今回の話は、私なりに彼らの葛藤を表現した回です。
ぶっちゃけ、四話より五話が難産でした。
そのせいか、今までで一番長い文章だったかも。
それでもおかしいところが有るかもしれませんが頑張りました。
何より難しのは高津学長のヒステリー具合の再現。
あの人、いざ書いてみると難しいなあ
という訳でみんなのヒスリヒメこと高津雪那の登場回でもあります。
高津のオバチャンに思考が割かれて親衛隊のキャラが少し不安ですが、何かおかしければご指摘下さい。
前回の刀使ノ指令ダグオン"
トラルク円盤人を5人の連携で撃破したダグオン達。
疲れもそのまま、管理者の手で新たな場所に転送させられる。
辿り着いた先は閑散とした樹海。果して5人を待っていたものは巨大な移動要塞たるダグベースであった。
━━???
「トラルク円盤人ノ反応ガ消失シタ」
「ナント!?アノホシニヤツヲタオセルヘイキガアルノカ?」
「イヤ、ドウヤラ我々ト同様ニ異星ノ技術ノヨウダ……恐ラクハ、管理者トヤラノ仕業ダロウ」
「それって、れいのれんちゅうからきいたはなしのやつかな?そうかな?そうならいいなあ!」
「笑止、何で在れトラルクの蛮人めは慢心故に敗れたのだ!」
「我々。渇望。強者。闘争、蹂躙、悲鳴、絶望。」
「Ahaaaa …」
果てしない暗闇が支配する空間に数多の異形が集っている。
ソレらはありとあらゆる言語で会話を繰り広げる。
「フン…兎モ角、今ハ雌伏ノ時ダ。地球ニ我ラニ対抗スル手段ヲ持ツ者達ガ存在スル以上、不用意ニ仕掛ケルコトヲ禁ズル」
「えええ!?つまんないなあ。たいくつだなあ。あそびたいなあ。」
「果して、貴様の指示に何れ程の者が従うのか……クク」
侵略者達の会議は続く……。
━━━神奈川 特別刀剣類管理局、特別祭祀機動隊本部
「以上で報告を終ります……」
巨大なモニターや様々な機器に囲まれた大部屋に声が消えてゆく。
報告を挙げた刀使に非はない。しかし、余りにも荒唐無稽な内容に部屋の中央に陣取った妙齢の女性が苛立たしげに叫ぶ。
「ふざけているのかしら!?荒魂発生の報告があってから現場に到着する迄の間に既にカタが着いていた…?馬鹿馬鹿しいにも程がある!!」
ヒステリー気味に怒鳴る彼女の名は高津雪那、特別刀剣類管理局、特別祭祀機動隊本部の現本部長にして鎌府女学院の学長である。
「も、申し訳ありません…!」
その気迫に刀使の少女は怯えてしまう。
「そこまでにして頂きます高津学長。幸いにも周辺への被害は最小限で済んだのですから、彼女に当たるのは筋が違うのではなくて?」
そう口にして割っては入るのは、茶色の制服に紅い髪を一部後に纏めたお嬢様然とした少女、此花寿々花。
彼女は、此処特別刀剣類管理局の局長にして20年前の英雄たる折神紫の親衛隊、その第二席を務める刀使である。
「親衛隊……!貴様等ごときが私に意見するのか!?」
「事実を述べたまでです。」
雪那の剣幕にも怯まず、飄々と受け流す寿々花。その態度が雪那を余計に苛立たせる。
「貴様等なぞ紫様の側に居るだけしか能の無い失敗作が……ならば、もう一つの件は何か判ったのかしら?」
小声だが明らかに聴こえる大きさで寿々花を蔑む彼女、荒魂の件を切上げ、別の事件を訊ねる。
「それについてはまだ何も、情報が錯綜していて混乱しているようでしたわ」
「使えない…、何故紫様はこの様な連中をお側に…」
最早、隠す気もなく悪態を吐く雪那、そこへ新たに親衛隊の制服を纏った少女が2人。
「今戻った、例の現場には戦闘痕と見られるモノが
幾つか発見されたようだ…」
「紫様より、未確認の戦闘行為については、継続して調査を進めよ……とのお達しです…」
1人は短く切り上げ右側に編み込んだ一房の髪が何処か獣を思わせる麗人の少女、もう1人は肩に架かる程度に切り揃えた髪の毛先だけが黒く染まった能面のように無表情な少女。
前者は折神紫親衛隊第一席、獅童真希。
後者は親衛隊第三席、皐月夜見。
彼女達は其々に先の戦闘の調査にあたっていたのだ。
「お疲れ様ですわ。獅童さん、夜見さん。」
寿々花が労いの言葉を掛ける。
「獅童……、夜見…、貴様達揃いも揃ってぇ…!」
何はなくとも彼女達の態度が気に障るのか雪那は拳を強く握り混む。
「現場の隊員に通達!早急に結果を出しなさい!!」
その怒りの矛先はこの場に居ない隊員に向けられたのだった。
━━━静岡県 某所、ダグベース。
≪さあさあ、何時までも惚けてないで入った入った!これから君達に説明があるんだからね≫
時同じくして、ダグベース周辺。
焔也達は管理者に言われ、ダグベースに足を踏入れる。
幾つかの通路を進みエレベーターに揺られ、辿り着いたのは精密機器が並ぶとおぼしき大広間。
部屋には地球儀のような装置とブレイブ星人が並ぶ。
<待っていたぞ、勇者達よ>
部屋に入った5人に掛けられた彼の第一声だ
「ふん…では、詳しく話して貰うぞ」
戒将が代表して訊ねる。
<承知した>
ブレイブ星人が応え、これ迄の経緯を説明し始める。
自分の事、管理者の事、此処とは違う世界の地球やダグオンの事等々。全ての話を聴き終えたこの世界の若者達は暫し黙り混む。
「つまり、貴方方は異なる歴史の地球から来て、僕たちの住まう世界を、同じ世界から来た悪人達から守る為に現れた?
