刀使ノ指令ダグオン   作:ダグライダー

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 こんばんは三連休二日目にして最新話を投稿ダグライダーでございます。
 今回、管理者がはっちゃけてるのは冥次元のノリに少々引っ張られ…本し……もといテンションが上がっております。
 そして過去最大の文書量になってしまった……。


 ところでデビあくま一匹下さい。
 
 加筆修正しました(11月21日朝)



第七十六話 ダグベース。異世界人来訪!

 前回の"刀使ノ指令ダグオン"

 

 うーん、おかしいなぁ……今まで色々道に迷った事はあったけど、国内から出た事は無かったハズ…。

 一体ここは何処なんだろう…?

 

──雷火の冒険・異世界編

 


 

 「勇者達よ幾久しいな!」

 足許まで覆う程の裾にフードを目深に被ったノースリーブの女性が右手を開き構える様にポーズを取る。

 「お、おう…」

 格好を付ける彼女にエンは何とも言えない生返事を返す。

 「剣を振るいし神巫の少女達は既に去ったか、都合が良い」

 フードに隠れた顔をキョロキョロと動かしながら辺りを見渡す女性。

 ダグオン達は兎も角として、オカルト研究部+αは突如現れた謎の人物に只々呆然とする他無い。

 「ねぇ…あのお姉さん何者?」

 意を決してネプテューヌがヨクに謎の女性の事を訊ねる。

 「彼女は管理者と呼ばれる…そうですね、僕達が存在する次元よりも上に位置する存在だそうです」

 「よく分かんないな~」

 「まぁ、今は偉い人とだけ覚えて頂ければ大丈夫かと」

 ネプテューヌの言葉を受け、苦笑しながら簡素な結論を出す。

 

 「それで……デルタ、だったな。都合が良いとはどういう事だ?」

 カイが代表してデルタに発言の目的、意図を問う。

 「勇者達の心境を思った迄、そして、このままこの地に留まるのは好ましく無い。が、勇者達では異邦の客人を連れ歩くには目立つ。それ故にワタシが馳せ参じた」

 そう言ってデルタが取り出したのは以前アルファにも使用したフリントロック式の拳銃を右手に、そして新たにリボルバー式の拳銃を左手に取り出し胸の前でクロスさせる。

 (何故、ポーズを取る…?!)

 (多分あのフードの下ぁ、キメ顔なんだろうなぁ)

 (相変わらず知らなければ物騒極まり無い獲物じゃ)

 カイ、エン、ゲキがデルタの一挙手一投足に心の中でツッコミやらを繰り出す。

 片やデルタ曰く異邦の客人たるオカ研一行は突然現れた謎の女性が両手に拳銃を構えたので身構えてしまう。

 「ぁあ!落ち着いて下さい、皆さん!信じ難いかもしれませんが彼女に危険はありません!信じ難いかもしれませんが!」

 放っておいたら話がややこしくなりそうだったのでヨクが慌ててフォローする。

 「いやでも銃持ってるし……」

 ネプテューヌが汗を滴らせながらデルタを警戒してそんな身も蓋もない事を言う。

 実際ぐうの音も出ないのでダグオン達も言葉に詰まってしまう。

 「……しかし、彼等の暮らす街をこのまま放置するのは彼等の心境をおもんばかれば…好ましい事ではあるまい…」

 リュウがオカ研一行に視線を配りながらデルタに異議を謳う。

 しかしデルタはそれが分かっていたのか心配無用と口にする。

 「彼の者達に関わる人間は無事だ。少なくとも今すぐどうこうされる事は無い」

 「何故そんな事が分かる?」

 白髪の青年ヴァーリがデルタを胡乱な目で睨みながら問い掛ける。

 「明星の白龍皇か。何故と問われればそれが我等であるからと答える他あるまい……故にワタシはこう応える以外に無い、信じて欲しい。と」

 フードの奥から覗く翡翠の瞳がヴァーリを見据える。

 「信じても良いんじゃないかな?」

 ヴァーリとデルタのやり取りにより凍った空気の中、ネプテューヌが口を開く。

 仲間達、ダグオン達から視線を受け、彼女は続ける。

 「この人、戦隊っぽい人達の知り合いで偉い人なんでしょ?それに中に……言葉遣いは変だけど、言ってる事に嘘は無いと思う…たぶん……だから信じよう!ううん信じたい!」

 少女からの真っ直ぐな思いの丈をぶつけられ青年は致し方無しと瞑目した。

 「お前がそう言うなら仕方ない」

 「えへへ…ありがと」

 青年と少女の間に甘い空気が降り始め、彼女彼等の仲間達も柔らか雰囲気に変わる。

 約1名血涙を流さんばかりの複雑な表情の少年が居たが、ダグオン達も敢えてそれは無視した。

 

 「それで……結局、ドースンだよ?」

 シンがこれからの事をデルタに訊ねる。

 「無論、我がチカラにより勇者達の城へ異邦の客人を送る。さぁ!列び立て」

 ノースリーブのコートをマントを翻す様な動作で手を翳し宣言するデルタ、彼女の行動にダグオン達はやはりか…と頭を抱える。

 「なに、痛みは一瞬だ。次に目を醒ました時には勇者達の城の前である!」

 「えっ?!痛いのっ!!?やっぱちょっと待って!!」

 デルタの発言に一辺慌てるネプテューヌ、しかし少女のリアクションを余所にデルタは構わず銃口を向けて引鉄を躊躇い無く引いた。

 

 「あたぁ゛!!

