刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 エイッ!プリルッ!フールッ!

 以前宣言した通り、今回は連続式です!

 何でデジモンを絡めたかって?私がデジモンネタをやりたかっただけです!


エイプリルフール DAY1 プロジェクトとじドル【遭遇アイドル×デジモン!】

 

 ━━ダグベース・メインオーダールーム

 

 「アイドル?君たちアイドルになるの?」

 

 「ええ、特祭隊…延いては刀剣類管理局の失地回復、意気向上などを目的としたものですわ」

 

 対エデン監獄囚人用監視衛星兼サンダーシャトルメンテナンスベースと化している宙空間前線衛星基地ダグサテライトからのデータを読み解きながら疑問に首を傾げるアルファに管理局本部から報告に来た此花寿々花が困った顔を浮かべながら経緯を語る。

 

 「ふ~ん、良いんじゃない?でも意外なアイディアだね、誰の発案?紗南ちゃん?」

 

 「……………紫様ですわ」

 

 「ぱーどうん?」

 

 寿々花が言い放った名に思わず固まったニヤケ顔で問い返す。

 

 「ですから、紫様が発案者なのですわ」

 

 「りありー?いや、待って紫ちゃんってそんな事言う娘だっけ?キャラ違くない?」

 

 「(貴方が主な原因なのですけれど…)まぁ紫様自身も案が通るとは本音では思ってはいなかった筈ですが……朱音様も本部長も妙に乗り気でして…挙げ句フリードマン博士が全面支援を宣言なされたのですわ」

 

 「フリードマン君ならまぁ悪ノリするのは分かる。ボクがその立場でもそうする」

 

 (するんですのね…)

 

 固まった顔を解し、寿々花の話を聞き終えたアルファは自分でも主導する側ならやると言い切り、それを聞いた寿々花は胸中で呆れる。

 

 「で、そもそもその話を何でボクに?」

 

 「戒将に訊いたら、その手の話題は貴方が詳しいと」

 

 「わぁ、呼捨て!仲良いのは知ってたけどそこまで進展してるんだぁ。あっ、待って御刀は抜かないで…………そんで、詳しいは詳しいけどそれを訊いてどうしろってのさ?」

 

 「全く…。兎に角、今度そのアイドル企画を実行するにあたって、有識者と目される貴方にアドバイザーとなって欲しいとの事ですわ、勿論非公式ですが」

 

 必死の弁明に嘆息で返しながらも御刀を納めアルファに何故アイドルの話を語ったのか理由を説く。

 其処へ申一郎が怪しい笑みを浮かべてオーダールームへ入って来るではないか。

 

 「ナーンか面白い話してんジャン?」

 

 「鎧塚さん、立ち聞きとはお行儀がよろしくありませんわね」

 

 「カタいこと言うなよ此花チャン。その話…オレも一枚噛むゼ」

 

 「貴方が?一体何を仕出かす気ですの?」

 

 「ヒデェ!?もうチョイ信用してくれよォ~」

 

 寿々花からの胡乱な視線に抗議する申一郎、しかしその顔はニヤけている。

 

 「申一郎くんは何か面白いアイディアがあるのカナ?」

 アルファを知らぬ者が見たらとてもあざとく可愛らしく首を傾げる動作で申一郎へ訊ねる。

 

 「アイディアつーかヨ、そのアイドル広報計画(仮)とやらで此花チャン達が着る衣装…オレが仕立てようか?」

 

 「貴方が?!……いえ、そう言えば貴方…顔に似合わず服飾の腕が良いのでしたわね。それとまだ誰が参加するかまでは決まっておりませんわ」

 一瞬驚きを見せたものの、この基地に案内された当初の夜目撃した結芽のパジャマ姿を思い出して、やや渋面を作りつつも納得をする寿々花、しかしそれはそれとしてまだ計画は案が出た程度なので、誰が選出されるのか分からない…と断りを入れる。

 

 「ってもヨ?特祭隊の広報なんダロ、ならまず親衛隊…もとい特別遊撃隊のメンツは確定だろ。んで元親衛隊の2人も当然として…後は衛藤チャン、十条チャン、柳瀬チャン、古波蔵チャンが実力とビジュアルからして選ばれそうな気するゼ」

 

 「分かる~、ついでに言うなら智恵ちゃん、清香ちゃん、呼吹ちゃん、ミルヤちゃん、美炎ちゃん、由依ちゃんもイケそう」

 アルファ、ノッてくる。

 

 「流石にそこまでは……」

 

 「ソウかね?由依はトモカクとして他はいい線行くと思うゼ、それに人数いた方が宣伝になるだろ───ナァ雷火もそう思うよな?」

 

 由依が含まれていた事には否定手前のリアクションを取りつつ、アルファが列挙した面子に同意しつつ偶々通り掛かった衛藤雷火に同意を求める。

 

 「え?あ、はい。何だか分からないですけど、先輩が言うならその通りだと思います!」

 

 「雷火さん!話の詳細も分からず同意しないでくださいまし!」

 

 雷火の条件反射の返事に抗議する寿々花、その時オーダールームに神経質な男の声が轟く。

 

