刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんやすみなさい。
 はい、とじダグです。ここ最近はシンデレラ百剣優先で執筆していたので少し執筆勘がズレてましたが最新話を投稿です。
 覇界王読みました、いやぁ、相変わらずヤバいですねアルジャーノン。そして敵となった勇者ロボとかね。
 それはそれとして、西遊記結芽欲しかったなぁ。
女性の孫悟空とか箱庭の斉天大聖美猴王を思い起こします。私、あのシリーズ好きなんですよ、勿論ラストエンブリオも読んでます。
 それにしても、猪八戒扱いでショックを受けた真希ちゃん、やっぱ乙女なんだなぁ。そして一人沙悟浄に消去法で決まった何か言いたげな夜見……可愛いかよ


第三十三話 撃鉄危機一髪!調査隊新たなる地へ。

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"……ねぇ前も思ったけどぉ。これ長いから略しちゃわなぁい?ダメ?ちぇっ

 ダグオンのイケメンメンズくん達がかなみん、ヒヨヨンとエレンっち、かおっちの激ニゲダッシュ丸を手助けするジャン?んで、あれとかこれとかで何かぁ、めっちゃ古臭い感じの脳キンイケボくんに正体バレてマジウケるー!ってか申一郎ちゃんさぁ、女の子の一部を見て着こなし云々はセクハラだしぃ、ゼータちゃん的にはあり得ないつーか。まぁでぇもぉヒヨヨンは残念賞なのは事実だよねぇ♪

 

 おのれ!又してもあらすじを私物化しよってぇ!!

 


 

 ━━静岡県某所ダグベース

 伊豆の山々から帰還したダグオンの若者達。

親衛隊からのノロの回収、反逆者の逃亡の幇助という目的を果たした彼等、しかし、その顔には達成感よりも疲労の色の方が濃い。

 その理由は戒将と焔也が担いでいる人物にある。

 田中撃鉄──何の因果か、偶然同じ山に居合わせ、もっとも最悪なタイミングで……いや、ある意味では最高のタイミングでダグオンの正体を知ってしまった男である。

 「重っ!こいつ重すぎだろ!?」

 「見た目以上に筋肉があるのだろうな……今は迷惑でしかないが」

 左右から撃鉄の肩を支え担ぐ、焔也と戒将が各々に愚痴る。

 「とりあえず、基地の房室までの辛抱ですから」

 翼沙が士気が下がっている二人を何とか励まそうと言葉を掛ける。

 そう、ダグオンの基地であるダグベースは元は宇宙警察機構の装備である。その為、何らかの事情で拘束した相手を収容する独房部屋があるのだ。 

 独房のある区画まで撃鉄を担ぐ二人と翼沙を尻目に、申一郎と龍悟は先へと進む。彼等は先にオーダールームに戻り、管理者アルファとブレイブ星人に報告をするという役割があるのだ。因みにではあるが、それらの分担はじゃん拳で決まった。

 「じゃ、オレら先行ってるゼ」

 「……何かあれば呼ぶといい…」

そう言い残し、上のフロアへと消えて行く二人の背中を見送った後、再び独房へと歩き出す三人、翼沙としては早々にノロの解析をしたいであろう気持ちを抑えての同行である。

 「では彼には気の毒ですが、暫くはこの中で大人しくしていただきましょう」

 独房前のコンソールを弄り、扉を開く翼沙。簡素なレイアウトの部屋に撃鉄を担いだ二人が入室する。

 「大丈夫かよ、こいつ結構馬鹿力だぜ?」

 「確かに話に聞いた限りでは、中々に常人離れしているようだが、だとしても奴は人間だ。問題は有るまい、曲がりなりにも此処は宇宙人の技術力で造られた施設なのだからな」

 焔也が部屋の様相に不安を洩らすが、戒将は問題無いと断じ撃鉄を部屋の中央に寝かせ、二人して部屋から退出、翼沙が再びコンソールを操作し扉を閉めた。

 

 

 「つーわけで、テメェに言われた通り仕事をこなしたってワケだ」

 ≪いやぁ、ご苦労様だったね。いや良かった良かった。こっちとしても上手くいくかちょっと不安だったし≫

 「……確証も無く頼んだのか…?」

 ≪まさか!?でも万が一……億が一って可能性もなきにしもあらずってヤツだよ≫

 三人がオーダールームに戻ると、既に報告を始めていたのか、アルファと話し合っている申一郎と龍悟がいた。

 <戻ったか、勇者達よ>

三人がオーダールームに顔を出したと同時にブレイブ星人も姿を現す。

 「ああ、少々予定外の事も起きたが、敵を倒し、任務は遂行した」

 ≪ああ、何か正体バレちゃって、その子独房に入れてきたんだって?≫

 撃鉄をその子と表するアルファ。別段おかしな事ではないのだが、如何せんアルファの声はダグオン達からしてみれば幼さが残る少年とも少女とも聴こえる声色なのでいくばかの違和感が拭えない。

