刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは!
 ダグシャドー回とゆめアン回のエピローグです。
 そして次回は以前から打診していたロザミア様の作品とのコラボの話となります。
 いやぁ賛否あるかもしれませんが、他の作品作者様とコラボする事で学べる事もあると思い、お話を振らせて頂きました。
 お楽しみ頂けたら幸いかと思います。



第七十話 幻影!ダグシャドー!!!!

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 あらららら?おいおい、強化された荒魂?ザゴスだっけ……もう殆どやられてんじゃん。ウン

 こりゃ趨勢を最後まで見るまでも無い。あっちの人間の勝ちじゃん、ウン。

 仕方ないから、グシアノースと合流がてら、日本に残ったダグオンのどっちかにちょっかいでも出すかね。ウン

 


 

 ━━アメリカ・ニューヨーク

 

 アメリカの象徴とも言える自由の女神の前で赤い鳳がザゴス星人と改造ガードロイドを蹴散らす。

 「だぁぁぁああっ!多すぎるんだよっ!!」

 ファイヤーバードアタックで過半数を蹴散らすも新たに沸いて現れる星人やドロイド。

 アメリカも市警や軍を動かして対応しているが有効打に至るまでの火器が戦車数台の連続砲撃では被害諸々が大き過ぎる。

 「やっぱ、トドメは御刀レベルの武器か俺らの攻撃でしか刺せない訳か……しゃあねぇ!」

 ファイヤーエンは女神周辺のエリアブロックを埋め尽くさんばかりの敵の群れに飛び込む。

 アメリカでの戦いは続く──

 

 

 

 ━━中国・南京

 

 「ターボホィィィイイルッアタァァアアック!!」

 蒼い閃影が迸る。

 ターボホイールに騎乗し星人とドロイドを切り刻むターボカイ、南京の街に散らばる敵を刻みながら移動する。

 そこへ飛来するレーザーの光。

 「何っ?!チィッ!!」

 着弾地点から5メートル程で躱し爆風に煽られながらもレーザーの出所を見れば器用に家屋の屋根に立つ目測10メートル……丁度、ダグオン達がビークルと融合合体した際の姿と同じ大きさのロボットが此方を視ていた。

 「奴は…?」

 漆黒の身体に、所々紅い意匠、どうにも見覚えがある。

 『青い戦士、貴様があの時余に一撃を喰らわせた借りを返しに来たぞ!』

 「貴様……あの時の漆黒の新幹線かっ?!」

 『応とも!余は超速三兄弟(ソニックブラザーズ)が長兄、音速の貴公子!Jーエース!!』

 漆黒の新幹線改め漆黒の巨人が名乗りを挙げる。

 「ジェット……エース……?」

 『そう!ジェットのJだ!兄弟最速、それこそがJ!ジェットとはその称号故の証!』

 家屋の上で器用にポーズを取り続けるJーエース、その周りの状況を無視した空気にカイは唖然とする。

 (こんな奴だったか……?!いや、しかし…他の敵の気配が消えた。それだけ奴は己の強さに自信があるのか)

 『青い戦士よ、あの時余を追い詰め、オード星人を討ち果たした姿へなれ!それでこそ余自ら出向いた意味があると言うもの!』

 「良いだろう、貴様等が何を企んでいるか知らぬが…敢えてその挑発、乗ってやろう!」

 Jーエースの誘いに応えターボライナーを呼び出すカイ。

 

 「融合合体」

 

 『ダグタァァァボッ!』

 

 青と白の巨人が黒と赤の巨人と相対する。最速の戦士達の戦いが始まる。

 

 

 

 

 ━━オーストラリア・ノーザンテリトリー

 

 「オイオイ…何だアリャ?!ムシケラとガラクタを蹴散らしたらヘンなヤツが居やがる…」

 アーマーライナーでエアーズロック周辺の敵を片付けていたシンは、そのエアーズロックに佇む謎の巨人に訝しげに首を傾げる。

 『HEY!YouがダグオンのPowerFighterだNA!オレっちは超速三兄弟次男、HighPowerのRーマック!兄貴がリベンジのFireしてるからNA、オレっちはYouとPowerBattleだZE!』

 名乗りを挙げた黒灰と黄色の巨人──Rーマックがシンを名指す。

 「ふ~ん、要はオレとタイマン張るって事か…暑苦しいのはキライなんだが、やってやるゼ!」

 

  「融合合体ッ!」

 

  『ダグアァァマァァァアアッ!』

 

