またしても長くなった合体回!!
いや本当に申し訳無い。
そして今回は刀使の方もそこそこ活躍させました。
後、ついでに化けの皮が剥がれてきた幹部が居ますが……まぁ以前言った通り、アレは本質が小物…と言うか子供なんで。まぁ後数回は出番ありますけどね
前回の"刀使ノ指令ダグオン"
遂に申一郎君も融合合体が出来る様になったね。
後わ~りゅーくんだけだし!
その前に無限砲と撃鉄君のダグコマンダーかな……
━━ダグベース・サロン
京都での戦闘を終え帰還した彼等は久方ぶりの休日を過ごしていた。
「で、オレはボスらしき敵を逃がしちまったモノのヤロウが残したカイブツを楽勝で撃破したってワケよ!」
申一郎が前回の戦闘の様子を撃鉄と結芽に揚々と語っている。
それを離れた所から呆れた目で眺める焔也。
「あーあ、撃鉄はともかく結芽ちゃんは可哀想に……多分あの話何回かループするね、間違いない」
手許のソフトドリンクを飲み干したカップを弄りながら同情の声を洩らす。
程無くして結芽がとても疲れた顔で焔也の居る側に寄ってきた。
「よぉ、お疲れさん。大丈夫……じゃないか」
「うぅ…申一郎おにーさんお話長いし、何回か同じこと言うし疲れたー!」
カウンターに頭を乗せグデる結芽、そう言えばと焔也は彼女に訊ねる。
「そう言やぁ戒将は何処に行ったんだ?大体いつも一緒に居るじゃねぇか」
「ん……釣りだって。見ててもつまんないからこっちに残ったけど…あーあ、早く自由に出掛けられないかなぁ」
戒将の趣味の1つが釣りであり、現在彼は近くの河で渓流釣りをしている。待ちが基本の趣味は結芽には合わないらしい。
「って事は結芽ちゃん今暇してんのか…ちょうど良いや、ちょっと俺と一戦やらないか?」
そんな彼女に焔也は模擬戦を提案する。結芽は突っ伏したままほんの少し考え込むと、
「良いけど…模擬戦って、木刀?それともあの柔らかいヤツ?」
「柔らかい方な、怪我させたら君の兄貴が恐いから」
「えー…そもそもおにーさんいきなりどうしたの?」
焔也の答えに不満を洩らしつつも彼が何故自分との模擬戦を申し出たのか疑問を述べる。
「ま、色々とな……俺も強くなりたいんだよ」
思い起こすのはあの夜、凶神と化した折神紫──タギツヒメにあっさりとあしらわれた事。
あの日から焔也は彼なりに様々な研究や研鑽を重ねた。
刀使科の生徒達の立ち合いを見学させて貰ったり、改めて剣術の本を読み漁ったり、自宅の庭先で見よう見真似の剣術の動きをしてみたり等。
「?焔也おにーさん普通の人にしては強い方だし変身したらかなり強くなるじゃん、それなのに強くなりたいの?」
「ああ、今より強くならねえと守りたいモン守れねぇ、だからさ、結芽ちゃんくらい強い相手と訓練すりゃ少しは…ってな」
「守りたいモノ……よくわかんない……でも、うん…良いよ、相手してあげる」
頭を上げ身体を起こして椅子から飛び降りる結芽、そして席を発つ彼女を追ってサロンを出る焔也。
2人はダグベースの外にアルファが併設したシュミレーションボックスへ移動するのであった。
━━エデン・???
