刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 おはようからおやすみまで……zzzZZZ
 失礼、コラボ二話目です。中々纏まらずに苦戦しました。
 次回は割りとノリよく書ける……そんな気がする。

 所でOVA見ました、ミルヤさんの水口レイピア解説助かりますわ、チビふっきーだわ、何時もの可奈美ちゃんだわ、新しい人型(姫タイプ)だわ、見所満載でしたね!



第七十二話 勃発!?仕組まれた戦い。

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 あれェ!?何か別世界が混ざってるぅ?!

 


 

 ファイヤーエン、アーマーシン、ドリルゲキが異星人の策により謎の一行と衝突する事態となる前、追い駆けっこを演じている時。

 燕戒将、渡邊翼沙、六角龍悟は彼等とは別に駒王と銘打たれた街を調査していた。

 

 「奴等は大丈夫だろうか……ああは言っていたが敵はどんな能力を持っているか解らんというのに」

 戒将が山北町と明らかに様相が違う建築家屋を見ながらふと呟く。

 「確かに不安が無いと言えば嘘になりますが、三人とも弱くはないのですから、もう少し信頼してあげても良いのでは?……しかし不自然に人が居ませんね」

 翼沙が戒将の言う事に同調しつつ、仲間を信頼する様に口にし、不自然な程人が居ない街の様子を訝しむ。

 「……何かしら暗示のようなモノが働いているのかもしれん」

 龍悟があまりに不自然までの街の違和感に推測を立てる。

 

 「詰まりはこの街には謎の力が働いて、住人達はその暗示により異変に気が付かない。そう言うのだな」

 「……そうとでも考えなければこうも静かな理由に説明がつかんからな…」

 戒将と龍悟が意見を交えている、翼沙はLINEで来た焔也からの神隠し事件を改めて精査している。

 「戒将、良いですか?焔也と一緒に調べた神隠し事件、僕の方で改めて調べ直しているんですが……行方不明者は帰ってきたパターンと行方不明のままのパターンの二つ以外に増えているパターンもあるようです」

 翼沙が妙な事を言い出したので2人共その理由に首を傾げる。

 「…増えたとは?」

 「此方の行方不明者が纏めて帰ってきた訳では無いのか?」

 「はい…。飽くまでもニュースサイトに載っている情報のみなのですが、増えた人間は戸籍が存在しない人間だったようです。そして今回の街が入れ替わる事件で僕は推論を立てたのですが…これはこの街があった世界の住人が僕達の世界に迷い混んでいるのではないのでしょうか?」

 

 「存在しない人間がこの街がある世界の住人か…」

 翼沙の推論に戒将が手を顎に充て熟考する。

 そんな彼等のダグコマンダーに搭載されたスペクトラムファインダーに荒魂の反応が検知される。

 「荒魂だと?!」

 「近いですね…」

 「……先行する」

 突然反応が現れた荒魂に驚愕する戒将、翼沙が場所を特定し龍悟は言うや否やすぐ近くの民家の壁を駆け上がり屋根伝いに音も無く走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━駒王町公園

 

 一方、その荒魂が出現したとおぼしき場所では数名の何者かが荒魂を相手取り戦っていた。

 「いったいっ、何なのかしら?!この生物はっ!」

 恐らく学校の制服であろう衣服を纏った紅色の少女が群がる荒魂を手より放つ何かしらの力を込めた光弾にて蹴散らす。

 

 「奇妙な手応えだ、生き物を相手にしている気がしない」

 同じく荒魂を相手に危なげ無く戦うのは身の丈並の長さを誇る、用途不明の宝玉が付随した槍を振るうのは青い軍礼漢服に身を包んだ青年。

 

 「もうっ!気持ち悪いったらないんだから!」

 紅色の少女同様制服に身を包んだ栗毛のツインテールの少女が此方も光のエネルギーらしきモノで荒魂に対応する。

 

 「魔剣で斬った時より聖剣を使った時の方が効果がある……この生物は魔に分類されるものなのか…?」

 此方は少女達と同じ制服、しかし男子用のブレザーに身を包む金髪で爽やかな面持ちの少年が手に振るう両刃剣を眺めながらポツリと呟く。

 