 ≪アァァァルゥゥゥファァァアアアアッッッ!!!!!≫

 

 4人の目の前で空間が歪み弾ける。そして現れるフォーマルスーツの眉間に皺を寄せた男。

 

 「シータ?何だよいきなりカンカンに怒ったような顔してさ」

 

 「貴様!き、貴様はまたしても!またしても余計な事を仕出かしたんじゃあなかろうな!!?」

 

 「???ちょっとナニ言ってんのか分かんないだけど」

 

 「惚けるなよ貴様っ!アレが貴様の仕業で無ければなんだと言うのだ!!」

 拳を振り上げ、アルファの首根っこを掴むシータ。しかしアルファは一向に思い当たる節が無いと首を傾げるばかり。

 

 「ええいっ!埒が明かん!!」

 最早辛抱ならんと握った拳を振り下ろす5秒前、雷火が思わず割って入る。

 

 「ちょ、ちょっと待って下さい!」

 

 「ぬぅ…君か雷火君。邪魔をしないで貰おうか」

 

 「いやいや、アルファさんも本当に心当り無い様子ですし、ちょっと落ち着いて何があったのか話てみませんか?!」

 

 「い、雷火きゅん…!」

 

 基本ぞんざいに扱われる事が多いアルファ、雷火の言葉に思わず感極まる。

 

 「くっ………君程の若者に言われてしまっては仕方が無い。話そうではないか。運が良かったなアルファよ、雷火君が居なければその顔面をこの先百年は陥没状態にしてやったものを…」

 

 「やめて…?!この先五百年ほどはこの辺一帯の世界で常に実体化しなきゃいけないんだからやめて!!」

 

 掴んだ首根っこを離し、手近な椅子に座るシータ。気を落ち着かせ軽く深呼吸をすると、訥々と事の経緯を話始める。

 

 「あれは……そう、君達の認識で今朝の事だ。ソコに座っているどうしようもないトラブルメーカーの代わりに、私が定期的に君達が存在する次元境界を観察していた事だった───

 最初は恙無く、これと言った異常は見られなかった。しかし視点を──そうだな顕微鏡のレンズの種類を変えるイメージ…そんな認識だと思ってくれ……──変え、より多くの隣接世界を観察していた時、ソレは起きた」

 アルファ以外の面々に自分達がどの様に世界を認識観察しているかを語りながら話してゆくシータ。

 そうして一先ず言葉を区切り、アルファを見据える。

 「君達が存在する世界と、何処かの世界の道が繋がったのだ。そこで私は先ず、アルファがこの世界に介入する原因となったゼータ一派を疑った……まぁ一派と言ってもゼータと約一名を除き、あの連中は思想こそ共有している割に此方以上に目的意識がバラバラだが…。

 途もあれ、連中を監視していたイプシロンと、監視に協力してくれたラムダ、ミュー、クシーからの証言では連中は特に動きがなかったとの事だ。となると、次に疑うべきは……嘆かわしいかな身内、詰まり貴様だ。何分前科があるからな」

 

 シータの言う前科とは旅行気分でゲートを開いてダグベースごと転移した、()()()()()()()()()()()()()()()の事である。

 

 「いやぁ、それ程でも…」

 

 (褒めてませんわ) (ホメてはネェよ) (う…う~ん)

 

 寿々花と申一郎がアルファに呆れる中、フォロー出来ない雷火は苦笑するに留まる。

 

 「で、だ。その繋がった痕跡……先にも言った通り我々はゲートと称しているのだが、ソレを詳しく調べてみると世界X──便宜的にそう呼称する──からこの世界に向け何らかの存在が移動した形跡があったのだ」

 

 「成る程……以前に異世界の方々がエデンの犯罪者達の企みで現れたのと似たような形ですのね」

 

 「大雑把な認識としてはそれで構わない。しかし今回は街が入れ替わる等と大々的な異変ではなく、恐らく一方的にXの住人がこの世界に現れた形となるだろう。

 問題はそのXがどの世界か。と言う所だ。さぁ吐け!何処と繋げた!!」

 

 「え…何それ、知らん。……恐っ」

 

 シータからの詰問に思わず真顔で心底怯えて返すアルファ。

 これにはシータもアテを外れ拍子抜けした顔になる。

 

 「なん…だと……?貴様が下手人では無いのか?」

 

 「いや、ホントに知らないし。てかドコと繋がったか特定しない内からボクを犯人扱いしないで欲しいなぁ!?」

 

 「そりゃ…オマエ、普段の態度なり対応がアレだからダロ」

 アルファの憤慨に申一郎が今までの諸々を思い返しながらツッコむ。

 

 「んんっ!とにかくボクは無実でした!ハイ、弾劾裁判終わり!