「だぁぁぁあっ!ムカつくムカつくムカつく!辺境のクセに!低レベルの異世界の辺境惑星のクセに!どうしてぼくの思い通りにならない!あそこは普通ぼくに撃破されてスコアになるとこだろっ?!大体…低能が抗うなよ!あそこはさっさと全滅してボーナスステージになるとこだろ!!?あー!さっさとここの奴らを倒す為にも、とっとと地球に全員で攻め込めば良いのに!ホントムカつく!」
そこはエデン監獄の何処かにある亜空間ブラックホールによって創られた部屋。
変声期直前の少年の声が反響する。
「ちっ、ともかく今度は勝つ。その為に新しい装備を作らなきゃ…。取り敢えず厄介なお邪魔エネミーは赤いの青いの白いのに……つい最近緑のも増えた、紫のヤツはまだ変形してないみたいだけど、邪魔なのには変わりないし……っ、予定前倒し、アイツを素材に新しい装備を作ろう」
少年が指を振るうと部屋の外に気配が現れる。
「おおおおよよよよびびびび、かかかか????」
「ふん、相変わらずイマイチ何言ってんのか分かりづらい……まぁ、操った代償に知能が下がったから仕方無いけど……にしたって酷い。でも、このゲームのステージをクリアするにはもってこいの能力だし、知能があっても邪魔だし、これで良いや」
ぶつくさと呟きながら亜空間の一部を開け呼び出した異星人を招き入れる少年。
呼び出された異形の異星人は少年の部屋に入ったきり、出てくる事は無かった。
「あ…!」
「…ぅん?ぁあ、どうかしたので?特に興味はありませんが、一応聞いときますよ聞いときますよ」
妖精が何かに気付き声を挙げる。包帯はそれに胡乱気に反応しながら心底どうでも良さそうに訊ねた。
「またひとりおともだちがへっちゃったなぁて」
「おともだち……ですか、はぁ…それはまた残念でしたね残念でしたね」
妖精が明日の天気を当てるくらいの気安さでさらりと告げる、包帯はその意味を察し、しかし深入りしたくないのか適当な返事で流した。
彼等が居るのはエデンの地表、妖精の日課の散策に包帯が付き合わされているのだ。
そんな彼等の目前でエデンの発進ゲートが開く。
「ぉや?誰かあの星に降りるのか…熱心な事で熱心な事で」
やはり他人事の様に喋る包帯、傍らの妖精は何が飛び出したのか見えたらしく笑顔になっている。
「うわぁ!すごい!まえよりつよそうになってる!!」
そんな事を叫びながら地球に向かうナニかを見送った。
━━静岡県・某洞窟周辺の渓流
「ふむ、大量とはいかないが…それなりには釣れたな」
クーラーボックスを肩に掛け、釣竿を担ぐアウトドアウェアの青年、燕戒将。
普段眉間に皺が寄っているか、そうでなくとも真面目な顔が多い彼にしてはとても良い笑顔である。
荷物を抱えているとは思えない軽い足取りでダグベースのある洞窟に踏み入れる。
ダグベースにまで近付くと聞き覚えのある絶叫が轟く。
「だぁぁあ!負けたぁ!」
見ればアルファが何時だか作り上げたシュミレーションボックスなる模擬戦用のスペースで焔也が大の字で倒れているではないか。
「おにーさん……結構しつこいね……」
視線を横にずらせば実の妹が汗だくで息を吐いている。
「何をしているのだ、お前達は…」
見かねて彼等の元へ近寄る戒将。
結芽はおかえり~と軽い調子で手を振り、焔也は弱々しく手に持ったスポーツチャンバラに用いられる様なソフト剣を手の変わりに振るう。
「焔也おにーさんが強くなりたいって言うからちょっと相手になってたの」
結芽が戒将の疑問に答える。
疲労に声が上擦っているとは言え嘗て病に侵されていた少女とは思えない程溌剌とした声だ。
「ふむ、ソフト剣か……まぁ刀使相手に生身で模擬戦を組むならそうなるか」
「私的には木刀でも良かったのに」
息を整えそんな事を口走る結芽。しかし考えても見てほしい、神童と謳われる彼女が相手なのだ、御刀でない分、八幡力や迅移が発揮されないとは言えその猛攻は凄まじいの一言に尽きる。
