刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは、夕飯時のダグライダーです。
 あかりんご可愛いいんご!
 さて、スマホの電池がそろそろヤバい気がするこの頃、でも交換に出すと暫く執筆もアニメ観賞もゲームも出来なくなるんですよねぇ。
 あー、早く融合合体編書きたいなぁ。




第五十七話 混迷必死!?人類対荒魂対異星人。

 前回の"とじダグ"!!

 ちょり~!ダグベースからお送りするよ~。

 やったねかいちん!ゆめっちにオクスリ投入セイコー!調査隊もはなちーを加えて戦力アップだー!!

 したらなんかさー、空から降ってくんぢゃん?

 あれ?もしかしてヤバい系?ダグメンズめっち頑張れし!!

 

 (こやつは何を一人でぶつぶつ言っておるんじゃろうか……?)

 


 

 獅童真希、此花寿々花を降し最奥の…折神紫が居ると目される場所へ駆ける可奈美と姫和。

 道中、外から聞こえる騒音に些か気を取られつつも、目立った妨害もなく、彼女達は遂に目的の場所へ辿り着く。

 「雰囲気が変わった…」

 「多分ここが……」

今までの場所と異なり明らかに自然に出来た洞窟の洞に儀式を行うために人の手が入ったのであろう神聖な場所。此処に目当ての人物が居るとはっきりと解る。

 「戻って来たか、幼い二羽の鳥よ」

 その目当ての人物、折神紫……の姿をしたタギツヒメが奥の暗闇から姿を現し、身構える2人にその姿を晒し彼女は告げる。

 「巣立ちを向かえたか。未だ雛鳥のままか…。剣をもって証を立てるがいい」

 灯籠に照らされたその顔は不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 一方、結芽が去り暫くは野晒しのまま倒れ臥していた薫とエレンは起きて早々軽口を叩きながら祭殿がある山を見据える。

 するとどうだろう、祭殿から少々外れた下方側で見慣れぬ2体の巨人がその鋼の体を奮い激しくぶつかり合っているではないか。

 「おい!みろ!エレン!!ロボットがデスマッチしてるぞ!!」

 「オー!激しい殴り合いデスネ、でも薫?今はそれどころではアリマセンよ?」

 ダグファイヤーとライアンの闘いに興奮気味の薫(とねね)に対し、驚きはあるものの極めて冷静に諫めるエレン。

 「クソッ!こんな状況じゃなけりゃ観にいくのに!!」

 「そもそもアレは薫の守備範囲に入るんデスカ?」

渋々ながら皆の跡を追い始めた薫と、彼女の特撮趣味にダグファイヤーは入っているのかと疑問を挟むエレン、その間も2体の巨人による闘いは激しさを増す。

 「ああ?あのロボットは例の連中の奴だろ、なら最終的に他のマシンと合体して更に巨大になるからアリ。あー、くそ!ここからじゃ何言ってんのか解らん」

 「ねー」

 薫の何言ってんだと言う顔と返答に苦笑しながら先へと歩みを進めるエレン、チラリと見えたが彼の巨人達の片割、赤い方は成る程確かに例の動画に出てきたロボットだと納得し彼等の存在を留意しつつも仲間の元へ痛む身体を推しつつ進むのであった。

 

 

 

 

 

