おはすみなさい。
ダグウイング回、敵のコンセプトは正にサメ映画的なアレ。
今回再びとじともサポメンが登場。
ついでに漆黒の新幹線の詳細が少しだけ明らかに!
前回の"刀使ノ指令ダグオン"
甲冑の異星人を辛くも退けたダグオン達。
だが、奴は死んだ訳では無かった!
しかしアルファの奴……いやよそう…。
ダグオン達は折神紫と言葉を交える。
そして暗躍に捗る異星人達は──
━━火星圏衛星軌道・エデン監獄
地表のゲートで何かを待つように佇む2つの影が空を見上げる。
すると漆黒の新幹線──Jーエースがゲート内へ入場して来るではないか。
2つの影はそれを確認すると勢い良く駆け出し、
『兄ちゃん!』『兄貴ー!』
思いっきり抱き着いた。
『おぉ!弟達よ!心配掛けたな!』
端から見れば新幹線に人型のロボットが纏わり着いている光景はシュールでもある。
『心配しんたんだな兄ちゃん!』
『済まなんだなXーセブン』
『HEY!兄貴!オレっちも心配してたんだZE!』
『そうであったなRーマック』
漆黒の新幹線は彼等に抱き着かれたまま、器用に変形し人型になると改めて兄弟で抱き合い再会の喜びを分かつ。
『改めて出迎えご苦労。ところで、余とすれ違いで何か出ていくのが見えたが?』
Jーエースは入場する前に見えた光景を弟達に訊ねる。
『それはBOSSのORDERで出陣したピシャ星人だZE!』
『メレト翁がオード氏の失敗で受けた汚名を果たすために推薦したんだな』
弟達が息の合った呼吸で間髪入れずに答えを返す。
『ほぅ、ピシャ星人?ならばあの星も下手をすれば今回で終わるやもしれんな』
━━地球、日本・神奈川県鎌倉、刀剣類管理局本部
折神紫との会談から一夜明け、焔也、申一郎、翼沙は本部へと戻っていた。
各々が本部で与えられた役割をこなす中(申一郎はナンパの片手間ではあるが)、翼沙は本部長代理である真庭紗南へ報告をしていた。
「──と言う訳で、12%しか感知精度を拡大出来ませんでした」
報告する翼沙の言葉を聴きながら紗南は手にある報告書、【改良型スペクトラムファインダー・成果報告】を捲りながらノロ…延いては荒魂の探査感知反応の改良点についての部分を読込み感心の声を挙げる。
「ほう、いや見事なモノだ。この数日で12%も精度が上がったのは凄まじい事だ……惜しいな、お前が学生じゃなけりゃウチで即戦力としてスカウトしたのに」
長船が女学院である為、翼沙を手元に置けない事を渋る紗南。
翼沙は苦笑しながら眼鏡を直し、
「あはは…多分な評価ありがとうございます。では僕は研究棟でS装備の改良検証に戻ります」
「ご苦労、次も期待してるぞ」
翼沙が発令室から退室するのと入れ替わりに古波蔵エレンが平城の男子生徒2名を伴って入室する。
「サナ先生!新しく着任するニューフェイスのご到着デス!」
「おう、態々案内してくれたのか…ご苦労エレン」
そして紗南の前に立ち一礼をする2人。
「……平城学館警邏科一年、六角龍悟…本日付で刀剣類管理局本部、特別祭祀機動隊へ辞令により配属致します…」
「お、同じく!平城学館警邏科三年!田中撃鉄!配属致します!」
龍悟と比べ些か緊張の面持ちの撃鉄、紗南は2人を珍しいそうに見比べている。
「遠路遥々ご苦労。ふん…しかし三年の時期に転入して早々に此方に赴任する羽目になるとは、中々……。それに六角…だったか、いろは先輩…五條学長から聞いているよ、優秀でデキる奴だそうじゃないか。しかし六角か……何処かで聞いたような………?」
撃鉄の経歴に感心した様な呆れた様な事を言いながら、龍悟へと視線を移しまじまじと見やる。
「……赤羽刀の調査隊に妹が居る…」
「おお!六角清香の兄か、どうりで聞覚えがあった筈だ。期待しているぞ!田中の方も、大変だろうが…まぁ、頑張ってくれ」
龍悟の返答に椅子から立ち上がって彼の肩を叩く紗南、そのまま撃鉄にも声を掛け笑う。
「……承知した。最善を尽くす……」
「任せて下され!あっ!それとワシ実は神職の方も兼科しとりまして、その辺も考慮して頂けたら……」
くるりと踵を返す龍悟を尻目に腰を低くして揉み手で諂う撃鉄。しかしそこへ龍悟が手を伸ばし彼を引き摺って連れて行った。
