急に影打青木兼元が来たので石を必死に貯めたのに………はい、すり抜けで来ませんでした。代わりに徳善院が来ました。
はい、遅れた理由です。 因みにけっこう前に小竜と鳴狐も来ました。
そしてとじともで来た水着、ユイヤマシロのギャップよ……。取り敢えずミルヤさんと舞衣ちゃんの見事な山峰の為に回します。……先ずは石を貯めよう
前回の"刀使ノ指令ダグオン"
6人の戦乙女が世界の命運を賭け祭殿の最奥へとひた走る。
立ちはだかるは4人の乙女。
自在の戦術を見せる2人が最強にして最凶の天才と刃を交える。
仲間の為に戦う者と己の有り様を刻む為に命を賭して刃を振るう者。
軍配は命を燃やした燕に上がった。
一方で囮となった調査隊、2手に別れた内のもう一方は──
それは可奈美が結芽との刃を交えていた頃。
二手3人ずつに別れ、敵の刀使を引き付ける調査隊。
智恵が率いるA班はしっかりと仕事をこなしている裏側でミルヤのB班も又、その本分を果たさんと行動を開始していた。
「あっちだ!あっちに賊がいるぞ!紫様のお膝元でこれ以上の狼藉を許すな!!」
護衛を勤める警護隊の刀使達が慌ただしく駆け巡る。
「Aチームが行動を開始したようですね。此方も始めましょう」
「は、はい……スーハー…スーハー……」
「くぅ~、緊張して深呼吸してる清香ちゃんか~わゆ~い!お持ち帰りして部屋に飾りたいレベル!」
騒ぎからA班の行動を察知し、ミルヤが自分達も動こうと号令を掛ける。
清香はいよいよ来た大一番の事態に未だ開き直る事が出来ずに深呼吸を繰返し己を落ち着けようとするが由依の危うい発言に目端がひきつる。
「山城由依。どうやら貴女は緊張とは無縁のようですね。実に頼もしい限りです」
「ミルヤさんみたいな美人に頼りにされる日が来るなんて……生きてて良かった~!この感度一生モノにします」
「そのメンタルの強さ…、少し分けて欲しいです……」
「メンタルどころか、清香ちゃんになら身も心も魂もぜーんぶ捧げちゃうだけどなぁ」
別に皮肉では無いが由依のテンションと態度はこの緊急時であっても通常運転なので、気負わずに済む分、ミルヤとしても部隊長としては彼女の存在は有難い。
清香も由依のそんな所は感心してしまい、ほんの僅か、出来心で分けて欲しいと口走ってしまう。
それがいけなかった。清香の発言に由依はグイグイと食い付き調子突く、清香としては苦笑するしかない。
「あはは………」
「六角清香の緊張も、少しは解れた様ですね。では行動開始しましょう」
兎にも角にも、由依のお陰で清香の気負いも晴れた。後は囮として役割を果たすだけだ。
と、其所へ新手の警護の刀使達が現れる。
「賊は何処だ!?」
「はっ!?ヤバイ!伏せて伏せて!ほら、早く、見つかっちゃうって!」
それを見た由依が咄嗟に2人の手を引き、近場の草村へと身を隠す。
「何をしている、こっちだ!」
「今いく!」
そうこうしている内に警護の刀使達は他の場所へと消えて行く、それを見送る由依は冷や汗を拭いひと息衝く。
「ふぅ~。危うく見付かるところだった……ナイスあたし!」
何故隠れてしまったのか……正直、職務内容を理解していたのかと小一時間問いたい所である。
これには清香もポカンとして目を白黒させる。
「あ、あれ……え~と?」
「ん?不思議そうな顔してどうしたの?もしかして!あたしに恋しちゃった?いや~照れちゃうなぁ」
本分を忘れたにも関わらずいけしゃあしゃあとアホ面でおかしな事をほざく由依、流石にミルヤも眉間に指を充て苦言を呈する。
「山城由依、作戦内容を理解していますか?我々の目的は敵の注意を引き付ける事。隠れてどうするのです?」
「あっ!そうだった!思わずつい…!ここでドジっ子スキルが発動しちゃうなんて!でも、そんなところが可愛いなんて思ったりしません?」
「………………………」
ミルヤの長い沈黙。その絶対凍土も真っ青な視線に由依は身悶えする。
「ああん!!その虫ケラでも見るかのような冷たい目…、ゾクゾクします!ありがとうございます!!」
「どうしてお礼を言うのか理解不能だよ」
そんな由依の奇行奇声に清香が汚物を見る一歩手前の視線で彼女を見ながらその在り方にドン引きする。
他方、彼方此方で皆が必死になる中でのこのやり取り、ふざけるのも大概にすべきだろう。
「よし。反省完了!次はこれ以上無いってくらい完璧にやっちゃいますから、大船に乗ったつもりでドンと任せて下さい!」
流石に状況は理解しているのか即座に切り替え、次こそはと胸を叩く。
