刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 春はあげぽよ、おはようございます、おやすみなさい。お久しぶりです。ダグライダーです。
 多少私事が一段落しましたので投稿です。
え?はい、キラキラな人が来ましたので感染しました。まさか一発で来るとか思わなかったです。
 それはともかく私事の方はまぁ要するに祖父関連で家の若い労働力が私だけでしたので……はい。

 そして、そのせいなのかどうなのか…リリスカが少しスランプ気味に。まぁ元々あの作品は時間掛かるのであんまり今までと変わり無いんですがね、やっぱり宣言した手前、守らなくてはね?
 ともかく、二十七話です。



第二十七話 反逆者対親衛隊。そして田中撃鉄?

 "前回の刀使ノ指令ダグオン"

 調査隊と親衛隊の間に突如として割って入った存在、その正体はシャドーリュウの従者たる機獣【ガードアニマル】であった。

 美炎達調査隊を守る様に、真希と寿々花の前に立ちはだかる彼等とシャドーリュウ。その気に乗じ、身の証を立てるミルヤの訴えにより彼女達の疑惑は晴れたのであった。

 


 

 ━━エデン監獄

 太陽系の一際巨大な惑星である木星、彼の星には本来ならば三つの衛星が今は四つ……否、四つ目は衛星ではなく元は巨大な監獄であった物だ。

 そんな監獄エデンの奥、地下監獄の一つで笑い声とも嘆きとも憤りともつかない声が一つ。

 「私、僕、俺、儂、某、朕、余。ふふ……君、貴方、貴女、貴君、貴殿、彼、彼女。嗚呼、面白い…面白いわぁ」

 その人物は表情と声色と発言が全く一致していない。

 「只、唯、質、允、廷、直…興味深い興味深いわぁ」

同じ様な言葉を繰り返し、何かを書き出している。書かれているのは地球の様々な言語、彼女はその中で今日本語中心を重点的に書き綴っている。

 

 「お楽しみの様だね」

 

そんな人物の様子を評する者はエデンを取り纏める鬼、彼の声に反応し振り返る人物──四つ目が光る機械を頭部に被る女性型の宇宙人が声だけは喜びを表しながら応える。

 「とても、とーっても楽しい、楽しいわぁ。星のレベルは低いけど、言語の形は面白いの、そこからあの星の有り様も見えてくる。ええ、面白いわぁ」

 「それは良かった。やはり君という存在は貴重だ、生かしておいて正解だった。さて、ではお楽しみのところ悪いがね君の所から一人貸して欲しい囚人が居るんだよ」

 「アナタの頼みは断らないわぁ。一体、誰が欲しいのぉ?だぁれぇ?」

 「あの詐欺師を頼むよ、そろそろ此方の世界の異星の同胞にコンタクトを取りたくてね」

 「…ふふふふ、恐いヒト…」

 「君程では無いと思うよ…ククッ」

邪悪に嗤う二つの存在は粛々と、しかし確実に地球にとって脅威となる計画の為に暗躍を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 伊豆のとある山中にて、親衛隊獅童真希の命令により反逆者狩りの片棒を担がされる調査隊の面々。

 真希、寿々花は夜見と一度合流し追い込む算段をつけている。親衛隊同士の話が着いたのか、真希がミルヤを呼び出し彼女を連れて仔細を詰める。

 残されたメンバー、中でも清香、美炎、智恵は親衛隊に対し悪い感情しか無い。

 何せ清香がいの一番に『あの人達、嫌いです』等と嫌悪感を明確に表すくらいだ。美炎と智恵も今回の作戦の内容に物申したい事が溢れる程あるのだろう。現行の体制に不信と不満、不平に嫌疑と渦巻いている。

 果たしてこれは本当に正しい事なのかと……。

 

 調査隊が任された捜索範囲は南西方面、斯くして再び行われる山狩り。

 夜見が荒魂を放ち、反逆者側を追い込む。そこを挟撃の形で仕留める事が親衛隊の思惑なのだろう。

 ミルヤの指示に従い山中を練り歩く調査隊、呼吹は夜見が反逆者を追い込む役と聞いた時からえらく上機嫌だ。流石に不審に取った美炎が物申すと呼吹は嗤いながら溢す。

 「解ってないのはお前らの方だよ、これから始まるのはアタシにとって最高のパーティーだ!」

 この発言には四人も無視は出来ない。荒魂にしか興味を抱かない七之里呼吹と言う人間がここまで上機嫌になるのは何故なのか?その答えは直ぐに解った。

 