 重装甲のパワーがぶつかり合う、地球の臍の上で力と力の勝負の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 ━━ロシア・ウラジオストク

 

 極寒の大地でウイングヨクが敵を倒しながら凍った湖に出れば中央で眠り転ける紺黒と紫の巨人。

 「え…?!」

これにはヨクも反応に困る、不自然なまでの敵の動きに疑問を抱きつつ倒して行けば、最後に現れたのは呑気に眠る黒い巨体だったのだから毒気が抜けてしまう。

 そうして固まっていると件の巨人の鼻提灯が割れ、目を覚ます。

 『うぁ?あ……あぁ、えっと…誰だ?ううん?おお!ダグオンが来たんだな!?』

 口調までも気が抜ける物言いにヨクは戸惑いながら誰何を訊ねる。

 「貴方は何者ですか!?」

 『うん?オイラの名前か?超速三兄弟の末っ子、跳ね馬のXーセブンなんだな。オイラと一対一の勝負なんだな、巨人に合体するんだな』

 のんびりした口から飛び出る物騒な理由にヨクは気を引き締める。

 「成る程……(敵がいつの間にか彼一人、時間稼ぎが目的かと思っていましたが……どうやら只の足止めでは無いようですね)」

 ヨクは敵の意図を予想しながらウイングライナーを呼び出す。

 

 「融合合体!」

 

  『ダグッウイィィインングッ!』

 

 天駆ける白銀の巨人が寝そべる巨人に立ち向かう。

 氷上の決戦が始まる──

 

 

 

 

 

 

 ━━日本・秋田県

 

 「ぬぅ!ゾロゾロと鬱陶しいのう!」

 群がるザゴス星人と改造ガードロイドをダイナミックな技で蹴散らすドリルゲキ。

 「埒があかん、何が目的なんじゃコイツらは…!」

 胸の水晶体からロッククラッシャーを撃ち出し敵を倒すゲキ、更に近付いて来たザゴス星人を卍固めしながらこの状況を訝しむのであった。

 

 

 

 ━━日本・熊本県

 

 ゲキと同様、群がるザゴス星人と改造ガードロイドを蹴散らすシャドーリュウ。

 ゲキと違いシャドーガードのガードアニマル達が存在する分、戦力としては余裕がある。

 故にヨク同様、敵の動きの不自然さに気が付く。

 「……明らかにこちらを倒す動きでは無い…。目的は足止めか、だが……」

 それにしても数で圧すだけでそこまで時間を稼ぐ感じがしない。

 それもそうだ。今回の敵の目的は荒魂と化したザゴス星人の性能実験と超速三兄弟の我儘。

 海賊達は性能実験に協力し兄弟達はそれに便乗したのだ。

 荒魂ザゴスは小笠原諸島と、本州の関東、関西の刀使が展開している場所に配置されどの程度使い物になるかを測られているのだ。

 「……どちらにせよ、俺たちのやるべき事は変わらない。敵を倒す……」

 シャドークナイを射出しチェーンで伸びたその刃を鞭の様に奮い、より広範囲を攻撃する。

 或いは敵の攻撃を受け倒れたかと思えば、それは変り身の倒されたガードロイドであったり、分身であったりと、敵を翻弄する。

 そんな戦場に変化が現れる。リュウと敵以外居ないその場所に不釣り合いなエンジン音、空気に伝わる音の形から二輪車のソレと判る。

 ザゴス、ガードロイド達の群れを飛び越え現れるはやや白みを帯びた鋼鉄の騎馬。

 日本製と言うよりは海外製のフォルムのソレに跨がるは一風変わったライダー。

 何よりも不可解なのはソレをザゴス星人達が攻撃しないこと。

 「へー、中々面白い戦い方するね。ウン」

 エンジンを唸らせながら声を発するライダー……否、声は跨がるライダーからではなくバイクの方から聴こえている。

 「…何者…だ…!?」

警戒を色濃くし何時でも対処出来る様に身構えるリュウ、対しバイクの方は散歩のついでとばかりに軽い口調で言ってのける。

 「なぁに、噂のダグオンの実力を実感したくてね。ワザワザ、海中に待機してた相棒に無理言って此処に運んで貰ったんだよ、ウン」

 「……つまりは敵か…」

 警戒を更に強くするリュウに比べ飽くまで暇潰し程度と言う口調のバイクは言葉を続ける。

 「ウチの副船長があんたのお仲間との戦いでえらく興奮したみたいでね、オイラもちょっとばかり興味が沸いたんだね。ウン」

 その言葉と共にアクセルを吹かしシャドーリュウに突撃してくる鋼鉄の騎馬。

 勿論、リュウはそれを容易く躱すが、バイクはそのまま変形を開始する。

 バイクがウイリーを始め、エンジン部を覆うカバーが両側のマフラー含め左右に展開し、シートの部位が足となり前後のタイヤが真横に移動したかと思えば折れ曲がり前輪が2つに、そして脚が延び、立ち上がればフロントが180度回転したかと思えば給油タンクに重なり展開した左右のカバーがフロント部に連結、マフラーまでの部位が腕を成す。