もし木刀なら焔也は全身打撲による痣だらけだっただろう。
「それは止めてやれ。それにどちらにせよ手加減などせずに相対したのだろう?……しかし焔也も結芽に着いてくる程とはな」
「まぁパルクールで体力は付けたからな……」
「焔也おにーさん猿みたいに避けるし、間合いを中々離さないし、ホントしつこかったよ」
結芽のあんまりな言い様にひでぇと洩らした焔也。
其所に盛大にアラートがなり響く。
<勇者諸君、新たな異星人が現れた。出撃だ>
ブレイブ星人の声がダグベース内に木霊する。
「しゃっ、回復した!行くぜ!」
「ああ。結芽、お前はオーダールームで待機だ」
「むぅ~。いつか一緒に連れてってね!」
膨れっ面になりながら戒将の言う事を素直に聞きダグベースに向かう結芽。
ダグベースの発進ゲートが展開される。
「「トライダグオン」」
焔也と戒将、2人の若者がダグコマンダーを起動。
勇者ダグオンへと変身した。
5人が各々のビークルに乗り込み出撃する。目指すは敵の異星人が現れた座標。
━━東京・江東区中央防波堤人工フロート
東京に浮かぶ人工の島にソレは現れた。
「かかっ喝采!わわ我、ささ再臨!げげゲームスタート!」
言葉の頭がぶれる様な言い回しで喋る巨大な甲冑、その巨体の背から何かが飛び立つ。
「しゅしゅ出撃!わわ我が眷族!」
ミサイルらしきもの、B2ステルス空爆機らしにものが空へ江東区を含む近辺エリア一帯に向け放たれる。
それらは地上に激突し変形。B2ステルス空爆機は甲冑より一回り小さなロボットに、ミサイルは人間大のロボットに変形し暴れ始める。
「ふぁふぁファーストステージ、らら楽勝」
『待ちやがれぇぇえええ!』
そんな甲冑に待ったを掛ける存在が現れる。
「しゅしゅ出現、じゃじゃ邪魔者!だだダグオン!!」
声がした方角に視線を向ければ空を駆けるファイヤージャンボ、ターボライナー、アーマーライナー、ウイングライナー、シャドージェットの5機のダグビークルが飛んでくるのが見える。
「……あれは、あの時の甲冑の異星人か…?!」
「姿は以前と違いますが、反応に類時点が見られます」
リュウが以前出現した甲冑の異星人と同じ既視感を目の前の敵に感じ、ヨクが解析機の反応から同質のモノらしいと述べる。
「敵は複数…かエン、恐らくはあの一番デカイのが親玉だろう。奴はお前に任せる。俺とシン、ヨクはエリア一帯で暴れる三機を…。リュウ、お前には──」
「…街中に散らばった小型だな。任されよう」
シャドージェットが都心に近付く、キャノピーからリュウが飛び出し同時に3枚のカードを投じる。
「…行け!ガードウルフ!ガードタイガー!ガードホーク!」
その言葉と共に鋼の獣達が方々に散開、人間大のミサイルロボに対応する。
「我々も行くぞ!」
「オウッ!」 「はい!」
ライナーチームの3人が各々3機のステルス空爆機が変形した巨人へと向かう。
『ダグターボ!』
『ダグアーマー!』
『ダグウイング!』
素早く融合合体し臨戦態勢に突入した。
そしてエンはファイヤージャンボからファイヤーストラトスを発進、中央防波堤へ降り立つと甲冑へ向かって行く。
「融合合体!」
『ダグファイヤー!!』
そのままダグファイヤーへと融合合体しパワーアップしたと目される甲冑へ向かって行く。
「けけ計画成功、だだ第一段階クリア。せせセカンドステージ、すすスタート!」
甲冑もそれを迎え撃つように両手を広げた。
「……ふっ!」
シャドークナイを振るい人型へ転じたミサイル──ミサイルマンに斬り掛かるシャドーリュウ。
ミサイルマンは単眼を光らせその斬撃を尾翼であった腕で受け止める。
「…何っ……!?」
弾かれ間合いが開く、油断出来ない相手に思わずマスクの下で唇を噛む。
「……やる…(このままでは他の奴らに対応出来ん……どうする…)」
目の前のミサイルマンに注意を向けながらシャドーガード達の戦況をモニタリングする。