 「迂闊だった、そう言い他にあるまい」

 「いやぁ、確かにケーソツだったけどヨォ…ほぼ一日半、色々ありすぎてちょっとばかし解放感が欲しかったんだよ……悪かったって、そんな睨むなヨ」

 申一郎と焔也の起こした迂闊な行動に戒将が非難の視線を向けると、罪悪感があるのか遠慮がちに、しかし反省とは言い難い理由を口にし翼沙や龍悟からも非難の視線が向けられる。焔也も流石に自分が迂闊であった自覚があるのか申し訳無さそうに視線を反らす。

 ≪まぁバレちゃったなら仕方無い。その子には何とか忘れて貰おうかな≫

 「という事は、まさか記憶を改竄する装置があるのですか?」

 ≪無いことはないね、デカ過ぎて携帯出来ないのが難点だけど……だよね、ブレイブ星人?≫

 <ああ。ダグベースにはそう言ったシステムも存在する>

 アルファが記憶の操作を提案した事に翼沙がまさかと驚き訪ねると、感慨も無く淡々と装置の存在を肯定し、尚且つその大きさに不平を口にする。話を振られたブレイブ星人も又、短く肯定する。

 「はー、そんなモンまであんのか……宇宙ヤベェ」

 「感想としてそれはどうなのだ……、と言うかだな鎧塚、貴様先のアレは戴けないぞ」

 申一郎の語彙力なんて知ったことかと言わんばかりの感想に戒将が呆れて嘆息する、ついでに山で起きた刀使達との別れ際の出来事にも言及する。

 「アン?先のってえと……もしかして山でカワイコチャン達と別れた時のコト言ってンのか?」

 「そう言えば鎧塚君、長船の益子さんと平城の十条さんに向けて何か失礼な事を言っていましたね」

 「……確かにな、アレはセクハラではないか…?」

 「てか、長船のチビの方、別に普通に着こなしてたじゃん?」

 申一郎が思い出していると、翼沙、龍悟、焔也の順に次々と非難が飛ぶ。

 ≪へぇーそんなこと言ったんだ~≫

 「いや、違くて。ほら長船って言やあスタイルつーか、ご立派な胸のコが多いジャン?で、制服がそれを強調するワケで、それに平城の黒髪チャンは残ね……だからそんな睨むなって、悪かったよ」

 この場に居る自分以外全ての責める様な視線から最後まで言葉を紡ぐことをせず、謝る申一郎。

 要するに、この男の個人的な好みのから来る長船の制服のイメージが胸を強調してなんぼであると言うモノであっただけである。

 

 <それで例の少年の方はどうするのだ?>

 ≪ああ、そうだったそうだった!ていうかだね、その目撃者の子は名前何て言うのさ?≫

 ブレイブ星人のお陰で本来の話に戻る面々、アルファが撃鉄の名を訊ねる。

 「ん?ああ、確か……フルネームは田中撃鉄だ。うちのガッコにあいつの姉貴が居て教師やってる」

 「美濃関で教員の田中……田中妙子女史か」

 ≪撃鉄だって?!≫

戒将が本部務めに中って覚えた伍箇伝のデータから教員の名を挙げたと同時にアルファが驚愕の声を上げた。

 「イキナリどうした?」

 「彼をご存知なんですか?」

 その反応の大きさにダグオン達も驚き申一郎と翼沙がアルファに訊ねる。

 ≪あ……いやぁ何でも無いよ、でもちょっと予定変更。その田中撃鉄くんにはもう暫くは此処に居て貰おうかな≫

 「……随分と急に意見を変えたな、奴に何かあるのか…?」

 ≪それはまだ秘密。でもまぁ君たちにとっても悪いことにはならないよ≫

 「本当かよ…」

龍悟の指摘に言葉をはぐらかすアルファ、焔也も胡乱気に愚痴る。

 「ふむ、どうせ今訊ねた処で貴様は真面に答えはしないのだろう?ならば、任せるだけだ。では俺は一足先に管理局本部に戻らせてもらう」

 戒将がこれまでの付き合いからアルファが答えはしないのだろうと分析し、流石にこれ以上、刀剣類管理局から姿を消すのは不味いと踏んで、一人オーダールームより退出、転送装置の方へと消えて行った。

 「……俺達も一度戻るべきだろう…」

 「ですね、流石に長く空けすぎました」

 「まぁ燕はトモカク、オレや渡邊ナンカは割りと居なくても違和感無いダロ?」

 真面目な戒将は別として、ナンパでサボる申一郎と研究室に籠りきりになる事が多い翼沙、そして神出鬼没な龍悟等は実の所、授業等に出なくとも違和感は無いのだ。

 「いやでもやっぱ一旦戻ろうぜ。俺も疲れたし」

 「…同感だ」 「ですね」 「ま、しゃーねカ」

焔也の言葉を皮切りに次々とオーダールームから退出する若者達、後に残るはブレイブ星人とアルファのみ。

 <して如何する?>

 ≪撃鉄くんの事?まぁボクに任せてよ≫

こうして、未だ意識の戻らぬ撃鉄の与り知らぬ所で彼は自身に迫っていた危機を何とか回避した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、伊豆より帰還した調査隊の面々はというと──