 最後に大地に足を踏み締め、メーター部からハンドルがズレ頭部が競り上がる。

 ライダースーツが上下に分割、両腕に接続、宇宙海賊の諜報員アスクラがシャドーリュウの前に立ち塞がる。

 「さて……情報じゃ、お前さんは合体出来ないんだろ?ウン。ま、何かの拍子で出来ちまう可能性もなきにしもあらずだけど、ウン」

 両腕のマフラーがそのまま銃身となりリュウに向けるアスクラ、その二丁の砲塔から弾丸が射出される。

 「……くっ…!」

 残影を牽きつつ躱すリュウ、周辺のザゴス星人やガードロイドが巻き込まれ吹き飛ばされる。

 「……こうもサイズに差があっては……」

 自らの影を追うように弾丸がバラ撒かれている。逃げ続けようにも限界がある。

 「ちょこまか素早いね、ウン。ならこれはどうかな?」

 左側に装着されたライダーの下半身であったパーツが更に砲塔を作る。

 左右を銃撃され上下にも逃げられず後ろは敵の郡れ、ならば取れる手段は前のみ──

 

  「……元より選択肢は無い。大回転!剣・風・斬!」

 

 シャドーリュウの代名詞たる必殺技をアスクラに向け放つ。

 しかしアスクラは躱そうとせず右側のライダーの上半身であったパーツを動かすと右側の砲塔が矢に変化し、発射される。

 「ぐぁぁあああっ…!!」

 強力な一撃により大回転剣風斬を弾かれダメージを負うリュウ、地に伏した彼にアスクラは追撃のスタンプを見舞おうと足を振り上げる。

 しかし主の危機にシャドーガードが馳せ参じる。

 ガードウルフが、ガードタイガーが吼える。ガードホークが嘶き、3機の鋼の獣がその姿を変える。

 

 ウルフの胴が伸び後ろ足と尻尾が折り畳まれ7割が足となる。背部のキャノン砲が分離。

 残り3割、前足が畳まれ人の腕らしきパーツが出現、獣の頭部が胸となり人型の頭部が背より展開、背に改めてキャノン砲が装着されバトルモードとなる。

 タイガーもウルフ同様に変形しバトルモードとなってリュウを守る。

 ホークは嘴が大きく開き、ロボットの顔が出現、脚が展開され、猛禽の爪が踵に変形し、胴側から腕を解放。

 3機の機獣が人型となりアスクラの前に立ち塞がった。

 「へぇ、そんな隠し球があったとはね……ウン、今の内に知れて良かった…だから死ね!」

 冷徹なアスクラの言葉、しかしシャドーガード達は意に返さない。

 3機のシャドーガードがアスクラを取り囲むと各々が構えアスクラの周囲を回転し始める。

 「おっ…おおぉ?!」

 驚愕するアスクラ、シャドーガード達が巻き起こした竜巻の中で翻弄される。

 「存外、小賢しい手を使う!お前さんはそういうタイプか、ウン」

 背中のホイールを回転させ気流を乱し脱出すると、既にリュウの姿は無く、しかし敵をそのまま放置して逃走したとも考えずらい、恐らくは隠れているのだろう。

 「そっちがその気なら、こっちがやる事は一つ……良いのかねぇ、この星を守る正義の味方ってヤツなんだろ?あんまり隠れてるとこの銃口がお前さん達が守るべき相手に向いちゃうよ?」

 その言葉に反応したのかシャドーガードが飛び出る、しかし、シャドーリュウの姿は無い。

 「ハハン、手下に任せて自分は高みの見物か……ナメられたもんだね。ウン!!」

 3機のシャドーガードを相手に手堅く対応しながら油断無く辺りに注意を促す。

 (出てこない。ふんむ…なら)