ウルフ、タイガーにはいくつかのミサイルマンが群がり、ホークには再びミサイルに変形しドッグファイトを仕掛けている。
(…手が足りない……)
目を細め悪態を心の中で衝くリュウの背後から新たなミサイルマンが襲い掛かる。
「……甘い!」
即座に振り返りつつ蹴りを喰らわせるも、ミサイルマンは少し吹き飛ぶだけ、
「…厄介な…」
そう洩らすリュウ、其処へ特祭隊の機動車輌が飛び込んでくる。
「斬る」
いの一番にミサイルマンへ先陣を切ったのは平城の制服を纏う刀使、松永衣里奈。
彼女の一太刀にリュウの相手をして背中を向けていたミサイルマンの1体がその胴体を上半身と下半身に真っ二つにされる。
斬られたミサイルマンは単眼の輝きを失い動かなくなった。
「……今だ…!」
崩れたミサイルマンの陣形、目の前のミサイルマンを弾き、奥のミサイルマンをクナイで二つ切りするリュウ。
衣里奈がリュウに近付き背中を併せ呟く。
「助太刀する」
「…助かる」
その言葉を告げると直ぐ様別のミサイルマンへ斬って掛かる衣里奈。
そして彼女に続くように数十人の刀使達がミサイルマンを相手取る。
「……まさか、助けられるとはな…」
余裕が出来た事で何時もの調子でアクロバティックにミサイルマンを相手するリュウ。
其処に衣里奈に続き彼に近付くのは長船の制服。
「以前助けて貰ったお礼です。ダグオンさん」
瀬戸内智恵である。
「……確かに調査隊を助けはしたが、特祭隊を動かす程とはな……」
「本来は避難や救助だけだったんですけど…そこは本部長が何とかしてくれました。わたしたちの他にも敵とおぼしき相手が居るエリアに刀使の部隊が展開しています」
「……ならば、ガードウルフとガードタイガーを手助けしてくれると助かる」
「勿論、あの狼さんと虎さんにも助っ人が向かっています」
その助っ人が向かったとされるガードウルフが居るエリア。
そこでは何やら文句を溢しながら小太刀二刀流を振るう鎌府の刀使が居た。
「ったく、アタシは荒魂ちゃんと殺り合いたいんであって
ガードウルフに群がるミサイルマンを七之里呼吹が斬り付け鋼鐵の大狼を縛めから解き放つ。
そしてもう片一方、ガードタイガーの所でも……。
「は、離れてください!」
若干声が震えているもののガードタイガーに殺到するミサイルマンの一部を斬り伏せる平城の制服を着た少女。
六角清香が奮闘していた。
呼吹、清香の他にもミサイルマンに対して刀使が相対する。
これで少なくともミサイルマンが好き勝手暴れる事は無くなった。
一方、ライナーチームも其々に空爆機から変形したブラックナパームと戦闘を開始していた。
『これ以上好き勝手はさせん!』
ホイールボンバーを
しかしBNはまるでダグターボの動きを理解しているかの様にそれを翼で防ぐ。
『何っ?!』
そして防いだ翼の下から機銃の腕を出し、ダグターボに向け弾丸を連射する。
『くっ……今までの敵とは違うと言う事かっ!!』
『オォォォ!』
ダグアーマーがBNに組み付きビル街から離そうと押し込む。
アスファルトを捲りながら少し拓けた場所に出るとBNの腹を蹴り飛ばしながらアーマーレーザーをお見舞いする。
直撃した腕が破損するBN、
『シャッ、どんなもんよ!…ア?』
喜ぶダグアーマー、しかしその喜びも束の間、何処からかミサイルマンが飛んできてBNの腕に纏わり付くとBNの破損した腕が修復、パワーアップする。
『マジカヨ……だったら徹底的に粉微塵にしてやらぁ!』
ダグアーマーと対するBNは彼の火力に対し同じ様に火力をぶつけ相殺する。
『根比べってワケか、上等!』
ダグウイングがビルの間を縫うように飛行する。彼の前を飛ぶのは3体目のBN。
そして前を飛ぶBNが突如此方に身体を向ける。
BNの胸部から熱線が迸る、ダグウイングはそれをフリーズビームで迎撃、辺りに蒸発した霧が霧散する。
『僕達一人一人に対応したと言う訳ですか…』