「是非ともそう願いたいモノです。その大船が泥舟で無いことを祈ります」
ともあれ次の機会は逃さず、確りと任務を果たせる事を祈るミルヤであった。
━━同じ頃・折神本家周辺
反逆者達とも、調査隊達とも違う場所で彩り鮮やかな装甲を纏った者達が居た。
「……有難いモノだな。転送装置とは…」
シャドーリュウが時間も掛けず一瞬で到着した事実に改めて関心を呟く。
「……………おかしい、想定座標から大きくズレている……これは大荒魂の影響が出ている……だとしたら……ハッ!エンとシンは!?」
ウイングヨクが転送に設定した座標とのズレに顎に手を充て熟考し、近くに見当たらないファイヤーエンとアーマーシンを探す。
「うっし、着いたな。さぁ~て、さっさと大荒魂をぶっ倒そうぜみんな!…………あ?居ねぇ……」
到着と同時に意気揚々意気込みを口にし腕を大きく上げるエン、しかし周りを見渡せば近くには誰一人居ない。
そこへ、直ぐ近くの塀の影から見知った濃緑のシルエットが歩いて来る。
「おーい!こんなとこに居やがったのカヨ、探したぜ…っても大して離れてなかったみたいなだけどナ」
状況としては切迫しているのだが、ダグテクターの機能にある種の信頼があるのかシンは余裕を持ってエンに近寄る。
「シン!って、ヨクとリュウは何処だ?」
「イネェナ。はぐれたか?少なくともオレの側にはオマエしか居ねぇな……っと」
そんな会話を交わしていると騒がしい足音が近付いて来る。それは本家に残留している警護の刀使達のモノ。
「やべっ?!」
エンが慌てて辺りを見渡し隠れられそうな場所を探す、そして取り敢えず手近な木に実を隠すのだが、ダグテクターの肩装甲がどうしてもはみ出してしまう。
シンは同様に草村の方に隠れたのだが此方も些か存在感の主張が激しい。
「こちらから話声が聞こえた、まだ近くにいる筈だ。探せ!」
数人の刀使達が辺りを捜索し始める。そして勿論、エンの赤い装甲は夜間でもそれなりに目立つ。
「そこに隠れている奴、何者だ?!出てこい!」
(だぁー!見付かったぁぁあ!どうする、下手にやり合う訳にもいかねぇし逃げるにしたってせめて人数がもう少し少ないか、距離でもありゃ撒けるんだが……)
心中でごちゃごちゃと思考しながら直ぐ隣のシンに視線を向ける。すると色だけは草村に溶け込んでいたシンがしょうがねぇなとばかりに首を振り立ち上がる。
「お、おい?!」
そんなシンの行動に目を剥くエン、構わずシンは刀使達の前に躍り出る。
「な、何だこいつは……」
「あれって…報告にあった…?」
「奴も反逆者の手の?」
反逆者を予想していた彼女達は、予想とは違うダグオンの存在を前に狼狽える。
そんな彼女達を尻目にエンはシンが何をする気なのかと声を掛ける。
「どうすんだよ、姿を見せて?!」
「まぁ、見てな。ヘイ、カワイコチャン達!そんな物騒なモンしまってオレと夜のランデブーに繰り出そうゼ!」
(ナンパかよ!?しかもその姿で!?アホじゃねえかこいつ!)
思わず心の中でツッコミごちる、そして当のナンパされている刀使達もあまりに突然の出来事に茫然自失となってしまう。
「はっ…!ええい、ふざけるな!引っ捕らえろ!」
「アチャー、やっぱダメか」
「てめぇざけんな!!」
正気に戻った1人の刀使の声により呆けた刀使達が再び気を引き締め御刀をエン達に向ける。
そしてナンパが失敗した事に額に手を充て仰ぐシンを前にエンが怒鳴る。
「しゃーねぇ、こうなりゃ最後の手段だエン!」
「ちっ、戦うっきゃないってのかよ?!」
「アホ抜かせ。オンナノコ相手にガチでやるワケねぇだろ、ここは三十六計逃げるんだヨォ~!」
そう口にした次の瞬間、刀使達に背を向け駆け出すシン。そんな彼を見てエン、そして警護の刀使達は再び呆けてしまう。
「……………って、俺も逃げなきゃやべぇ?!」
「あ?!待て!!逃がすかっ!」
いち早くシンの行動に己を取り戻したエンが慌てて彼を追う。
そんな彼等を刀使達もまた慌てて追い掛ける。
どうやら此処にも切迫した状況の中、ふざける余裕がある者が居たようだ。
再びBチーム。
先程隠れてやり過ごしてしまった反省を背に、山城由依は次なる獲物が現れる事を待ち望む。
「敵はどこ?紫様に仇なす輩は、わたしが必ず退治してみせる!」
と、そこへタイミングが良いのか悪いのか、
「おっ!カモが来た!チャンス到来!」
それを発見した
「だ、誰だ!?」
