刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんすみなさい。
 この章は二話終わる毎に毎回幕間を挟みます。
 今回は結芽ちゃんの話です。
 後さらっと龍悟のスキルが発動してたり、翼沙の偏食の一端が垣間見えたり、申一郎の意外な特技が明らかになったりしています。


 そしてこれを書いている途中で天華百剣、月末恒常ガチャに遂に神代三剣が1振り天羽々斬が実装!!
 能登、遂に来たよ能登!
 でも月末は渋いんだよなぁ………。



幕間 ダグベースの結芽

 燕結芽は刀使である。

 

 しかし、今現在の彼女は御刀を持たない。

 世間では俗に鎌倉特別危険廃棄物漏出問題と呼ばれるモノがあったその日、彼女は死んだからである。

 より厳密に言えば病の侵攻をノロで抑えていた肉体がしかし、完全に抑え込めていた訳では無く、遂にあの夜の戦いで決壊してしまったのである。

 元々、あの事件を含む数日間は何度か胸を押さえていたり、吐血する等、予兆が見て取れていた。

 本人も残された時間が少ない事を自覚してか当時は何時にも増して強者との戦いに執着していたように思われる。

 

 結果、舞草の襲撃で強襲した6人と最も早く現場で相対した形となった。が、彼女の目的はその中の1人、衛藤可奈美との立ち合いであった為、別に職務に忠実であった訳では無い。

 結果としては途中の横槍により望んだ形での決着は着かず、祭殿の方向へと向かう途中で力尽き、最早命の灯火もこれで終りかと思われた時、兄である燕戒将の手により救われる形と相成った。

 

 

 さてそんな訳で期せずして、ここ最近の兄が何をしていたのかを知る形となった結芽は最初こそ見知らぬ場所に連れてこられた不信感と警戒心で兄以外のメンバーにはまるで猫の様に威嚇染みた視線を向けていたのだが……。

 

 最初に彼女から信頼を勝ち取ったのは龍悟である。

 調査隊、六角清香と同じ姓と言う事に気付き輪に掛けて警戒心を剥き出しに龍悟を戒将越しに見やる事が多かったが、ある時ダグベースが鎮座する洞窟の片隅で踞る彼を見掛け、はて?あんな所であの人物は何をしているのかと端と疑問に思ったのが切っ掛けだ。

 周囲には自分と龍悟以外、人影は見当たらない…仕方無く意を決してそろりそろりと近付けば、彼は何と…洞窟の片隅で仔猫やら仔犬やら小鳥やら兎やらと戯れていた。

 良く見ると瓜坊も居る。静岡に猪が居るのかと思ってはいけない。

 ともあれ可愛らしい小動物に集られる龍悟の姿に結芽は眼を輝かせた。

 特に猫が琴線に触れた。そんな彼女を見かねた龍悟が肩に小鳥を乗せながら結芽に声を掛ける。

 「…触ってみるか?感染症なら心配いらん……ダグベースがある…」

 「ふ…ふーん、別に興味とか無いけど、おにーさんがどうしてもって言うなら…良いよ」

 そしてこの後目目茶苦茶仔猫と戯れた。

 

 後日、清香の事でそれとなく聞いてみると兄妹仲が良好な話を聴かされ、不貞腐れた結芽は戒将に甘える事になる。

 

 

 

 

 次に彼女が仲良くなったのは焔也である。

 美濃関の制服を着ている彼を見て可奈美を思い浮かべた結芽。

 彼女は焔也の側に寄ると──

 「ふーん、千鳥のおねーさんと同じ学校なんだ?あ、おにーさんは千鳥を使うおねーさんの事知ってる?知らないなら教えてあげるよ」

 等と言ってしまうのだから焔也は即座にどや顔で返した。

 「おいおい、俺は美濃関に居るんだぜ!衛藤の事なら当然知ってらぁ!」

 そこからは子供染みたやり取りを繰り広げた後、御刀の話や剣術談議に華が咲き、最後にはゲームを協力プレイする仲にまでなった。

 そしてゲームに没頭し過ぎて2人して戒将に叱られた。

 

 

 

 

 3人目は翼沙であった。

 元々、あの日、目を醒ました際に居合わせた面子の中で兄を除き、一番人が良さそうな面持ちの人物であった事もあり、話す事自体は簡単であった。

 しかし、これまた今までの2人にも言える事だが、結芽にとって兄以外で目上の異性と話す機会等、早々無かった。あったとしても機動隊の大人か本部に詰めている大人くらい、それも前者は気にも止めない相手であったし、後者はどこか腫れ物に障るような…恐る恐るといった具合もあって(と言っても彼女自身の態度にも問題が無かった訳ではないが)、親しみを以て接する事など経験が無い。

 ではそんな彼女が翼沙との距離をどう縮めたのかと言えば、これまた単純に食事の際のおやつ時の事であった。

 「?おにーさん、そのお菓子食べないの?」

戒将が持ってきたイチゴ大福ねこの苺大福他、甘味の類いを一切口にしない翼沙に疑問を呈する。

 「僕は基本、甘い物は得意ではなくて…糖分ならブドウ糖で摂れますから」

 そう言って手元に業務用ブドウ糖が入った袋を持ち出す彼を見て、"あ、このおにーさん変な人だ"と認識した。

 後日、実験に夢中になる翼沙の邪魔をした焔也と申一郎が怒られる異様な空気を目撃した結芽は彼を下手に怒らせない様にしようと胸に誓った。

 

 

 