 で、ゲート…ドコと繋がったの?」

 

 「待て…今確認する…………………なん……だと………!?」

 

 側頭に手を充て眼を閉じたシータ、暫くの沈黙の後、再び戦慄した様に口を開き驚く。

 果たして、ゲートが繋がった先とは───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━神奈川県・鎌倉

 

 「うーん?圏外?これはどういう事だ?」

 

 「どうもこうもあるかっ!!テメェこの野郎!いきなりあの世界に連れて来たと思ったら、今度は何を巻き込みやがった!!」

 

 「ダメだ!ネットも繋がらないみたいだぞプロデューサー!」

 

 「いや、て言うか…人数足りなくない?」

 

 「うーむ、おかしいな…わたしの計算では異世界に跳べる筈だったのだが、どう見ても此処は現代日本だ」

 

 鎌倉市内のとある場所にて飛び交う会話。辺りを見回すのは二十代後半に見える青年と、彼に怒鳴る高校生程の少年、そして同じ年頃かやや下の少女が3人。

 合わせて5人が喧々としている。のだが──

 

 『陛下、そもそも此処は本当に我々が暮らしていた日本なのでしょうか?』

 

 『大将、どうにも妙だぜ?いつもの気配がしねぇ、()()()()()()()の気配が少な過ぎる。人口地帯ならそれなりの規模のモンの兆候があって然るべきだろ?』

 

 『M´Load、はぐれたと思われる麗しく美しき少女達を探さなくてよろしいので?』

 

 『我が王、ご命令を…。必要とあらばあらゆる手段を用いて情報を集めて来ますが』

 

 青年の懐から複数の声、青年が声に反応し取り出したのはスマホではなく奇妙な形の端末。

 円形状の特殊な金属の縁の中に六角形状の液晶画面、其処から下に伸びる形はバレルの無い、グリップが太い銃…といった印象を懐く。

 バレルにあたる部位には電子端末に対応するコネクタ。

 グリップ部側面にはゲーム機の様なコンソール、トリガーも銃のそれでは無く、戦闘機の操縦桿の物に近い。

 また金属製の縁は良く見ると回転機構が備えられ、何らかの操作に対応している。

 そして最後に、液晶の画面に映るのは先程から彼を王と呼ぶ()()()()姿()()()()()()()()()()

 

 「まぁハッキングは最後の手段として……此処が本当に俺達の世界と違うのか、見て聞いてみないとなぁ。その過程であの時周囲にいた我がプロダクションアイドル達も見付かるだろう…多分」

 

 「まぁそうだよね。一応日本みたいだし最悪の最悪は無いって考えてもいいかも」

 

 「人探しかぁ…こう言う時、Wやオーズ、フォーゼやウィザード…あと響鬼とかならガジェットで探せるんだけどな~。博士!何か無いのか!?」

 

 「ふぅむ、光から借りたオモチャを参考にラボで試作していたのはあるが手持ちは無いな」

 

 「ふむ…あの場に居たメンバーの中には千秋や楓さんなんかの大人も居たし、バラバラと言っても何人かは纏まってる筈。何より個性的だし何かあれば目立つだろう。アイドル達はそれで何とかなるとして……拓哉、Dースキャナーの反応は?他の五人はそれで探せるだろう」

 

 「さぁな、反応は無いからこの近くには居ねぇんだろうよ。近付けば反応があるだろうしな」

 騎士達からの進言を頭に留め置きながら、今後の方針を打ち出す青年。

 少女達も三者三様反応を返しながら青年に従う。

 そして最後に少年の方へ話題を振れば、少年も青年の物とは細部や機能がやや違うが、青年の持つ端末と近い物を取り出して確認する。

 

 「よぉし、それじゃあCGプロ…いざ出陣!」

 

 「「「オー!」」」

 

 「はぁ……」

 

 青年と少女達のノリに着いていけない少年は只1人溜め息を吐くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━東京渋谷

 

 「ぅぅ……渋谷は苦手なんですけど…」

 

 「フヒヒ…人が…ヒトが多い……リア充がたくさん…フヒヒヒヒ…フヒャ…ヒャァァァァッハァァァアア!!滅びろリア充どもぉぉぉおおお!!」

 

 「ノノ!しゃがむな!ショウコ!街中で叫ぶのは流石に迷惑だからヤメロ!」

 

 「いやぁ目立ってるね~わたし達。これてヤバいかな?」

 

 「目立つは目立つけど…何かアタシらがアイドルだからって感じじゃ無いッスよね?」

 

 渋谷の喧騒の一角にて一際目立つ集団が1つ。

 暖色系の薄い茶髪のお下げをカールさせた矢鱈ネガティブそうな少女といきなり物騒な事を叫び出した所々ボサボサになったアッシュブロンドの長髪少女。

 そんな2人を叱り付けるケモ耳パーカーにファッション眼帯を着けたパンキッシュな少女。

 更に彼女達より歳上だが精々二十歳そこそこの女性が2人。

 1人は野球チームのユニフォームを着たやや外はね気味の黒髪長髪の快活な童顔の女性。

 もう1人はお洒落に慣れてないのか、着慣れぬカジュアルな服に袖を通した肩程まで無造作に延ばした茶髪に眼鏡の女性。

 そんなバラエティに富んだ面々が騒げば当然目立つ。

 しかも眼鏡の女性の言葉を真に受けるならば彼女達もまたアイドルであると言う事。

 周りの野次馬の誰かがその言葉を聞いてネットのSNSに載せようとした所で、何処から途もなく現れるはこの世界特有の特殊災害"荒魂"。

 

 

 ──Gishyaaaaaa!!