 

 撃たれたネプテューヌは次の瞬間には光の輪に包まれその姿を消した。

 「ね、ネプ姉ちゃぁぁぁぁぁぁあんんん!!?」

 叫ぶ一誠、その側頭にはリボルバーが向けられ容赦無く発砲音が轟く。

 「ぎょ?!」

 等と面白……間抜けな断末魔を残しネプテューヌ同様、光の輪に包まれ消えた。

 残された者達はその光景に唖然としているのか、開いた口が塞がらないという顔をしている。

 

 「さて、我々も早々にダグベースに戻るとしよう。木寅の好意を無駄にしない為にもな」

 「ンン?どういうこった?」

 「後で話しますよ。今は敵が大掛かりな動きを見せる前に戻りましょう」

 「うむ、そうと決まればとっとと撤収じゃ」

 「……賛成だ。エン、お前はどうする?」

 カイ、シン、ヨク、ゲキ、リュウの5人がダグテクターの機能から転送装置を起動させる。

 ファイヤーストラトスとファイヤーレスキューを乗り回しているエンにリュウが帰還の手段を問う。

 「あー、折角コイツらを呼び出したし、このまま帰るわ。ねぷっ子が居ないスペース誰か乗るか?」

 その、何とはなしに言い放った発言がオカルト研究部の残りのメンバー(主に女性陣)の目の色を変えさせる。

 

 「はい!私はそっちに乗って行きます!!」

 最初に声を挙げたのは栗色のツインテールの少女、紫藤イリナである。

 「ずるいぞ!私もそちらのクルマに!?」

 それを横合いからイリナの肩を掴みゼノヴィアが批難しながら自分もと挙手する。

 「あらあら…わたくし…攻められるのはあまり好きではありませんの」

 笑みを称えながらもやんわりと己も…。と声を挙げる朱乃。

 「害意が無いのは分かるんだけど、無抵抗に撃たれるのはちょっとね…」

 ジャンヌがデルタに含みを持たせた視線を配せながらおずおずと手を挙げる。

 「流石に恐いです……」

 アーシアが率直に理由を口にする。

 「他に方法が無いんでしょうか?」

 小猫がボソリと呟く。

 「痛いのはイヤですぅ~……」

 更と紙袋が混ざったがそれは置いておく。

 エンが呆れた視線でやり取りを見て、どうしたものかと仲間達の方に振り向けば、既に5人は姿を消していた。

 (…!あいつら、丸投げして置いて行きやがった!?)

 因みにオカ研一行の男性陣の意見は一蹴に附された。

 「っても……子供相手に()()()()()流石に撃たせる訳にいかねぇしなぁ」

 先程から特にこれといった意思を見せない少年──レオナルドと呼ばれている一行最年少──に目をやり、彼だけは先んじてファイヤーストラトスに乗せる。

 彼が子供で小柄である事を考慮しても残る席はファイヤーレスキューを含めても数人。

 更に、デルタが銃で転送をする所を目撃した瞬間、ファイヤーレスキューにジリジリと近付き、あわよくば再び後ろのスペースに乗せて貰おうと企む巨漢──ヘラクレスがいた。

 

 「そう言えば姉さまは……」

 そこで小猫が姉、黒歌が何時の間にか消えている事に気付く。

 「そういえば居ませんね?…まさか?!」

 ネプギアもその発言にあの妖艶と無邪気が同居したようなネコミミ美女を探し、見付からない事からデルタの方を見てもしや既に……と戦慄するが、その時ファイヤーストラトスの方から猫の鳴き声が聴こえてくる。

 「あん?黒猫?どっから入ってきたんだ?」

 エンが覗けば助手席に何時の間にか居座る黒猫の姿を見付ける。

 

 ((((((((い、いつの間に……!?))))))))

 

 さらりと自分だけ安全圏に逃げた黒猫こと黒歌に批難と羨望入り雑じった視線を投げる女性陣。

 視線を向けられた当の本人…いや、本猫は欠伸を挙げ我関せずと言う態度である。

 

 「みんな、一度落ち着きましょう…?」

 リアスが皆を代表して音頭を取る。無論男性陣の意見は無視する方向でだ。

 「あのクルマに乗り込める人数は限られているわ。まず、レオナルド…あの子はまだ小さいから、あんな危険はモノで彼等の本拠地に送らせる訳にはいかない。ここまでは良いわね?」

 彼女の言葉に少女達はうんうんと首を振る。しかし、次にリアスが発した言葉でその団結は早くも崩壊した。

 「次に、ネプテューヌが既に転送されてしまった以上。このメンバーの代表は私になる訳だから、残りの席の1つは私に権利があるわ!」

 「いや無いわよ」

 「リアス……それは理由としては些か卑怯ではありませんこと?」

 「部長……」

 「流石に見損なうな……」

 「ちょっと小賢し過ぎません?」

 「却下!却下!ぜーったい却下!」

 ジャンヌに即ツッコまれ、朱乃が呆れた様子で見詰め、小猫がジト目になり、ゼノヴィアすら白けた目を向け、ネプギアがズバリ思った事を口に出し、イリナが兎に角却下と叫ぶ。

 因みにそうこうしている内に、アーサーと祐斗は既に転送されている。

 「乙女の講談に決着が着くには時が掛かるようだな、なのでワタシは雄々しく若き戦士達を先んじて送ろう」

 等と告げて金髪イケメン2人をあっさり撃ち抜いたデルタであった。

 「いや、何でも良いから早く決めてくれよ……」

 

 その後、ヘラクレスの企てがバレ、女性陣に責められた彼は罰として極所に弾丸を撃ち込まれたのだが、それはそれは一言では言い表し難い表情で光に包まれ消えていった。

 そんなやり取りをを眺めつつエンは席割りを考える。

 (ぶっちゃけ、赤髪のねーちゃんと黒髪のねーちゃんは胸がデカ過ぎてそんだけでスペース占領されるんじゃねぇかこれ?どう見ても柳瀬や古波蔵、木寅先輩に瀬戸内先輩以上にデカいだろ……いや、実際そこまで狭くなる訳じゃねーけど)

 あの2人後部座席に乗せたら間に1人入っても狭そうだなぁ…と思うエンであった。

 「うん。もう面倒くせー。なぁ!そっちの金髪の二人と白いちっこいの、もう色々面倒だからお前らが乗れば?黒猫は誰かの膝に乗せりゃ良いだろうし」

 アーシア、ジャンヌ、小猫を手招きして呼び寄せ、彼女達が近付いたら言い争う面子を無視して決めるエン。

 アーシアは遠慮がちであったが他2人はこれ幸いと後部座席に乗り込んでいく。

 これによりファイヤーストラトスはエン、アーシアと後部にジャンヌ、レオナルド、小猫の順で席が埋まり助手席のアーシアの膝に猫と化した黒歌が居座る事で決着が他のメンバーの知らぬ間に着く。

