Fate/Grand Order 亜種特異点OOO:欲望解放領域 オーズ   作:banjo-da

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鴻上会長、スーパーヒーロー戦記でレジェンド出演は反則でしょ。





泥棒と復活と終わらぬ地獄

 

 

「────初めまして、かな?カルデアの諸君は言うに及ばず、火野映司…今の君とも未だ初対面だよね。」

 

手にしたネオディエンドライバーを躊躇無く立香に突き付け、手にした聖杯を興味深そうに眺めつつ海東は告げる。

 

「今の…俺?」

 

「こっちの話さ。君にとっては未来の話かな?ま、今の君があの未来に直接繋がるかは知らないけど。そんな事より……へぇ、コイツはスゴい!聖杯の中に紫のメダルまで入ってる!あのグリード君からドロップしたお陰で、一気に両方手に入った!」

 

困惑する映司、そして臨戦体勢に入った一同を無視し。海東は聖杯の内を覗き込み、やや興奮気味にそれを軽く振る。チャリン!と金属同士が小気味良く触れ合う音からして、彼の言う通りあの中には恐竜グリードのコアメダルが入っているのだろう。

 

「……それを渡して下さい。そのメダルは危険だし、聖杯も立香君達の物だ。」

 

「嫌だね。それを決めるのは君達じゃない、お宝は僕が貰う。これは決定事項だよ。」

 

ドライバーを腰に装着し、有無を言わさぬ圧を込めて映司は告げる。だが相手は涼しげな顔でそれを拒否、器用に聖杯を手にしたままディエンドライバーへ一枚のカードを差し込んだ。

 

「手負いとはいえ、君達とやり合うのは得策じゃない…というか、僕はそこまで暇じゃないんだ。ここらでお暇させて貰うよ。」

 

差し込んだカードは『インビジブル』。後は引き金を引き、さっさとトンズラして終わり─────そう踏んでいた海東だったが。

 

 

 

「そんな事させ──────泥棒さん後ろ!!」

 

『弱いがサーヴァントの反応!この霊基パターンはカザリだ!』

 

 

───映司の瞳が紫に輝いたのとほぼ同時。ホームズから切羽詰まった通信が届くのと、海東が背後に危険を察知したのは殆ど同じタイミングだった。

 

「ガッ……!?な、んだって…!?」

 

弾き飛ばされ、咄嗟に受身を取りつつ呻く海東。その手から転がり落ちた聖杯は、コロコロと地面を転がって行く。

それを拾い上げたのは紅顔の美少年───全身から血を垂れ流し、傷だらけになったアレキサンダー(カザリ)

 

「カザリ…!お前……ッ!」

 

「御苦労様、オーズ。アイツが突然襲って来た時には流石にヤバいと思ったけど…こうなった以上、ボクの勝ちだ!これでボクは完全に成れる…もうこんな、常に満たされないメダルの塊じゃ無くなるんだ!」

 

アレキサンダーの顔のまま凶悪な笑みを浮かべ、聖杯を掲げるカザリ。

勝敗は決したかに思われた─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡る。

恐竜グリードとの決戦。その最中、オーズとバース、そしてプロトバースの連続攻撃を受けて生じた隙を見計らい、アタランテが恐竜グリード目掛けて渾身の一射を叩き込んだ直後。

 

「……よし。真木は出て来たものの、それは想定の範囲内。計画通り、ハサンが宝具を使用した…戦況を見守りつつ、必要に応じて再度援護射撃を行う。イリヤ、汝の張った結界のお陰で此方の位置も割れては居ない筈だ。」

 

『大丈夫ですかイリヤさん?イリヤさんはこういうサポートより、自分でブッ放つ方が好きなボンバー系魔法少女ですけど…フラストレーション貯まってません?』

 

「無いから!?ルビー、アタランテさんに変な事吹き込まないでくれない!?」

 

『落ち着いて下さいよイリヤさ~ん。あんまり大きい声出すと、アイツにここバレますよ?』

 

「流石にこの距離ならバレないと思…って、そもそもルビーのせいでしょ!?」

 

今まさに最終決戦と呼んでも過言では無い状況、その中にあっても平時と変わらぬルビーのボケ倒しにイリヤは翻弄される。

そんな彼女らを見てアタランテは肩を竦めた。

 