 そして4人目、申一郎であるが…そもそも申一郎自身に結芽とそこまで深く関わる気が無いのか、最初の内は会話は皆無であった。

 だが片やダグベースの居住区画に居を構える男、片やダグベースの医療区画で寝起きする少女。

 そうなれば自ずと遭遇する回数は増える訳で、まぁ、挨拶くらいはする様になった。

 転機が訪れたのは翼沙を怒らせないと誓った日の事だ。

 結芽が寝巻きだけでももう少し可愛い物をと戒将に訴えると偶々通り掛かった申一郎がどうにも見かねて声を掛けてきた。

 訳を話せば、彼は少し思考に耽った後、頭を掻き仕方無いと言った顔をした後、ダグベース内に貯蔵してあった布地を取り出しては慣れた手つきで型紙を牽き、結芽の身長や腰回りのサイズを訊ねてそれを元に技術区画にある(アルファが趣味で加えた)被服室で作業を始め、待つこと2時間、被服室から出て来た申一郎が手に持った物を結芽へ投げて寄越す。

 それを広げて確認すれば、何と…可愛らしいイチゴ大福ねこのパーカー付きパジャマではないか。

 「これ……!」

 「あー、なんだ、オマエさんもオンナノコだしな、洒落たい年頃なんだ、これくらいはサービスしてやるヨ」

 と、少し照れ臭そうに鼻の頭を掻いていた申一郎を見て結芽の中で好感度が上がった。

 「ま、でもオコチャマにモテてもナァ」

この言葉で上がった好感度が台無しになるくらい下がった。

 序でに戒将からいきなり結芽のウェストを測った事を含め怒られた申一郎であった。

 ともあれ、まぁ、悪い人でない事は彼女もこの件を踏まえて理解したのでそこそこ親しみを覚える様にはなったのである。

 

 

 

 

 最後に撃鉄であるが、これはファーストインプレッションの時点で結芽から既に面白いオジサンと言う認識であった。

 「オジサンはよせぇ!ワシはこの間、18になったばかりじゃい!!」

 と宣うので渋々おにーさん扱いをしているが、稀に──

 「撃鉄のおじ…おにーさん」

 「待て待て待てぃ!?おんし今、又してもオジサンと言いかけたな!?」

 「気のせいだよ!結芽そんなこと言ってないもーん」

というやり取りを繰り広げている。

 

 

 

 そしてこの5人とは別にダグベースで顔を合わせる相手。

 ブレイブ星人だが、彼に関してはまず、この基地のメインシステムと同化している時点で部屋を出る際のやり取り含め事務的な会話とはいえ機会は大量にあったし、そもそも宇宙人と言う特異性が結芽から壁を取っ払ったので特に問題は生じなかった。

 

 

 次にアルファであるが、此方は一見して自分と同じくらいの年頃に見える少女……いや少年なのでやはり物怖じ自体は無かったが此方も初対面のインパクトがゼータから拷問を受けている印象だった為、彼女の頭の中では変人を通り越して変態と言う認識が刷り込まれた。

 「しどいっ?!ボクは至ってノーマルな性癖の持ち主だよ!!」

 ここで補足しておくが、管理最高位責任者の地位に居る3人の管理者で明確に人格と実体化の際の肉体の性別が決まっているのはベータとガンマだけである。

 つまりアルファは人格こそ少年全としているが肉体的には無性である。

 なのでデルタの弾丸の影響が無い場合、普通に少女にも見られるのだ。

 「おにーさん?おねーさん?う~ん……間を取っておねにーさんって呼ぶね♪」

 「そんにゃあ~…!?!」

この結芽の言葉に激しくショックを受け項垂れたアルファ、それを見たゼータは大笑いしていた。

 

 

 ゼータに関してはアルファを拷問する以外は楽しいおねーさんと言う認識の結芽であった。

 

 

 

 

 

 

 

 「うん、なんかこう……色々不名誉な事を言われてる気がするけど朗報です!」

 ある日のダグベース、兄が買い出しに出掛け他の皆は鎌倉の本部にお勤めの1日、アルファが結芽にいきなり切り出した。

 「なぁに、おねにーさん?」

 「正直、その呼び方は未だに納得しかねるけど…今は重要じゃないから置いとくとして、結芽ちゃんにプレゼントがあります!」

 そう言って取り出したのはダグオンのスターシンボルを模したブローチ。

 「これは?」

 「簡単に言えば"おうちのかぎ"だね。これで君も一応はここに自由に出入り出来るし、こっちで位置を拾える様になる。他にもまぁ転送装置が使える様になるけど…戒将君が怖いから今は停止してます」

 最後の方の言葉の情けなさに話を聞いて盛り上がった結芽のテンションはマイナス近くまで急降下した。

 「えー!なんで止めちゃうの!?」

 「君ね、一応公にはまだ死亡扱いなのよ?そんな娘を一人で自由に外に出せないでしょ?ましてや転送装置は一度行った場所なら何処でも自由に行けちゃうんだから起動させられないの!って言うかさせたらボクがまた怒られるの!」

 要するに自身の保身の為である。

 ともあれ同行者付きの許可が必用とは言え、燕結芽は変則的ではあるがこの世界で初めての刀使のメンバーとなったのである。

 

 

 

 

 

 




 さてアルファが渡しましたブローチには実はまだちょっとだけ拡張性があります。
 
 さておき、籤引きで決めた合体順、まさかあんな結果になるとは……まぁ勇者指令ダグオンでもダグシャドーもシャドーダグオンも登場は遅い方だったし先にアレが来てもしょうがないネ。
 ではまた次回
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