 「ああぁっ!!?いつの間に!!?」

 イリナがそれに気付き、しかし文句を言うよりも、ならばと切り替え即座にファイヤーレスキューに駆け込む。

 「って、曹操?!あんたいつの間に?!」

 助手席に滑り込めば何時乗り込んだのか、曹操が運転席に居座っている。

 「フッ、何…先程赤い彼からポーズで構わないからドライバー役をと頼まれてね」

 思わぬ役得に棚からぼた餅と顔には出さず、しかし心中では喜び勇んでファイヤーレスキューに乗り込んだ覇王の継類に最早英雄の矜持など無かった。

 「その救急車ぁ!待ったぁ!!」

 そして更に後ろのメディカルポッドがある寝台スペースに滑り込むゼノヴィア、その腕には紙袋ことギャスパーが抱えられている。

 「うし、もう待てねぇ。異星人がそろそろ動きを見せる可能性がある以上、さっさと出るぞ。後は厨二ねーちゃんに任せる」

 最早不毛な言い争いに付き合う気は無しと、アクセルを踏みファイヤーストラトスを走らせる。

 ファイヤーレスキューもそれに追従するように後部扉を閉じ走り出す。

 2台が走り出した音に気付いた彼女達はポカンと見送る事しか出来なかった。

 

 さて、残る面子は必然的にデルタの弾丸により転送される事になる訳だが、当人が最初に申した通り、銃の形をしたモノから弾丸の容をしたモノが撃ち出される以上、痛みを伴うのは当然であり、その痛みは一瞬とは言え普通の拳銃の比では無い。

 正直な所、一般人がその身に弾丸を受ければショック死する確率が高いシロモノである。

 勿論デルタは普通の人間にはそんなものは向けない。相手が特殊であるからこそである。

 そういう訳で置いていかれた面子に次々と弾丸を撃ち込み、珍妙な悲鳴が街中に木霊す事になったのである。

 「うむ、異邦人達は凡て勇者達の居城へと送られたな。我が庇護の元にある世界の樹より分岐した世界に近しい世界の者達故、あの弾丸を使用してみたが…む?空の敵が動くか、ワタシも彼方に合流せねば」

 上空の気配が動いた事に気付き、自らの蟀谷へ弾丸を撃ち込み自身も堕ぐへと転送されるデルタ。

 

 後には人の気が無くなった道端のみ、そこへ墜ちてくるデッサン用のクロッキー人形、2、3跳ねた後、まるで糸に吊られる様な動きで立ち上がる。

 

 「んふふん?何かが騒いでいたように見えたが……気のせいだったかな?」

 それはこの駒王町の一部を見えない壁で断絶させた張本人。

 芸術宇宙人アーティシャン星人、彼は辺りを見回しながら呟く。

 「まぁいいか。邪魔が入らないなら入らないでゆっくり作品の製作に勤しめるというものなのだよ。ふふはふ」

 そういって彼は腕を指揮棒の如く振るう。

 宇宙の芸術家はその身の狂喜を存分に発揮するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━静岡県某所・ダグベース

 

 空間が歪み洞内の中空に孔が開く。

 「ぎゃん?!」 「ぐえっ?!」 「おおっ?!」 「っ…!?」 「ぉぉぉああ…!」 「あうっ?!」 「きゃっ!!?」 「あらあら?!」 「………ふむ」

 そこからネプテューヌ、一誠、祐斗、アーサー、ヘラクレス、ヴァーリ、ネプギア、リアス、朱乃の順で落ちてきたのだが、ヴァーリはちゃっかり神器たる"白龍皇の光翼"にて悠々と着地を成功させている。

 

 「お?来やがったカ?」

 「……随分手荒く送られたようだがな」

 「あの二人は僕達が帰還する前に転送されたのに、僕達の方が早くダグベースに着いている……これは何かしら法則の違いが?」

 「その推測は後にしろ、先ずは彼女達を基地内に招かなくてはな」

 「そろそろエン達も来る頃じゃしのう」

 シン、リュウ、ヨク、カイ、ゲキが転送されて来た面子を見て各々に言葉を発する。

 その間にヴァーリが一番下で下敷きになって潰れているネプテューヌを助け出し、抱き抱える。

 そうなると抜けたスペースに一誠がシフトし彼が一番下で潰れる羽目になるのだが、ヴァーリはそれを捨て置く。

 そしてノビている客人達をダグオン達も協力して助け起こす。

 そうこうしている内にファイヤーストラトスとファイヤーレスキューも帰還を完了する。

 「っし、着いたぜ。此処が俺達の基地、ダグベースだ!」

 ファイヤーストラトスから降り同乗者達にその全容を見せる様に手を広げるエン。

 フロントガラスから覗くその光景に彼女達は目を見張る。

 巨大な洞窟の内部が綺麗にくり貫かれ、箱のようなモノが鎮座し、両隣には俗に言う旅客機のジャンボジェットと上向きに台座に固定された紫色の戦闘機。

 肝心の箱のようなモノには腕らしき意匠があり、顔らしき部位もある。つまり、彼等の基地はある種のロボットを模している物と判る(実際にロボットではあるが、彼等がそれを知る由は恐らく来ない)。

 

 「う~ん…痛た…まだ痛いんだけど~…ってナニコレーーーー!?」

 潰された衝撃で意識を落としていたネプテューヌが目の前の巨大な威容に驚愕する。

 「驚くのは後にしてくれ、先ずは基地内に案内する。そこで恐らくこの事態の全容を知るであろう者から話が訊ける筈だ」

 カイが異星人一行のざわめきを征しダグベースの入り口に向かって行く。

 それを見て彼等彼女等は互いに肯首を示し合わせ、警戒心を残しながらもカイの後に続く。

 残りのダグオン達はそんな彼等彼女等の後ろに付きダグベースへと帰投するのであった。

 

 

 

 

 

 

 そしてダグベースのサロン。

 ネプテューヌ一行程の人数を一度に収める場所はこのサロンくらいなモノでまずは此処で寛ぐ様にとカイは言う。

 「貴方達はどうするの?」

 「ふむ、俺とヨクで今回の件を知りうるであろう者を此処に連れて来る。それまでは常識の範囲内で自由に過ごしてくれ」

 そう言い残し、ヨクと共に退室するカイ。

 「寛げと言われても……」

 イリナが残った4人の戦士をチラと見ながら気まずそうに部屋を眺める。

 「……まぁ、我々がこのままでは伸ばせるモノも伸ばせないか……」

 リュウがイリナの態度で皆が堅い理由を察する。

 其処へドタドタと騒がしい足音が鳴り響いて来るではないか。

 サロンの扉が騒ましく開く。

 

