こんばんは。
少しズレましたがエイプリルフールの特別話です。
今回はセルフコラボです。拙作ともう1つの投稿作品、MasqueradeRe:Lightsのコラボレーションとなります。
いや済みません。ちょっと戦闘シーン煮詰まってまして、本編はまだです。
婦警イベント、山城が自分から捕まりたいとほざくのにはたまげたなぁ。
しかしひよよん平だなぁ。弘名ちゃん滅茶
似合う!夜見も悪くないなぁ。
あ、機種変更を予定してたりします。
━━ダグベース・サロン
「あー……異世界行きたい」
ある日のダグベースのサロンで少女の様な少年が溶けたような顔で溢す。
「貴様は何を言っているんだ」
「……遂に脳ミソのすべてがイカれたか…」
「まぁ、ソロソロだとは思ったよオレは」
3人の若者、燕戒将、六角龍悟、鎧塚申一郎がそんな少年──アルファの独り言に辛辣な言葉を投げる。
「ヒドイ!君達はどうしてこう、ボクの扱いが雑なんだよ!!?」
アルファが抗議の声を上げる。
「仕方無いのではありませんの?貴方、普段からちゃらんぽらんですし」
「確かに……」
「我々との初対面での態度を思い出す事です」
共にサロンに居た刀使、此花寿々花、六角清香、木寅ミルヤも戒将達に同意する。
「うわーん!味方が居ない!!?」
ついぞ泣き出し、サロンを飛び出すアルファ。ドアが開いた瞬間入ろうとした鳳焔也、田中撃鉄、衛藤雷火、衛藤可奈美、十条姫和、柳瀬舞衣、糸見沙耶香、安桜美炎、七之里呼吹、瀬戸内智恵、山城由依、獅童真希、燕結芽、皐月夜見、折神紫といった面々を掻き分け何処かへと消えて行く。恐らく基地内の何処かだろう。
「なんだぁ?」 「どーせ、しょうもない事じゃろ」
「アルファ君ですしね」 「もう、いくら本当の事だからって流石に酷いよ雷兄」 「可奈美も十分酷いがな…」
等々去り行く少年の背を見送りながら好き勝手言う面子。
「少ししたら様子を見に行きましょうか」 「お手伝いします」 「舞衣が行くなら、私も…」 「別にほっといても良いんじゃね」 「ですが、あんな性格でも重要人物です」
智恵を始めとした心配を見せる者達に呼吹が下らねえとばかりに吐き捨てれば夜見がフォローになってないフォローを挟む。
「一体何があったんだ?」
紫が部屋に居た面々に一応訊ねてみる。
「異世界に行きたいんだと、フザけた話ダゼ」
「…なまじ実現性が高いから始末に終えない……」
申一郎と龍悟が簡潔に説明する。
「うわぁ…」 「確かに出来てしまうな、彼なら」
それを聞いて美炎と真希が物凄く微妙な顔になる。
「益子達は翼沙の所か?」
今し方来た面子がアルファの逃亡に納得を示すと戒将がこの場に居ないメンバーの事を訊く。
「うん。翼沙おにーさんが薫おねーさん達のVRS装備を調整するからって、引き留めてる。後、つぐみおねーさんはその手伝い」
「いやぁ~出来ればあたしも残ってお手伝いしたかったんですけどね~」
結芽が説明すれば、由依が訊いてもいないのに手をワキワキさせながら邪な顔でおかしな事を宣う。
(山城は後で説教だな)
(由依ちゃんは後で戒将君のお説教ね)
(山城由依は後で燕戒将から折檻ですね)
「由依…」 「由依ちゃん…」
戒将が心の内で由依への指導を企むと智恵とミルヤも同様に戒将からの指導があるんだろうなと心の中で呟く。
そして美炎と清香が由依を残念な眼で見る。
最早お馴染みとなった光景である。
━━ダグベース・ラボ
所変わって、研究開発等を行うラボ区画。
そこでは目の前の機器を操作する眼鏡の少年が、モニターのデータと強化ガラス越しの隣の部屋に居る幾人かの少女達を見比べていた。
「どうでしょうか?実物の程は?」
眼鏡の少年──渡邊翼沙がインカムのマイクを持ち、部屋に居る少女達に訊ねる。
「ん、まぁ…悪くはないな。相変わらず格好がちょいアレだが」
