刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 おはようございます。ダグライダーです!
休みです、最近は睡眠の後、漫喫でダグオン見てます。
 何故って?ほら一応原典の技の使用法とか融合合体のシークエンスとか、ニコニコやYouTuberの切抜き動画だけじゃ分かんなじゃないですか。取材ってやつです。

 ところで伊波ちゃん実装したんだから早く北斗さんも実装してくれませんかねとじとも運営



第四十六話 エデン始動。束の間の平穏

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 ノロを吸収し凶悪化したジェゲンガ星人、しかし復活したライアンによって完膚無き迄に叩き伏せられる。

 ダグオン達の勧誘にも説得にも応じないライアン。

 そして、調査隊もスルガとの戦いを終え和気藹々としていた……しかし智恵とミルヤは険悪な雰囲気となる。

 沫や仲間同士で戦う事になるかと言う時に現れるヘリ、そしてそのヘリに乗り合わせていた人物、それは──

 


 

 互いに胸の内に抱えるモノの為、一触即発となる瀬戸内智恵と木寅ミルヤ。

 それを必死に止めようとする安桜美炎。

 六角清香、七之里呼吹、そしてダグオン達とライアンが見つめる中ヘリにて現れ2人を止めた綾小路武芸学舎学長、相楽結月。

 「そこまでだミルヤ。長船の君も刀を納めるように」

パンツスタイルのタイトスーツに身を包んだ怜悧な美女それが彼女である。因みにこう評したのは申一郎である(但しストライクゾーンからは外れる)

 調査隊の前に姿を晒した彼女はその怜悧な顔のまま、ゆっくりと歩み寄り、腕を胸元で組みながら調査隊の面々を一望した後ミルヤと智恵の諍いに割って入る。

 その際、調査隊より奥に居たダグオン……と言うよりライアンの存在に彼女の鉄面皮顔が僅かに崩れそうになったが、それを飲み込みミルヤの手にある赤羽刀を見つめ──

 「……そう、それが南无薬師景光……大荒魂に対する切札…。良くやったミルヤ、すぐに研師に再生の工程に進めろ」

 「……………」

そのまま話を進める結月に智恵は無言のまま、嫌疑の視線を向ける。

 「そう怖い顔をするな。この件については、君の学校の真庭学長とも話が着いている」

 「うちの学長と……どういう事です?」

結月からの報告に智恵は驚きを露にする。それをお構い無しに彼女はこの場にいる全員に言い聞かせる様に言葉を発する。

 「皆も良く聞け。この世界には今、大荒魂が深く根を張っている。恐らく…これまでに人類が遭遇したどの大荒魂よりも巨大で……強大な荒魂といっていいだろう」

 結月のこの発言にダグオンとライアンが僅かに反応を示す。無論、結月も調査隊もそれには気付かなかったが。

 「相楽学長?一体何を……」

ミルヤとしても己が属する学校の最高責任者が唐突に口にした事に真意を測りかねている。

 「おかしいと思った事はないか?」

ミルヤの困惑を余所に結月は語る。

 昨今見られる急激な技術の進歩や革命、それこそ刀使にとっては最早当たり前となったS装備(ストームアーマー)等、人類の手だけでは成し得ないオーバーテクノロジー。

 フリードマンも可奈美達に語っていたが、それら全てに大荒魂が関与していると言う事実を調査隊に語る結月、その話はダグオン達にも聞こえているのか、彼等も彼等で言葉を交わす。

 

 「……おおよそ俺たちの知る事情通りか」

 「ってかヨ、あの人一応、折神家側じゃネェノ?」

 「その筈……ですが、我々が思っている以上に一枚岩ではなかったようです」

 「はぁ~……あれが綾小路の…生で見るとおっかねぇなぁ……(うちの学長が羽島学長で良かったぜ…)」

 「………(相楽学長…貴女の思惑は何処にある……)」

 エンだけが別方向にモノを考えているのはご愛嬌と言うヤツだ。

 そしてカイはマスクの下でとても複雑な顔を浮かべる。彼からしてみれば相楽結月は恩師であり、同時に敵になり得る存在なのだからその胸の内は計り知れない。

 そうこうしている内に、調査隊と結月の話し合いが終わりに差し掛かる。

 「──君達には残りの赤羽刀を探し、その中で本物の南无薬師景光を探して貰いたい」

 どうやら調査隊の任務は続行。今回獲た南无薬師景光は写し、本物の南无薬師瑠璃光如来景光を探す事が次の彼女達の任務になるようだ。

 「それから瀬戸内智恵」

 「……はい」

確認が取れたらしい智恵が結月に呼ばれる。

 「この御刀を君に預ける。研ぎ出しはミルヤに任せて構わない」

 「信頼の証として……いえ、コレを引き替えに信用しろ、と言う事ですか?」

 「そう取って貰って良い。それでも信用が出来ない様なら……彼等に預けるのも1つの手だろう。……それでは私はこれで」

 結月は智恵に南无薬師景光を預ける事で、疚しい事は無いと証明にする、そしてダグオン達に首を向け、尚も信用が出来ないのであればダグオン達に預ける事も選択肢にあると言い残し、研究所跡を去っていった。