「誰?もちろん、君の運命の相手だよ仔猫ちゃん。あたしを探してたみたいだけど…デートのお誘いとか?……だとしたら、答えはYESだよ。さぁ、一生心に残る思い出を作ろうよ!遠慮はいらないよ、この胸に飛び込んでおいで!」
前半は声を作って所謂イケボ風なのだが後半から欲望が抑えきれずグヘヘと聴こえて来そうな息遣いと共に刀使へと迫る由依、と言うかもう手をワキワキさせて目を光らせている様はどれだけ控目に言っても変質者以外の何者でもない。
「へ、変態よっ!みんな、ここに変態がいるわ!!出来るだけ多くの手勢を集めてちょうだい!!」
極めて妥当な意見と判断である。
ともあれ、過程はアレだが目論見の通り警護の刀使達がわらわらと集まってくる様に由依はガッツポーズと共にミルヤ達へ振り返る。
「やりましたよ、ミルヤさん!作戦成功!!」
「その様ですね」
ミルヤとしても実際、敵が此方に集中してくれるのは有難いので由依のアレな行動には目を瞑る。
そして長船組が結芽と戦闘を始めた頃、遅れてターボカイが折神家の地へと降り立つ。
「む、騒がしいな。既に状況下か、しかし、皆が居ない…それに此処は……確か正門近くに設定した筈だが……」
カイが降り立った場所は祭殿近くの山なりになった中間、明らかにズレた場所に出た事に戸惑いつつも皆と合流すべきだろうと考え、通信回線を開く。
「こちらカイ、遅れて済まなかった。今、折神家敷地内に到着した」
『カイ!今どこに?!』
するとヨクが応答に出る。その声は些か焦りが見てとれる。
「恐らくは最奥の祭殿に続く道の雑木林と思うが……」
『…!やはり、カイの座標もズレていましたか。いえ、そんなことより上空を最大望遠で視てください!』
ヨクが奇妙な事を言うので、言われた通り空を眺めるとキラリと光る黄金の煌めきが映る。
「アレは……ライアンか!?」
『はい。そして恐らくは大荒魂を倒しに……いえ、滅ぼしに現れたのだと思います』
「不味いな、あの質量が祭殿に突っ込むだけでも大騒ぎだが……下手をすれば刀使達も巻き込みかねん」
『ええ、ですので今、リュウに対応してもらっています』
「道理だな。解った、其方に合流しよう。エンとシンも一緒か?」
『いえ、どうやらあの二人も別に跳ばされたようです』
「……………。いや、了解した。其方で二人に呼び掛けてくれ。此方でも合流のついでに探しておく」
『解りました。宜しくお願いします』
ヨクとの通信を終えるカイ、その視線を上空から門の方へ向け直すと彼はレーダー機能を立ち上げながらはぐれた仲間を捜すために行動を開始した。
━━折神家上空
黄金の剣が屋敷の敷地を一望する様に空に浮遊している。
『ここか……ここにヤツがいる…ふ、フフフ……この時をどれ程待ち望んだ事か!タギツヒメ…私がこの手で滅ぼしてくれよう』
身に刻まれた荒魂に対する深い憎悪の念が彼を本来の役割から遠く離れたモノに変える。
いざや恐らくは大荒魂が居るであろう建物に向け刃を定め、突進しようかと目論んだ瞬間、彼の前に大きな翼をはためかせ立ち塞がる影。
『何者だ?どけ、邪魔をするな!』
自らの出鼻を挫いた存在に苛立ち気に声を掛ける。するとその影からどこかで聞き覚えのある声が返ってきた。
「…悪いが、今貴様に暴れて貰っては困る……」
声の主はガードホークの背に立つシャドーリュウ。彼は剣の状態のライアンに向け静かに告げる。
『知った事では無い。そして言った筈だ、私の邪魔をすれば敵と見なすと』
憤りを顕しながら人型に変形するライアン。ガードホークに向けライアンバルカンを放つ。
それをリュウの意思を読み取りかわすガードホーク、ここにまさかの対決の火蓋が切って落とされた。
そして遥か空の彼方より悪意ある異形の集団が群れを成して降り注がんとしている事はまだ誰も知らない。
続く
次回予告(BGM:輝け!ダグオン)
どもども~!山城由依です!
いやぁ~、可愛い女の子一杯のこの状況…控え目に言って天国ですよね!?
なんか空が騒がしい気もしますけど、気にしなーい。
さてさて、突入した舞草の人達、その中で親衛隊の皐月夜見さんと戦うお二人!いやぁ可愛いですね~、是非ともお近づきになりたい!
次回、"刀使ノ指令ダグオン"
鎌倉決戦。黙する忠義VS想い温かな友情
はぁ~、糸見さんと柳瀬さんの睦まじい仲……尊い
次のライダー、やっと正式発表されましたね。
取り敢えず東映はプロデューサーと脚本・演出、現場とのやり取りもうちょと改善してくれる事を願います。
ええ、期待してます。こんなご時世ですからね、大変でしょうが、頑張って頂きたい。
Re:RISE盛り上がって参りましたぁぁあ!!