 

 

 雄叫びを上げて現れるのは猟犬型の素早い小型の荒魂。

 当然荒魂の脅威を識る野次馬達は一目散に逃げ出す。

 残るは状況をいまいち把握していない5人のアイドル。

 

 「えっ?えっ?何ッスか?アレ?」

 

 「フヒ…な、何かのアトラクション……じゃ無いな……」

 

 「みんな逃げ出したって事はヤバい感じのヤツとか?」

 

 「ひぃぃぃっ?!恐いんですけどぉぉお!!?」

 

 「早く立つんだノノ!みんなで逃げるぞッ!」

 

 周りの状況から危険と判断し彼女達もまた逃げようとするが、ノノと呼ばれたお下げの少女の腰が抜け中々立ち上がれない。

 そうこうしている内に荒魂は彼女達を包囲し、ジリジリと距離を詰めてゆく。

 

 「っ…!ヤバいッス!もうアタシ達しか居ないッス!?」

 

 「ショウコ!ウチらでやるぞ!」

 

 「フヒ…トモダチと仲間は守る…」

 

 パーカーの少女とボサボサ髪の少女がポケットからスマートフォン端末を取り出す。

 

 「出番だサイケモン!」

 

 「ゴォォオオオ!マイフレェェェエエエンドッッ!!」

 

 端末から飛び出した光が2つ、奇妙な形となって実体を表す。

 

 「任せろ美玲!」

 

 「輝子達はオイラ達が守る」

 

 それは何とも奇妙な生物だった。片や獣の様な毛皮を纏ったサイケデリックな色の生物。

 片や毒キノコの様な物に手足と顔が付いた生物。

 そんな自然界では有り得ない生物が少女達を守る為、荒魂の前に立ち塞がる。

 

 『コラー!モリクボよ!何故朕を出さぬかー!』

 そして腰が抜けて怯える少女の懐からも轟く声が1つ。

 

 「そうッス!乃々ちゃんのパートナー完全体じゃないッスか!成長期の二人だけじゃ厳しいし乃々ちゃんもパートナーをリアライズするッス」

 

 「ぅぅ…もりくぼ、デラモンのこういう所が苦手なんですけど……」

 

 「でもさ、わたしも比奈ちゃんもパートナー居ないし、美玲ちゃん達だけじゃ厳しいと思うんだよね。せめて究極体のパートナーがデフォルトで居るみくちゃんとかが居れば大丈夫だったのかもだけど」

 

 大人2人に諭され、懐からは出せ出せと騒がれる。平穏な日常を愛するネガティブチキンハート森久保乃々のメンタルは自責諸々のあれで遂に振り切れる。

 

 「こ…こうなったら、ヤケくぼですけどぉぉぉおお!!?」

 所謂ぐるぐるオメメとなったハイライトのまま叫ぶ乃々。彼女の端末から飛び出した光は、やがてこれまた珍妙な形となる。

 

 ソレは背中に青々と茂った草木を生やした鳥だった、頭上に王冠を被り、脚は爪の露出した鳥の物では無くスニーカーぽい靴、何より大きさは精々がしゃがんだ乃々より高い程度の背丈。

 輝子のパートナー、キノコの様な生物ことマッシュモンよりも大きさで言えば小さい、しかし瞳の奥の意思と態度はこの場の誰よりも大きかった。

 

 「全く!最初から朕を出していれば良いものを…。さぁ征くぞ!者共!」

 

 「オイラ達は家来じゃないんだけど」

 

 「ホントな。美玲のプロデューサーかロイヤルナイツの誰かの指示ならまだしも…デラモンじゃあなぁ」

 

 遅れて現れたデラモンの命令口調に不服を述べながら荒魂の意識をパートナー達から逃し、連係して対処している2匹。

 

 「ええい!うるさいうるさい!とにかくその得体の知れん怪物共を片付けてやるからサポートしろ!」

 短い羽を手のように振るいながら憤慨するデラモン。

 仕方が無いと嘆息するマッシュモン、サイケモン。

 マッシュモンが掴んでいた1匹の荒魂を空に投げる。

 

 「ふん!分かればいいのだ!食らえロイヤルナッツ!!

 

 嘴を大きく開けて叫ぶデラモン、すると背中の植物の茂みから卵型の木の実が飛び出し、空中の荒魂にクリティカルヒットし爆発する。

 

 「見たか!朕ってばやっぱり強いね!」

 

 高慢チキにふんぞり返るデラモン。爆煙から落下した荒魂は片足を失い、躰の節々からノロを流しているが健在であった。

 

 「生きてんじゃんかー!」

 「バカ!デラモンのバカ!」

 

 「うぇぇ気持ち悪……」

 「ホントに何なんッスかね…アレ」

 「少なくともフツーの生き物じゃないぞ」

 「フヒヒ…こ、小梅ちゃんがいたら喜んだかな…?」

 「もぅ…むぅ~りぃ~」

 

 仕留めたと思った敵が手負いとは言え健在な事に、2匹はデラモンへ文句を叫び、パートナーである少女達を含めた人間側は荒魂の歪なグロテスクさに不興を持つ。

 