 とは言え斬った張った、蹴散らした矢先に次々と荒魂が現れるのだから彼等彼女等も辟易してしまう。

 そんな4人と荒魂の間に突如割って入る飛来物。

 「「「「?!」」」」

 公園の石畳に深々突き刺さるそれは──

 「手裏剣…?」

 紅色の少女が地面に刺さったそれの正体に首を傾げた瞬間、紫色の影が自分達の真後ろから飛び出した。

 

 

 

 

 

 「リュウの奴め、独断専行が過ぎるぞ」

 そして一連の流れを離れた位置から伺う2人戦士。

 青い戦士がマスク越しに顔を右手で覆う。

 「まぁまぁ、ですが彼等の武器は興味深いですね…女性達の方も何やら只者では無いようですし」

 白い戦士が荒魂と戦闘を行っている4人組の武装や能力をしげしげと見つめている。

 「確かにな。普通の人間では荒魂に立ち向かう事は出来ない、況してや倒す事など不可能……しかし」

 「あの一行はそれを成し遂げた。それに不自然な暗示が掛かった街で唯一、外にいる。どうでしょう?交渉してみる価値はあると思いますよ」

 白い戦士、ウイングヨクが荒魂と戦う謎の異能者一行との会合案を持ち出す。

 「手掛かりも少ない……ならば多少のリスクも承知の上か、良いだろう。我々もリュウに加勢しあの一行の助力を担うとしよう」

 青い戦士、ターボカイがヨクの提案に乗り、その身を木陰より乗り出す。

 「目標、中級蛙型。行くぞ!」

 「はいっ!」

 

 

 

 

 そしてダグオン2人の話題になっていた4人は突如として現れたる謎の存在に興味と不信をない混ぜにした感情を向けながら趨勢を見やる。

 「部長、あの人は一体……?」

 金髪の少年が現れた紫の戦士、シャドーリュウの存在に対し紅色の少女に誰何の言を問う。

 「分からない、けれど少なくとも敵ではないわね。今のところはかもしれないけど……」

 そう口にしつつ、リュウが単騎で正体不明の蛙の化物を翻弄、討伐する様に、只者では無い何かを感じている。

 「ニンジャ!ニンジャがいるわ!ねぇ曹操!あれ知り合いじゃないの!?」

 ツインテールの少女がリュウの格好から見て取れるイメージを連呼しつつ、漢服の青年の裾を引いて指差す。

 「生憎、英雄派にあの様な神器の持ち主は居ない……と言うより、あれは神器ではないだろうさ……うん?」

 ツインテール少女に引っ張られる裾を直しながら答えていると更に後ろより感じる気配に眉を潜める。

 

 

 「リュウ!合わせろ!ターボホイールシュートッ!」

 青い戦士が巨大なタイヤらしき物体をリュウと呼んだ戦士に向け蹴る。

 「……成る程、承知した…。ハッ!大っ回っ転っ!剣風ゥゥゥ斬ンン!!」

 リュウと呼ばれた戦士が意図を理解し、タイヤの上に乗り何事かを叫び回転する。

 激しく回転する独楽と化したソレはグルリと円を描いて荒魂を斬り裂き、刻む。

 「凄い、あの連続回転…大味に見えて正確に相手を斬り刻んでいる。それに……あの青い戦士、速い!」

 金髪の少年がホイール剣風斬を繰り出すリュウの技量と、残る荒魂を手早く片付け駆けるカイのその速さに感嘆の息を呑む。

 「失礼。危険なので少々退いていて下さい。ブリザードハリケェェェエン!!」

 感心する少年や困惑する少女達を余所にヨクが彼等の前に出て、背中のウイングの2つのファンを回転、逃走せんとする荒魂を一瞬にして凍り付かせた。

 「魔力を伴った攻撃でも無いのにあれ程の威力の冷凍攻撃…本当に何者なのかしら?」

 紅色の少女は突然の乱入者達の実力に唖然としつつもその目的を訝しむ。

 そして程無く、3人のダグオンの手により荒魂が一掃された。

 