 「やぁやぁ!待っていたよD×Dの諸君!!あ、まだ結成されてないのかな?トニカク良く来てくれたね!」

 扉を開けて現れたのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 「アホかぁぁ!!何先走って余計な事を口にしておるんだ貴様はぁっ!!」

 そしてその後からハリセンで少年の頭を思い切り叩く神経質そうな成人男性、更に老人とギャル、そして先程何者かを呼びに向かったカイとヨク、更にカイの後ろに小鴨の様に引っ付く薄紅のさくら色の髪の少女と、とてもバラエティーに富んだ面子が現れる。

 カイがやれやれと首を振りながら嘆息している所を見ると普段からこんなノリなのだろうと言う事が伺える。

 「あー……とりあえず、コイツが今回の事件を詳しく知ってる奴なんだけど……おい、カイ?!なんか増えてんじゃねぇか!!」

 「俺に振るな、オーダールームに向かったら結芽達と共にこの見知らぬ二人が居たんだ…」

 エンが突如現れた少女にも見える少年を指しながら、面識の無い男性と老人の事をカイに問う。

 しかしカイとて詳細を訊ねる前に当人がサロンへ走り出したので問い詰める事が出来なかったのだ。

 

 ともあれサロンに密集する人数が増えた事により少女の様な少年がダグオン達に対し口を開く。

 「ねぇ、君達はいつまでそんなゴテゴテしたままではいる気?ちょっとスペースが狭くなるんだから早く変身解いてよ」

 この発言に隣のカイから一瞬、ほんの一瞬だが殺意が入り交じった怒気が立ち上ったのを少女らしき少年以外は見逃さなかった。

 さて、そういう訳で件の人物の言葉の通り、変身を解くダグオンの面々、一部はカイとヨクの素顔は既に知っていたが、改めて勇者達の素顔に驚く事となる。

 何故ならば皆が一様に若い。

 全員が自分達と同い年くらいの年頃に見える……いや、黒い彼は本当に同い年なのだろうかと過ったりもしたが兎に角、予想よりも若いのだ。

 「ハイハイ!じゃあ自己紹介宜しく!焔也君から!」

 そして例の少女少年が赤い戦士ファイヤーエンだった少年へ話題を振る。

 「あ?あー…うん、まぁこれで良いか……ダグオンのファイヤーエン。美濃関学院高等部一年!刀匠科所属!鳳焔也だ!」

 「はい、次戒将君!」

 「何?…致し方在るまい。ダグオン、ターボカイ。伍箇伝、綾小路武芸学舎高等部二年警邏科専攻、燕戒将だ。宜しく頼む」

 「申一郎くーん!」

 「ウゼェ…。ダグオンアーマーシン、同じく綾小路高等部二年、鎧塚申一郎ダゼ、ヨロシクなカワイコチャン方。因みに技巧科ナ」

 「翼沙きゅん!」

 「きゅん?!……ええっと、綾小路武芸学舎二年、研究科専科の渡邊翼沙です…あ、ダグオンのウイングヨクです」

 「龍悟くん?!」

 「…ダグオン、シャドーリュウ……。平城学館高等部一年警邏科、六角龍悟…。これでいいか?」

 「オオトリは撃鉄くん!!」

 「おうよ!ダグオンの期待のニューカマー!ドリルゲキにして!!平城学館高等部三年!警邏兼神職科ぁ!漢の中の漢ぉ!!田中撃鉄とは…あ、ワシの事よぉぉぉお!!」

 最後に撃鉄が歌舞伎の見えきりの如くポーズを取って名乗る。

 

 (((((((((((高校生だったんだ……)))))))))))

 

 そんな撃鉄に対し幾人かが心中で吐露する。

 「むぅー!私もダグオンだし!」

 そして6人の自己紹介に異を唱える少女が一行の前に躍り出る。

 「えっへん!ダグオン臨時特別隊員、折神(元)親衛隊第四席、燕結芽だよ!あ、四席って言っても一番強いんだからね?」

 少女が育ち盛りの胸を張って嬉しそうに名乗る。

 因みに結芽が口にした折神親衛隊なるワードはネプテューヌ達にはさっぱりだ。

 そしていよいよ今回の異変を知るだろう人物が名乗りを挙げる。

 「そして僕は所謂司令ポジションのえらーいヒト!アルファ!」

 「更に儂、イプシロン。えらーいヒト」

 「アタシゼータ!アタシもえらーいヒト!」

 続けて老人とギャルがアルファと名乗った少女少年に便乗する。

 そのノリを見た為、ダグオンメンバー、オカ研一行が最後に残った男性に視線を向ける。

 「はぁ……シータだ。この馬鹿どもの…遺憾ながら同僚だ」

 最後の彼がマトモなタイプで内心安心する戒将と翼沙、アルファ達はブーブーとブーイングを挙げている。

 が、自己紹介は彼で終わりではなかった。

 

 「そして我が名は世界を裁定し断罪する者!暗き闇よりも深く、気高き光よりも清廉なる使徒!我が名はデルタ!闇に飲まれよ!!」

 

 遅れて到着する黒いフードの女性。そのあまりにあんまりな登場に管理者以外の誰もが言葉を失う。

 「阿呆め…」

 訂正、シータだけは頭を抱えていた。

 「もう!でるでるってばその姿で固定してる時はやみのまはダメだって言ったぢゃん」

 ゼータがよく解らない事を宣う。

 「儂、イプシロン。ギャップ萌え狙うにしてもイマイチ」

 イプシロンもよく解らない事を口走っている。

 

 ((((((いつも頭オカシイのが輪をかけておかしい……))))))

 