 残された者達の中で最初に口を開いたのはミルヤ。

 「……瀬戸内智恵さん、私は………」

ミルヤとしても告げられた事情にまだ思考が追い付いていない中、何とか智恵に対して言葉を捻り出そうとする。

 「………………」

そんなミルヤの態度に智恵もまた何を言おうか躊躇し息を衝く。

 「……はぁ。やられたわね…すっかり毒気を抜かれちゃった。この形じゃ、これ以上いがみ合う訳にはいかないもの。とりあえず休戦ね」

 「はい、それはとても嬉しく思います」

智恵の提案にミルヤも笑顔で頷く、剣呑険悪な雰囲気が霧散した為、清香が声を挙げる。

 「やりました!」

 「え、なに?何いきなり?!」

 「んだよ、うっせーよ!?」

これには美炎と呼吹も驚き目を剥く。

 「七之里さんは嬉しくないんですか?」

 「はぁっ?!別にうれしかねぇっての!」

 「わたしは嬉しいです。ふたりが仲直りしたことも、もう少しみんなで一緒にいられる事も。せっかく仲良くなれたんです。もっと一緒にいたい、そう思うんです」

 どうやら清香にとってこの調査隊は価値ある物となったようだ。

 「ハッ…バカバカしい」

 「そんなことないです。わたし……ほのちゃんも、智恵さんも、ミルヤさんも大好きです。勿論、七之里さんも!」

 呼吹の一蹴を否定し呼吹を含めた調査隊という居場所が好きだと言う清香、それを聞いたリュウは誰にも聞こえぬよう笑う。

 「だってさ、ふっきー!良かったね仲間外れじゃなくて!」

 「ああん?なんだてめ、ふっきーだぁ?!馴れ馴れしく……「あれえ?最初にふっきーって呼べって言ったのふっきーだよぉ~?」…ぐっ…!」

 美炎から渾名で呼ばれ逆上しかけるも、出逢った当初に自ら言っていた事をほじくり返され言葉に詰まる呼吹。

 そこへ智恵が保護者として2人を宥める。

 「はいはい、二人ともそこまでね」

 「はーい」

 「……おう」

子供の様な返事を返す美炎と、ビンタされた事が何かを変えたのか素直に返事をする呼吹。

 「ふふっ♪それよりも……いつまでもこんなところにいても何だし、赤羽刀の回収は本部の人達に任せて、わたしたちは撤収しましょう。とりあえず、本部に向かうのが筋だけれど……まずはお疲れ様で、甘いモノでも食べて行きましょう?駅前のクレープ屋なんていかがかしら、ミルヤ隊長?」

 そんな妹分達の返事にご機嫌になりながら一先ずの提案をミルヤに具申する智恵。

 「それは……良いですね!では、改めて。調査隊!クレープ屋を攻略しに行くぞ!」

 

 「「「おーっ!!!」」」

 

 「……応」

 

実に女の子らしい提案と返事、実に和気藹々とした空気にダグオンの若者達もマスクの下で笑顔になる。

 しかし彼は違ったようだ。

 『茶番劇は済んだようだな、私は行く。ここに私の使い手に相応しい者は居なかった……去らばだ、人間達、次に合間見えた時、邪魔をするようならば容赦しない』

 そう言うとライアンは跳び、剣となって飛び去っていった。

 「ナァンダァ…あのヤロウ、せっかくの空気をブッ壊しやがって」

 「……俺たちはどうする?あの剣が自らの意思で動く以上、追ったところで聞き入れないと思うが……」

 「仕方ありません。一度帰還しましょう、彼の事もありますし」

 シンがライアンの去り際の科白に反発を抱く、リュウがダグオンのこれからの方針を如何にするかを口にする、ヨクは帰還を提案し撃鉄へと視線を飛ばす。

 「そうだな、最早此処で我々に出来る事は無い。帰還する他に無いだろう」

 カイとしてもヨクの提案に異論は無い。そうと決まれば彼等の行動は早い。

 寝かせていた撃鉄をエンが担ぎ上げるとそのままファイヤーストラトスの後部座席に乗せる。

 しかしそれを見たミルヤが彼等に声を掛ける。

 「お待ち下さい。彼……田中撃鉄氏をどうするおつもりです?」

 「このままここに置いとくのはまずいだろ?だからこいつは俺達の方で何とかするよ」

 (あのカッコで病院に運ぶのかな?)