「汝ら…あまり気を抜くな。いざとなれば我々も前線に────何だ!?」

 

イリヤとルビーの背後に表れた、空間の歪みとしか言い様の無い現象。オーロラ(・・・・)の如く歪む空間を目にしてアタランテは一気に臨戦状態に入り、僅かに遅れて気付いたイリヤも構えを取る。

何も無い空間に生まれた歪みは軈て人影を映し出し、段々とその影が濃くなっていけば。

 

「よっ、と…間に合ったみたいだね。」

 

歪みの中から姿を現す、シアンに染まった奇妙な銃を手にした一人の青年。彼はイリヤとアタランテには目もくれず、飄々とした雰囲気で周囲を見渡している。

 

「ひ、人が…オーロラの中から!?」

 

『オーロラって言うか、水面の波紋にも見える変な現象でしたねぇ。最新式の転移魔術?このルビーちゃんをもってして、全く解析出来ません…ホント何なんですかアレ。』

 

地上の戦況にも注意を配りつつ、警戒しながら言葉を交わすイリヤとルビー。

そのやり取りが聞こえたのか、初めて青年はイリヤ達に視線を向けた。

 

「喋る杖?それに君の恥ずかしい格好は…。」

 

「この人いきなり失礼過ぎない!?恥ずかしい格好とか言われるの結構キツいんですけど!?」

 

「おっと、つい口が滑った。……成程、あの翁が作った魔法少女の杖(カレイドステッキ)。こんな所にも思わぬお宝が有ったとはね。」

 

『悪びれる素振りすら無いですこのイケメン。顔面偏差値が高ければ何しても許されると思ってるんでしょうか。自分の発言で人を傷付けたら謝る、常識ですよ?』

 

「お宝とはいえ杖ごときに説教されるとは心外だね。僕はただ、正直に……」

 

「止めて!!!それ以上言うのは止めて!!ルビーも特大ブーメランだし!もう何処から突っ込めば良いの!?」

 

青年が口を開く度、何気無い一言で余計なダメージを負うイリヤ。オマケにルビーはルビーで正論しか言ってないが、日頃の言動のせいで全て自分に返って来てる。結果、イリヤ一人では突っ込みが追い付かない。

 

「汝ら、ふざけている場合では無いぞ!男───貴様、何者だ?そのオーロラの様な力…通りすがりの仮面ライダーの仲間なのか?」

 

そんなイリヤの気苦労には内心理解を示しつつも、気を緩めて良い場面では無い。目の前の相手を何時でも射抜けるよう弓を構えながら、アタランテは低い声音で問い掛ける。

先程見た空間の歪み。あれは夢の世界で出会った青年が見せた力と同質のものに感じた。そしてその青年は、自らを"仮面ライダー"と名乗った…であれば。アタランテの推測が正しければ…目の前の彼もまた、あの青年や映司達と同じ──────。

 

「あれ、士に会ったの?なら話は早い。僕は…彼の仲間では無いよ。アイツは作戦の為に、とある海賊達の友情を踏みにじった…僕はそんなものに興味は無いが、一応僕もその被害者ではあるからね。」

 

「だが、関係者ではあるのだな?ならば汝は…」

 

「僕は彼を追う者。そして同時にトレジャーハンターさ。彼というお宝を追いながら、数多の世界のお宝を求めて旅をしている。」

 

「何の話してるのか全然分からないけど…」

 

『この人、その仮面ライダーさんに対してメンヘラ彼女みたいになってません?愛憎入り交じった的な。』

 

「───そこ、黙ろうか。悪いけど僕はお宝の為にここまで来たんだ。そろそろ行かないと…ね!」

 

イリヤとルビーの控え目な指摘に顔を顰めつつ、青年は突如彼女ら目掛け手にした銃を発泡する。

問答の最中、目にも止まらぬ早撃ちで完全に不意を突かれたイリヤとアタランテ。避ける間も無く食らった銃撃のダメージ自体はそこまで大きくは無かったものの、その痛みが彼女らの反応を僅かに遅れさせた。

 

「僕の名は海東大樹…仮面ライダーディエンドさ。覚えておきたまえ!」

 