「そうデスカ?私的にはかなりナイスデザインなんデスけど」
「ねー!」
少女の内の1人、益子薫が身体にピッチリと着く近未来のSFに出てくる様な黄色い装甲服を纏いながら応えると、彼女の評とは別に気に入っていると断言するスタイルの良い金髪片言の少女古波蔵エレン、そして彼女に同意する様に鳴いた薫の頭部に居座る小動物ねね。
「では薫さん、エレンさんは問題無しと…。伊南さん、朝比奈さん、稲河さん、新多さん、岩倉さんは如何でしょう?」
「は、恥ずかしいよぉ…」
「大丈夫。戦闘では気にならないわ」
「ははっ……今更だけどどうしてこうなった…?!」
「調査隊と共に行動する様になったからてはないでしょぉかぁ」
「はい、大丈夫です!問題ありません!」
ガラス越しの翼沙の視線と己の格好に恥を憶え縮こまる伊南栖羽と励ましてるんだかそうじゃないんだか分からない事を言って発破を掛ける朝比奈北斗。
自分はどうしてこんな目に遭っているのかと黄昏る稲河暁にやる気無く返す新多弘名。
1人、生真面目に返事を返す岩倉早苗と中々にバラエティー豊かな面子である。
「皆さんこれと言った問題は無いみたいですね渡邊先輩」
「そのようです。つぐみさん、葉菜さん、わざわざ手伝って頂きありがとうございました」
「いえいえ、VRS装備は我々にとっても有効なモノですので」
「そんな…ぼくなんて大したお役に立ててません!?」
何とも判りづらい笑みを浮かべて応じる播つぐみと過分な評価と慌てる葉菜が翼沙の方へ椅子を向き応える。
そんなラボの開けっ放しの入り口を泣き叫びながは通り過ぎる少女少年。
「うわーん!みんなのバカぁぁぁああ!!」
「今の……」
「アルファですね。また何か皆さんが呆れる様な事を口走ったんでしょう」
「ああ、納得」
翼沙の言葉に神妙に頷く葉菜とつぐみであった。
━━ダグベース外・格納スペース
『まだかな?まだかな~?』
ガシンガシンと轟音が洞窟内に響く。それはとある鋼の巨人が子供の様に足踏みをしているからだ。
『落ち着くのだガンキッド。結芽達ももう暫くすれば来るだろう』
そんな巨人にもう1体の鋼の巨人が幼子を諫める様に声を掛ける。
『けどライアン、おばちゃん相手はつまんないよ!コヒメは疲れちゃったのか寝ちゃうし』
(おばっ!?!)
子供の様な巨人──ガンキッドが、傍らの巨人─、ライアンにぶう垂れた様に返す。
近くにはワインレッドのタイトスカートのレディースを着た妙齢の女性と特別に用意されたのだろうベッドに眠る白い少女。
(くっ…抑えろ雪那!これも私自身が犯した愚行の結果、機械人形に年増扱いされた程度で…いやしかし…)
「ぅん……美炎…」
女性は高津雪那、白い少女は人型の荒魂コヒメである。
そんな4人──正確には2体と1人と1匹とも言えるが──場所に飛び出てくる少女少年。
「うわぁぁぁぁああん!!」
『ぬ?アルファではないか、相も変わらず珍妙な事をしている』
『きっとまたみんなのキゲンを悪くするような事を言ったんだよ』
自らが生み出した2体からもこの扱いである。
「んぅん?アルファ…?どうして泣いてるの?」
あんまりに騒がしく泣き叫ぶものだからか、眠っていたコヒメが眼を醒ます。
「コヒメちーん!聞いてよぉぉおおお!」
やっとマトモに相手をしてくれる存在に勢い良く抱き付くアルファ。
荒魂とは言え幼女に慰められる様は、いくら見た目が少女全とした少年の容姿で在っても情けない絵面である。
そうしてこの少女少年は幼女に愚痴を訥々と語り始めるのであった。
「つまりアルファは異世界に行きたいの?」
「そうなの、だってまたこんな姿に固定されちゃってさ、その上また仕事が嵩張るしさ、癒しが欲しいなぁって思わない?」
幼女の胸に顔を埋めて上目遣いする少年は何とも情けない。
(癒しが欲しいのは寧ろ私の方だ!)