 「クソッ!せめて進化出来るか、もっと強い仲間が居れば……!」

 サイケモンが悔しげに呟く。

 

 「守ってばっかじゃ、ジリ貧だな…!」

 マッシュモンも表情に苦心を滲ませる。

 

 しかし、そうして不利な状況を繰り広げていた少女達と謎の生物の一行の前に救いは現れた。

 

 

 「おい…何か本当に妙な生き物がいるぞ」

 

 「ねねっ!」

 

 「でも見た所、あの女の子達や女の人達を守っているわ」

 

 「スペクトラムファインダーを通して見ても彼方の生物には荒魂のノロ反応は有りません。恐らく何時かの時と同様…異世界案件でしょう」

 駆け付けた声は4つ、内3つは人間で残り1つは、少女達からすればよく解らない生き物の鳴き声。

 

 「えっ…?!誰ッスか?!」

 

 「なんかカタナ持ってるぞッ!!」

 

 「てかスゴい速いね、真尋ちゃんとか茜ちゃんとは違う感じの速さじゃない?」

 

 「フヒ…どっちかと…言うとへ、ヘレンさんみが、あ…あるな…!」

 

 「何でもいいです…もりくぼ達が助かるなら…」

 アイドルを称する彼女達は突如として現れた刀を振るう少女──刀使達に目を白黒させながら驚く。

 

 「あのちっこいヤツの頭に乗ってるのデジモンか?」

 

 「いや、それっぽい気配無いし違うと思う」

 

 「ぐぬぬ…朕ですら倒せなかった敵をこうも容易く……」

 対しデジモン達はちっこいヤツこと益子薫の頭に乗ったねねに興味津々である。約1匹別の事を考えているが。

 

 「何か褒められているのか貶されているのか分からん事を言われている気がするが……連中の正体を知る為にもとっとと片付ける。キエーーー!」

 僅かに聴こえて来た声に目尻を動かしながらやる気がいまいち篭らない猿叫を上げ猟犬型を凪払う。

 

 「デジモン……やはり異世界絡みか」

 「とにかく片付けて、詳しい話を訊きましょう」

 薫が討ち洩らした荒魂をミルヤと智恵で仕留めていく。

 

 「おぉ…スゴいッスねあの娘ら…鎧袖一触ッスよ」

 

 「あの小さいツインテの娘の素振り、惚れ惚れするねー!打席を任せるなら一発の5番あたりかな?」

 

 「フフ…友紀さんは…相変わらず、だな…」

 

 「だな。酔ってないだけマシと思おう」

 

 「なんでもいいです……もりくぼをいぢめないならそれで」

 デジモン達に庇われる形で彼等の背後から刀使達の活躍を眺めるアイドル一行、しかし正面での戦闘にばかり夢中で背後から近付いて来た1匹の猟犬型の存在に気付けなかった。

 

 ──WhuoooOOOOO!!

 

 「えっ?!ぁやぁぁぁぁあ?!?」

 「ひぃぃぃいい??!!」

 「フヒッ?!」

 「うえっ?!」

 「わぁぁあああッ!?」

 

 「っ!?しまった!!何時の間に!!」

 

 「でもオレ達の技じゃ倒せない!」

 

 「くぅ…カタナの小娘共も間に合わんか?!」

 

 パートナーデジモン達がせめて己の身を盾にしようと動いた瞬間、轟く厳つい声と煌めくレーザー。

 

 「ロッククラッシャァァアアアッ!!」

 

 奇抜な六角形の光線が荒魂を一撃でノロに還す。

 

 「な、なんだッ!?」

 

 「アチッ?!」

 

 美玲が声と光線が来た方向に顔を巡らせ、マッシュモンは笠にかかったノロに思わず短い悲鳴を溢す。

 

 「ドリルゲキ、来ていたのですか」

 

 「この野郎、美味しい所取って来やがった」

 

 「あはは…」

 

 正面の猟犬型荒魂を全て片付けた薫達が合流する。そして彼女達が言う様にアイドルのここ一番のピンチを救ったのは黒鉄の戦士。

 

 「いやぁ、智恵さんを見掛けたもんだからのう。声を掛けようとしたらみんなして走り出すじゃないか。そんで、ワシのダグコマンダーにも荒魂反応があって……こりゃあもしかすると、と思い寄る人波を押し退けて着いてみたらお主達が荒魂と戦い始めた上に、変な生物までおると来たもんだ、取り敢えずは変身して、助太刀の前に謎の生物が敵かどうか見極めとったら…そこのオナゴ達に一匹賢しい荒魂が近付いてきおったでのう、慌ててロッククラッシャーを放ったんじゃい」

 

 と、経緯を解説するドリルゲキ。薫は些か呆れていたがミルヤは納得がいったのかふむと頷きデジモンを見やる。

 そんな中、アイドルの1人が絶句している事に智恵は気付く。

 

 「(もしかして撃鉄さんの姿に驚いてるのかしら?不思議な生物を連れているとは言え…まぁ早々信じられる光景では無いものね。)あの──」

 

 「ダ、ダグオン!?勇者指令ダグオンのドリルゲキ!!?本物ッスか!!?コスプレとかじゃなくて!?」

 

 ((((?!))))