 

 「さて、突然の事に多かれ少なかれ混乱があると思う、君達がどの程度現状を把握しているか分からないが、落ち着いて聴いて欲しい。先ず、我々は君達と敵対する意思は無い、次に……これが一番重要なのだが、此処は君達が居た世界では無い」

 カイが冷静に傾聴する様促しながら淡々と言葉を列べる。

 4人はカイが発した最後の言葉に半ば信じられないといった顔をしつつも声を荒げる事はせず、しかし動揺が僅かに見て取れる。

 

 (やはり……この反応、彼女達は異世界…この街があった世界の住人で間違いなかったようですね)

 ヨクが彼彼女達の反応にやはりと頷き、カイに視線を送る。カイは頷き、4人へ話を続ける。

 「信じられない気持ちは分からなくも無い。が、先程の怪物…荒魂と言うのだが、アレは君達の世界には存在しないモノだろう?それだけでは信用出来ないと言うのであれば、どうか我々に同行して欲しい場所がある。無論、強制はしない。其方の意思を最大限尊重させて貰う」

 一見して怪しい風貌だが真摯に言葉を尽くそうとするカイに恐らく4人の中で中心であろう紅色の少女が思案する。

 「祐斗、彼?の発言…どう見るべきかしら?」

 紅色の少女が金髪の少年の名を呼び意見を求める。

 「正直、判断する為の材料が少な過ぎて……僕ではどうにも……」

 祐斗と呼ばれた金髪少年は判断材料の少なさから紅色の少女が求める答えを出せずにいる。

 そんな中、漢服の青年が切り出した一言で事態は動く。

 「良いだろうか?リアス・グレモリー」

 「何かしら曹操?」

 「判断材料が少ないと言うのであれば増やせば良い、例えば……信用して欲しければそちらの正体を明かせ、とな」

 曹操と呼ばれた青年が挙げた案はダグオン側からすれば些か厄介なモノ。

 リアス・グレモリーと呼ばれた紅色の少女も流石に簡単に正体を明かしてはくれないだろうと思い曹操の案に対し渋る素振りを見せる。

 「敵味方はどうあれ…彼等が簡単に正体を明かしてくれるとは思えないわ」

 しかし曹操はどうだろうなと溢しつつ、ダグオン側へ視線を寄越すと…、

 「聴こえているんだろう?実際の所、どうなんだ?我々の信用を欲するとするなら最低限、誰か一人でも正体を明かすくらいはしても良いんじゃあないか?」

 皮肉が隠った視線を受け、ダグオン達は押し黙る。

 

 

 『……どうする?』

 ダグテクター内の相互間量子界通信でカイとヨクに問い掛けるリュウ。

 『異世界の人間とは言え、不用意に正体を曝すのは得策では無い。しかし……』

 『僕らの姿に不信感を持つ彼等を説得する事は難しくなる……ですね』

 悩める彼等にダグベースより通信が入る。

 (何だ?こんな時に……)

 眉根を寄せつつも、ヨク、リュウと回線を同調させ開くカイ、果たして映っていたのはドアップの最近すっかり見覚えがありつつある少女の様な少年の顔であった。

 『あっ!良かった!!戒将君ちょっと今大丈夫?いやぶっちゃけ大丈夫じゃなくても大丈夫にして!』

 とんでもない無茶を言ってくるトラブルメーカーの声につい軽い舌打ちをするカイ。

 『ん?あれ?今舌打ちしたよね?酷くない?』

 そして気付かなくても良いのにツッコむアルファ。

 『要件を言え。此方も立て込んでいる』

 『え、あ、うん。そっちでさ何かおかしな事起きてるよね?具体的には別の世界の人か街が現れてるとか』

 そのアルファの言葉にカイは目を見張り食って掛かる。

 『貴様の仕業か!?』

 『ちがっ!?違うし!!ボクはこんな雑な仕事しないし!!』

 それを聞いた3人はどの口が言うのかと思ったが、敢えて今は触れないでおく。

 『詳しくはそっちに現れるであろうデルタに訊いて!後、もし別世界の…こう何か変わった感じの力を持ってる人に会ったらなるべく穏便に済ませてね!フォローするし場合によっては正体バラしても良いから!!』