 突然、降って沸いたかのような荒魂の群れ。通常とは異なる反応を示すスペクトラムファインダー。

 美炎、智恵、清香は困惑し、ミルヤもまた驚きを顕にしながら荒魂に対応する。

 是等の出来事を知るであろう呼吹に事の是非を問う。

呼吹は至極面倒臭いと言わんばかりの表情になったが、それで黙っていても埒は明かない、何より智恵辺りが煩いと判断し、この荒魂を親衛隊の皐月夜見が使役していることを明かす。

 事ここに至り、調査隊を率いる隊長としてミルヤが下した決断は、人として、そして刀使として荒魂を狩るという事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時同じくして、彼女達とは正反対の場所にて。

 「おぉぉおおおおお?!此処はどこじゃぁあああいっ!!

 そんな絶叫が山中に響き消える。

誰であろう声の主は、時代を逆行したかのような長ラン学帽に下駄とサラシに口に葉が付いた茎の不良スタイル、座右の銘に努力と根性と漢気を掲げる無頼漢、田中撃鉄その人である。

 何故、彼が居るのか?実は調査隊(主に智恵)と泣く泣く別れた後、野生の勘に従って伊豆下りまで来ていたのだ。

 この男、山に来たは良いが肝心な所が甘いのか迷ったのである。因みに場所が良いのか悪いのか、特祭隊の面々には気付かれていない。

 「ぬぅううう、ワシとしたことが一生の不覚!まさかこの歳で迷子になるとはぁああああ!!」

 と、言った具合に叫んでいる。

そして、それを見詰める…見守る?影が一人。

 (オイオイオイ、アイツ確か、前に京都で焔也のヤツとバトってたヤローじゃねぇかヨ!?何だってこんな山に居やがる……)

 アーマーシンである。彼もまた、仲間と別れ反逆者を探していたのであるが、そこで偶々見付けてしまったのである。

 (なぁんで、よりによってヤローに出会すかねぇ?オレ的にはカワイコチャンが良かったのにナァ…)

 シンとしては完全にハズレ扱いである。これがエンやヨクならば接触し退避を促すだろうし、カイやリュウならば尾行しながら対応を決めるだろうが、シンである。彼としては放っておきたい心境が8割だが、仲間達…特にカイからお説教を受ける可能性がある為、仕方無く行方を監視しているのだ。

 

 「出口はどこじゃぁああああ!?

 (だぁああ!メチャクチャ煩ぇえええ!!)

ダグテクターの集音機能の高さ故に撃鉄の声が聴こえてしまうシン。無論、最低状態の集音でこの反応である。田中撃鉄あな恐ろしや。

 

 「んんっ?」

その時、撃鉄が何かに気付く。黒く染まった木々から淡い、しかし禍々しい橙色の燐光が1つ、2つ、その正体は夜見が放った荒魂の蝶。

 「ぬぉっあ?!なんじゃこの羽虫はっ!!」

 「っ!!(荒魂!?マジか…)やるっきゃネェ」

撃鉄に群がろうとする荒魂の大群を見て、流石に見過ごす訳にはいかなくなったシン、即座に両手にアーマーライフルを構える。

 撃鉄に当たらない様に狙いを着け弾丸を撃ち放つ。

 「をぉお?!今度はなんじゃ!?」

 「オイ!そこの化石ヤロウ!とっととココを離れな、さもなきゃ荒魂に喰われっちまうゼ」

 驚きの連続で戸惑う撃鉄を尻目に林から飛び出し荒魂を迎撃するシン、とは言え彼の武器で有効打足るのはライフルとブレストモーターキャノンぐらいであろう、腕と肩のミサイルでは山の地形を変えかねない、それでは折角の隠密行動も意味を成さない。

 女好きの彼とて、ターゲットの目標である可奈美と姫和、或いはターゲット自身であろう親衛隊ならばいざ知らず、他の特祭隊には出来る限り接触を避ける心掛けであるのだ。

 さてしかし、そんなシンの胸中など知らず、撃鉄は逃げる素振りを見せない。最初は怯えすくんだかとシンは思ったが、しかし果たして先頃巨人を倒すよりも前の会合にて、撃鉄が荒魂を撃退せんと戦った事を聞かされている彼はそんな事 は無いだろうと頭を振るう。

 「オイっ!?どうした?さっさと逃げ「逃げんっ!」アアッ?!」

 「ワシは借りは作らん!お主、見たところ前に現れた赤いのの仲間じゃな?ならばワシにも手伝わせろ!!」

 「手伝わせろ!!……って、一体どーすんダヨ?!」

シンの疑問に撃鉄は背を向けると手近な太さの木を体でガッシリと掴むと、全身に力を入れ始める。

 

 ──メキメキッ!バリッ!