 ダグオンの6人が管理者達のノリを眺め心の内で皆、同じ様な事を思う。

 そんな若人の視線に気付きシータが悪ノリする3人と天然でそのノリを加速させる1人に斜め45度チョップで黙らせ咳払いする。

 「オホン!途もあれ役者が此処に揃ったのだ。話を「ちょいタンマ!」…貴様…アルファ…まだ何かあるのか…」

 「その前に向こうの子達にも自己紹介して貰わなくちゃ!」

 アルファがネプテューヌ一行を指差す。シータもまぁ一理あるかと一行に視線を向ける。

 

 そして彼女達もそれに倣い、全員が名乗りを挙げ始める。

 最初に率先して自己紹介したのはパーカー着きの白い服に紫髪の背丈の小さい少女ネプテューヌ。

 

 「OK!改めまして!天下無敵の主人公で女神のネプテューヌだよ!」

 (((女神って何だよ…)))

 焔也、申一郎、撃鉄が心の中でそっとツッコむ。

 次に名を挙げたのは、彼女の義弟であり、アルファとデルタ曰くある意味重要人物とされた何処かの学校の制服を着た少年、兵藤一誠。

 「兵藤一誠だ。えぇっと…駒王学園高等部二年生でこの神器"赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)"の持ち主で転生悪魔…こんな感じか?」

 少年はそう言って仲間達に振り返る。片やダグオン達は──

 (先輩だったのかよ…) (……転生悪魔とは何だ?) (赤龍帝…?ふむ、赤龍と聞けば黙示録の赤い竜等が有名だが…) (ヤローの名前は興味ネェんだが) (神器……僕達が知る言葉の概念の物とは違うのでしょうか?) (うむ!中々見所がありそうな面構えよ)

 と色々である。

 

 お次は一誠同様制服を着た者達が各々順に名乗る。

 「私の名はリアス・グレモリー。グレモリー家の者でこの中では唯一、純粋な悪魔になるのかしら、年齢は人間達と大差ないわ。駒王学園では三年生だから其方の田中氏と同学年ね」

 デルタ曰く"紅髪の滅殺姫(ルインプリンセス)"と呼ばれているとか。

 (何か物騒な肩書きだな) (紅髪の下りは英語読みじゃないんですね) (ウヒョヒョ…デッけぇし美女だし言う事ナシだな!)

 「そこはクリムゾンアニヒレイタくらいの二つ名にしようよ~!」

 焔也が二つ名に戦慄し、翼沙が異名の紅髪部分に引っ掛かりを感じ、申一郎は申一郎であった。

 そしてアルファはある意味で様々な世界の知識がある故に、全く別の世界の紅い髪の人物の異名を引き合いに出す。

 無論、双方何を言っているんだという顔になったのでシータからひっぱ叩かれた。

 

 「わたくしは姫島朱乃。リアスと同じく駒王学園の三年生ですわ。因みに転生悪魔です」

 (ふむ…グレモリー嬢の女房役といったところか) (これまたデケェ!そして美女!更にタイプ!何このオネエサマ最高カヨ!) (むぅ!ワシには智恵さんが居るんじゃ…目移りなど…あ、いや、しかし、別嬪さんではあるしのぅ)

 戒将が物腰柔らかな朱乃の役目を類推し、申一郎が更に欲望に素直になり、撃鉄が心頭滅却しかけ挫折する。

 「朱乃ちゃんは堕天使と人間のハーフから転生した娘でドSだそうだよ。でもそう言う娘に限って恋愛面は隙だらけだったり……」

 再びアルファが補足しながら茶化すので今度はゼータから蹴りを入れられる。

 

 「次は僕ですね。駒王学園二年生の木場祐斗です。転生悪魔で神器は"魔剣創造(ソード・バース)"です、よろしくね」

 「因みに祐斗君の名前は本名じゃなかったり…あ、はい自重します。でもこれだけは言わせて!魔剣だけじゃなくて聖剣も創れるよ!!しかもリアスちゃん陣営ではマトモな頭脳派剣士だよ!」

 「剣!?おにーさん強いの?!」

 祐斗の補足をしようとしてシータから睨まれるも取り敢えずこれだけはと言い張り彼が聖剣をも創造出来る事や剣士である事を口走るアルファ。

 そして剣士であると聞いた瞬間結芽が眼を輝かせ興味津々に訊いてくるので祐斗も面食らう。

 流石に今は不味いと戒将が嗜め事なきを得たが、この小さな燕は機会があれば剣士たる少年に挑む気だろう。

 

 「順番的には私でしょうか……駒王学園一年、塔城小猫です。転生悪魔です…よろしくお願いします…」

 抑揚の少ない声で淡々と名乗りながらサロンのカウンターに備えられたお茶菓子に視線をやる小猫。

 (…食べたいのか?) (食べたいんでしょうか?) (胸が惜しいナ)

 龍悟と翼沙が彼女の視線の先にあるものに対し思い耽っているのに対し申一郎が彼女の胸の評価を心中で述べていると当人から殺気を込められた視線を向けられ眼を反らす。

 「バカの代わりに簡単にせつめー!小猫っちは実は妖怪で猫又系、で、本名は確か白音ちゃんだよね~?」

 ゼータが当たり障りの無い補足で小猫のプロフィールを確認すると、彼女は少し驚きながらも頷く。

 

 「で、では!僭越ですが私も自己紹介させて頂きます!アーシア・アルジェントと言います!転生悪魔です。元々はシスターをしていました。駒王学園では二年生です!よろしくお願いします!」

 気弱そうな所を意を決して自己紹介する金髪タレ目碧眼の少女アーシア。

 今までの人物達とは纏う空気が違う事にダグオン達も意外そうな顔をする。

 「何か…この人だけ、戦うって感じの人に見えないな」

 「だが、芯の強さを節々に感じる。戦士では無いが彼女も強い人物なのだろう」

 「オレ的には美少女は大歓迎だ!(胸は美乳…アイドルモデルタイプだな、由依のヤツが居たらいの一番に飛び付くのはカノジョか)」

 さらっと心の中で山城由依を呼び捨てにする申一郎。渋谷での意気投合でそこまでの仲になっていたとは驚きである。

 「あーちゃんの持ってる神器は治癒、回復系の珍しい奴だからね。何だっけ?トワイライト・ヒーリング?」

 (ニチアサのヒロインの技みてぇ)