 3機の隙を縫って街に銃口を向けるアスクラ、放たれた弾丸はしかしガードタイガーが切り払う。

 「ほう…でも何度も持つかねぇ?ウン」

 何度も何度も何度も繰り返し隙を見ては街に銃口を向け弾を放つアスクラ、その度にシャドーガードが切り払うか身を呈して防ぐ。

 「埒が空かないね、仕方無い、手札は隠しておきたかったが……ヘッドオン!デッドヒート!」

 ライダー側の上半身が右腕から外れアスクラの頭に合体する。

 「ウンンンン!ヒートヘッドは超久しぶりダァ~。ンンン!気分が良い!良いねぇチョー最高♪」

 テンションが先程から180度変わったかのようなアスクラに目を見張るリュウ。

 「…奴の気配が変化した…?!」

 瞠目するリュウを尻目にアスクラヒートは3機のシャドーガードを圧倒し始める。

 「ヒヒヒッ!さっきの勢いが無いゾ~?ンンン?そらそらそらそらぁ!!」

 弾き飛ばされダメージを負うシャドーガード達、未だカードに戻らない所を見ると何とか耐えている現状だ。

 (……これ以上は厳しいか、ならば最早手段を選んでいる場合ではない……)

 隠れて居た場所から飛び出し、同時にシャドージェットに乗り込むリュウ。

 「アアン?」

 

 「…刮目せよ……!」

 空を駆ける紫翼の影がその真の姿を現す。

 

 

「…融合合体…!」

 

 シャドージェットのキャノピーの上に腕を組み立つリュウ、尾翼が折り畳まれ、エンジン側が足へと変形、爪先が展開。

 主翼側の下方に折り畳まれた腕が展開、機首がリュウを乗せたまま分離、シャドージェットが頭部を除きその姿を人の形状へと判る所まで変形完了する。

 瞳に光の無い頭部が競り上がり、其所へ空からリュウが眼前に着地。

 そして融ける様にシャドージェットに消える。

 最後に飛んでいった機首が背中の右側に装着、刀の柄が現れ胸の龍の意匠の瞳が頭部の瞳と共に輝く。

 

 

『…ダグシャドー……ッ!』

 

 『……さぁ、ここからが本番だ』

 シャドーリュウ改め、ダグシャドーは背に装着された刀の柄に手を掛け構える。

 「ヒャハッ?!良いねぇ楽しめそうだッ?!」

 言葉と共に弾丸を撃ち出すアスクラヒート、ダグシャドーは刀を抜刀し弾丸を斬り裂く。

 『……無駄だ、貴様の弾道は既に見切った…』

 「ヒハッ?!それならコイツはどう見切るつもりだ?ンンン?」

 新たに放たれたビームは射出された瞬間にバラバラに別れる……所謂ショットガンの散弾だ。

 

 『シャドォォオ手裏剣!』

 

 それをダグシャドーは肩の手裏剣を取り外し左手で回転させる。

 回転した手裏剣の刃と風圧でビームの弾丸を弾ききるダグシャドー、アスクラヒートは感心したように口笛を吹く。

 「ヒュ~♪すげぇ、全弾落としやがった……!」

 そんなアスクラヒートの態度など意に止めず、名刀カゲムラサキを構え駆ける。

 「さぁて…次は……『次の手は与えん!』ヒハッ?」

 アスクラヒートの言葉に被せる様にダグシャドーが告げる。

 『はぁ…!名刀カゲムラサキ…むんっ!』

 カゲムラサキが円を描き最後に正眼の構えを中心に光のエネルギーが3つ、天・地・人の球体となって逆三角形のトライアングルを描きエネルギーがカゲムラサキへと集束する。

 

 『天・地・人…三つの理一つとして、これがダグシャドー…絶対拘束剣!!』

 

 集束されたエネルギーを刃で打ち出しアスクラヒートを拘束する。

 「ヒヒッハヒャ?!う、動けねぇンンン!」

 『とおっ…!』

 空中に拘束されるアスクラヒートを前にダグシャドーは跳躍、更にその姿を変える。

 

 

『シャドォォオドラゴン!』

 

 手首が上下に回転し竜の爪を持つ前腕となる、脚が再びビークル状態同様の形に戻りそこから後ろ脚が出現、機首が反転して脚部分に接続され龍の尾を形成する。

 ダグシャドーの頭部を収納し背中にある龍の頭部を象った部位が展開し、その姿を西洋と東洋の龍と言う生物を混ぜた様な姿に変える。

 紫電を纏い黄金と見違えるエネルギーの塊となったシャドードラゴンはアスクラヒートに向かって行く。

 

 