そんなダグウイングの言葉に反応したかは定かでは無いがBNは熱線を連射しながらダグウイングと空中戦を始めた。
━━人工フロート
新たな姿の甲冑とダグファイヤーの戦いは終始甲冑有利で進む。
以前の様に再び腕を飛ばした甲冑、それに対し此方も以前と同じくファイヤーナックルで迎撃するが、今度の腕は弾け飛ばず、逆にダグファイヤーを吹き飛ばした。
そして飛ばした腕とは別に新たな腕を出し、その指からレーザーを照射する甲冑。
ダグファイヤーはそれを跳び、或いは転がり躱す。
『くそっ!?前よりパワーアップしたのは見た目だけじゃ無いってか……』
躱しながらファイヤーブラスターを取り出し、隙を見ては射撃するも対したダメージは見られない。
正面からのレーザーに加え、飛び交う腕を躱すダグファイヤー、かなりの苦戦を強いられている。
━━品川区
ダグターボとBN1の戦闘が激化している。
『ターボダァッシュッ!』
ターボユニットボードでBN1へ肉薄しようとするダグターボ。
BN1は敢えてそれに応じ自らダグターボに接近、膝の装甲から剣を取り出し横薙ぎに振るう。
『くっ…?!』
右腕を刃が掠めバランスを崩すダグターボ、その隙を敵は見逃さない。
先程ホイールボンバーを防いだ翼が上にズレ、機関砲が現れる。
ダダダッと連射される弾丸、ダグターボはそれを喰らいビルに背中から突っ込む。
ダグターボが激突したビルは接触した部分とその階層と上下の階の窓ガラスが割れ、或いは歪み、壁面は砕け、または完全にフロアが露出している。
幸いなのは人が避難して無人であった事か。
倒れ、ビルに寄り掛かったままのダグターボにBN1が剣を振り上げ追撃しようとする。
『あまり…侮るな!』
振り下ろされる剣を見切り、上体を僅かにずらすダグターボ、胸の先端──のぞみの鼻先──に掠めるが、攻撃を躱す、そして敵の右手を即座に抑え、抑えた腕を起点にBN1の頭を思い切り蹴り飛ばす。
右腕が千切れ倒れるBN1、ダグターボはその千切れた腕から剣を奪い取ると自らの武器として構える。
BN1は千切れた箇所をミサイルマンで補充、再生し再び腕を構築、もう片方の膝装甲から予備の剣を取り出し構える。
互いに正眼で向かい合うダグターボとBN1。
ダグターボが洩らした短い呼吸を皮切りに2体の鋼鉄の巨人が交差せんと駆け出す。
互いが交わる直前ダグターボは片手で剣を振り、空いた左を側に転がるボードに翳す。
『ブレイクホイールッ!』
必殺のその名を短く叫び同時にBN1へ剣を斜めに袈裟斬りに振り下ろす。
BN1はダグターボの剣を防ごうと自らの剣を防御の構えにするも横合いから飛んできたブレイクホイールに身体の芯を砕かれ、そしてダグターボの剣の一撃を喰らう。
十字の斬撃線が刻まれミサイルマンによって再生する事無くBN1は爆散、ダグターボは残ったミサイルマンを蹴散らしつつダグファイヤーと甲冑の元へ急ぐ。
━━港区
『オラァ!』
ダグアーマーとBN2の撃ち合いは続く。
『チッ!キリがネェ!弾切れっつう概念がネェのかよ!』
そう吼えつつも打開策を考えるダグアーマー、そして一か八かの手に出る事にした。
『タマにはあのバカを見習うかッ!』
砲撃を止め、走り出すダグアーマー。しかしBN2は構うことなく全火器の放射を止めない。
腕をクロスさせながら頭部と胸部を守りつつも歩みを止めないダグアーマー、そのまま何とかBN2へ組み付くと渾身の力で持ち上げ空へ投げる。
宙に投げ出されたBN2はそれでも砲撃を止めない。
構わず跳ぶダグアーマー、爆煙を抜けBN2の上を取る。
『グラビトンキィィィックッ!』
全身の体重を右足に込めBN2へ突撃するダグアーマー、BN2は振り返った瞬間、ダグアーマーの蹴りに貫かれる。
腹部に大穴を開けたBN2へミサイルマンが殺到する。
『ソイツを待ってた!喰らいナ!ファァァイナルッ!バァァスタァァアアア!』
集まって来たミサイルマンごと全火力で一掃。
