らせる。

 そこへ更に紫の旋風が舞う。

 「大回転剣風斬!!」

旋風が氷像となった肉人形を砕き細切れにする。

 「なっ?!」

 「今の…」

「えぇ何なのぉ」

 「……」

 

 怪物を倒した闖入者は二人。白い戦士と紫の戦士。

紫の戦士には可奈美と姫和も見覚えがある、追っ手から逃げる際に現れた荒魂を倒した時に助太刀したくれたダグオン シャドーリュウと名乗った人物だ。

 「怪我はありませんか?」 「また貴様か!」

ヨクと同時に姫和が声を挙げる。

 「え?また?」

 「…以前、少しな…」

ヨクの追及に短く返すリュウ。姫和は再び現れたリュウ、そして共に現れたヨクに警戒心を剥き出しにする。

 「わぁ!あの時の!また助けてもらっちゃいましたね」

可奈美はやはり姫和と対照的にお礼を口にする。

 「…無事か?」

 「はいっ!」

 「ええっと……僕達はその怪しい者ではないです。ダグオンという……なんと言えば良いのか、所謂正義の味方だと思って頂けたら」

 姫和、累、そして沙耶香に向け、及び腰で説明するヨク、厳ついアーマーでそんな事をするヨクに流石の姫和も落ち着きを取り戻す。

 「皆さん、怪我は本当に大丈夫ですか?」

 「問題無い、お前達が現れたお陰で傷らしいモノも何一つ無い」

 「良かった、それでは僕達はこれで」

ヨクはそう告げて然り気無く姫和の後ろを通りすぎる。リュウも可奈美の肩に手を軽く置いた後、風と共に立ち去った。

「何だったの?」

 「……?」

 「姫和ちゃん、また助けてもらっちゃったね」

 「本当に何者なんだ奴等、もしやまだあんなのが居るのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 「やはり人形風情では大した事は出来ないか」

「けれど、ダグオンとやらが現れたわ。しかも2人も」

 「紫のヤツはワタシは見覚えが無いな」

「なら、ワタシが見たものを合わせて奴等は5人いると言う事になるわね」

 遠方より先程のダグオンの戦いを見ていたジェゲンガ星人、こうしてまた一つ彼等は情報を得たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━ダグベース

 ダグベースメインオーダールームに五人の若者が集う。

 「で?上手くいったのカヨ」

「…ああ」

 「ふむ、では今後我々は彼女達の動きを把握しつつ、別の事に集中出来ると言う事だな」

 「ええ、管理者の言っていた剣探しにも人数が割けます」

「マジか!いやぁ、流石に何時までも調査隊に引っ付く訳にはいかねえからな」

 原宿より折を見て帰還した焔也、先に来ていた戒将らを加え翼沙は成果を報告する。

 「……1つ報告がある」

そこに龍悟からの発言、皆は彼に注目する。

 「…その例の反逆者の十条だが、折神紫を襲撃したのは……折神紫が大荒魂だからだそうだ」

 「「「なっ?!」」」

「マジカヨ…」

「馬鹿な…荒魂を使った実験だけでなく御当主自らが荒魂だと……渡邊、お前はこの事を?」

「いえ、僕が聞かされていたのは折神家の荒魂を利用した実験までで…まさか紫様が荒魂だなんて……」

「こりゃえらいことになったぜ……」

 

 

 続く

 


 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 ウイングヨクの渡邊翼沙です。

折神御当主様が大荒魂だと知った僕達、そんな折、衛星軌道上に巨大な反応が顕れます。

 あんな大きなモノ放って置いたら大変な騒ぎになってしまう!

 一体どうしたら……え?今こそ活躍の時?何の事ですか?

 次回"刀使ノ指令ダグオン"

 出動!ダグビークル。

 次回も"トライダグオン"!




 今回のスパロボコラボ公演イベント、凄いな……!?
はい申し訳無い、私、ちょくちょくモバマスやってます。今イベント最終ラウンドですが、今回は色々はっちゃけてますね!
 唯ちゃん専用ゲシュペンストから始まり、アストラナガンにユー……ウーゼスと、もう本当に楽しかったです。
 ところでダグオンは何時スパロボに出ますかね?
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