取り敢えず最後の方に色々フラグを置くスタイル。
まぁ、幕間なんで程々に本編に対し重要な所を見せつつも悪魔で、そして飽くまで補足程度に収まる様に書いているつもりなので………。
舞草に折神紫が引き渡されファイヤージャンボ、ターボライナー、そして駿河湾沖近くの山腹から飛び立つアーマーライナーを隠れながら見詰める淡く光る白い影。
「何と言う事だ……やっとの事で見付けた折神紫…ぁぁ、だと言うのに、我は此処で終わってしまうのか…我が想像を遥かに越えし者達の手によって…。塵の様に儚い生であった……」
影は俯き卑屈に独り語る。そんな事をしている間にダグオン達は飛び去ってしまったのだが、件の影は気付かず項垂れたままだ。
そして舞草の潜水艦もまた、朱音達を収用し潜航を開始する。
影は知る由も無いがダグオン達は警戒の優先順位を人間や海中、海上の動体反応を中心としたレーザーとパッシブ、アクティブソナーへ割いており、ダグテクターのスペクトラムファインダー機能をオフにしており、更に嘗て凶神と化した紫に与えたライアンの一撃が図らずも影の……ヒトの
「嗚呼……所詮は我など……」
白い影こと人型の荒魂、あの夜に別たれた3つの光の1つ自ら語る口を黒い手の様な拘束具らしきモノで塞ぐ
大荒魂であったモノの成れの果ての1人である。
後にひとしきり沈んだ彼女は潜水艦が消えた事に気付きまた落ち込み、そして重い足取りを引き摺って何とか舞草──折神紫に接触、保護を求めるのであった。
━━東京市ヶ谷・防衛省
日本と言う国家に於いて、国防の一端を担う組織。
今そこに1人の女性……否、ヒトの姿を成した異形の存在が佇んでいた。
彼女の姿形はイチキシマヒメと同様白い光に淡く包まれ、黒と白に彩られた頭髪は顔面の半分を隠しており更にその瞳を覆う手の様な眼帯。
それはまるで彼女の瞳がこの世界を写す必要が無い、そう告げている様だ。
省舎に務めていた自衛官が女性を囲うように近付く。
彼女はそれを気にするでも無く、口を開きただ一言告げる。
「我はタキリヒメ……人よ我に従え」
後に彼女──タキリヒメは防衛省により隔離される。
この事が刀剣類管理局、延いては折神朱音の耳に入るのは今暫く先の事である。
━━京都の何処か
宇治市での吹雪の中でのダグオンと異星人の戦闘、それを遠方より眺める吹雪に溶け込む白い人影。
「ふん…来訪者共め、好き勝手暴れてくれる。が、お陰で我の用は滞り無く済んだ。これで多少は力が戻ったというもの……」
鈴の音のような少女の声をその口から紡ぐ彼女もまたイチキシマヒメ、タキリヒメと同じ存在である事が解る。
「業腹ではあるが…我が完全に力を取り戻す為に、人間共の存在を利用させて貰うとしよう……ン?」
ダグアーマーとビッグロー、石塔との戦闘が終わり吹雪が晴れ青空が覗く空に一瞬煌めく太陽の光を反射するナニか。
それを白い少女は忌々しそうに見詰める。
「忌々しい……あの時奴に付けられた傷が我を苛む。アレだけが我の知り得た未来の外にあったモノ、アレさえ無ければ容易くノロを集められたものを……」
そう言う彼女の足元に散らっていた橙の液体、この地域に確認された荒魂であったモノ。
それを吸収しながらその眼孔は鋭いままだ。
「とは言え皮肉にも奴が我に付けた傷のお陰で、奴は我が存在に気付かぬ……しかしこの程度のノロでは万全には程遠い、やはり別たれた半身を吸収しなければ…」
少女は視線を空から外し森の奥へ消えて行った。
━━京都上空
吹雪が晴れた空、千切れた雲を切り裂くのは黄金の剣。
『やっと晴れたか…。むぅ、この地では無かったか……』
彼の剣の名はライアン。
その身に幾つもの人の無念を抱えた復讐者。
彼は嘗て己が内より発する怒り、嘆き、哀しみ、憎悪の声により大荒魂に対する復讐心で動いていた、しかし、あの決戦の夜ダグファイヤーとの決闘に敗北した彼はその願いを聞き届け安易な復讐による戦いを避ける様になった。
結果、ダグオンと同じ様にその土地に現れた荒魂を人知れず討伐。
後には輝きを失ったノロが残るのみとなった。
また、彼に関してはその存在を知る刀剣類管理局を始めとした一部人類側からダグオンの仲間ないしそれに準ずる存在として認識している。