雪那は胸中でアルファに毒づく。
「よしよし。でもみんなはアルファがいつもふざけてるからきっと今回もそうだと思っちゃったんだよ」
「グスン、割と本気なのに……そうだ!良いこと思い付いた!!」
態とらしく口で泣きながら、拗ねていると途端に妙案思い到りとなるアルファ。近くに居た雪那は嫌な予感を憶える。
「こうなったらみんな一緒に異世界旅行に付き合わせてやるんだもんね!!」
ふんす!と鼻息荒く決意を新たにすると、途端にダグベースの中へ戻って行った。
「行っちゃった……。わたしも美炎の所に行こ、じゃあまた後でねガンキッド」
『うん、コヒメ。また後で』
アルファの後を追うようにベースに入って行くコヒメ、去り際にガンキッドに手を振れば大きな友人は目一杯手を振り返してくれる。
しかしこの時、アルファの発言の意味の危険性に気付いたのは雪那だけであった。
(奴め、
雪那は急いで転送装置のある部屋まで走った。
しかし彼女は見誤った、アルファの決断力を。
━━ダグベース・メインオーダールーム
雪那が転送装置の部屋に辿り着いた頃と同じくしてアルファはダグベースのメインオーダールームにてコンソールを弄っていた。
「むふふー。これで有無を言わさずみんな一緒に異世界旅行だー!ってね♪」
<アルファよ、ダグベースを起動させるのは構わないが、何があるか解らないのだ…ダグビークルを全て収納、接続したらどうだ>
ホログラフィーのブレイブ星人の言葉に分かってるよぉ、と返す悪戯笑顔の少年。
「ダグベース!発艦!発艦後、空母形態に移行!ファイヤージャンボ、サンダーシャトルは空母形態の甲板に接続!ファイヤーショベルはダグベース下部に接続!いざ、ポチッとな!」
直後ダグベース全体が揺れる。そしてダグベースの頭上の洞窟が開き、ダグベースは光の柱に沿って宙を浮く。
同時に、ファイヤージャンボ、ファイヤーショベルがゲートより発進。宇宙からはサンダーシャトルがダグベースのある静岡県の某山奥にまで大気圏を突破し降下してくる。
「ディメンジョンゲートオープン!座標軸固定!転移先は
嘗て己がライアンを落とした際、同僚からの責苦を受けまいと逃げ込んだ世界目指し、次元境界のゲートを開く。
「おっと、ライアンとガンキッドも忘れずに!」
そう言って更に何事かのスイッチを押すと洞窟内に残ったライアン、ガンキッドを牽引ビームで引っ張り出し格納する。
空母形態となったダグベースに大型ビークル3機が接続され空中を滞空する。
それをモニター越しに確認したアルファはオーダールームからブリッジへと移行した部屋の中央先端、操舵桿を握り叫ぶ。
「では出ぱーつ!」
空母ダグベースがゲートを潜り始める。それは丁度、雪那が鎌倉の刀剣類管理局本部に転送を終えた時、そしてダグベースの異変に気付いた者達がブリッジに駆け込む5秒前であった。
━とある異世界の国・ウェールランド━
其処は魔法が存在する世界。そして異なる世界より多くの来訪者が訪れ発展した世界。
そんな世界の国の1つ。魔法技術に於ける最先端をひた走る国ウェールランド、そのウェールランドのとある街マームケステルでの事。
その街には魔法を使う者…即ち魔女と呼ばれる存在が通う学院がある。
名をフローラ女学院。この世界に於ける魔女達の始祖とでも言うべき、暁の魔女フローラの名を冠した学舎。
そんな乙女の園に、しかしそれとは似つかわしく無い複数の男性の姿があった。
「くっ…はぁあ!」
「なんの!まだまだですよ!」
「だぁー面倒くせぇ!とっとと終わらせちゃる!」
「ニンニン!それでは修練試合になりませぬ」
「いやはや若者達は元気だねぇ…」
「注意散漫。小生相手に模擬試合と言えど余所見とは余裕だな?」
6人の男性が各々木剣を手に立ち回る。
「ふん、全く血気盛んな連中ばかり…お嬢様、お茶菓子をどうぞ」
そしてそれを見守る複数の少女と、唯一人、手持ち無沙汰にしている燕尾服の青年。
「いや、あんたはちゃんと審判をしなさいよ!」
「全くです。いくらむさ苦しい試合だからと言って役割の放棄は見逃せません。それとお嬢様の給仕は私の仕事です」