「ぬぉ?!離せ龍悟!!ワシはまだ話が済んどらん……おい?!ちょっ?!?おまっ!!……離せぇぇえええ!!」
後に残るは呆然とした紗南、エレン、そして発令室に籠る局員達。
「……あー…なんと言うか、中々個性的な面子だったな」
「YES…、実に対称的な二人デシタ……。男子がいる学校はみんなあーなんでしょうか?」
と言う感想しか出てこない2人であった。
━━鎌府研究棟・装備改良検証班
翼沙は紗南へ報告書を提出した後、今の己の職場に戻っていた。
「さて……(流石にあの報告書にダグオンとしてのメッセージを挟むのはリスクが高い。ならばやはり、舞草のエージェントの誰かにウイングヨクとして接触して、折神紫様の引渡しを伝えるべきだろうか?しかし行先が不透明な状況で一末端にそこまで情報を開示して良いものか……うん、やはりそれとなく暈してより上…フリードマン博士やそれこそ朱音様辺りが出てくるようなメッセージを伝える方がいいかも)」
手を動かしてS装備の改良案を構築しながらも、折神紫引渡しの件を平行して考える翼沙。
端から見ると物凄い勢いでタイピングしながらデータを構築しているので、幾人かの技師科定や装備科定、研究、工科の生徒が感心と感嘆に震えている。
「やや!やはり同志渡邊先輩はスゴいですね!」
その中の1人綾小路高等部、装備科の森下きひろが眼を輝かせている。
「あんなに凄い人なのに……どうしてわたしなんかに物を作るのを頼むんでしょうか……」
同じく綾小路、中等部の工科予科生、土師景子が隈の濃い瞳でおずおずと洩らす。
「うん。取り敢えずこのデータを第十六研究班に提出して実証して貰いましょう」
纏めたデータをUSBに詰め、特別研究棟へ向かう翼沙。
足早に目的地に着けば、其所には鎌府の制服を着た生徒。
彼女は播つぐみ。主に研究をメインに活動しているが、刀使でもある、かなりマイペースな少女だ。
「おや?渡邊…先輩でしたか?何か御用でしょうか?」
「どうも播さん。此方頼まれていたS装備の改良案です」
「ありがとうございます。フムフムでは御拝見」
手近な端末にUSBを差し込んで閲覧を始めるつぐみ。
「これはこれは…凄いですね、稼働効率が1,5倍も上昇しています。この短い時間でここまで機能をアップさせるとは。ふむ、決めました渡邊先輩、私の草案に協力してくれませんか?」
「協力?まぁ構いませんが……」
つぐみ的には割りと歓喜しているのだろうが如何せん表情が判りにくい為、どう反応すべきか戸惑う翼沙。
そんな彼の背中に回り、両手で背を押し1台のパソコンの前に誘導するつぐみ。
「百聞は一見に如かず。まずはこれを見て頂きたく」
「え?え?……っ!?これは!仮想空間を利用した戦闘シミュレーター!?!これなら肉体的なダメージは限りなくゼロになるそれに多用なシチュエーションで戦略が組み立てられる戦術も複数試す事だってそれにそれに理論だけの装備も使用出来るし刀使の能力に応じてより事細かに難易度を設定可能にいや……これはもしかすると対異星人用の想定もなされているのでは?!だとしたらまだデータが不足しているザゴス星人だけでは足りないけど人間大かそれに準ずる者達だけに限られるいやそれでも何の対策もしないよりはマシかもしれない…」
つぐみに見せられた物の正体を即座に理解し、何時ものように捲し立てる様に呟き没頭する翼沙。
この翼沙の豹変っぷりには流石につぐみも眼を丸くさせる。
「やや、落ち着いて下さい先輩。そのご慧眼は驚嘆に値しますが、今はまだ実用には至っていないので…」
「あ…失礼しました。とても興味深い物を見たのでつい熱くなってしまいました」
自分が興奮していた事に気付き、眼鏡を押さえつつ視線を下に逸らす翼沙、そこへ荒魂出現のアラートが建物中に木霊する。
『本学院近辺に荒魂が出現しました。刀使の皆さんは至急出動して下さい』
「!…では僕は自分の研究に戻ります(この周辺に出没したのなら刀使だけでも充分事足りるとは思いますが……念の為、動向を監視しておきましょう)」
つぐみに別れを告げ、部屋を出た瞬間走り出す翼沙。