 

 絶句から声を上げた眼鏡の女性の言葉に3人の刀使とゲキ本人は思わず戦慄する。

 

 「おい…聞き間違いじゃ無かったら今、ダグオンって言ったよな?コイツら異世界人じゃないのか?」

 

 「ええ、わたし達の世界には居ない生き物と友好的に接しているし、少なくともこの世界の人では無いはずよ」

 

 「その前に、そもそも勇者指令と言っていましたね」

 

 「本物…と言うのも気になるのう」

 

 4人からの視線を一挙に受ける眼鏡の女性。その迫力に思わずたじろぐ。

 

 「あっはっはっはっ!比奈ちゃん滅茶苦茶注目されてるね」

 

 「笑い事じゃないッスよ?!」

 

 「ガルルッ!ウチの仲間に手を出す気なら許さないぞッ!」

 

 「フヒ…い、一難去って、また一難。ってヤツだな」

 

 「もういやです……もりくぼは森に帰ります」

 

 「おうおう!ヤるってんなら容赦しないからな!」

 「さっきのバケモンには遅れを取ったけどオイラ達の仲間は守るぞ!」

 

 「ええい!朕の背中はモリクボの住みかでは無いと言っとるだろうが!!」

 

 約1名と1匹、コントの様なやり取りを繰り広げているが、彼女達とデジモン達が警戒心を顕にしたのを見て、智恵とミルヤが慌てて御刀を鞘に納める。

 薫の祢々切丸は何時もの如く抜刀時に鞘を破壊しているので回収班が来るまで抜き身のままだ。

 

 「どうする?」

 

 「一度、管理局の方にとも思いましたが……ダグベースに直接連れていった方が良いかもしれませんね」

 

 智恵とミルヤが顔を見合せそんな会話を交わす。

 

 「俺達じゃ連れてけないからな。ゲキ、お前のドリルライナーを今すぐここに呼べ」

 

 「ねっね」

 

 「言わんとする事は分かるが、益子よ、もう少し言い様ってもんがあるじゃろ」

 

 薫からの指示に頭を掻きながら言われた通り、ドリルライナーをコールする。

 

 「なっ…ダグベースにビークルもあるんッスか!?てことは他のメンバーも揃って……いやでも声は江川さんじゃないし……」

 

 「ヒナが何言ってんのかぜんぜん分からん」

 

 ゲキと刀使達の会話を聞いてぶつぶつと考え込む様に呟く比奈と呼ばれた眼鏡の女性。

 傍らの美玲は彼女の言っている事が一切理解出来ず首を傾げる。それは輝子や乃々、友紀と呼ばれた者達も同様のようで──。

 

 「ああ、菜々さんかプロデューサーがいたら話が速いんッスけど……とにかく怪しい人では…あるのか、…えっと、悪い人たちじゃ無いッス。少なくともそっちのヒーローみたいな格好の人は。だから状況を把握する為にもこの人たちに従いましょう」

 ジェネレーション差か、サブカルの差か、兎も角伝わらない感動にしょげつつも、この中で只1人"ダグオン"を知る比奈が率先して意見を挙げる。

 

 「フヒ…比奈さんがそう言うなら」

 

 「まぁユキよりは」

 

 「もりくぼは黙って従います」

 

 「ミレイが納得したなら」 「輝子が良いなら」 「朕は何でも良いぞ!」

 

 デジモン達もパートナーの意思を尊重しスマートフォン端末アプリケーション──デジヴァイスアプリ──へと還ってゆく。

 

 こうしてドリルライナーが到着、アイドル達を乗せた後、回収班が来たのを見届け、ミルヤが引継ぎ手続きを終え、刀使達3人も乗せてドリルライナーはダグベースへの飛び立ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━ダグベース・オーダールーム

 

 「で、シータのオッサンがあれから固まったまま動かねェンだけど、結局ドコの世界と繋がったんだ?」

 

 アルファにどの世界とゲートが繋がったのかを問われ、確認の連絡を同胞へと取ったシータ。しかし彼は絶句したまま二の句を告ごうとしない。

 

 「あ、そう言えば。さっき此処に来る前格納庫からドリルライナーが発進したみたいなんですけど…先輩何か知ってます?」

 一向に話が進まない為、蚊帳の外となった3人。雷火が申一郎に先頃出動したドリルライナーの件を訊ねる。

 

 「アァん?知らねぇよ。宇宙人が来たならそもそもレーダーなりなんなりに反応があんダロ?