 再び入るゼータからの補足、焔也はそれに某日曜朝の番組を思い浮かべる。

 

 「よし!私の番だな!駒王学園二年、ゼノヴィア・クァルタだ。転生悪魔だが神器は無い!だが…我がデュランダルはそこいらの神器にも負けないぞ!」

 (……猪突猛進、猪武者ならぬ猪騎士と言ったところか?) (デュランダル…また随分な名を持つ剣が出て来たな!?) (美少女レベルは高いが…なーんかザンネン臭が漂ってンダヨなぁ)

 「おねーさんも強いの?」

 「ああ、強いとも!」

 龍悟が率直な感想を、戒将が伝記に登場する剣に反応をし、申一郎はやはりブレない。

 そしてまたしても現れた剣士に再び結芽が食い付く。

 

 「次は私ね!私は紫藤イリナ。駒王学園二年でみんなと違って悪魔じゃなくて転生天使よ、神器は持って無いけどよろしくね♪」

 (ツインテなのに中々イイモノをお持ちジャアないの)

 (ああいう髪型を見ると益子さんを思い出します)

 申一郎は以下略。イリナの髪を見て翼沙が薫を思い浮かべ感慨に耽る。

 「因みに、あーちゃん、ゼノヴィ、イリナちんは教会に縁があるから教会トリオって呼ばれてるし」

 再びゼータから入る補足。皆は揃ってほう…と頷く。

 

 「ひっ?!もしかして次はボクですかぁ…?!え…えと……ギャスパー・ヴラディです……吸血鬼と人間のハーフから転生しましたぁ、駒王学園一年ですぅ~。知らない人に見られるのは苦手なんですぅぅぅ!」

 ギャスパーの態度に5人がやりづらいと言う顔をする中、申一郎はボソッと呟く。

 「ヤローのぶりっ子とか誰トクだっての」

 「なぁにぃ?!あのオナゴはオナゴでは無く男なのか!!?」

 「アン?フツーに判んダロ、見た目とかで」

 「いや分かんねぇよ?!」

 「成る程な、足運びや体型から見て妙とは思ったが…」

 「……吸血鬼は皆こうなのか?」

 「日中でも平然としていた辺り、デイウォーカーと言う奴ですね。紙袋被ってましたけど」

 「おねーさんもおねーさんじゃなくて、おねにーさんなの?」

 ギャスパーの正体もとい性別を一目で暴いた申一郎の発言を発端として最終的に結芽からアルファの同類に認定された少女改め少年のギャスパー、おねにーさんなる謎の言葉に頭の中で疑問符が飛び交う。

 

 そして駒王制服組に続き私服姿の者達の紹介に移る。

 「ヴァーリ・ルシファー。白龍皇だ、後は言わなくても勝手に其方の管理者なる連中が補足するだろう?」

 「もう!ヴァーリってば態度が悪いよ!」

 ネプテューヌがすかさずヴァーリの対応に責めるが、ダグオン達は既に管理者から説明を受けている。

 「儂、イプシロン。ヴァーリ坊は悪魔と人間のハーフ、旧ルシファーの血筋、戦闘狂、神器は白龍皇の光翼と書いて……ま、いっか。多分このヴァリ坊はネプネプ大好き」

 とイプシロンによって大体語られていた。

 

 「アーサーです。生憎、普通の人間ですが…強いて言えば彼のブリテンの王の子孫と言った所でしょうか」

 ヴァーリの次に名乗り出た金髪眼鏡の青年、アーサーに戒将は大いに驚いた。

 「あのアーサー王に直系の子孫が残って居たのか!?いや、異世界の歴史ならば或いは……」

 「アーサー?もしかしておにーさんも剣士?」

 更に結芽まで食い付く。

 「個人的にはデルタがルフェイちゃん連れて来たら良かったのに……」

 そしてアルファがポツリとアーサーの妹の名前を溢したので更に戒将が驚いたのだがそれは別の話。

 

 「やっと出番かにゃん?はぁ~い、黒歌よ、白音のお姉ちゃんで、一応悪魔に転生しちゃった感じかにゃん?ま、よろしく~」

 次いで黒歌が名乗りを挙げたのだが、今の今まで、猫状態だったのがいきなり人の姿に戻ったので焔也は絶句した。

 (あの猫、あん時のやたらエロいねーちゃんかよ!?)

 (格好が破廉恥極まりないな、結芽の将来の教育上の為にも指導が必要かもしれん)

 「グハァッ?!(扇情的とかそういうレベルじゃねぇ、もっとスゴいモンの片鱗を見たゼ!)」

 戒将は結芽の教育の為に黒歌を風紀的に危険視し、申一郎は近くに居た為、偶々彼女の胸元が見えたらしく床に沈む。

 

 「あ、え?私の番ですか?!あの、鎧塚さん?は大丈夫なんですか?!」

 そんなこんなで出番が回って来たネプギアだが、申一郎の異変に慌てふためく。しかし──

 「問題無い」 「割りといつも通り」 「強いて言えば不幸な事故ですかね」 「……気にするだけ時間の無駄だ…」 「男として情けないのう」 「申一郎おにーさんってばエッチなんだから~」

 仲間達は特に心配していなかった。

 

 さて、最後に同じく私服…と言うよりか個性的な服装が多いグループの紹介が回ってくる。

 その名も英雄派と言うらしい。

 最初に漢服の青年が名乗る。

 「其方の2人には簡単に名乗ったが、改めて…曹操だ。彼の三國志の英傑曹操孟徳の子孫さ」

 そして次に巨漢が名乗る。

 「ヘラクレスだ!流石に知ってるよなぁ?あのギリシャの大英雄がオレ様の前世よ!」

 そして最後に金髪の少女が名乗る。

 「ジャンヌよ。まぁ、この法則で言えば私が誰の血統かは解るわよね?」

 と、些か挑発的に笑う。

 そしてダグオンの若者達は各々…。

 「三國志かぁ、無双ならプレイしたことあるぜ!」

 「……あれは三國志と言うより三國演義が元だがな」

 1年生組がそう評し。

 「ヘラクレス…ギリシャ神話に名だたる大英雄…ですが、そもそも半神半人の子孫なら先祖還りでもしなければ筋肉量が凄いだけの超人止まりでは?いえしかし異世界ならばでもヘラクレスの逸話的に…ブツブツ」