本部の敷地を飛び出し、荒魂が出現したポイントへ急ぐ、道中、見知った顔が合流する。
「ヨォ!お前も気になったクチか?」
「申一郎!」
「あー、やべぇなぁ…長江と福田先輩との話、途中でぶっちしちまったよ……帰ったらどんな顔して会えばいいんだ……」
「焔也!……ええっと、その二人は美濃関の刀使なんでしょう?なら大丈夫では?」
申一郎と焔也が翼沙に追い付き並走する。
そして木々や屋根を飛び交う影が近付いてくる。
「……先にいくぞ…!」
龍悟である。彼はそのまま民家の屋根伝いを走り、或いは建設工事中の鉄骨の上を飛び……と、縦横無尽である。
「「「……………(もはや忍者その物なのでは?!)」」」
暫しの無言、胸中では彼の身体能力の高さに唖然としているそんな3人の後ろから撃鉄が息を切らせ走ってくる。
「ぜぇ…はぁ…ま、待たんか…りゅ、龍悟ぉ……」
「おいおい、何で来てんだよ?」
「オマエ…まさか、オレらと同じ事考えてんじゃネェのか?」
「危険です!撃鉄、君は引き返して下さい!」
流石にこれには3人も難色を示す、しかし撃鉄もそう言われる事は分かっていたようで……
「安心せぇ…!別にこの身一つで刀使と荒魂の戦いに割り込もうとは思わん!ただ、じっと待っているのはやはり性に合わん。なぁに一応は警邏科、もしもの時は避難誘導でもするわい!」
「お前……一応成長してんだな!」
「そういや警邏科を受けたんだっけな、ついでに神職科まで兼科タァ~驚いたがヨォ」
「止めても着いて来そうですね……仕方ありません、ただ…戦闘には絶対に介入しないで下さい!」
何かにつけて着いて来そうな撃鉄に飽きれ果てて妥協案を告げ共に現場へ走る。
━━鎌倉・荒魂出現地点
既に現場には幾人かの刀使が展開して中型と複数の小型の荒魂に対応していた。
「まさか、帰って来て早々に現場に駆り出されるハメになるとはなぁ……あのババァ…」 「ね……」
「薫~?そんな事言ってはいけマセンヨ?サナ先生は薫を信頼してるんですカラ」
その中には益子薫と古波蔵エレンの2人も居た。
そして他にも──
「先輩慌てて何処へ行ったのかしら?」
「長江さん、集中して!」
美濃関からは長江ふたばと福田佐和乃。
「さ~て、今日も可愛く頑張っちゃうよっ♪」
「成瀬行きます!!」
「ん、さっさと終わらせるよ…」
平城は鴨ちなみ、成瀬実紀、松永衣里奈。
「各員!決して油断はするな!確実に数人で荒魂へ対処せよ!」
鎌府からは親衛隊が事実上、機能していない為、代わって前線で指揮を振るう綿貫和美。他数名。
「やれやれ、休む暇もない…ねっ!」
「やーあたしとしては色んな美少女が見れて嬉しいんですけどね!!」
「はぁ~、関東は大忙しやねぇ」
「皆さん凄いです!」
綾小路からは鈴本葉菜、山城由依、仲野順、蓮井麻由美。
その他にも刀使は居るが目立っているのは彼女達だろう。
そしてそれを離れた場所から眺める5色の戦士と平城の改造制服の青年が1人。
「おしっ!良いぞ先輩!長江!そこだ!」
エンが知己の2人を囃し立てる。
「我々が出るような状況にはならない様だな」
カイが安定した現場の状況に胸を撫で下ろす。彼等としても刀使が必用以上にバッシングを受けるのは本意では無い。彼女達だけでどうにかなるのなら手を出さずに済ませたい。
「仲野ちゃん相変わらず冴えてんナァ。ンデ、あの目ェキラキラしてんのは蓮井ちゃんか」
シンが順の活躍に感心しつつ麻由美の存在を認め笑う。
「鈴本さん、山城さん、益子さん、古波蔵さん、それに親衛隊直属だった綿貫さんがいるなら安泰ですね」
ヨクが戦況を分析してこの戦いの結果を告げる。
「……鴨は相変わらずか……。松永…以前よりもキレが増したか……」
リュウが腕を組ながら見覚えのある面子の動きに注目している。
「むぅ、こうして見ると改めて刀使とは凄いのぅ、しかし成瀬…だったか、あのお嬢ちゃんも出ておるのか」
撃鉄が平城に編入してから遭遇した相手の立回りに刀使という存在、その実力にある意味で戦々恐々とする。
そして鎌倉上空。
『人間達が既に対処しているのなら私の出る幕は無い……ん?何だ?』
上空から戦場を眺めるライアン、彼は空を切り裂く存在に気付く。