 (どうだろう……でもそうなんじゃないかな)

 (ちょっと想像しちまったじゃねーか)

ミルヤとエンのやり取りを聞いた三人娘がこそこそ話し合う。

 「宜しいんですか?撃鉄さんをそちらに任せてしまっても…」

 智恵としても何だかんだ気になるのか近くのカイに訊ねる。

 「元々、不慮の事故で此方が巻き込んでしまったのだ。先の戦いの折りは兎も角、これくらいは我々で責任を取らねばな」

 嘘は言っていない。実際撃鉄は山狩りの時から偶然巻き込まれた様なもの、なら今回の事も事故として流し、彼女達からの必要以上の追及を避けねばなるまい。

 ミルヤと智恵も釈然としないモノはある物の、先程までの流れもあるので深くは聞かない。

 

 という訳で研究所の外に出るダグオンと調査隊一行。外に出た瞬間、ガードホークが現れた事に調査隊はまたしても驚愕するが、リュウが指を鳴らしガードホークがカードとなる瞬間を見て更に驚愕する羽目になった。

 そんな彼女達を尻目に、ダグオン達は彼等の間で何事かを話終えると、カイ、シン、ヨクは何処かへと消え、エンとリュウは何事かを叫ぶ。

 「来い!ファイヤージャンボ!」

 「……シャドージェット!!」

その声が木霊してから暫くして、下腹部が既存の物と違う旅客機とF-14戦闘機が現れ、更に側には空を飛ぶ3両の新幹線、最早今日これ以上驚く事は無いと思っていた彼女達はまたしても驚愕する羽目になった。

 「じゃあな、多分またどっかで会うかもな」

エンがそう言い残してファイヤーストラトスに乗り込み、そのままファイヤージャンボの機首が開いたスペースに入り込んだ。

 「……ではな」

リュウも最低限の言葉を残し、空を飛ぶシャドージェットに乗り込み飛び去る。

 そんなダグオン達を見送った調査隊は何とも形容し難い顔であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダグオン、そして調査隊が去った研究所跡の近くの雑木林に蠢く影が1つ。

 「ぉ……ぉぁ……おのれ……下等…種共め…」

それはジェゲンガ星人フィメル、彼女は生きていた。

 生きていたと言っても、その実、何時死んでもおかしく無い状態だ。

 下半身は綺麗に失くなり、這いつくばりながら何とかここまで来たのだ。

 そこへスライムが現れる。

 「ぐぁ……ジェム星人……か、早く…わたしを治療……なさい…そして……わたしは……ワタシの……仇を……」

 どうやら爆散する直前メイルによって切り離され、難を逃れた様だ、しかし咄嗟であった為か完全には切り離されず、こうして無様を曝している。

 「おコトわりします

 「なっ……何だと……!?」

 「アナタタチはワタシのチュウコクをムシしたあげく、ハイボクした。つまり、ジシンのマンシンユエにハイボクしたのです……まぁ、あのキョジンのソンザイはソウテイガイでしたが

 フィメルの前に現れたジェム星人はどうやら置いていかれた方ではなく意思がある分体の様だ。

 

 「コチラはシゴトをオえ、ノコしたブンレツコタイからオクラれたジョウホウでキてみれば、アナタタチはカレらにハイボクしただけではアきたらず、ドクダンでカッテなコトをした、タスけるリユウがありません。あのオカタもドウヨウのイケンです

 告げられる非情にフィメルは二の句が告げない。

 するとジェム星人の分体が大きく揺れる、中から飛び出したのは光の球体。

 球体は現れたと同時に叫ぶ。

 「まどろっこしい!俺が沙汰を下してやる!