その最期を見届けた後、ダグアーマーは中央防波堤へと走り出した。
━━江戸川区
ダグウイングとBN3の空戦は続く。
最初は追う側であったダグウイングが何時の間にやら追われる側。
BN3の猛追を何とか躱しながら反撃の機会を探る。
『っ!中々こちらの思うようにはさせてくれませんね!』
街中に追い込まれ苦虫を噛み潰すダグウイング、車道は致し方無いにしても建物への被害は防ぐ。その心情の元、BN3からの攻撃を少なからずその身に受けている。
『これ以上はあまりダメージを受ける訳にはいきませんね……しかし妙です…(最初の攻勢以来、攻撃に一定のリズム、パターンが見られる。あの敵には意思が存在しない?行動を見る限りAIも至極単純極まり無い、特別なセンサーの類いも見られない。ならば!)』
市街地から河川敷へと進路を変更、そのまま河川上を飛行するダグウイング。
BN3はそれを決まったプロトコルに従い追撃する。その行動を僅かに視線を向け確認するダグウイング、両肩のファンを回転させ、敵が真後ろに付いた事を確認、同時にBN3の方に身体を振り向かせブリザードタイフーンを見舞う。
無論、それを大人しく喰らう敵では無い。超高熱の光線を照射し超絶対零度の竜巻にぶつける。
結果、周囲は大規模な霧に包まれる。
「?…??」
辺りを見回すBN3、白い靄の中にうっすら影を見付ける。
その瞬間、BN3は全身の火器をその影に撃ち込む。
しかし、悲鳴も手応えも無い。
『引っ掛かってくれましたね!フリーズビーム!』
文字通りの冷凍光線を喰らい全身が凍り付くBN3、河川へ落下しそのまま浮かぶ。
『クリスタルカッター!』
腕に着いた水晶の装甲をミサイルの様に凍り付いたBN3に撃ち出し貫く。
凍っている以上、ミサイルマンも手出し出来ずBN3は爆散した。
『早くダグファイヤーの援護に向かわなくては!』
ダグウイングは人工フロートに向け飛翔する。
━━中央区
刀使の援護によりミサイルマンを翻弄するシャドーリュウ。
刀使が不利となればリュウが、リュウに敵が集れば刀使達が互いをフォローする形で蹴散らしてゆく。
「……大分敵が少なくなったな…」
BN達を修復する為に数を減らしたミサイルマン達、各地区に散らばったモノも含めシャドーガードと刀使が協力して続々と討ち果たしている。
「あの…シャドーリュウ…さん」
其処へ躊躇いがちだが確かに彼の名を呼ぶ声がする。
振り向けば美濃関の制服を纏った生徒、柔和ながらも力強い意思を感じさせる面立ちの少女がリュウを見ている。
「…何か用か?今は戦闘中だ、手短に頼む……」
「ここはもう大丈夫です。貴方は仲間の元に向かって下さい」
美濃関の生徒──柳瀬舞衣はリュウにそう告げる。
「…良いのか?少なくなったとは言え、相手は未知の技術、能力を持つ異星人だぞ……」
「ですが既に私たちでも油断せずに数人で連係すれば十分対応出来る状況です。それよりも敵の親玉を貴方たちで倒して下さい!」
リュウを見る舞衣の眼、揺るぎ無いその光にリュウは無言で答えた。
そうと決まれば中央防波堤の方向に駆け出すリュウ。途中なけなしのミサイルマン達が行く手を阻む。
「……退け!大回転剣風斬!!」
空中に跳び回転、独楽状となったまま縦に転がり円を描いて回り蹴散らす。
進路が拓けたのを見計らい、上空に待機させていた愛機を呼ぶ。
「シャドォォジェット!」
機首下部が扉の如く開き飛び込むリュウを収納する。
そうしてシャドージェットは人工フロートに飛んで行くのであった。
━━人工フロート
相も変わらず、紙一重で躱しながらファイヤーブラスターを連射するダグファイヤー。
しかし甲冑は意にも掛けない。
「むむ無駄!げげ撃滅!しょしょ消滅!せせ殲滅!ハハ…ハハハ……ハハハハハハハハハ!…………ハ?……はは敗北?!げげ撃破?…むむ無能!」
此方を追い詰め笑っていたかと思えば何やらいきなり怒鳴り散らす。