「はぁ~先生さまったらなんて素敵なんでしょう…」
「わっふぅ~!みんな頑張れー!」
屋外用のテーブルと椅子に4人で座る黒い襟のセーラー服らしき制服を着た4人の少女が各々で言葉を口にする。
燕尾服の青年にツッコミを入れた藤色の髪の少女はエミリア。
毒舌混じりに試合を評しながら、そのエミリアに給仕するのは自分だと瀟洒な態度の桃色のサイドテールの少女あるふぁ。
先生さまとやらに見とれ、うっとりとした顔の長髪の黒髪で前髪中央やや右寄りが目隠れする程度のパッツンにカットした足が透けている少女ガーネット。
独特な声を挙げる犬っぽい雰囲気の茶の短髪少女サルサ。
「ふっ、どっちが勝つか賭けるか?」
「あんたねぇ、ま、ただ見てるのも退屈だし良いけど」
観戦中に賭け事を始める凸凹コンビの少女達。
1人は浅葱紫の髪をお団子結びのツーサイドアップにした背丈の小さな生意気そうな少女ルキフェル。
もう1人は長身で出る所は出て引っ込む所は引っ込んでるピンク髪に黄色いリボンを着け、後ろの髪を2つ円を描くように纏めている少女アンジェリカ。
どちらも毛先はやや黄色くなっている。
「先生くんもあの子も他の人達も張り切ってるわね~」
「皆さんとっても"ろっく"です!」
「張り切り過ぎて大怪我しないと良いんですけど…」
あらあらと呑気に観戦する少女の横でろっくと妙ちきりんな事を口走る少女と剣を交える者達の安否を気遣う少女。
彼女達は3人の姉妹である。
呑気に観戦する茶髪の長髪を後ろ手にボリューム良く纏めたルキフェルの次に長身の少女ツバキ。
ろっくと先程から叫ぶゆったりと流した腰辺りまで伸びる銀髪の少女ナデシコ。
青年達の身を案じつつも2人の姉に辟易気味の黒髪の少女カエデ。
「おじ様ったらこんな時まで能天気な…」
「あはは!でもおじさんもだけどナルミもスゴいよ!」
「アルちゃーーーん、ファイトーーー!」
巨漢の中年男性の態度に嘆息する少女と、笑うボーイッシュな少女、そしてアルちゃんなる人物を応援する糸目笑顔の少女。
嘆息を浸いたのは怜悧な雰囲気を纏う黒髪長髪の少女ユエ。
朗かに笑うボーイッシュな赤毛の少女フィオナ。
片方の頬に手を添えながら試合を見守る糸目の少女はミルフィーユ。
「たまには本気出すしー!」
「みんな頑張れなのー!」
「『手に汗握る展開だぁ!(゚A゚;)』」
やる気の無さそうな青年に向かって檄を飛ばす少女とその両脇に位置する小柄な少女達。
檄を飛ばすのは金髪褐色のギャル少女ラトゥーラ。
全員に歓声を挙げるのは薄桃色の髪をツインテールにした少女シャンペ。
1人肉声ではなく手にしたボードから声を出す少女メアリーベリー。
「教官…以前よりも見違える程の上達振りだ!」
「フレ!フレ!せんせー!ファイト!ファイト!アルアル!ゴーファイ!ゴーファイ!おっちゃん!イケ!イケ!センゾーくん!」
「はぁ~、剣士達は己の誇りと少女達の名誉を賭け……むふふ」
「ラヴィ、サイゾウくんよ?後リネットは妄想から帰ってきなさい」
「頑張れ、先生。頑張れ…!」
そして最後に一際賑かな集団。
感慨と感心に声を上げるのは純紫の長髪をポニーテールに括った少女アシュレイ。
チアリーディングの様な応援をして元気一杯飛び跳ねる金髪ツーサイドアップツインテールの少女ラヴィ。
何やら頭の中に描いた世界にトリップしているのは緑色のふんわりボブカットの少女リネット。
そんなラヴィとリネットを面倒見るのは蒼髪の少女ロゼッタ。
そして、先生と呼ばれる青年に一心に応援を送るのは紅い髪に王冠の様な髪飾りを付けた少女ティアラ。
彼女達は皆、魔女と呼ばれる者達。歌を唄い魔法を行使する存在。
そして彼女達皆の視線の先で木剣でぶつかり合う青年達、その正体は伝説の聖剣を受け継ぐ仮面の剣士達。
「ふっ、お嬢様やあるふぁ先輩に言われては致し方あるまい」
給仕を断られた燕尾服の青年はドルトガルドという国で闇の聖剣を受け継ぐ筈であった半亜人、ヘルマン。
「嘆息。あのじゃじゃ馬娘はまたしょうもない事を…。乗る方も乗る方だが…」