 そしてその件の彼等ことダグオン達はダグファイヤーとライアンの決着を見守りつつもカイを除く3人は周辺の荒魂を掃討していた。

 「……どうやら、無事に勝ったようだな…」

手裏剣を放り、クナイを剣の様に振るいながら白兵戦を演じるシャドーリュウ。

 「取り敢えずは一安心でしょうか?」

クリスタルブーメランを手に、刀の如く振り回しながら荒魂を蹴散らすウイングヨク。

 「ま、カワイコチャン達が瓦礫の下敷きになるような結末は防げたわな」

 アーマーライフルを構え、群がる荒魂を続々と撃ち抜くアーマーシン。

 とそこでヨクのダグテクターが新たな反応を検知する。

 「!…これは、一つ、二つ………上空から新たに七つの反応?!まさかエデンの宇宙人!!?」

 「ハァ?!オイオイ相変わらずトウトツ過ぎんだろ!?空気読めよ!」

 「…奴ら、何処に落下する?」

ザゴス星人を乗せた突入艇の存在に今の状況を考えろと言わんばかりに憤慨するシンと連中が何処を目指し落ちてくるのかとヨクへ問うリュウ。

 双方の声を聞きながら突入艇の落下予測範囲を計算するヨクはその結論を前にダグファイヤーへ声を飛ばす。

 「ダグファイヤー!!敵です!エデンから新たに宇宙人が送り込まれて来ました!内三つ、ここに墜ちてきます。狙い撃って下さい!!」

 ヨクの悲鳴にも似た叫びに答えるより早くファイヤーブラスターを構えるダグファイヤー、彼の眼には赤熱化した突入艇が映る。

 3、2、1…と後高度数百メートル過ぎればブラスターの射程に捉えられるという所で、突入艇に限界が来たのか装甲が剥離しバラバラに散らばり始める。

 『まずい?!』

 射程には足りないが咄嗟にブラスターを連射するダグファイヤー、幾つか手応えがあった気もするが大多数はそのまま落下を許してしまう。

 ザゴス星人は大体が人間と同等程度の大きさな為、最早こうなってしまえば何処に落ちたかは解らない。

 『悪い、撃ち落とす前にバラけちまった。多分いくつかやったと思いたいが……』

 「………奴ら既に四方に降り立ったか……」

 「オイオイ…マズイだろ、この辺りに降りて来たって事はダゼ、まだあの辺なんかで戦ってる娘達に連中が襲いかかって来るってことだろ?!ヤベェ!こうしちゃいられネェ!」

 自分で答えを半ば言ったかと思えば慌ててザゴス星人が降り立ったと思われるポイントへ飛び出すシン、ヨク達が制止する間も無く消えていった。

 「ああっ……!仕方ありません。リュウ、僕達はシンとは別の地点へ向かいましょう。恐らく星人達はいくつかの塊で行動しているはずです。それと君にはこちらの敵を片付けた後、横須賀へ向かって下さい、恐らくはあそこにも一つ、落下しているはすです。僕達も片付き次第向かいます、頼めますか?」

 「……承知した。で、あるならばこちらの戦力……警護の刀使が多い地点へ援護に向かうのが道理か……」

 ヨクの説明に納得すると即座に動くリュウ、残るはダグファイヤーとヨク、そして倒れ気を失ったライアンのみ。

 「では僕も行きます。カイには此方で連絡をしておきます。ダグファイヤーは疲労が抜けたら融合解除してタギツヒメへ向かって下さい。流石に全員が連中の対応に追われる訳にはいきませんからね」

 『あ、ああ。すまねぇ』

 片膝を着きながらヨクへ謝罪するダグファイヤー、そんな彼に軽く頷くとヨクはエレン達が向かった方向へと跳び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━折神家山道・Aチーム

 葉菜を加え、襲い来る刀使達を撃退していた彼女達は途中現れた2体の巨人の戦闘に我を忘れたかの如く見入っていた。

 「はぁ~、あれが例の謎の戦士ダグオンですか……何と言うか……色々スゴいですね」

 初めて見るダグオンに感嘆の声を挙げる葉菜。

 「戦ってた相手はあんときの剣の奴か……そういや荒魂ちゃんの事で連中と揉めてたな」

 「そうね……多分それが諍いの原因なんでしょうけど……美炎ちゃん?」

 「………………………………………………格好いい…」

 葉菜を他所に、二度目の目撃となるダグファイヤーとライアンの存在に彼等が何故現れ、何故争っていたのか、端々から聞こえた会話から憶測を口にする智恵、そうして先程から美炎が静かな事に気付き、彼女の方を向けば、暫しの沈黙からそんな言葉が聞こえてくる。

 「美炎ちゃん?!」

 「や、あの…えっと、この状況で不謹慎かもだけど、あの赤い人が変型?したロボット、ダグ…ダグ…」

 「ダグファイヤーだろ」

 「そうそうダグファイヤー!!ありがとふっきー!…とにかくダグファイヤーが言ってた事、詳しい事はよくわかんないけどさ、多分、私達の為に戦ってくれてたんだと思うんだ。後……なんか男同士の殴り合いって感じがしてちょっと格好いいなって…って笑わないでよちぃ姉ぇ!」