 「よく分からんが、力比べのしがいがありそうな奴じゃのう!」

 と翼沙と撃鉄がヘラクレスに、そしてジャンヌには──

 「ぶっちゃけ先祖だの前世だのはどうでもイイしヤローの事は興味ネェがカワイコチャンは別ダゼ!美少女サイコー!」

 「ジャンヌ・ダルク……火刑に処された彼女に血統が居た……そんな歴史があっただろうか?ふむ、機会が在れば書物を漁るか」

 と申一郎、戒将の評である。

 因みにレオナルド少年はゼータと結芽と共に和気藹々遊んでいた。

 

 以上、異世界一行の紹介を終え、本題に入る彼等。 

 「さて、まずは事の発端であるが……これに関しては我々の同輩の不徳が成した事態である事を此処に謝罪する」

 改めて事情説明と相成って開口一番、シータが頭を深く下げる。

 

 なんでも彼曰く、今回の異変の根本的な原因は彼等と同じ管理者の1人が面白半分で仕組んだモノらしい。

 その説明でアルファが"あー、やっぱり"という顔をしていたのが戒将、翼沙、龍悟は気になっていた。

 その間もシータが説明を続ける。

 そして、明かされる事実、何とここ最近起きていた神隠し事件は、その管理者によりもたらされたアイテムの力であると言う。

 「恐らくは君達ダグオンの戦っている異星人の囚人の中に空間に作用を及ぼす者が居るのだろう。それにヤツめが寄越したアイテムが組合わさり……」

 「神隠し事件が勃発した。そういう理由か…」

 シータの説明で事件のおおよその概要に納得がいったという顔をする戒将。

 「そうだ。そしてそれはこの世界だけでは無い。彼女達が元居た世界、そちらでも同様に複数人が失踪している筈だ……無論、悪魔も堕天使も天使も妖怪も関係なくな」

 シータがネプテューヌ達を見ながら溢した言葉にリアスが反応する。

 「そう…原因不明の行方不明……神隠しはこの世界にいる宇宙人が黒幕だったのね」

 「じゃあおっちゃんが言ってたよく解らない不思議な力の大元って悪い宇宙人なの?」

 ネプテューヌが口にしたおっちゃんと言う言葉にアルファがそういう事だねとコップを手許で弄びながら説明する。

 「君達の世界で居なくなった人……まぁ悪魔とかもいるみたいだけど、彼等はこの世界に迷い混んでるのさ。で、多分だけど数人は連中に拉致されたか、もしくは……」

 そこでアルファが語尾を濁す。それで戒将と翼沙、龍悟はその後に続く言葉を察する。

 それはネプテューヌ一行の数人も同じだった様で、

 「既に亡き者となっているか…か?」

 曹操が濁した言葉の先をはっきりと口にする。

 「曹操?!それってどういう……」

 「聖槍の覇王の言う通り、力無き者、力弱き者はこの星に潜伏する囚人の手先に捕らえられ、改造されたか、或いは使えぬと断じ処分されている」

 デルタがズバリと言ってのけた為、ネプテューヌを含めた数人の顔に陰を落とす。

 「じゃ、じゃあ!ロスヴァイセさんやレイヴェルは!?」

 「う~ん、それは解んない。って言うかロスヴァイセちゃんはリアスちゃんの眷属になってないの?」

 「え?ええ……彼女はオーディンの護衛兼秘書だもの」

 アルファの疑問に答えたリアスの発言で管理者達は互いに顔を合わせ何事かを話し合う。

 

 「え?そういう事ってあるの?」

 

 「私は知らん、デルタに訊け」

 

 「ワタシが知るのは大元の世界とそこから派生した幾らかの平行世界のみ、彼女達の世界はワタシの知る世界と似て近しいモノだが、彼女を見ろ…イレギュラーの最たる者で有りながら彼の世界と融和している。つまり…」

 

 「完全にアタシらの管理の外にあるってこと?」

 

 「儂、イプシロン。まぁ、そういう事もあるんじゃね?」

 

 

 そしてそんな彼等の反応に何かおかしな事を訊いてしまったのかと首を傾げるリアス。

 「ねぇ、貴方?もしかして私、何か不味い事を訊いてしまったのかしら?」

 偶々近くに居た焔也に何となしに訊ねると……。

 「押忍!分かんねーッス」

 「ええっと、どうしたのかしら?」

 焔也まで態度がおかしいので更に困惑する。

 「ッス!別の世界とは言え、年上の先輩ッス。礼儀は大事なんで!」

 そんな焔也の反応にネプテューヌが笑いながら嗜める。

 「別にもっと気軽で良いのに…、さっきみたいにアダ名で呼んだりとか──」

 

 「さーせんしたぁぁぁあ!!

 

 鳳焔也、こう見えて学校の上下感はしっかり守る男である。

 無論、先輩相手でも理不尽を許すタイプでは無いが、基本は他校の人間でも年上には体育会系のノリで敬い接する(撃鉄は例外である)。

 

 「ええ…」

 そしてその態度にネプテューヌ含め、駒王に通う面子は戸惑う。

 「申し訳無い。こいつも我々も貴女方が目上の者とは知らずに接してしまった。そういった関係にはケジメが大事なのだ。故に我々はこのスタンスを通させて貰う」

 「まぁ、同い年の人には相応に関係を築かせて頂きますので気にしないでください」

 戒将と翼沙がへり下る理由を焔也に代わり説明する。

 そんな空間に突如ブレイブ星人が現れ、サロンのモニターにある映像を映し出す。

 <勇者諸君、異世界の朋友諸君、敵に動きがあった>

 「ねぷぅぅぅう?!緑色のタイツみたいな人が出てきたぁぁぁあ!?!」

 ホログラフィーである為、うっすらと向こう側が覗けるブレイブ星人の登場に初めて見るネプテューヌ一行は大なり小なり驚く。

 しかし、ダグオンの若者達も結芽も管理者ですらそんなリアクションに構わずモニターを見詰める。

 映し出された映像は駒王町の見えない壁に遮られた空間。

 「あ!俺の家!!」

 一誠が映像からチラッと見えた自宅に声を挙げる。

 そうして街の全容が映されていると突如、建物がパズルの様に動き出す。

 「こいつぁ…何をする気だ?!」

 焔也が意図の読めぬ異星人の行動に頭を捻る。

 その間にも映像の中の街は平面…X軸のみならず立体、Y軸にも縦横無尽に動く。

 「お、おい!俺の家は大丈夫なのか!?」 

 「心配は無用だ異なる道を歩みし赤龍帝。貴殿らと合流する前、魔女の血を引く娘に我が秘宝を渡した。絶霧を操りし近代悪魔の契約者の継類と錬金術師が居るのであれば少なくとも貴殿の残された家族や共にいる仲間達は無事であろうよ。見よ」