『ドラゴンプラズマバァァァアンンッ!!』

 

 龍の咆哮を挙げプラズマエネルギーがシャドードラゴンから分離しアスクラヒートに突撃する。

 

  「ヒヒッひゃははハッヒャフフハ?!?!」

 

 狂喜乱舞しながら弾けるアスクラヒート、敵を倒した事を確認したダグシャドーはゲキの元へ飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━アメリカ・ニューヨーク

 

 「なんだ…?」

 時同じくしてニューヨークのザゴス星人と改造ガードロイドを全て片付けたエンが通信に気付く。

 『あ、焔也君?良かった!今大丈夫かい?結芽ちゃんが──』

 「マジか…!結芽ちゃんが、こっちは片付けた。急いで戻る!!」

 エンはファイヤーストラトスに乗り込み、更にファイヤーストラトスはファイヤージャンボに収納される。

 ファイヤーエンは小笠原諸島へ急ぐ。

 

 

 ━━中国・南京

 

 『むぅ、やるな青き戦士…貴様の名、確かダグターボだったか?確かに覚えたぞ!』

 Jーエースが肩で息を切らしながらダグターボに宣言する。そのまま胸から光を発し姿を消した。

 『一体、何だと言うのだ……!』

 一方的に着けられた因縁に当惑するよりないダグターボ、しかしダグベースからの通信の内容を知り、今度は怒号を発する。

 『何だと?!貴様っ!結芽を一人で向かわせたのかっ!!?』

 『ひぇっ……』

 『<ダグターボ、管理者に当たるのは筋違いだ。彼女を出動させたのは私だ。責務は私にある>』

 ブレイブ星人が割り込み件の真実を伝える。

 『ブレイブ星人…!くっ、兎に角俺は結芽の元へ行く。敵は退いた、文句は有るまい!』

 ダグターボはブレイブ星人達にそう告げるとターボパックボードに乗り、中国を発った。

 

 

 

 ━━オーストラリア・ノーザンテリトリー

 

 『グォォオオッ!』

 『HAaaaa!!』

 2体の巨人が正面から組み合う、しかしその均衡は突如崩れた。

 『Whats?!兄貴は退いたのかっ?!ならここにはもう用は無いZE!Good-Bye!!』

 組んでいた手を外しビークルモードとなり空に消えるRーマック。

 それをダグアーマーは毒気を抜かれた顔で見送った。

 『ハッ?…………ハァッア?!?』

  そして通信に気付くダグアーマー。

 『オッ?結芽っちが……こりゃダグターボのヤツかなりキてるかもな……。オレも向かうとするか!』

 そしてダグアーマーは融合を解き、日本に向かう。

 

 

 

 

 ━━ロシア・ウラジオストク

 

 『むむむ…空を飛ぶのは卑怯なんだな。オイラはビークルモードの時しか空を走れないんだな、狡いんだな』

 Xーセブンがダグウイングに愚痴を向ける。

 『え…えぇ……』

 これにはダグウイングも言葉を失う。

 そこに更にXーセブンの元へ兄2人が撤退した事を知る。

 『兄ちゃん達は帰ったんだな。オイラも帰るんだな、今度はちゃんと陸で決着着けてやるんだな、まぁその時はオイラはオイラ達になってるかもしれないけどな』

 絶句するダグウイングを尻目にのっそのっそと歩き出し、ビークルへと変形し空に登って行くXーセブン。

 『何だったんでしょう……あれは……』

 そして彼もまた結芽の事を知る。

 『なんと…結芽さんが…!?急がねば!!』

 ダグウイングもまた極寒の地から黄金の国へ急ぐ。

 

 

 

 ━━日本・秋田県

 

 「ぬっ?敵の動きが緩くなった。何かあったのか…?ん?」

 敵が目に見えて攻め手を緩めた事を認識し訝しむゲキ、そこへ更にダグシャドーが飛んで現れる。

 「ぬぉお?!あれはまさかリュウの奴、融合合体をしたのか?!くぅっ!ワシも自分の専用ビークルが欲しい!」

 そうこうしている内にダグシャドーがシャドーバルカンで敵を一掃する。

 『……ゲキ、ガードホークに乗れ。小笠原諸島へ急ぐぞ……』

 「む?何故……御チビが一人で戦っているだとっ?!!うむ!急ぐぞダグシャドー!!」

 ゲキは即座にガードホークに跨がるとダグシャドーと共に小笠原諸島へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━東京・小笠原諸島某島

 