 たどたどしく思いの丈を語り出す美炎に思わず笑みを浮かべてしまう智恵、辺りの空気が弛緩したと思ったその時、ガサゴソと草むらから音が立ち響く。

 「「「「!?」」」」

 飛び出し来たのは中型の荒魂、しかしどういう訳か躰からノロを撒き散らし傷付いている。

 「おっ?!荒魂ちゃんじゃねーか……あん?」

いの一番に現れた荒魂に反応し、しかしその荒魂が深傷を負っている事に目敏く気付く。

 「あの荒魂……何かから逃げて来たの…?」

 智恵が荒魂の来た方向と状態から類推を口にしたその時、荒魂が現れた方向から新たに大量の気配が出現する。

 「な、何?!」

 「なんか…来る…!」

 いきなり目まぐるしく替わる状況に葉菜が驚きの声を洩らし、美炎は新たな闖入者の存在をつぶさに感じ取る。

 

「ギギッ!!」 「ギャギ!」 「ギシッ」 「ギィ…」 「ギョギギ」 「ギギ」

 

 そうこうしている内に荒魂を傷付けた存在が1体2体…果てはゾロゾロ溢れ、荒魂を倒してしまった。

 「なに…あれ……虫のお化け!?」

 「一匹見掛けたら三十匹ってか?ゴキブリかよ……」

 「寧ろアリじゃないですか?」

 「そんな事より、みんな気を付けて!相手はわたし達も敵として認識しているみたい」

 自分が感じ取った気配の存在が人間型の虫の化物である事に若干引き気味の美炎と1体目が現れてから次々増えたソレに害虫を思い浮かべる呼吹、流石にその例えは如何なモノかと視線で抗議しながら蟻ではないかと意見する葉菜、そして智恵はそんな異形達が荒魂だけでなく自分達も標的にしている事を察し皆に警戒を促す。

 

「ギィ…!」

 

 「っ?!倒れた刀使の方にっ!!?」

しかし彼等は意識のある彼女達よりも、彼女達と戦い敗れ倒れた刀使を優先し襲い掛かった。

 「ダメっ!間に合わない!!」

 よしんば迅移で間合いを詰められても数を対象出来ない、それもあって思わず目を逸らしてしまいそうになる智恵。だが彼女が想像する様な悲劇は1人の影により防がれた。

 

 「シャドォォォ手裏剣ッ!」

 

 空より降り注ぐ大量の手裏剣が自分達や倒れた刀使を避け、虫の化物達に突き刺さったのだ。

 「これって…!」

 その光景を見て美炎はダグオンが助けに来た事を理解する。

 「……ザゴス星人か…、遠路遥々、ご苦労なことだが刀使達に手は出させん……。早々にお帰り願おう!」

 影の名はシャドーリュウ。Aチームの目の前に降り立った彼は颯爽と構え虫の化物…ザゴス星人へ啖呵を切った。

 

 

 

 