 無いって事は、どーせ撃鉄のヤロウのキマグレか何かだろ?」

 

 「気紛れ…って、田中さんはそう言う方では無いでしょう?」

 

 申一郎が心底どうでも良さそうに適当な答えを返したので、寿々花が眉をひそめながら問う。

 

 「いやぁ此花チャンは知らないだろうけど、アイツドリルライナーが正式にロールアウトした時、メッチャはしゃいでたからな?」

 

 「そうなんですの?でも…それはその時だけの事でしょう?流石にあの方も良い年齢なのですから、もう弁えていると思うのですけれど…」

 

 「イヤイヤ…男ってのはいくつになってもバカやる時はやるもんだって」

 

 「あっ、噂をすればですね。ドリルライナーが戻って来ました。撃鉄先輩も乗ってます」

 側のコンソールで格納庫の状況を把握した雷火の報告に、寿々花がそんなまさかと若干の失望を懐きながら雷火の方を思わず見る。

 

 「あれ?先輩…だけじゃない」

 しかし雷火は何やら狼狽えた様子で言葉を続ける。

 どうやらコンソール近くのサブモニターで格納庫の様子を確認していたらしい。

 

 「アん?」 「何ですって?」

 雷火の、その言葉に2人ともして眉根を吊り上げる。

 

 「……ま、まさかっ!」

 

 「もう!結局ドコに繋がったんだってば!?」

 

 そしてそれを聞いたシータまでもが顔面を蒼白にしてたじろぐのでアルファは噴飯する。

 しかし程無くして、撃鉄が智恵達と共に連れて来た人物達を見て、彼もまたこの世の終りの如く顔面蒼白となるのであった。

 

 「う…ウソだ……そんなまさか……」

 

 「いや待てアルファ!まだそうと決まった訳ではない!まだ可能性はある!」

 

 「そ、そうだね!数字の方ならまだ大丈夫…いや現実大丈夫では無いけど、あくまでも事故で巻き込まれた被害者と言う可能性が残ってるし!」

 

 管理者2人があまりにも慌てふためくので、連れて来られたアイドル達も連れて来た撃鉄達も首を傾げたり戸惑ったりを隠せない。

 

 「何じゃ…一体奴らは何を狼狽えとるんじゃ?」

 

 「ってかアルファだけじゃなくて、シータも居るのか」

 

 「何だか汗びっしょりだけど、彼女達に何かあるのかしら?」

 

 「いきなり此処に連れて来たのは時期尚早だったのでしょうか?」

 

 連れて来た側の4人が顔を見合せて訝しむ。

 そんな中、アルファは意を決した様な顔で連れて来られたアイドル達の前に踏み出す。

 

 「コホン……え~(とりあえず話が通じそうな)、荒木比奈さん。君達が所属するプロダクションの名前を訊いても良いかな?」

 

 「えっ!?あ、はいッス。(何でこの娘?アタシの名前知ってる…?!刀使って娘達とダグオンの人はアタシ達の誰も知らなかったのに)えぇっと、ウチのプロダクションの名前ッスね。シンデレラガールズプロダクション、略してCGプロッス」

 

 そう比奈の口からプロダクション名が出た瞬間、共に膝から崩れ落ちる管理者2人。

 

 ((お…終わったーーー!?!!))

 

 「ありゃ、すんごい顔して崩れ落ちたね」

 

 「なんか失礼じゃないか」

 

 「フヒヒ…とりあえず謝っておこう…ごめんなさい」

 

 「もう訳が分からないんですけど…」

 

 俗に言うorzの形で悲哀を醸し出す管理者達にこの場に招待されたアイドル達は様々に反応を返す。

 そして崩れ落ちた2人はと言うと──

 

 

 (どうすんの!?完全な被害者から被害者加害者混合なのが確定しちゃったよ!!?)

 

 (どうしようもない!報告が確かなら二百近い人数がこの世界に現れた事になる。取り敢えずは彼女達のプロデューサーと原因と見られるアイドルを確保すべきだ!)

 思念で会話を交わすアルファとシータ。

 そんな彼等を放って置いて、アイドル達はオーダールーム内を思い思いに動き始める。

 

 「フヒ…ここの下結構良さそうだな、シイタケクンもそう言ってる…」

 

 「もりくぼは安全が確保されるまで引きこもります、帰る頃になったら迎えに来て下さい…」

 森久保乃々と星輝子はオーダールームのコンソールデスクの下に引きこもり。

 

 「ねぇ、ここって冷蔵庫無いの?ビールとかある?」

 

 「や、友紀さん…流石に遠慮しましょう?」

 手近な所を物色し始めた姫川友紀を荒木比奈がこの世界の住人達に申し訳なさそうにしながらやんわり止める。

 

 「ジロジロ見んなッ!」

 

 早坂美玲は申一郎からの視線に拾ってきた猫よろしく威嚇をしている。

 

 ──しかしこれは混沌のほんの一端でしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「機人創造せし者の不可思議なる光に導かれしは異なる世界かっ!?(晶葉ちゃんの発明品に巻き込まれたと思ったら私たちが知らない日本に来ちゃった!?)」

 

 「せんせーどこー?」

 

 「あぁ…ここ最近ずっと幸せだったから、きっとわたしの不幸が働いてしまったんですね……」

 

 「見知らぬ場所で()()になってオー()()()ッド…うふふ」

 

 「フ…フフーン!ボクは異世界でもカワイイですね!!」

 

 「幸子ちゃん、足が震えてるゾ☆」

 

 

 

 

 「お兄ちゃん、紫さまー!変な人達がいるーーー!」

 