 「帰ってきたー!鎌倉ー!」

 安桜美炎が身体の内から声を発するかの如く叫ぶ。

 「たった数日だったけど、なんか目茶苦茶旅した気分」

 「ですね。そう言えば、わたしのホテルの部屋どうなっているんでしょうか?………わたし、いきなり召集されたので、御前試合の観戦の為に借りた部屋に荷物が置きっぱなしになっているんです」

 「それは……でも、平城学館の人達が回収してると思うわ。最悪でもホテルが保管しているんじゃないかしら?」

 「そ、そうですよね……はずかしいモノ…見られてないといいなぁ……

 等といった具合に清香が懸念し智恵の推測に不安混じりに荷物の心配をする。

 結局の所、赤羽刀の手掛かりは伊豆には存在しなかった。青砥館店主青砥陽司からもたらされた情報は空振りと終わったのだ、表向きは。

 結果としては美炎は可奈美と僅とは言え再会出来た、智恵も舞草として目的を果たした、清香など親衛隊相手に一歩も譲らず奮戦した。

 とはいえ今回の件で以降、木寅ミルヤとしては「もう関わるべきではありません」と口にしていたが、勿論、ミルヤの言い分は正しい。今回の事で親衛隊がノロ──本来倒すべき荒魂の力を使い、反逆者とはいえ同じ人間を殺害も辞さない指令を受けていた事が彼女達には大きな衝撃であった。

 「あんなの……正義じゃない」

美炎のとしては色々と感情が自らの中でぐちゃぐちゃに入り雑じった胸中である、それを外に溢した科白が正義と言う言葉。

 「こわい、です。何が起きてるか分からなくて……。わたし達のしてる事は、本当に正しい事なんでしょうか……?自信が無くなってしまいます……」

 清香など特別祭祀機動隊、延いては刀剣類管理局の存在異議すら疑問を呈してしまう。

 「正義って言えばさ、あのヒト達…ダグオン?だっけ?何かさ、改めて考えたら格好いいよね!?」

 意気消沈した空気に美炎が慌てて話題を変える。

 「何者なんでしょう……、あの赤い人も、山であった紫の人も、あんなヒト達がいるなんて」

 「私も詳しくは無いのだけれど、どうもここ最近、全国で目撃されているみたいなの」

清香が正体不明の存在であるダグオンの事を振り返り、やはり今までに無い存在である事、そしてシャドーリュウから感じた既視感からほんの僅かに猜疑と恐怖が入り雑じった声で美炎達に返す。

 それに対し智恵は彼等の目撃情報が以前よりあった事を述べる。

 「そうなの?でも木寅さんは知ってたんだっけ…」

 「私もあの後、ちょっと調べてみたのよ」

勿論嘘である。智恵は既に舞草の情報網でダグオンの存在は認知していた、無論実際に目にするまでは半信半疑であったが…。

 そんな会話をしていると、先に別れた七之里呼吹が何やらうろうろしているではないか。

 話を聞くと鎌府の研究施設に向かうと言うではないか、それを聞き呼吹の背中を見送る三人であった。であったが……。

 

 

 「おい、何でてめぇらがここにいるんだ?」

 「いや、なんとなく気になったから」

 「安桜さんが、ついていこうって言ったから……」

呼吹を追いかけ、鎌府に同行した美炎と清香。因みに年長者二人は別に用があるため不在である。

 「いや、それは聞いてねえよ」

 「ん……まぁ、七之里さんのお友達と言う事でしたら。問題無いでしょう」

 新たに現れた声、呼吹と同じく鎌府の制服を着た生徒である。

 「模擬戦闘オペレーターの播つぐみです。私達の班は成果処理を担当しています。主に他の班の研究成果を実地で確認する係ですね」

 少女は播つぐみと名乗り、この場所や己らの役割等を説目する。

 要するに呼吹曰く、実験用の荒魂を最終的に処理する施設なのだそうだ。

 かくいう呼吹は早く荒魂達と遊びたくてウキウキしている。

 つぐみも慣れているのか、淡々と準備をしていく、美炎と清香が見守る中で装置が稼働を始める。

 新たな波乱の産声の如く──

 

続く

 

 


 

 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 ブレイブ星人だ。

 我々が新たな問題に直面しているのと同時期に、鎌倉の鎌府女学院では一波乱事件が起きた様だ。

 彼女達も又、我々とは違ったカタチでこの惑星を守る戦士、困難等には屈してはならない。

 

 次回、刀使ノ指令ダグオン、荒れ狂う燕。疾や駆ける燕。

 次回も"トライダグオン"

 




 さて、調査隊が鎌倉に帰還したので、やっと潜伏している雌雄胴体宇宙人にもスポットが当てられます。
 いやぁ忘れてはいないんですが、如何せん胎動編は宇宙人達は消極的に動かさざる負えないので、つい出番が少なくなりまして。

 ともあれ次回でお会いしましょう。

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