 また一方で同じ様にザゴス星人が現れ混沌とした戦場がある。

 御前試合に使用された大間の庭園で悲鳴と怒号が飛び交う。

 「まさか…荒魂に続き謎の化物とは、思いの外厄介な事になりましたね」

 木寅ミルヤがそんな戦場で襲い来る荒魂やザゴス星人を相手取りながら苦々しく溢す。

 「ミ、ミルヤさん!この怪物って…!」

 六角清香が若干涙眼ながら自分に迫ったザゴス星人を何とか斬り伏せる。

 「ええ、間違い無いでしょう。恐らくは彼等が相手取っている件の宇宙人達かと」

 そんな清香の質問にミルヤもまた自分へ襲い掛かったザゴス星人を斬り倒し答える。

 「ひぃぇええっ?!何ですか?!この虫のお化けは~!!」

 山城由依だけは状況がよく理解出来ず蛍丸を振り回しながら荒魂、ザゴス星人双方を吹き飛ばす。

 彼女達と戦っていた警護の刀使達も荒魂に続き現れた謎の異形に更に混乱するばかりで隊列が乱れる。

 「そこっ!隊列を乱すな!敵の数に圧されるぞ!」

「は、はいっ!」

 すかさずミルヤがそんな彼女達に指示を飛ばす。それを受け素直に返事をし従う警護の刀使、その状況に恐らくは彼女達側の隊長各が慌てて突っ込む。

「何故反逆者が指揮を執ってるの!?」

 「おや?申し訳ありません。貴女方も混乱していたようなので私が代わりに指示をしてしまいました」

 いけしゃあしゃあと涼しい顔でけろりと言ってのけるミルヤに警護側の隊長各もぐぬぬと歯噛みする。

「くっ…、反逆者の癖に……」

 「…とは言え数が多いですね、荒魂とも争ってくれているのでそこまで苦戦はしませんが、孤立してしまえば厳しい。せめて何か1つ大きく戦局を変える何かが欲しい」

 憎まれ口を叩きながら警護の刀使達が持ち直したのを確認し自分達の方に集中するミルヤ、しかし如何せん数が多い相手に対し此方は一枚岩とは言い難い状況、更には荒魂も変わらず此方に襲い来る。

 「せめて……」

 せめて、荒魂と異星人を一度に大量に倒す事が出来る手段があればと心の中で独り語ちるミルヤ、そんな彼女の心中を天が察したか、求めていた手段が気軽な調子で現れた。

 「オラオラオラ!世界中の全てのカワイコチャンとオネーサマの為!邪魔だ荒魂ドモにアリヤロウドモ!」

 アーマーライフルを両手で構えながら背中を見せた刀使に襲い掛かったザゴス星人や隙を見せた刀使に殺到する荒魂を蹴散らすアーマーシン。

 理由ともかく、地獄に仏とはこの事かとミルヤは思った。

 「助かりますダグオン」

 「ヘイ!オレの事はアーマーシンと呼んでくれよクールビューティー!」

 「良いでしょう。(…この軽薄さ、誰かを思い出しますね)アーマーシン私達と共に此処を切り抜けるのを手伝って頂きます」

 「オーケーオーケー。コッパ荒魂とザコ星人なんざあっちゅうまに倒してやらぁ!」

 

 「清香ちゃん清香ちゃん、何者なんですかあの人?

 「ええっと……味方だよ?一応…あはは…」

ダグオンを初めて見る由依が清香の制服の裾を引っ張りながら小声で訊ねると、どう説明して良いのか解らない清香が苦笑しなが由依の疑問に答える。

「あーっ!!?貴様あの時の不審者ぁ!!」

 するとシンの登場に警護の刀使の1人が大きく声を挙げて彼を指差す、そう、彼女こそはエンとシンが折神家に現れた時、シンにナンパされた刀使なのであった。

 「ハハッ!あん時のカワイコチャン、これが終わったら良かったらデートしなあい?」

 それをザゴス星人相手にしながら余裕で返事をするシン、流石にこれにはこの場の全員も呆れる……いや1人例外が居た。

 「なっ?!なんて羨ましい事ををを!あたしも美少女とイチャイチャしたい!」

 山城由依(へんたい)である。

 「由依ちゃん……」

 「山城由依…貴女という人は……」

 清香とミルヤの由依を見る眼が一層冷たくなる。

 「はぁあん!二人の冷ややかな視線が効くぅ~」

 「ヘェ、何か知らんけど面白カワイイのがいるじゃあねえの、ま、オレのストライクゾーンからは外れっケド。き…じゃねぇやクールビューティー!敵さんをなるべく一ヵ所に集めてくれ!したら一掃してやるぜ?」

 2人と由依のやり取りを笑いながら敵を倒すシン、そのままミルヤに提案をする。

 「分かりました。六角清香、山城由依、貴女達は正面の荒魂を上手く中央に押し止めて下さい。他の皆も聴け!今は互いにとっても無視出来ない脅威がいる以上、我々で争うのは危険だ!各員は連係して異星人と荒魂を中央へ押し集めろ!後はそこの彼が何とかする」

 先程まで敵対していた警護の刀使にも声を挙げて指示を下すミルヤ。流石にこの場の全員も反逆者がどうこう言っている場合では無いと理解してか素直に従う。

 皮肉な事にザゴス星人の登場により彼女達は呉越同舟相成ったのだ。

 

 

 

 

 

 そしてさらにもう一方、先に進んだ可奈美達を追う薫とエレンの前にもザゴス星人が立ちはだかっていた。

 「ええいっ!何なんだコイツらは!?」

 「謎のクリーチャー…以外に言い表せマセン、確かなのはこちらに友好的な存在では無いと言う事デス」

 既にS装備は時間超過で消滅した。現在の彼女達は自身の持つ精神力で写シを張っているのだ。

 「こんなとこで足止めなんて冗談じゃねぇ!」 「ねーっ!」

 「一体一体は大した脅威ではアリマセンが、数が厄介デース」

 前から後ろからわらわらと沸いてくるザゴス星人に薫とねねは辟易し叫ぶ、片や冷や汗を貼り付けながらも表面上はおどけて余裕を見せるエレンはしかしやはり数の暴力には如何ともし難く脳細胞をフル回転させながら打開策を考える。