 「ふむ…年頃の少女と婦女子の集団か。確かに些か妙ではある…まぁ恐らくはアルファが仕出かしたのだろうが……紫様、念の為彼女達を保護してみます」

 

 「…………そうだな。違うにしろ話を訊く価値はあるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ヘーイ!此処は私達の暮らしていた世界では無いわ!!」

 

 「にゃっ?!いきなり何を言い出すにゃ!!?」

 

 「そう……この世界は私達の知る理とは…違うのね」

 

 「アー…、ヘレンものあもプラーヴァ──真実を言ってます」

 

 「ムムム~ン!サイキックテレポーテーション!!」

 

 「むふふ、日菜子は遂に世界を渡る術を手にしてしまったようです」

 

 「杏はツッコミ切れないから友暉、あとよろしく」

 

 

 「はっ?!ふざけるなっ!!いきなりあの男にあんたらの所に連れて来られたと思ったら更に異世界だと!!ぼくはもうキャパオーバーなんだよ!?!」

 

 

 

 

 

 「うーん何か派手な人達がいると聞いて確認しに来てみれば……濃いなぁ……」

 

 「バサバサ、元気出して行きマショウ!」

 

 「荒魂ちゃんはいねぇのか…ツマンネ」

 

 「美少女に美女…選り取り見取りじゃないですか!テンション上がるぅ~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「止せ!止めるんだ愛海!」

 

 「離して奈緒さん!目の前に色んなお山が選り取り見取り!あ!でも奈緒さんの奈緒山の感触も捨てがたい!?」

 

 「現状の把握の為にもまずは釣りをしたいのれす~」

 

 「釣り!スシダナ!ナターリアもやるゾ!」

 

 「待ってちがう」

 

 「輝次だっけ?あんたのデジヴァイス…D-スキャナーってのプロデューサーに連絡取れんの?」

 

 

 「残念だが私達のD-スキャナーは通信機能は搭載されていないんだ。それよりも彼方をどうにかすべきでは?」

 

 

 

 「落ち着いて十条さん!あの娘も悪気は無い…と思うから!!」

 

 「離してくれ岩倉さん!あのお団子頭の愚か者だけは許せん!」

 

 「いやぁ、個性的な方ばかりですねー。これは管理局の方に連絡を入れるべきか、管理者の人達に原因を訊くべきかぁ悩みまぁす」

 

 「新多、他人事じゃないぞ。まずは双方に連絡するべきだ」

 

 「…獅童に賛成する…。まぁ、十中八九……異世界案件だろうがな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「???…私、いつの間に外に出たんでしょうか?」

 

 「ゆかりチャン、寝惚けてる?」

 

 「ネットに繋がらない………。ここって私達が知る日本じゃないんだ…」

 

 「にょわ~……杏ちゃんもPちゃんも無事かにぃ?」

 

 「これが異世界なのですね!私とても感動しております!」

 

 「異世界と言っても、私達が居た世界との差異はあんまり無いみたいだけどね。とても度し難いけど」

 

 「それにしても焔也くんに舞衣ちゃんだっけ?悪いわね~お世話になっちゃって」

 

 

 「ホントホント!マヂありがサンキューって感じ?」

 

 

 

 

 「いえ……その早苗さんでしたよね?その帰る方法を探さなくて……」

 

 「いやまぁ…アルファ辺りに訊きゃ原因とかも解るんだろうけどさ。つーか安桜達はなにしてんだよ」

 

 「えっ?だってアイドルだよアイドル!むしろ先輩はどうしてそんな落ち着いてんの?!ね、清香!」

 

 「だね!アイドルの人達のファッションセンスとか参考になります!あ、伊墨ちゃんも勿論参考になるよ!」

 

 

 

 

 しかしてこれすらもまだ氷山の一角、これはまだ始まりに過ぎない。

 

 

 DAY2へ続く

 


 

 エイプリルフール予告(BGM:お願いシンデレラ)

 

 ふっはっはっはっ!次回予告は戴いた!

 

 誰だあんた?!

 

 え?う~ん……よし。我が名はモバP!Cu、Co、Paの全ての属性を担当せし者!!

 

 ふざけて…はいないみたいですね。

 

 モバPって何だヨ、偽名感マシマシじゃねぇか。

 

 ……ふざけた様に見えて、それなりに出来る者の様だ………。

 

 それで、アルファ達の言い分が正しければ…彼が担当するアイドルが今回の原因らしいが…。

 

 シータさんによるとプロデューサー?さんにもいくらか原因の一端があるとか。

 

 それよりもじゃ、二百人近い人数をどう面倒見るんじゃ?

 

 

 次回、プロジェクトとじドルDAY2!

 

 目指せアイドルマスター!ピッ○ッカ○ュー!

 

 アウトだよ?!





 はい、ネタバレですがアイドルに加え数人他のキャラも居ますが、別にアイドルの方は全員台詞はあっても活躍は書ききれないので、DAY2でハイライト気味に全員集合した後、数人残して元の世界に帰ります。
 元の世界での仕事もありますからね!

 大分内輪なネタですが、エイプリルフールなんで大目に見て下さい!はっちゃけたかったんです!

 それでは次回

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