凸凹コンビの声が聴こえたか大きく溜め息を洩らすのは音の聖剣を振るう剣士にして鍛冶師、セドリック・マドワルド
「ははぁ、あの子達らしいちゃらしいじゃないの。オジさんとしては御姫さんの視線が痛い」
笑いながら、しかしユエの視線に冷や汗を垂れる大地の聖剣を持つ巨漢の最年長、
「ニン!互いの実力を量る模擬試合と言えど手は抜かないでござるよ、えれん殿!」
ナデシコのろっくな応援に一際やる気を上げる風の聖剣に選ばれた最年少の少年、
「いや抜けよ!後で色々面倒だろうが!」
そんな彼に抗議を挙げるのは雷の聖剣を継承した、死んだ魚の目の如く濁った瞳の青年、エルヴィレアノ・ホサ・ロマリオ・サバン・ドルティアーノ・鳴美ことエレン。
「僕達はどうします?」
風の少年と雷の青年のやり取りを横目にしつつ目の前の試合相手に訊ねるのは騎士前とした立ち居振舞いをした水の聖剣を代々受け継ぐ青年、アルマ・神明・イーリアス。
「まぁ程々に…とは言え負けたくはないかな!」
最後に苦笑しつつも負けん気を発揮するのはほんの数年前に行方不明になった炎の聖剣を目覚めさせた青年、剱守斗真。
彼等はこの世界で伝説を築いた聖剣を振るう仮面の剣士達。
古の時代より今に至るまで悪しき魔人メギドや魔獣から人々を守りし者。そして同時に異世界より来る来訪者。
斗真、劉玄、エレン、哉慥が異なる世界異なる時代より来たりし者。
アルマ、セドリック、ヘルマンが祖先に来訪者の血筋を持つ者である。
模擬試合を交わす6人と審判に徹す…してはいない1人。その内セドリックが何かに気付き木剣を止める。
「……懐疑。これは何だ?聞覚えの無い轟音…何処から」
「どうしたセドリック?」
「ムッツリグラサン?」
「せどりっく殿?」
「どうしたんでしょうか…」
「さぁ…?」
模擬試合を止めた6人を見て観戦していた少女達は不審に思う。
「あら?どうしたのかしら?」
「おじ様達の様子が変だわ」
「よくは知らんが…三世のヤツ、何かに聞き耳を立てているな」
「何にも聴こえないの」
「ヘルマン!」
「お待ち下さいお嬢様。すぐに確認して参ります」
エミリアの言葉にヘルマンは即座に6人の元へ馳せる。
「何があった、三世…お前か?」
「音だ、聞き慣れぬ音がこの真上から聴こえる」
そのセドリックの発言に呼応してかフローラ女学院上空の空間に大穴が綺麗に空く。
「え?」 「なっ?!」 「はっ?」 「えぇっ?!」 「ニン?!」 「……」 「ナイワー」
「「「「「ええっ!!?」」」」」
「「デカっ!!」」
ティアラ達LiGHTsとルキフェル、アンジェリカの2人組Sadistic★Candyが声を上げ驚く。
更にその穴の奥から何かが、大きなナニかが出現する。
「ナニあれ…」 「箱?」 「ふわぁ…『( ゚д゚)ポカーン』」
「有り得ない…あんなの」 「夢でも見てるのかしら…?」 「ぁあ!?ペンとスケッチブック持ってくれば良かったぁぁあ!!」
ラトゥーラ達シュガーポケッツが穴から現れたモノに開いた口が塞がらない。
ユエ達supernovaは三者三様の反応で混乱を顕にしている。
「ろっくですー!」 「言ってる場合ですか!?」 「お、お、お、お姉ちゃんが付いてるからね!?!?」
「っ…………?!?」 「お嬢様?…気絶してしまいましたね」 「わふーーーっ?!」 「はわわ、心臓が止まっちゃいますぅ~」
ナデシコ達この花は乙女もまた混乱し、エミリア達IV KLOREのエミリア以外が割りと余裕があるんじゃないかと思う様な反応を示す。
そしてその箱の様なナニかはそのまま学院のグラウンド──つまりは剣士達が居る場所へ降って来る。
「み、みんな!逃げろぉぉぉおお!!」
斗真が声を有らん限りに張り叫ぶ。それを合図にグラウンドに居た皆は蜘蛛の子を散らす様に逃げるのであった。
━━ダグベース・ブリッジ
「あたた……もう!君達が揺らすから着地失敗しちゃったじゃん!」
管理者アルファがぶう垂れる。
「……」
「気持ちは分かりますが落ち着いて下さいませ戒将さん!