<その通りだ>
「所謂、只の平行世界ではなく、立体交差平行世界ですか……」
翼沙が己の推測による結論を述べる。
≪この世界はブレイブ星人の元居た世界より時代が進んでるし、かなり離れてる世界だけどね。それより…どうだい?改めて地球を守ってくれるかい?≫
<私としても、諸君が力を貸してくれるのは非常に有難い>
管理者が問い、ブレイブ星人が懇願の旨を伝える。
「俺は構わねえ。力貰って、はいさようならじゃあ、男が廃るしな」
焔也はあっさり承諾する。
「荒魂に対しこの力が有効なのは理解した。しかし、侵略者共と戦うかは別問題だ…」
戒将は迷いを口にする。
「別にィ?やりたいヤツがやりぁあ良いんじゃないですかね。オレは御免被るけど」
申一郎は関わりを避けたがる。
「色々興味が尽きませんが……だからといって戦うのは、…その…」
翼沙は言葉を濁す。
「……義理は果す」
龍悟はある程度はやる気を見せる。
<ふむ、ならば少しの間、各々で考えるが良いだろう。>
その反応を受け、ブレイブ星人は彼等の意思を尊重した答えを出す。
≪う~ん、仕方無い。ならボクらは暫く席を外すから、君達だけで色々話し合ってたら?≫
果して、この場に居らず声だけの超次元存在にそんな器用な芸当が出来るかは於いておく。
後に残されたのは、何とも謂えない微妙な空気に支配された5人だけの空間。
「取り敢えず、改めて自己紹介するぜ。俺は鳳 焔也、美濃関学院の高等部1年、刀匠科所属だ」
場の空気を変える為、焔也が他の4人に先駆け名乗りを上げる。
「そ、そうですね。では僕も…、コホン。綾小路武芸学舎高等部2年研究科程専攻、渡邊翼沙と申します」
続いて翼沙がそれに倣う。
「え?同じ学校かよ?……鎧塚 申一郎、ソコのメガネ君と同じ綾小路の生徒だ、高等部2年で一応技巧科」
「…………燕 戒将、綾小路武芸学舎高等部2年警邏科専攻」
申一郎、戒将が渋々と言った様子で溢す。
「…平城学館、高等部1年…警邏科…六角龍悟…」
最後に龍悟が淡々と締める。
「なぁ……お前ら、このままで良いのか?折角、荒魂と戦う力が在るんだぜ」
「だが、本来はあの円盤の様な異星人に対抗する為のモノだ…」
「ショージキ、荒魂とやり合うってだけでもアレだぜ?オレはよぉ、カワイイおんにゃのことお近づきになりたい、だからまあ、荒魂とは戦うぜ?ウチュウジンは御免だ」
「ですが、既に刀剣類管理局は何らかの情報を掴んでいる筈です。もしかしたら僕たちの事も調べられるかも……」
「……燕……先輩、あんたは何か他に目的が有るんじゃないのか…?」
「?!」
4人が意見をぶつける最中、脈絡無く龍悟が戒将に尋ねる。戒将は思わず返事に詰まる。
構わず、龍悟は続ける。
「…俺達は、動機の大小はあるだろうが、皆…刀使の為に戦う事を選んだ……ならば迷う事はあるまい…?」
「そうだぜ!俺達が戦えば刀使が傷付くことも減るだろうし、宇宙人だって俺たちは倒せたじゃないかよ!」
「ぬぅ…、未だ心の迷いは晴れぬが……俺も家族の為にこの技術を欲している。ならば、覚悟するより他に在るまい」
「此処の設備を使えば、荒魂に関する研究も大幅に進むかもしれません。異星人に関してもデータを集めれば役に立つかも…」
龍悟と焔也に諭され、戒将と翼沙は覚悟を決めた。しかし、申一郎だけは渋る事をやめない。
「オイオイ、正気か?下手したら……下手しなくても一歩間違えば死ぬかもだぜ?」
「…強制はしない」
「もう、いい時間です。今日は解散しましょう。1人になって考える時間も必要みたいですし……」
龍悟が述べ、翼沙が総括する。
「帰るっても、どうすんだよ?」
≪こんなことも有ろうかと♪≫
焔也の疑問に、管理者がいきなり声を掛け皆驚く。
≪このダグベースの転送装置で君達を望む場所に送ってあげよう!≫
「そんな事まで可能なのか!?此処は…」
「なら、トットと帰ろうぜ…色々あったせいで疲れちまった」
こうして、5人其々の想いを秘め、ダグベースを後にしたのだった…。
続く
次回予告(BGM:輝け!ダグオン)
…六角龍悟だ…。
未だ揃わぬ俺達の心、しかし敵はそれを待ちはしない…。
ブレイブ星人は言う。俺達には異星人と戦う為の切り札が有ると……。
次回"刀使ノ指令ダグオン"
覚悟の証。己の答え
…次回も…"トライ…ダグオン"!
以上、五話でした。
後、2話くらいダグオン側をやって、刀使ノ巫女本編に入りたいと思っています。
まあ、アニメよりもとじとも拠りかもしれませんが……。
とじともと言えばミホっち、ミホっちと言えば…加州清光ですね。私的に加州清光と言えば、某擬人化作品のオシャレ男子ではなく、もう一つの擬人化作品、吐血(特に持病とかじゃない)する方の可愛らしい茶房の美少女店員の方が印象が強いです。
それではまた次回、御逢いしましょう。