『荒魂では無い……異星人か?目的は…あの戦場。いや街その物か…さてダグオン達が居るのならば、私は静観に徹するとしよう』
自分に火の粉が掛からない状況、彼はダグオン達の対応を静観する事に決めた。
「うん…?この反応、みんな…どうやらこのまま終わりでは無いようです」
ヨクが仲間達に警告を飛ばす。戦士達は身構える。
「こんな時に…あいつら!」
「行くぞ、荒魂は未だしも異星人には彼女達だけでは対処出来ない可能性がある」
「「「「応!」」」」
即座に飛び出す5人、後に残るは撃鉄1人。
「くそぅ、ワシも早く皆と共に戦えるようになりたい…!」
歯噛みし拳を握る彼であった。
「あん?何だ?空から…何か……おい、マジか……ここはいつからB級映画の世界になった…?」
「ねー?」
やる気無く、しかしちゃんと荒魂を倒す事はしていた薫が偶々見上げた空を見て唖然と呟く。
そして彼女の頭に捕まるねねがそんな彼女の反応に首を傾げる。
空から落ちる一条の光、その中に見えるシルエットは巨大な鮫。
鮫は高層ビルに激突し破片が散らばる。封鎖地区外の予想外の被害に避難して遠巻きに状況を見ていた市民達は途端に混乱に呻く。
「ちょっ?!鮫ですよ!鮫!鮫が空から降って来ましたよ!?」
由依が激しく動揺興奮した様に葉菜を揺さぶる。
「お、お、お、落ち着いて由依、多分アレは宇宙人関連だからきっともう少ししたら彼等が……」
揺さぶられて声が震える葉菜、何とか由依を引き剥がしてダグオンの出動を示唆する。
そしてそのタイミングで上空に現れる旅客機と300系のぞみ、そして地上からも3人の闖入者。
「「「「「「「「「「ダグオン?!!」」」」」」」」」」
やはりと言うか現れた未知の戦士達の存在に彼女達は口々に叫ぶ。
「エン、ラダーに消火活動を!奴は俺が引き受けた、万が一を考えて地上で迎え撃てる様にしておけ」
ターボライナーからカイがエンに指示を出す。
「任せろ!ファイヤーラダー!」
ファイヤージャンボから先んじて飛び出す赤い車体。小型の梯子消防車が地上に着陸して梯子を伸ばし消火を開始する。
続いてジャンボの機首が左右に開き、中からファイヤーストラトスが出撃する。
「よっしゃ!行くぜ!」
「さぁ行くぞ!」
「融合合体!」
「融合合体!」
2つの声が轟き響く。空でターボライナーが、地上でファイヤーストラトスが変形する。
『ダグファイヤァァアアッ!!』
『ダグタァァアアアボッ!!』
2体の巨人が降臨する。そしてダグターボが即座にターボパックをボードに変化させ空へと昇る。
「僕達は救助活動です!」
「アイヨ!」 「……ああ!」
地上の3人は異星人の被害によって起きた混乱、その被害を最小限に留める為に散らばる。
そして刀使達も荒魂が異星人に乗じて逃亡、被害が拡大しないよう努める。
「なん…だと…!?」
「薫?どうしたんデスカ?そんな豆鉄砲を喰らった様な顔をシテ」
ダグターボを認識した薫が驚き固まるのをエレンは不思議そうに訊ねる。
「まさかの二台目のビークルもロボットに変形だと!?もしかして五体合体しないタイプかっ!!?」
「oh……そんな事を気にしている暇はありませんよ?私たちも荒魂退治か救助活動に参加しまショウ!」
こうして長船凸凹コンビは職務に戻った。
『これ以上好きにはさせん!』
ターボダッシュで空を駆けるダグターボ、彼は暴れるピシャッ星人を射程に捉える。
『ホイィィイイルゥッボンッバァァアア!』
ボードから跳躍しピシャ星人に必殺の技を喰らわせる。
真っ二つになるピシャ星人、あまりの呆気なさにダグターボも懇話する。しかし戦いは終わりでは無かった。
2つに分かたれたピシャ星人の躰は波打つ様に動き始め、そして次の瞬間には無数のピラニアの様な姿となり地上へと向かって行く。
『ぬぅおぉぉお?!』
ピラニアの波に巻き込まれ落下するダグターボ、アスファルトの大地に亀裂が走る。
『ダグターボ!?野郎!』
ファイヤーブラスターを手にピラニア達を撃とうとするダグファイヤー、しかし無数のピラニア達はあまりにも小さい。
『っ!?これじゃ建物も壊しちまう!』
仕方無くファイヤーナックルで迎え撃つが、それでも数匹が人間や建物、車に襲い掛かる。