無言で木刀をアルファに振り下ろそうとする戒将を抱き付いて押し留める寿々花。
「止めるな寿々花!今度と言う今度ばかりは看過出来ん!!」
「ちょっと、鳳さん!田中さん!戒将さんを止めるのを手伝ってくださいませ!」
「いやでも…今回ばかりは戒将の気持ちに大いに賛成だし」
「右に同じじゃ。こ奴はいい加減キツい灸を据えねばならん」
2人が戒将に同調するので他の面子を見れば雷火以外が苦虫を噛み潰した顔で助力を拒む。
「戒将先輩落ち着いて。寿々花先輩の言う事も一理あります」
取り敢えず雷火が戒将の前に立ち、何とか諫める。
それにより一度深く深呼吸し、気を落ち着ける戒将。冷静になった彼は血管を額に浮かべつつもアルファの首根っこを掴み訊ねる。
「それで…此処は何処だ?」
「剣と魔法の世界だよ?」
とやり取りを交わす傍ら、翼沙がCICコンソールを操作し周辺情報を確認する。
「これは……どうやら何らかの施設がある地に不時着してしまった様ですね。周辺に人間の生体反応、動体反応があります」
「oh…まさかのダイメーワクを起こしてしまったんデショウカ」
「謝ったら許してくれるかな?」
「これだけの惨状を巻き起こしておいてそれは虫が良すぎないか?」
古波蔵エレンがアチャーと額に手を当て仰ぐ中、可奈美が能天気に物申せば姫和が呆れながらに首を振る。
「兎に角、人が居るのなら謝罪も兼ねて接触する必要がある。アルファでは話がややこしくなるだろうから私が出よう。戒将、翼沙、寿々花、夜見、私と共に来て来れるか」
「承知しました紫様」
「お任せ下さい紫様」
「それが
「それが紫様のお望みならば」
紫が戒将、翼沙、寿々花、夜見を伴い地上側の入口へと向かって行く。
━フローラ女学院グラウンド━
「一体何事です!?」
グラウンドに突如落下した謎の物体、その騒ぎを聞き付け学院の理事長クロエが、剣士と生徒達の前に姿を現す。
「理事長。それが具体的に何なのか分からないんです」
斗真が代表して答える。
「セドリック、何か聴こえるんかね?」
「理解不能。中の音は聴こえん…」
年長組がダグベースの壁面を叩く。却って来るのは無骨な金属音。
その時、グラウンドにめり込んだ部分の後方から空気が抜ける様な音が聞こえる。
「む?異音、何かが起きる」
それは若き勇者と仮面の剣士、刀使と魔女の邂逅を告げる福音。
その出会いがもたらす物とは──
━マームケステル・某所━
「ほう……これは面白い事になるな」
黒衣のローブを纏った人物が僅かに覗く口許を愉快そうに歪める。
嘘予告
「「人間!?」 」
「へぇーお前もエレンってのか」 「Oh!!貴方もデスか!?奇遇ですネー♪」
「ヒュー♪美少女揃いじゃネェの」 「ウヘヘ……パァラァダァイスですよ!?これは!!」
「ふ、不潔よ!不埒よ!」 「お嬢様の障害は私が排除するのみ」
「みんなも唄ってみない?」 「えー、出来るかなぁ?」
「嘘だろ荒魂!?」 「なんでこの世界に!?」
「メギドが謎の怪物を……取り込んだ?!」
「「「「「「「トライダグオン!」」」」」」」
「「「「「「変身!!」」」」」」
─烈火─
─流水─
─黄雷─
『抜刀!!』
─一刀両断!─
─双刀分断!─
─銃剣撃弾!─
「覚悟は良いか?行くぜ!」
「物語の結末を決めるのは俺だ!」
NEXTSEASONS?
あー、東郷欲しかったなぁ…。折角石貯めて回したのに…。
コラボはとじともとアリスギアはそれなりの成果出るんだけどなぁ。
宇宙船最新号読み応えあった。満足。
ダイナゼノン楽しみです。