 ライアンという強力な聖剣を手にした事で、向かい来る敵を次々と葬った結芽。

 今、最後の1体を討ち取る。

 「これで…最後っ!」

 横一文字は振り払われた刃に荒魂ザゴスが倒れる。彼女は敵をほぼ1人で殲滅せしめたのだ。

 「終わった……疲れたぁぁぁぁ!」

 どてっと地面に座り込む結芽、手にしたライアンが声を掛ける。

 『見事であった結芽。私を振るうに相応しい戦いぶりであった』

 「うん…ありがとおじさん。ライアンのおじさんのお陰で何とか守れたよ!」

 そう言って笑う結芽の顔は高揚感に満ちていた。

 

 『結芽ぇぇぇええ!

 

 遠方から自身の名を呼ぶ声がする。空を見上げれば融合合体した兄の姿、更には此方に向かって飛んで来るアーマーライナーにダグウイング、更には紫色の見覚えがあるようで無いようなロボットとガードホークに乗るドリルゲキ。

 「あはっ、みんな来てくれたんだ。でも全部私が倒しちゃったよ…」

 そこまで口にして疲労から眠り意識を手離す結芽、ダグターボが島に上陸し融合を直ぐ様解くと結芽の元へ急ぐ。

 「結芽!?」

 倒れる結芽に狼狽えるターボカイ、そんな彼にライアンが心配無用と声を掛ける。

 『彼女は疲労で眠っただけだ、命に別状は無い』

 その言葉にライアンが結芽に握られている事に気付くカイが驚く。

 「ライアン!?君が結芽に助太刀してくれたのか…?何故?」

 『この少女が私を使うに相応しいからだ。そうか彼女はお前達の仲間だったか』

 「あ、ああ…俺の妹だ。ライアン」

 『何だ?』

 「感謝する。有り難う」

 『フッ…感謝される謂われは無い、私は私がやりたい事をやりたい様にしたに過ぎない』

 語り合うカイとライアン、そして続々と島に辿り着く仲間達。

 「無事か結芽っちー!?」

 「結芽さーん!!」

 「御チビー!!」

 「結芽ちゃーん!!生きてっかぁぁ!?」

 「……どうやら既に決着していたようだ」

 そして彼等は頼もしい仲間を新たに得たのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━熊本県

 

 「ふぅ、まさかスットク3つとも消費しちゃうとはね、ウン。やべぇなぁ強いなぁ、ちょっと楽しくなって来ちまったじゃん。ウン」

 ダグシャドーが去った後、砂塵が再びアスクラの形を成す。

 彼は確かにダグシャドーに討たれた。が、しかし何らかの手段を用いて復活したのだ。

 「さぁて、中々楽しめた。失った分の命を補充しなきゃなんねぇし、暫くは裏方だな。ウン」

 彼はそう言い残しライダーの居ないバイクとなって何処かへと消えた。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:transformation ver融合合体ダグシャドー)

 

 ライアンの奴、俺には何だかんだ文句付けたクセに結芽ちゃんは誉め殺しかよ!?

 

 ……フッ、彼女は剣の才覚ならば俺たち以上だからな……。

 

 って言うか、お前さり気に融合合体してんじゃねぇか!!?

 

 そうじゃ!そうじゃ!羨ましいぞ!!

 

 ……なに、そろそろ出し惜しみはよそうと思ってな。

 

 え?つまりお前、やろうと思えば普通に出来たの?

 

 …ちょうど、お前がファイヤーダグオンになった頃には出来る気はしていた。

 ……ゲキが呪術師を倒した後、試した所、問題なく出来たのでな……。

 

 あん時かよ!?

 あん時じゃと!?

 

 そ、それよりも街がおかしいですよ!?何だか空間に歪みが……!!

 

 むぅ!?街がひっくり返っただと!?

 駒王町!!?悪魔!?天使!?堕天使だと!!?訳が解らん!

 

 へぇ~強い人いるかなぁ?楽しそう!!

 

 次回、"刀使ノ指令ダグオン"

 歪曲!?別次元からの来訪者!

 

 女神って強いのかな?




 アスクラは確かに一度木っ端微塵になって死にましたが彼は命のスットクがありました。お陰でヘッドチェンジに使うパーツを失いましたが、本人が言った様に暫くは偵察諜報員として裏方に徹します。
 
 月曜日に鬼滅観に行きます。空いてたら良いなぁ。

 それとちょっとラピライ×仮面ライダーセイバーを少しだけ書いてみようかなとも思います。
 だから早く新しいライダー出てきて!!

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