そうして生じた隙に、青年は流れる様な動作でカードを銃身へ滑り込ませ、そのままの勢いで先端部分をスライドさせる。

 

「変身!」

 

『カメン・ライド!ディエンド!』

 

引き金を引いたシアンカラーの銃(ネオディエンドライバー)の銃口から射出されるクレストが宙を舞い、同時に海東を囲む様に現れる三体の異形の姿。その異形の幻影が海東と重なり合うと、クレストはプレートへ姿を変えて彼の頭部に突き刺さった。

現れた異形の戦士・仮面ライダーディエンド。シアンを基調にした、オーズやバースとは異なる仮面ライダー。

ならばオーズと同等以上の力を備えている筈、その推測の基にアタランテは迷い無く矢を放つ。

 

「おっと!」

 

咄嗟の反撃を寸での所で躱し、ディエンドは新たなカードをドライバーに差し込む。銃身を勢い良く振り再び先端をスライドさせ、即座に銃口を二人へ向けた。

 

『カメン・ライド!ライオトルーパーズ!』

 

銃口から射出されたのは実体を持たぬホログラム。

虚像に過ぎぬそれらは、一瞬の後に実体を持った新たな戦士へと変貌した。

 

「何だ…!?こいつらも、仮面ライダー…?」

 

「じゃあこの人、他の仮面ライダーを呼べるって事!?」

 

まさしく全身を覆う鎧、としか形容出来ぬ姿をした三人の戦士達がアタランテとイリヤへ襲い掛かる。

鎧の戦士達───ライオトルーパーは、各々が手にした剣を振るい、イリヤとアタランテを分断する戦法を選んだ。

 

「もう!皆が戦ってるのをサポートしなきゃいけないのに!邪魔しないで!───"斬撃(シュナイデン)"!!」

 

迫り来る刃を躱して、カウンターの要領でイリヤが放った魔力の刃。見た目に違わぬ堅牢な鎧なのか、この一撃で装甲が破損した様子は見られない…然し鎧は無事でも纏う者が耐えられるかは話が違う。がら空きの胴に撃ち込まれた攻撃に、ライオトルーパーの一人は容易く吹き飛ばされた。

 

「…?もしや、こいつら…。」

 

ライオトルーパーが纏う装甲は、オーズや目の前のディエンドと比較しかなりシンプルな構造だ。どちらかと言えばバースのそれに近い近代的な武装。彼等との違いと言えば、バース以上に特筆すべき装備らしい物を身に付けていない…本当に"鎧"としての機能以上のものを排除している───外見からの判断でしか無いが、アタランテはそう判断を下す。

だがそれ以上にアタランテが気になったのは、相手の戦闘能力の低さだ。こうして思考を巡らせながらも、彼等の反撃を捌くのは容易い。先の斬撃でイリヤにあっけなく吹っ飛ばされた個体もそうだった…あれがオーズ達なら、あそこまで簡単にはいかなかっただろう。

 

考えられる可能性は二つ。同じ装備を身に付けたライダーが三人同時に呼ばれたという事は、一人一人の性能より数で制圧するタイプの量産型という事。

或いは、(ディエンド)の呼び出すライダーはそれ程強くない可能性───どちらにせよ、オーズやグリード達を相手取るよりは断然弱い。

 

「ならば!」

 

弓兵としての技量ではなく、獣の身体能力をフルに稼動しアタランテは一番近くのトルーパーへ掴み掛かり───そのまま、残る一人へと背負い投げで叩き付ける。金属同士がぶつかる盛大な音を鳴らしながら、二体がバランスを崩したその隙に。

 

「イリヤ!」

 

「うん!クラスカード、限定…」

 

目の前の敵を一網打尽にすべく、イリヤが切札を切ろうとした刹那───直感的な何かを察知し、即座に攻撃を中断。ライオトルーパー達を飛び越え、アタランテを守る様に彼女の前に立つ。

 

「イリヤ!?何を……」

 

「─────ごめん、向こうは終わったみたいだ。君達は大人しくしていたまえ。」

 

目の前の戦闘に然したる興味も持たず、悠然とカードをネオディエンドライバーへと挿入したディエンドは、そのまま躊躇無くイリヤ、アタランテ、そしてライオトルーパー達に銃口を向けると。