 

 木と大地の軋む音が響く。

 「オイ…オイオイオイ!?まさか、ウソだろ?バカかアイツ…………いや絶対バカだろっ?!」

 「ド根性ぉおおおおおおお!!

その絶叫と共に木を根っこから抜き、持ち上げる撃鉄。火事場の馬鹿力にも限度があろう行動である。

 「喰らえぇい!ヌゥウンッ!!」

その言葉と共に抜き出した大木を振り回す撃鉄、これにはシンも唖然とする。

 さて、撃鉄が馬鹿力を発揮して奮戦している所ではあるが、基本的に荒魂に対し有効な武器は御刀のみである。唯一の例外はこの場に居るアーマーシンを含めたダグオンの武器や装備であるが……つまり、いくら撃鉄が大木を振り回しても意味は無いのだ。

 「……意味ネー。っと、しゃあねぇヤローを助けるのはちとばかし主義に反するが、それが目の前で死なれても後味悪いしな」

 その言葉を口にすると同時に撃鉄へ向けて跳躍するシン、そのまま撃鉄の持つ大木を器用に弾き、腹に腕を回して俵抱きするシン。

 「ぉをを?!何をする緑のぉおおおお」

 「ウッセェ、テメェの気合いは認めるケドなぁ、効果無いんだから逃げるぞ!!」

 そのまま、山の奥に消えたシンと撃鉄であった。

 

 

 

 

 

 そして、反逆者とされた可奈美と姫和は──

渦中の二人は現在進行形で荒魂に追われていた。長船コンビと分断され山中を宛もなく走り回り、遂に開けた場所に出る。其処は小川の畔、夜にあって星の光を反射する川の美しさが映える場所である。

 しかし、彼女達は逃げ切ったのでは無い、何故ならば…。

 「流石は夜見、良い仕事をしてくれる」

二人の前に立ちはだかった者達が居るから。

 「ええ、此処までに想定外がありましたけど、これでチェックメイトですわ」

 獅童真希と此花寿々花、二人の前に行く手を塞ぐ様に立つ親衛隊。姫和は彼女達を前に憎々しげに睨みながら吐く。

 「親衛隊が荒魂を使役とはな…!」

やはりと言ったニュアンスを込めて投げつける。

 実は道中、美炎に見付かっていた二人は諸々あって調査隊と協力しその場を切り抜けていたのだった。

 とは言え、一向に減らない荒魂により再び調査隊と別れ、こうして目の前の光景が広がっているのだ。

 互いが御刀を抜き既に臨戦態勢へと移っている。

 「さぁ、大人しく捕らえられてくれるかな?」

明らかにそんな気は無いであろう顔でぬけぬけと言ってのける真希に対し姫和は正面からその言葉を切って棄てる。

 「ふざけるな…!」

獅子と烏が刃を打ち鳴らした。

 

 

 「貴女の相手は私でしてよ、衛藤可奈美さん!」

寿々花が御刀を手に可奈美へと斬り掛かる。可奈美はそれに対し刃で受ける事で防ぐ

 「…っ!?」

千鳥を鮮血に染めんと紅き華が舞う。

 

 戦いの火蓋は切って落とされた。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 ハロー、儂イプシロン。次回予告を乗っ取りに推参。

きっと後でシータがキレるかもしれないが無問題。

 次回は六角さん家の清香嬢が活躍する筈。

きっと、多分、恐らく、絶対?

 

 次回"刀使ノ指令ダグオン"

 勇気の決意!刀使として

久しぶりの"トライダグオン"!キリッ

 




 ああぁぁああ!
私、一人称モノローグ文は三人称補足文より苦手なのかもしれない。
 とは言えリリスカの方は一人称だからこそ意味があるので変えられないジレンマ。
 と言う事で、暫くはとじダグと偶にシンデレラ百剣くらいですかね。
 ここだけの話、FGOのマリー(ライダーでもキャスターでも可)を見てダンまちベースのクロス物とか面白そうだなぁとか思ったのはナイショ

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