『何だか分かんねぇけど今がチャンスだ!』
意識が外れた一瞬を狙い両手でファイヤーブラスターを構えエネルギーをチャージする。
『喰らえ!ファイヤーブラスター!シュゥゥウウウトッ!!』
必殺の強力な1発が甲冑に向かって放たれる。
「?!!?!」
爆発する甲冑、爆煙が辺りを舞う。
『やったか?!』
だがその言葉を裏切る様に空を飛ぶ両腕がダグファイヤーを捕らえる。
『ぐっあぁっ?!』
「ここ小癪!むむ無意味!のの能力、かか解析解明!そそ想定外、ぼぼ勃発。きき貴様…ハ…かか確実ににに…倒ス!」
どうやら甲冑にとって何か想定外な事が起きた為、ダグファイヤーだけでも確実に仕留めようという算段のようだ。
ダグファイヤーを掴む腕に力が籠る。ミシミシと全身が嫌な音を立て始める。
『ガッ……ガァァアアアッ?!!』
苦しみ喘ぐダグファイヤー、甲冑は身体に付いている方の腕の掌を翳す。
そこには水晶レンズの様な円状のモノが見える。
「しし終焉…!」
掌が光を発する、この一撃を以て終わらせるつもりだろう。ダグファイヤーは悲鳴を挙げながらも諦めず抵抗するが脱け出せない。
あわやここまでかと思われたその時──
『させん!』
『やらっせカヨッ!』
『間に合わせてみせます!』
甲冑の意識の外から突如として現れる3体の巨人。
ダグターボ、ダグアーマー、ダグウイングが同時に甲冑の巨体を攻撃する。
バランスを崩し土煙と爆煙を上げる甲冑、ダグファイヤーの前に頼もしい仲間が駆け付ける。
『お前ら!?』
少し弛んだ拘束によって仲間の事を認識するダグファイヤー、よく見れば3体ともそこかしこ傷だらけのボロボロだ。
『何をしている!さっさとその拘束を解いて奴を倒すぞ!』
ダグターボの叱責が今は頼もしく感じる。
しかし、仲間が駆け付けたにも関わらず、事態は好転しなかった。
煙の中から迸る光がダグウイングを直撃する。
『っぁああ?!』
『『『ダグウイング?!!』』』
次に飛び出した左手がダグアーマーを掴む。
『ナッ?!ガハッ!』
最期に伸びたコードの触手がダグターボの脚に絡み付き地面に引摺り倒す。
『おぉっ?!!』
煙を割って現れるは甲冑の異星人。
表面こそ傷だらけだが、ダグオン達と違い未だ余裕がある。
「くく屈辱!ここ…コロ…殺…ス、殺ス殺ス殺ス!」
怒りに狂う甲冑、ダグターボを踏みつけ、ダグアーマーを握り潰さんとしダグウイングの首を触手で絞める。
『みんな!?』
「まままマズ先ず…はおおお前ええオ前かからららダッ!」
唯一手隙の右の掌をダグファイヤーに向ける甲冑。
しかし仲間を守る為ライナーチームは尚も抵抗する。
『ぐっ……フリーズ……ビーム…!』
『させ…るか…アーマァァ…ミサイルッ!』
『やらせは…せん…!ホイール…ボンバァァ…!』
3体が抵抗する事によりダグファイヤーの拘束が更に弛くなる。其所へリュウがシャドージェットで駆け付け更にシャドーガード達もライナーチームの反撃に加わる。
「ダグファイヤー!今助ける……シャドーバルカン!」
シャドージェットの機銃が火を吹き、力の弱った腕を破壊する。
『っ…、助かった……けどどうしてここに?』
痛みを耐えながらリュウに訊ねる。
「…刀使達が協力してくれた。お陰で手早く片付いた、…それに俺を送り出したのも刀使だ……ここは任せて、仲間の元に行け…と美濃関の刀使が言ってくれた…孫六兼元の居合い使いだ…」
『柳瀬が……そうだ!あいつの為にも…あいつらの為にも…俺は負けられないんだぁぁああああっ!!』
ダグファイヤーが吼える。
想いと勇気が真の力を引き出す。
ダグファイヤーが空を回遊する己のビークルの名を叫ぶ。
ダグファイヤーへと飛ぶファイヤージャンボ、それを確認したダグファイヤーは更に叫ぶ。
その言葉に反応しジャンボの両脇のコンテナからファイヤーラダーとファイヤーレスキューがサイレンを激しく光らせ射出される。