「…何故、人間や建築物は未だしも無人の車にまで襲い掛かる……?」
リュウがピシャ星人の行動に不審を抱く。
「ナァ…アレ車食ってネェか?」
「!?体積が膨張し始めた?!まさか!」
シンの指摘にヨクがピラニア達の解析をすればピラニアの躰が膨らみ分裂、新たにピラニアを産み出す。
「「増えたぁ?!」」
エン、シンが叫ぶ。ピラニア達はその数を増やしながら更に方々へ襲い来る。
それは刀使とて例外では無い、荒魂を倒した刀使にピラニアが凶悪な牙を剥き出しに飛び掛かる。
「っ!成瀬は美味しくっありませんっ!!」
襲い掛かられた刀使の1人、成瀬実紀が分裂したピシャ星人を斬り倒す。
「倒せた…!?」
それを近くで見た葉菜が驚き、ならばと自分からピシャ星人に向かって行く。
分裂したピシャ星人の大きさは一般的な小型の獣荒魂と同様の大きさ、御刀でも倒す事は充分に出来る。
それを見た他の刀使達も率先してピシャ星人に対応する。
「どーするヨク?」
「彼女達と協力しながら、救助と平行して数を増やした異星人を倒しましょう!」
「……承知した…」
3人は少女達を援護する。一方、融合合体した2人は分裂して増えたピシャ星人が新たに集い融合し姿を変えた中型ピシャ星人と相対していた。
『さっきよりはデカイな…つっても俺らと同じくらいの大きさだけど…』
『下手に攻撃してまた分裂されても厄介だ。何とか押し留めるぞ…!』
増え変化したピシャ星人を下手に倒す事が出来ない2人は押さえ付ける事に徹する。
「オイオイ、倒すのは良いがキリが無さそうダゼ?」
アーマーライフルを担ぎながらピシャ星人の分裂速度に呆れるシン。
「幸い、今、分裂して小型になった異星人はダメージを与えてもこれ以上分裂しません。奴等に食事をさせなければ良いんです!」
「……簡単に言う…しかし、それしか無いか…」
クリスタルブーメランを飛ばし分裂したピシャ星人を切り裂くヨクと大回転剣風斬で回転斬りしながら対処していくリュウ、そして彼等に続き分裂したピシャ星人を斬り倒す刀使達。
拮抗し始めた状況にピシャ星人は苛立ち始める。
『むぅ!?』『おぉっ?!』
ダグターボ、ダグファイヤーを押し退けた中型がビルを削り喰いその数をまた1つ増やす。
『不味いな…此方も増えた、これ以上分裂させる訳にはいかん』
ダグターボが敵の厄介さに歯噛みする。
「いけない!何とかしなくては!!」
下手に斬っては中型は分裂し炎の拳で殴っても分裂する。小型は斬っても辺りに散らばる破片を食っては増える為、対策が追い付かない。
「あー…くそっ!いっそ冷凍して食ってしまおうか!」
そんな時祢々切丸を振り回していた薫が口走った言葉にヨクは策を閃く。
「そうです!これなら!リュウ、協力して下さい。シン!ミサイルの弾頭を分子冷凍弾に!刀使の皆さん、なるべく広い場所に敵を集めて下さい!」
周囲に指示を出すヨク、リュウとシンは即座に頷き、刀使達もそれに従う。
「行きますよ!」
「…ああ」
「大回転…!」 「ハリケーン!」
「「ダブルアタック!!!」」
ヨクが全てのファンを全開出力で回転させブリザードハリケーンを繰り出す。そのハリケーンの中に大回転剣風斬で回転しなが飛び込むリュウ、先程、ダグターボが落下した地点にピシャ星人を追い込んだ刀使達はそれを見て即座に撤退、ピシャ星人は剣風斬の回転により威力をましたブリザードハリケーンに呑まれ凍り付き砕けた。
シンもまた追い詰められたピシャ星人達の上空へハンドミサイルを射出、空中で弾けたミサイルから降る物質によって分裂中も細胞レベルで凍らされ砕け散る。
「単純な話ですが、どんな生き物でも細胞レベルまで凍結してしまえば、基本的にはどうしようもありません。どうやら今回の異星人もそれは例外では無かったようですね」
「薫ー!!お手柄デース!!」
ヨクが解説する傍らエレンが薫へ抱き着く、薫は鬱陶しそうなしかし、自分の思い付きが役に立った事に嬉しそうな顔をしている。
「後は中型です。ウイングライナー!!」
ヨクのコールに応え、ダグベースから発進するウイングライナー。
そして戦場に到着した愛機へヨクは叫ぶ!