 

『アタック・ライド!』

 

「───ルビー!物理保護、早く!」

 

 

 

「じゃあね。」

 

『─────ブラスト!』

 

 

ネオディエンドライバーから射出されるプレート型のエネルギー弾。本来銃弾が取るべき直線的な軌道を無視して撃ち込まれる砲撃の嵐は、咄嗟にイリヤが展開した物理保護の障壁を容赦無く攻め立てる。

それは地に伏したライオトルーパー達をも平然と巻き込み、漸く砲弾が止んだ時にはディエンドもライオトルーパーもその場に残っては居なかった。

 

『まんまと…逃げられましたねぇ。』

 

「クソッ……奴の言葉を信じれば、あのライダーは恐らくマスター達を狙う!─────マスター!聞こえるか!」

 

忌々しげに顔を歪めながら、即座に映司へ念話を送るアタランテ。正直、間に合うかどうかは賭けだろう。

 

「でも、あの人は何しに来たんだろう。お宝とか言ってたけど……」

 

「────この状況で宝と言えば、十中八九聖杯かメダルだろ。全く…あいつ、余計な事しかしないのか?」

 

ぽつり、とイリヤが溢した疑問に答える、またも聞き覚えの無い声。

否、聞き覚えが無いのはイリヤとルビーだけ。反射的に声の方へと振り向いたアタランテは、その男の声と姿に覚えが有った。

そこに居たのは、ふてぶてしい態度を隠しもしない美青年。その姿こそ、夢の世界でアタランテと美遊が出会った彼に他ならない。

 

「汝は…!通りすがりの…」

 

「よう、また会ったな。だが今お喋りしてる時間は無いぞ?とっとと着いて来い。」

 

「だ、誰…!?ど、どういう事…?」

 

アタランテと違い、眼前の人物(通りすがりの仮面ライダー)を知らぬイリヤは状況が飲み込めない。困惑する彼女に呆れた様子で溜息して見せると、青年はマゼンタに染まったバックルを取り出し掲げて見せた。

 

「これ見せれば、俺の正体は大体分かったか?その話は後だ。

────真木は未だ死んじゃいない。この特異点も、まだ終わっちゃいないんだよ。急ぐぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでボクは完全に成れる…もうこんな、常に満たされないメダルの塊じゃ無くなるんだ!」

 

カザリが掲げた聖杯を起動する。片手に収まる程度の大きさにも関わらず、その杯が放つ神秘は絶大なもの。藤丸立香が歩んで来た旅路で幾度も目の当たりにしたものと、殆ど(・・)同じ。

 

「─────カザリさん!早くそれを捨てて!」

 

それは、カルデアの面々だけが気付く事が出来た僅かな差異。聖なる杯が纏う神々しい輝きに紛れ込んだ、一欠片の紫色(・・)

 

「ハァ?何を言って……」

 

それが彼の最後の言葉となった。カザリの魔力を注ぎ込まれて起動した聖杯は、その魔力を、存在をあっという間に限界まで吸い上げる。恐怖と苦悶に満ちた表情を浮かべながら、現界を保てなくなったアレキサンダーは魔力の塵となって消滅。悲鳴すらあげる間も無く、その場には輝き続ける聖杯と黄色のメダルだけが残された。

 

「オイオイ…冗談キツいぜ…!」

 

「そんな…まさか…!」

 

聖杯が内包した圧倒的な魔力の輝きは、軈てその光を黄金から禍々しい紫へと変貌させる。

ソレ(・・)が一際大きな紫の光を放った後。

 

「………さて。多少の想定外は有りましたが。これでカザリ君のメダルも残るは一枚。火野君、君の持つ一枚です。そろそろ…君達にもご退場願いましょうか。」

 

カザリのメダルをも取り込み、再び顕現した太古の王。その無機質な瞳が、妖しげな光を灯した。

 

 

 







ヨホホイ、ヨホホイ、ヨホホイホイ♪ところで士~♪ナマコは食べられるようになったのかな?ヨホホイ!
ド派手な奴等は10周年おめでとうございます。去年お友達型AIと心を通わせた某社長が、同じ声の海賊に犬型ペットロボ全部盗まれて絶望するシーンは見所ですね(ド畜生)
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