 球体が出てきたと同時にジェム星人の分体は体を維持出来なくなったのか消滅、フィメルは突如現れた球体に狼狽えるばかり。

 「な……なんだ…貴様…は…!?」

 「俺か?俺は貴様達の首魁によってこの星に呼ばれたモノだ」

 球体が質問に答えると大きくなる。思わずフィメルが目を閉じる、そして光の晴れた先に居たのは鋼の肉体を持つ全長5メートル強の巨体、碧い外装に鈍い銀の身体を持つ機械生命体。

 「なっ……あっ……」

 「安心しろ、直ぐに相方の後を追わせてやる。俺もこの後任務があるからな!チェンジ!!」

 その掛け声と共に鋼の巨躯が人型から獣の様な形へ変化する。

 「オ゛ォォォッ!」

轟くのは咆哮、それは嘗て地球上に君臨した古代生物。

 毛の色こそ自然界から逸脱した碧色だが、その姿は紛れもなくマンモスであった。

 「凍えて死ね」

その言葉と共にマンモスの鼻から吹き出た冷気、フィメルは抵抗する事も出来ず凍り付く。

 「フンッ!」

氷像となった彼女をその前肢で砕いたマンモスはつまらなさそうに周囲を見回す。

 「こんな星に本当に宝が有るのか…?奴めもし俺達を騙していたら容赦しないぞ……」

 マンモスは誰に向けるとでもなくそう呟くと地面に穴を掘り消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━エデン監獄・特別監房

 「ふむ……堪え性がなかった様だ」

 「そのようですな」

「どうイタしますか?もうワタシのブンタイはナくなってしまいましたが…」

 エデンの奥にあると言う特別凶悪であったり厄介な囚人を収監しているという監房、そこで鬼の異形と白い鋼の巨体、そしてジェム星人の本体が会話を交わしている。

 「構わないよ。君の任務は既に終えている。ジェゲンガ星人も遊びが過ぎたが、最低限の仕事はしてくれた。この荒魂達は彼女に任せるとしよう」

 鬼はジェム星人にそう言うと、ジェム星人を通じて送られて来た荒魂を見る。

 荒魂達は抵抗出来ないのか粘液に絡め取られている。

 「それよりもだ、彼はきっちり任務をこなすと思うかい?」

 鬼が側に仕える機人に訊ねる。機人は暫し瞑目すると…、

 「それに関しては不要な心配事かと……アレは海賊とは言え、傭兵上がりです。此方が対価さえ払えば問題無いかと」

 「なる程、では任せよう。彼の働きによって今後地球上での我々の活動拠点が手に入るのかも知れないからね。さて、その為にもギガロクス、君とガレプテン星人には働いてもらうよ」

 「仰せのままに」

ギガロクスと呼ばれた白い機人が恭しく礼をする。

 「ジェム星人、君は彼の仲間に君が得たデータを渡したまえ」

「ショウチイタしました」

 ジェム星人本体も鬼の指示に従い彼の監房を離れる。

 それを見届けギガロクスもまた外に出る。

 「では私めもガレプテン星人に合流します。チェンジ!!」

 その言葉と共に白い巨体が変わる。彼もまた機械生命体なのだ。

 変形した姿は白く巨大な蝙蝠、彼が飛び去るのを眺めながら鬼は呟く。

 「さてそろそろ我々も動く時だ、何時までもこんな所には居られないからね」

 笑みを携え監房の外を眺める鬼、然る後エデンが鳴動する。

 木星を望む景色が動き出す。どうやらエデン監獄は地球に向け正しく動き出したようだ。

 鬼はそんな事を思いながらジェム星人の粘液に捕らえられた荒魂達を見る、心なしか彼等は自分に脅えている様にも見える…不思議なモノだ、そう考えながら待ち人を待つ。

 

 遂にエデン監獄は地球へ向けて動き出した。

新たな異星生命体も現れ、地球を取り巻く環境は更に混沌とする。

 果たしてダグオン達は地球を守れるのか?そして刀使達の運命は──

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 毎度。青砥館店主、青砥陽司でぇい。

 とりあえずの任務を終えて、意気揚々繰り出したお嬢ちゃん達、その頃舞草の里のエレン嬢ちゃんと薫嬢ちゃん達も祭りを楽しんで…くぅ~羨ましいねぇ!

 そんで例の五人組…青い奴がな~んか色々抱えてるみてぇだが、それも若さの特権よ。

 

 次回、"刀使ノ指令ダグオン"

 舞草壊滅!?悩める若人

 お天道様の雲行きも何やら怪しいじゃねぇの





 はい、出てきましたリデコ敵。
 判る人いるかなぁ……一応トランスフォーマー見てた人なら多分判るはず。
 平成のシリーズだし、碧い方は主役のリデコだし、白い方、割りとまんまだし、蝙蝠と人型形態しか出してないけど他の形態もあるし……。

 とりあえずスルガが終わったので近々マテリアルその2上げます。
 ではまた次回

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