 そんな孤軍奮闘している彼女の願いを聞き届けたのか冷気が暴風となって背後のザゴス星人を凍結させ砕いた。

 「何デス?!」

 「今の…前にも」

 「ねねっ!ねー!」

ザゴス星人達を砕いた吹雪にエレンは疑問符を浮かべ新たな敵かと緊張するが薫の方は以前にも石廊崎を目指すべく伊豆の山中で似た状況を思いだし、ねねが壁面の屋根を指差す。

 見ればそこに立つシルエットは月光を反射する水晶のような意匠を纏った白い装甲、ダグオンのウイングヨクが結晶のブーメランを手に立っていた。

 「やぁ、またお逢いしましたね」

そう言うや否や、屋根から飛び降り、エレン達の近くに降り立つ。

 「居るのはアレで判ってたが……まさかまた助けてくれるとはな」

 ダグファイヤーとライアンの一件を観ていた為、他のメンバーも居るだろうと予測していた薫が何時もの調子を取り戻してヨクへ馴れ馴れしく語る。

 「異星人は僕が相手をします。貴女達は急いでいるのでしょう?露払いしますよ」

 赤く光るバイザー越しの瞳は覗けない、しかしその視線は此方を思んばかってのモノとエレンは確かに理解した。

 「サンクス!ではもう暫くエスコートをお願い出来マスか?」

 茶目っ気を含んだ彼女の言葉に恐らくは笑っているのだろう、少しトーンが高くなった声が返ってくる。

 「喜んで。では少々激しいダンスになりますが、ちゃんと着いてきて下さいね!」

 その言葉と共にクリスタルブーメランを投擲し正面のザゴス星人を蹴散らすヨク、開けた道を3人は駆け抜ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 祭殿へと続く一本道、可奈美達に敗れ倒れていた真希は動くようになった身体を引き摺って下って行く。

 気付けば辺りは騒がしく、先程はチラリと鋼の巨躯が見えたりもしていた。

 「一体…何が起きている?」

 周囲の状況に困惑しながらも道を下ると道外れの大樹に2つの人影を見付ける。

 1人は青い装甲を纏った背中、そしてもう1人はその背中に隠れて良く見えないが薄紅の桜の様に鮮やかな髪。それは恐らく──

 「っ!結芽!!?」

 自分と同じ親衛隊の制服を身に纏った幼い少女、燕結芽。

 「貴っ様ぁぁあ!そこで何をしているっ!?」

 大声を張上げ痛む身体を推して近付く、相手はそんな真希の声に気付き振り返る。

 「貴様は……?!」

 「親衛隊、獅童真希か……」

ターボカイが抑揚を感じさせぬ声で真希の名を呟く。

 争乱混迷渦巻く最中、結芽を中心として邂逅した彼女を大切に思う人間、奇しくも決戦の地にてその人物が出会ってしまった。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:輝け!ダグオン)

 鈴本葉菜です。まさか調査隊に合流して早々、宇宙人とまで戦うハメになるなんてね。世の中分からないなぁ。

 各所でダグオンが現れ善戦する中、反抗作戦の中核の2人は御当主様と激戦を繰り広げていた。

 一方で親衛隊の獅童さん、それを追ってきた此花さんがダグオンの一人と一触即発の空気に?!

 そして赤い巨人と黄金の巨人は……

 

 次回"刀使ノ指令ダグオン"

 激戦!それぞれの戦い!!

 それにしても強いなぁ………

 




 今更な事ですがアーマーシンこと鎧塚申一郎クンの喋り方の表記でカタカタが入るのはイントネーションが違う部分だからです。
 紹介でも書きましたが彼の実家はバリバリの厳しい京都の家なので家族は普通に京言葉の関西人なので、女の子にモテたい彼は出来る限りの標準語で喋る努力を独学で頑張った結果、少しイントネーションがおかしくなったのでした。
 ではまた次回

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