「今なら出来る…そんな気がします、行きますよ!」
「融合合体」
ヨクがウイングライナーの操縦席付近がある位置に直立する。飛行しながらウイングパックが分離、客席にあたる車両部が伸び下へと折れると脚となり、上半身となった部位の背後が開き腕を展開、背中が現れウイングパックが合体、最後にヨクが立つ後方に頭部が出現しそこへヨクが融けるように消えると、その瞳が輝きを双眸に灯す。そして展開するウイングパックの翼。
『ダグウィィィイイングッ!!!!』
ウイングヨクが白い印象であったのに対し、融合したその姿は黒い頭部や結晶の意匠と相まって、より銀の色味をました巨人となる。
「お…おぉ…おおぉぉお!!三体目!三体目だぞエレン!!」
「ハイハイ、落ち着きマショウネ薫」
新たな戦士の誕生にテンションが限界突破の薫、そしてそれを宥めるエレンであった。
『ダグファイヤー!ダグターボ!』
中型3匹を相手に数をこれ以上増やされない様に苦戦していた2体へと援護に現れるダグウイング。
『ダグウイング!よっしゃ!これでイーブン、こっからだぜ!』
『ああ!』
『いえ、これで終わらせます。二人は目の前の敵を此方へ向かって投げて下さい』
『何?いや解った。頼むぞダグウイング』
ダグウイングの登場で逆転の兆しが見え喜ぶダグファイヤーとダグターボ、だがダグウイングは手早く決着を着ける手段が有るようだ。
彼に言われ目の前の中型ピシャ星人をダグウイングの方へ投げる2体の巨人。
ダグウイングもまた、自分の目の前に居る中型ピシャ星人を掴み飛んで来る2匹のピシャ星人へ向かって投げる。
堪らず1つに戻るピシャ星人、そこへダグウイングが両肩のファンを回転させ必殺の構えを取る。
『ハァッ!ブリザードタイッフゥゥゥウウン!!!』
1つとなり元の姿となったピシャ星人を襲う超絶対零度の文字通りの暴風が躰の隅々まで凍り付かせる。
氷像となったそれをダグウイングは上空へ放り投げると背中のウイングで飛び立ち氷像のピシャ星人へ向かって行く。
『終わりです!』
翼を下方へ展開し突撃するダグウイング、翼の刃が氷像を斬り裂くとそれが轍となって砕け散る。
上空で太陽に照らされるダグウイング、鎌倉の町に季節外れの雪が降り注いだ。
続く
次回予告(BGM:transformation ver融合合体ダグウイング)
カァー!翼沙に先を越されっちまったか!
おおぉぉ!!ワシを早くダグオンにしてくれぇええ!
あの二人は放って置くとして、何をしているのだ翼沙?
これですか?実はつぐみさんのお陰でちょっと思い付きまして、折角なのでダグベースの機材を使って作ってみようかな…と、丁度、結芽さんも居ますし。
何々?おにーさん達私の事呼んだ?
次回"刀使ノ指令ダグオン"
新装備?VRSアーマー。
新装備とか…ワクワクする響きだよなっ!?
はい、ちょっと駆け足でしたがダグウイング誕生しました。
そして次回、とじともでも登場したアレが……。
漆黒の新幹線ことJーエースとその兄弟達も勿論、モデルと言うかモチーフと言うか…まぁ、ライナーチームに合わせたライバル枠なので、カーロボットのあの傑作玩具が元ネタです。
それでは次回