 それだけ言ってアルファは通信を切り上げた。

 『さて、期せずして上からの許可が降りてしまったな……』

 『どうしますか?』

 『……あの漢服の言う通り、俺たちの誰かが変身を解き正体を明かすか?』

 『デルタとやらが来ると言っていたが……直ぐ様現れない所を見るに…管理者と言えど時間が掛かる様だな。あまり長い時間、彼女達を焦らす訳にもいくまい。それに荒魂を倒した手前、一般人とは言い難い集団だ。ふむ…リュウを残し俺とヨクが姿を明かそう』

 カイが決断し、4人の方へ向き直る。

 「さて、返答は如何程か?」

 曹操が場合によってはと槍を何時でも構えられる様に手に力を込める。

 「良いだろう。確かに其方の言う事も一理ある。本来であれば易々と明かせる物では無いが、君達は色々と特殊な様だ。私とヨク…白い戦士の正体を見せる、どうかそれで信用してくれると有難い」

 言い終わると共にカイとヨクの全身が輝き、本来の姿、燕戒将と渡邊翼沙の姿が顕になる。

 そして2人の姿を見た彼等彼女等の反応は意外なモノを見たと言う感じであった。

 

 「あら…思っていたよりも若いのね……私達と変わらない年齢かしら…?」

 「そうですね。特に青い彼なんて、口調からもう少し目上かと思っていましたよ」

 リアスと言う名の少女と祐斗と呼ばれた少年が各々の感想を口にする。

 「てか、日本人だったのね……しかもかなりイケメン……」

 栗毛のツインテール少女が割りとミーハー染みた驚きを口にしている。

 「ふむ、確かに一人くらいはとは言ったが、まさかもう一人まで正体を明かすとはね。そちらの紫の彼を残したのは、彼の実力なら俺達を制圧出来るないし俺達から逃げ切れる自信があっての事かな?」

 曹操と呼ばれた青年は少しばかり意地の悪い質問を戒将達に投げ掛ける。

 「リュウ…彼を残したのは確かに保険ではあるが、それは何も君達と事を構えるつもりであるからと言う訳では無い。我々にも我々の事情あっての事だ」

 曹操の指摘にやや険を深めつつも平静な声で返す戒将。

 「さぁ正体は明かした。出来ればこのまま穏便に済ませたい。着いて来てくれるか?」

 手を広げ無害をアピールする戒将の姿に曹操はリアスを見やる。

 「だそうだ、リアス・グレモリー。後は君が決めろ」

 「曹操…貴方……はぁ、分かったわ。其方の…ええっと?「燕戒将だ」…そう。では燕戒将?貴方方を信用させて貰います。けれど、同行は少し待って頂戴。私達はこれで全員では無いの、他にも仲間が居るわ。彼等とも合流して決めなくては」

 