 デルタがモニターを指差すと、兵藤邸の周辺の土地が仕掛け扉の如く回転し別の建物に入れ替わる。

 「恐らくデルタの渡したモノにより兵藤邸はヤツの美意識に触れない物質に見えた為、兵藤邸は元の世界に戻されたのだろう。そして空間を操作する異星人が別のモノと入れ換えた」

 シータが臆測ではあるが有力な可能性を挙げる。

 「じゃあお父さんもお母さんも?」

 「無事だね。それよりも君達の学校の方が危ないね、聞くところによると街に何かしらの暗示が掛かる結界を張ったんだって」

 アルファがネプテューヌの言葉に応えながら逆に訊ねる。

 「ええ、アザゼル達が神隠しの真相を暴くために外出を抑制する結界を展開したの。それで人気が無くなった街を調査しようとして……」

 「成る程、異変が起きて…街が入れ替わったと言う訳ですか。そしてその分の調査をもしていた時に荒魂が出現して僕達と遭遇したと言う訳ですね」

 「そういう事になりますかしら?」

 「……だが、暗示も絶対ではなかった…。違うか?」

 「そう…みたいね。私達悪魔と日頃関わり合いがあって、暗示に対し一定の耐性がある住人達には効果が無かったみたいだから」

 そう言うリアスが頭の中で思い浮かべたのはミルたんなる魔法少女に憧れる不条理漢女や西洋甲冑と赤備え鎧のカップル、そして桐生藍香。

 恐らくは他にも居るであろうが、主だった顔はこれくらいか。

 「まぁ、今は街全体が覆われた訳じゃ無いからね。その辺の対策も含めてゆっくり練ろうじゃないか!………と言う訳で、この基地を案内するよ!!」

 パンッと柏手を叩き一旦話し合いを切り上げるアルファ。

 シータや戒将はまたかコイツはやらやれやれ等といった顔で天を仰いだり、手で顔を覆ったりしている。

 そしてそんなアルファの言葉に先程から妙にウズウズしていたネプギアが眼を輝かせて食い付く。

 「あ、あの!でしたら私色々と見て回りたいんですが!!」

 そんなネプギアにゼータが対応する。

 「オケオケ(・ω・ゞ-☆じゃあギアっちはアタシと回ろっか」

 ((((((また顔文字が実体化している……))))))

 ダグオンの胸中での疑問も何のそのネプギアを伴ってゼータがサロンより飛び出す。

 「さて、それじゃ残った君達は僕が案内しようか!ささ、行くよー!着いて来て!」

 アルファが椅子から飛び降り残ったネプテューヌ達を連れて行く。

 残ったのはダグオンの若者達とシータ、イプシロン、デルタ。

 しかし残った管理者達はダグオンに対し必用以上に干渉する気は無いらしい。

 そこで申一郎は戒将に先程の…転送される前に言っていた事の真意を訊ねる。

 「なぁ戒将ヨォ、さっき言ってた木寅チャンの事…どういう意味だ?」

 「彼女の好意を無駄にするなと言う事か?」

 「そうソレ!どー言うこったヨ?」

 「ふむ……これは俺の希望的な臆測とも言えるが、木寅は我々が正体を知られたくない事を何と無しに察し、本来ならば気になるであろうこの場所に同行員を残さず去ったのではと考えている」

 実際にミルヤがどこまで考えているかは不明だが、戒将は彼女があの場に居た刀使を自らも含めて引き上げさせたのはそういった理由があるのではと考えたのだ。

 「木寅さん程の方が僕達の本拠地を黙って無視するのは確かに有り得ませんね。もしかしたら彼女も心の何処かで僕達の正体を知る事に躊躇しているのでは?」

 翼沙もまた、己の持論を展開して皆に伝える。

 「……無意識下の行動、だと?」

 「飽くまで可能性ですが恐らく」

 「ともあれ、先ずは異星人の対策だ。その前に結芽を部屋に移動させてくる」

 「スヤァ…スヤァ…」

 戒将は今回の事件を起こした異星人の対策を語り合う前に何時の間にか眠っている結芽を抱き上げる。

 「御チビの奴、話し合いの途中から普通に寝入っておったぞ…」

 「結芽ちゃん難しい話嫌いだしな。俺も途中からさっぱりだったとこあるし」

 撃鉄と焔也が言う通り結芽は会談の途中からスヤァと寝息を立て寝ていた。

 サロンを出る燕兄妹の後ろ姿を見詰めながら残ったメンバーはこれからの事に想いを馳せる。

 

続く

 


 

 次回予告(BGM:We are DAGWON)

 

 ふわぁ!!何ですか此処は!?スゴいです!!知らない技術がいっぱいです!

 

 ふっふっふっ!凄いでしょ?もっと誉めてよてか何処の世界でもネプギアちゃん機械大好きなんだねぇ…。

 

 元々お前が作ったモノでは無いがな……。

 

 儂、イプシロン。まぁ、ここまで改造出来るのはコイツくらいだし。

 

 ンンッ!とにかく…君達は暫くこっちの世界で生活する事になる訳だし、居住環境を考えないとね♪

 

 次回"刀使ノ指令ダグオン"

 開始!異世界生活のすすめ。

 

 私、ここに住んでも良いですか!?

 

 




 因みに今日は久しぶりに満喫で取材して来ました。ええ、勇者指令ダグオンを視聴しに、です。
 サンダーシャトル登場のエン宇宙に行くまで見てきました。
 青い星の戦慄はウルトラセブン的な内容で割りと好きでした。
 ではまた次回
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