そして始まる変形、ファイヤージャンボの主翼が持ち上がり裏返しになりエンジンも逆向きとなる。
尾翼はそれに伴い変形し主翼の中心部に重なる形になる。
コンテナ部分が左右に展開尾翼側へと開ききりコンテナのハッチがそのまま爪先と踵になり脚が完成する。
機首が左右に開き半分になった機首の中央部から其々二の腕が展開、猛禽を模した胸部から頭部が展開され、更にラダーが右へ、レスキューが左へ合体し腕になる。
最後に頭部が展開された状態のジャンボがそこから胸部を丸ごと下側に開き其処へダグファイヤーが駆け寄り跳躍、ファイヤーストラトス状態で空白のスペースに合体。
パトランプが接続端子となりストラトスの裏側、ダグファイヤー時の胸部が見えた状態となり、それを閉じる形でジャンボの開いた胸部が閉まると、変形を終えた瞳に輝きが迸る。
降り立つは真紅と純白の鋼鉄の巨人。
ダグファイヤーよりも更に巨大となった彼の名は、ファイヤーダグオン。
「…ダグファイヤーが……」
『ファイヤージャンボ達と……』
『合体…した…?』
『ファイヤー……ダグオン……!』
4人が驚愕に眼を見張る。
「そ……そそ想定外!ででデータ……無シ?!ああ…あああっ!アリエナイイイイイ!?!」
あまりの想定外に狼狽える甲冑、その隙を見逃さずダグターボ達は甲冑の拘束から脱出する。
「ししししシまっタタタ?!」
己の失態に甲冑は更に混乱する。
そしてファイヤーダグオンは怒りのオーラを立ち上らせて甲冑へと歩いて行く。
「ヒッ?!」
『よくも…好き勝手やってくれたな……』
重量を感じさせる足音が鳴り響く。
「てて撤退!ででデータ…持チチチチ帰ララねねばばばババババ!」
『逃がすかよ!ジェットファイヤァァストォォォォオムッ!』
背中の翼に装着されているエンジンが敵である甲冑に向けられ、そこから炎の渦が4つ巻き起こり甲冑の逃走を阻む。
「とと逃走…フフ不可?!?!」
『ファイヤーホールド!』
ファイヤーダグオンのその言葉と共に胸部の嘴から光が甲冑目掛け直撃する。
「ここ行動オオ…フフ不能ォォ…」
『ファイヤァァ…ブレェェドォッ!』
右腕のラダーから両刃の剣が出現する。
甲冑は拘束から逃れる事は出来ない。
ファイヤーダグオンはブレードを出した腕をまるで空手の山突きの如く構えを取り、推力全開で甲冑へと向かう
『ハァァアッ!…セリァアッ!!』
巨大なシルエットが交差する。
甲冑の身体には十字の斬撃痕が光の軌跡となって刻まれる。
ファイヤーダグオンは既に甲冑の背後にて残心を取るかの如くブレードを払い仕舞う。
「げげゲーム……オーバー……?ままままたしてももも……嘘ダダダァァァア!!!?」
大爆発を起こし砕け散る甲冑、爆炎の光がファイヤーダグオンを雄々しく照らす。
絆と勇気の力で誕生した熱き鋼の鳳が強大な敵を今、討ち果たした。
続く
次回予告(BGM:炎の勇者ファイヤーダグオン)
見たか!俺の力!!
ファイヤーダグオン…凄まじい戦闘能力だ。
ハァ~!何でこのバカにやたらビークルが優遇されてんのかと思えば、こう言うコトだったワケか。
しかしあの甲冑も本体では無いんでしょうね……。
関係ねぇよ、また来たらまた倒すだけだ!
龍悟ヨォ、見せ場奪われちまったなぁ…。
……なに、敵を倒せたのだから問題無い…。
ところで……撃鉄の奴はどうしたんだ…?
いい加減、何時になっても変身出来ないようだから拗ねている様子だな
め、面倒くせぇぇぇ!
め、メンドクセェェ!
次回、"刀使ノ指令ダグオン"
新たなる勇者、ドリルゲキ!
おい龍悟、また見せ場盗られてないか?
……ふっ、構わんさ…。
はい、因みにミサイルマンは耐久自体はザゴスより2、3上なだけで更に尾翼だった部位が武器になるからそこだけしか固くないんですよね。
そして次回は遂に彼が……!?
更に結芽ちゃんとライアンを書いて、ダグシャドーという順番になってますので、龍悟の融合合体はまだ先ですね。
では次回