今回も彼は日本中の空を飛び回り1人孤独に荒魂を討つ為、京都くんだりまで現れたのだ。
『どうやらダグオンのみならず刀使も活動していた様だな、荒魂は既に討たれた後か』
実の所、荒魂は刀使ではなく白い少女によって吸収され消滅したのだが、荒魂を探知する機能が無い彼は実際にその地に出向き、僅かな穢れから漏れる殺気や敵意の気配を感知するしかない。
しかし、白い少女が述べた通り、彼自身がエンと共に付けた傷により精々がスペクトラム計程度の気配しか無い少女の事を察知する事が出来なかったのである。
また、只のノロへと還ったモノは穢れがあっても殺気等無い。
故に少女は事無きを得たのだ。
『異星人、厄介なモノだ……連中の存在が我が目的を妨げる事があるとは……やはり奴等も討ち果たすべき敵に違いない。だが先ず討たねばならぬのはタギツヒメ、必ずや見つけ出し討ち祓ってくれる!』
獅子を携えた黄金の剣はそうして新たな地へと飛び去った。
彼は知らない、己が成した事により憎むべき仇敵を見逃してしまった事を……。
━━ダグベース
「う~ん……やっぱりライアンが手元に無い以上、前倒しして無限砲計画を早めるしか無いのかなぁ……」
ダグベースのとある一室で少女の様な少年が頭を抱える。
「ぶっちゃけ、この状態じゃ元の次元層に戻れないし、此処で造り上げるしかないんだよねぇ。幸い資材は先にシータから貰ってるし…でも撃鉄君のダグテクターも用意しないとだし…って言うかダグテクター自体はブレイブ星人の記憶から再現出来るけど、それはあくまでも黒岩激のダグテクターだからなぁ…う~ん」
唸るアルファ、一頻り唸った後、彼?は何か諦めた顔になる。
「うん、撃鉄君にはもう暫く辛抱して貰おう。先に無限砲…って言うかあの子のガワだけでも作んなきゃね!」
俗に言う諦めの境地からの開き直りである。
「まぁ、それはそれとして…此処で作るのは良いけど、AIプロトコルも当たりだけは付けなきゃ……それに早いとこ七人目の候補も見作ろわなきゃだし…」
本当にどうしてこうなったのか──そう思うアルファ、大体が自己責任である事は言うまでもない。
「ところでゼータはいい加減、いつ帰るの?」
振り返るアルファ、先程から後ろでニコニコ顔のゼータに訊ねる。
「はぁ~(*゚∀゚)=3沙耶香ちゃんキャワワ!一度で良いから膝に載せて撫でたい…………んゆ?あぁ、いつ帰るって?多分後2日ちょい?かな。ってかさあんたはまた、ダグメン達に面倒ごと押し付けたりしないでしょうね?」
「失敬な!今作ろうとしてるのはそもそも武器としての機能しか搭載して無い、所謂ガワだけのやつだよ!?それによしんばAIが出来てもライアンみたいにはならないよ……多分」
最後の方はゼータに聞こえない様に小声になるアルファ。
確かに今、彼?が作ろうとしている物はライアンとは違ったモノに仕上がるだろう。
しかし、だからと言って面倒ごとにならない確証は無いのだ。
しかしそんな未来の事など知る由も無い。
無限砲……一体何キッドなんだ……!?
はい、アレです。例えるならマイトガインでパーフェクトキャノン状態で登場した後に超AIを積んだガンナー的な感じです。
ついでに後回しされる撃鉄、でも大丈夫籤引きには君の変身回も混ぜといたからこの章で少なくともドリルゲキにはなれるよ!
ドリルライナーが用意出来てるとは言って無い。
ところでとじともオリジナルの御刀に四神と四霊をモチーフにしたのがありますよね?
いやぁ、公式でオリジナル出して頂けるのは有難い事この上無い。
私、基本、与えられた手札で戦略を立てたくなる質なんで、原作が無い完全オリジナル作品か設定がかなーりふわふわしてる作品でも無ければ、俗に言うオリジナル装備は出さない主義なんですよね。(判り易い例は仮面ライダーシリーズ)
なんでスペック状可能な事や設定的にこれは出来るんじゃないかなって言うのは書きます。
近い例で言うと拙作のカイがやったターボホイールを蹴ってジェゲンガ星人フィメルに喰らわせた技。
アレは技自体はオリジナルみたいなもんですけど、やろうと思えば勇者指令ダグオンのカイも出来たよね的な感じです。
それでは次回