 「成る程、道理だな。此方も仲間が居る、我々も仲間に事情を説かなくてはならない。今から呼び出すが…其方は通信手段をお持ちだろうか?」

 「そう…まだ仲間が……ええ、構わないわ呼んで頂戴。私達の方でも仲間を呼び出すから」

 リアスの言を聞き戒将も納得を見せ別れた焔也達を呼び出そうとする。

 そして数秒の間の後、戒将からの呼び出しに出たのはアーマーシンであった。

 「シン、まだ異星人を追っているのか?出来れば早く片付けて合流してくれ、色々と話す事がある」

 ダグコマンダーの開かれたモニター越しのシンに呼び掛ける戒将、しかしシンから返って来た言葉は意外なモノであった。

 『戒将か!チョイと手こずってる。ワリィけど援護に来てくれや。クソッヤローはともかくオンナノコはやりづらい!!』

 最後にそう言い残し通信が切れる。

 「リュウ!」

 「……承知している」

即座にリュウが仲間の元に向かう。

 「申し訳無いが、我々の仲間が異星人との戦闘で苦戦をしている様だ。我々も救援に向かわなくてはならない、君達は……」

 此処で待っている様にと続けようとした所、リアスと呼ばれた少女が戒将の言葉を手を挙げて制する。

 「私達も同行するわ。その異星人とやらには文句を叩きつけたいしね」

 「………………良いだろう。だが場合によっては自身の身は己で守って貰うぞ?」

 「ええ、構わないわ。むしろ望むところよ!」

 他3名も異存は無いのか黙って頷き6人は目的の場所目指し走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、異星人との追い駆けっこの果て、奇しくも現地の住民であり、リアス・グレモリーの言う仲間の一団と戦禍を交える事となったエン、シン、ゲキは彼等の特異さや容姿から手をこまねいていた。

 

 「チィッ!見た目がほぼ人間だった異星人もだが、完全に人間と変わり無い連中の姿もヤッカイだなァ!」

 市街である為、爆発力を抑えたハンドミサイルを飛ばし牽制するシンが愚痴を溢す。

 「そうは言うが!あの大剣振り回しとるオナゴなんぞ、明らかに真っ当な人間では有るまい!」

 ゲキがゼノヴィアの得物に戦慄している。尚、刀使の中にも身の丈以上の御刀を振り回す者達が数名居るが、目の前の少女が振り回す剣は明らかに西洋のクレイモアやらバスタードやらなので彼の中では人外扱いである。

 「それより、こっちのちっこいのが色々厄介だぜ!」

 エンが相手をしている紫髪の少女の見た目以上の瞬発力とパワーに焦る。

 

 そしてダグオン達が彼女達の抵抗に手をこまねいている様に、彼女達もダグオンの戦闘力に苦心していた。

 「もう!なんなのあの戦隊ヒーローのパチモンみたいな三人組!?目茶苦茶強いんだけど!?単なるコスプレとかじゃないの?!」

 紫髪の少女が駄々を捏ねて叫ぶ。

 「あの黒いヤツ…やたら硬いし堅い。念の為初手デュランダルを全力で叩き付けたのに、揺らぎもしないぞ!」

 ゼノヴィアがゲキの装甲の堅牢さとゲキ自身の体幹の強さに戦慄する。

 「ってか、さっきからあの緑色、俺の方ばっか狙って来るんですけどぉぉお?!」

 少年は知らぬ事であろうがシンとしては女の子より野郎を狙うのは当たり前である。

 「ヤロウはとっととクタバレぇ!!ブレストモーターキャノンッ!!」

 そう叫ぶと同時にシンの胸部四連ガトリング機関砲が火を吹く。

 少年はそれを躱すか籠手で弾くかで凌ぐ。結果、弾丸が当たった赤い籠手は全体の3割が削られた。

 「のわっ?!危ねぇ!!一発腕に当たった!!神器の方で良かった~!」

 『良くないぞ!相棒!赤龍帝の籠手を神器でもない武器が抉ったんだ。直せるとは言え簡単に当たるな!!?こっちが生きた心地がしない!!』

 籠手から矢鱈渋い声が響く。

 「あん?今、あの野郎の腕から声がしなかったか?鎧みたいな方から……」

 「相棒…言うとったのう、以前現れた男女混合な宇宙人とかの同類か?」

 「関係ネェ!トニカク!オレはオンナノコはパスする。代わりにヤローは仕留めとくからオマエらはオンナノコ型を頼む」

 エンとゲキに自分が担当する相手を宣言するとブレストモーターキャノンとアーマーライフルを少年に向け撃ちまくる。

 「ならワシはあの大剣のオナゴじゃな、力比べならまず負けん!!」

 ゲキは改めてゼノヴィアに向かい突進して行く。

 「結局俺があのちっこいのとか……身長、結芽ちゃんとどっこいどっこいくらいか?まぁあの子と比べたら見える分マシか!」

 拳に炎を宿し紫髪の少女の得物の木刀を狙うエン。

 

 そして彼等の戦いを後方から見ている金髪碧眼の少女と彼女に支えられている(実際はもしもの時の人質にする為彼女の肩を掴んでいる)人間に擬態したエデンの異星人。

 「皆さん…頑張って下さい!!」

 金髪碧眼の少女が目一杯叫び、仲間を鼓舞する傍ら、異星人は焦っていた。

 (くっ……妙な力を持った下等生物と争わせて同士討ちを期待していたが…思いの外使えんな異世界の存在も。こうなればおれ手ずからこの小娘を手土産に帰還するくらいしか成果を持ち帰る手段が無い…!何、あのドレス女に売れば高値で稼げる。そもそもおれは詐欺が専門なんだ、カモがいない調査なんぞで死んで堪るか!)

 内心そんな事を考えながら何時行動を起こそうかと見計らう異星人。

 

 「こうなったら本気出しちゃうんだから!」

 紫髪の少女が何事かを叫ぶ。

 「姉ちゃんが本気出すなら俺だって!」

 少年も籠手を突き出し構える。

 「私はこれ以上、出しようが無いんだが、やってやるさ!」

 ゼノヴィアも自棄糞気味に吼える。

 対しダグオン達も相手が奥の手を出すのが判るのか必殺技で迎え撃とうと身構える。

 しかし、そんな6人の間に空からカードが降って来て目の前の舗装された道に刺さる。

 「ねぷっ?!」

 「何だ?!」

 「新手か!!?」

 それが何か知らない3人は大いに驚き狼狽え、それを知る3人は足を止めその意図を思案する。

 「おい、これ…」

 「リュウのお供の動物のカードじゃな」

 「ガードタイガーだな、アイツ何のつもりだ?」

 そして上を見れば電柱の天辺に腕を組み仁王立ちするシャドーリュウの姿を見付ける。

 「……待て、エン、シン、ゲキ。お前たちが戦っている相手は敵ではない…」

 「「「?!?」」」

 リュウの言葉に驚き視線を再び少年少女達へ巡らせる3人。

 一方、突如現れたリュウのその言葉に件の少女達も困惑を顕にする。

 「オイ?!何言ってやがるリュウ!あの連中からは人間以外の反応が出てんダゼ!」

 シンが少女達の方を指差す、しかしリュウは否定する。

 「アルファから連絡が来た。彼女達は異世界の特異能力を持った存在だ。お前たちは恐らく異星人に謀られている、そうだろう?」

 アイシールド越しの視線が金髪碧眼の少女に支えられた女性を射抜き、ガードウルフのカードを飛ばし女性の頬に傷を付ける。すると流れ出す青い血。

 「ちぃっ!逃げ時を見誤った上に正体もバラされるとは……だが動くなっ!こっちには人質が居るんだ!ハッ!非力なおれとてこの小娘くらいの首ならへし折れるぞ!!」

 頬から血を流しながらも金髪碧眼の少女の首へ手を回し、力を込める異星人の女性。

 「あーちゃん!!」

 「「アーシア!!?」」

 これにはダグオンと戦っていた3人も驚きの声を挙げる。

 「動くなと言ったはずだ!もし不審な行動を取ればこの小娘は死ぬぞ?」

 ニヤリと嗤いながらゆっくり後ろに下がる異星人の女性。

 「ふふ、どうした小娘?恐怖で声も出ないか?」

 自分より弱い相手の命、その生殺与奪の権を握った事で気が大きくなる異星人、人質となった少女に助けでも呼んだらどうだと視線を飛ばして、そこで彼女が絶望をしていない事に気付き顔を歪める。

 「おい?状況を理解していないのか?何故怯えない!何故泣き叫ばない!貴様の命はおれの手の内にあるんだぞ!!」

 苛立ちを発し吼える異星人、しかし少女はそれでも尚怯える事無く口を開くと──

 「怖くありません。きっと皆さんが助けてくれるから……それよりもどうして貴女はこんな事をするんですか?」

 碧眼が真っ直ぐに異星人をその視界に捉え見詰める。

 「はぁっ?!助けてくれる?この状況で?それに何故こんな事をするのかだと?何だ貴様、アタマがイカれてるのか?下等生物が何を仕出かそうが無駄だ!おれは貴様を連れ帰るだけ、異世界の力とやらはあのアバズレが勝手に暴くだろうさ!」

 異星人の女性は馬鹿にするように笑い、少女の言葉を吐いて棄てる。異星人は言葉を続ける。

 「とにかく!貴様らはおれが舟に乗ってこの星から出るまで大人しくしているんだな、ハハハハ!」

 

 「悪いが、そうは行かん」

 

 「ハッ?」

 

 高笑いの最中背後より掛かる声に振り返ろうとすれば、正面方向から飛来する光を反射する物体。

 それはウイングヨクのクリスタルブーメランであり、異星人が少女を掴む腕を斬り裂く。

 「イッ?!ギャァァァあイッ?!!」

 痛みに叫び喘ぐ異星人、その隙に背後から声を掛けてきた人物は人質の少女の抱え、少女の仲間達の元へと彼女を送り届ける。

 

 「期待を裏切った様で申し訳無い、が、あの場では連中の手口を知る我々が君を助けられると踏んだのだ」

 少女を優しく降ろす青い疾風の戦士ターボカイ。

 彼はヨクと共に仲間であるリュウやエン達と合流する際、リュウからの通信越しに状況を把握、解除した変身を再び行い。カイが異星人の後ろにその高速を越える速度で音もなく近付き、声を掛けて一瞬、気を逸らした隙に同じく変身していたヨクがブーメランを投擲、少女を救出したのである。

 「あーちゃん!無事?!怪我とかない?」

 「大丈夫です、この人達が助けてくれましたから」

 紫髪の少女に抱き着かれ少し困った風に笑う少女を尻目にカイが仲間達に号令を掛ける。

 

 「行くぞ!我々の使命を果たす!!」

 

  「「「「「応!!!」」」」」

 

 5人の戦士がそれに応える。

 

 勇者ダグオンが正体を顕にした敵を前に立ちはだかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━駒王町公園

 

 カイ達、そしてリアス・グレモリーなる少女が率いる一行が仲間との合流の為消えた地にて彼女は現れた。

 

 「降臨!満を持して!!」

 フードに隠れ表情は完璧には見えないが、恐らくその顔は世間一般に於いてドヤ顔と呼ばれるものであろう。

 クールで感情の起伏が落ち着いていそうな女性がそんな顔で闇に飲まれそうなポーズを決めているのだから、きっと見るものが見ればギャップに悶えるなり刺さるなりして性癖を拗らせていたかもしれない。しかし──

 

 「……………………誰もいない」

 

 此処で待っているであろう者達が居ない事にショックを受け涙目になる黒コートの女性。

 彼女はデルタ、アルファ同様異変に気付き駆け付けた管理者である。

 

 「………誰もいない!」

 

 管理者である。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:We are DAGWON)

 

 よく来たな薫。

 

 おい、何の用だクソ本部長……こちとらさっき仕事終えて帰ってきたばっかだぞ……。

 

 そんなお前に新しい仕事だ。山北町付近で荒魂が出現、そして数分の後消失した。何やら妙な異変が起きたとの報告もある。調査の為の人員を他数名の刀使と護衛し事にあたれ!

 

 いや休ませろよ!!大体、消えたんならダグオンが片したんだろ?俺が行く必用無いじゃん、調査の護衛なんて他の奴等にやらせろよ。

 

 ねー!

 

 お前に拒否権は無い!何、心配するな護衛部隊にはお前が見知った面子もいる。後、行かないと給料出さないからな。

 

 ぐぬぬ……鬼め…。仕方無い、行くぞねね。

 

 ねー…。

 

 次回、"刀使ノ指令ダグオン"

 錯乱、ホライズン同盟with薫

 

 おい、このサブタイはどういう事だ?!

 




 紫verレースクイーンの衣装は私に刺さる。ミルヤのレースクイーンも割かし刺さる。序でにアリスギアアイギスでもレースイベントしてる。
 後、天華百剣で召集券でくのさん、期間限定無料十連でしっしー、おみつ、西蓮が手に入ってホクホクの私。

 そしてそしてとじともの次のコラボはリリカルなのはと来たか……夜見違和感無いね(はやての騎士甲冑姿を見ながら)

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