Fate/Grand Order 亜種特異点OOO:欲望解放領域 オーズ   作:banjo-da

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イリヤとウヴァのタッグ戦。つまりウヴァのゴルフクラブもカレイドステッキ…?



連携とスピードとウヴァの教え

 

 

「ちっ…まさかキャスターの俺を羨む日が来るとは、夢にも思わんかったぜ…!」

 

ぼやきながらも手を止める事無く、ランサーは迫り来る屑ヤミーを斬り伏せる。

 

「ハハッ…お互い、宝具がヤミー相手では効果薄ですからな。しかしランサー殿の場合、投げ槍を使えば一網打尽も容易いのでは?」

 

苦笑気味の声音で同調しつつ、短剣を振るってヤミーを次々に仕留めていくハサン。最早暗殺も何もあったものではないが、この状況下では仕方無い。

 

「それも考えたけどな…確か、お前さんの宝具でヤミーを倒そうとした時、心臓じゃなくてセルメダルが再現されたんだろ?」

 

「左様。セルメダルを取り込み、ヤミー相手でも攻撃が届く今の我等ならば…貴殿の宝具も、メダルを心臓と定義して万全に発動するやもしれませぬ。」

 

「だが、まだ逃げ遅れた連中も残ってる。基本一般人が出くわす事のねぇ聖杯戦争ならともかく、この状況下で俺の突き穿つ飛翔の槍(ゲイ・ボルク)はまだ使えねぇ…。」

 

ランサーの宝具である魔槍『ゲイ・ボルク』は二種類存在する。

刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』は因果逆転を引き起こす文字通り必殺の槍。槍による刺突が届く射程に入らなければならないものの、そのレンジの短さと引き換えに持つ殺傷能力は絶大なものだ。

対してもう一つの宝具である『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』は投擲による対軍宝具。因果逆転による必殺は失われる代わりに、対象の心臓をターゲットに追尾するミサイルの様なもの。

死棘の槍があらゆる防御を無効化する決定力の極みならば、死翔の槍はあらゆる防御を強引に突破する破壊力の極致。

普通の戦場で使うなら良い。だがまだ周囲に逃げ遅れた一般人がいる状況下では、些か戦況と噛み合わない。

刺突では一度に倒せる数が少な過ぎるし、投擲では周囲を巻き込む可能性が高過ぎる。一般人の避難が完了するまで時間を稼ぐくらいなら、宝具の能力に頼るより敵を斬り伏せて制圧する方がマシ…実に面倒な状況だ。

 

「結局、槍で斬ってルーンで燃やして…地道にブッ飛ばしてくのが一番の近道ってワケだ。」

 

「まあ、それも無辜の民が逃げ切るまでの話。周囲を気にする必要が無くなれば対軍宝具を使えるだけ、私よりは幾分かマシでしょう。辛抱ですぞ、光の御子殿。」

 

短剣でヤミーの喉笛を掻っ切りながら、自嘲気味に苦笑するハサン。

そう口にはしつつも、暫く持久戦が続きそうだ。すぐ傍で戦うバース二人も、同じ理由で砲撃(ブレストキャノン)は当分使えないだろう。難儀な戦況に歯噛みしつつ、二人は動きを止める事無くヤミーを次々に仕留めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このぉ!!!」

 

鎖に繋がれた杭が、標的目掛けて一直線に放たれる。

しかしカザリは危なげ無くそれを回避。軽く身を捩り最低限の動きで回避しながら、足を止める事無くイリヤへ向け疾走する。

 

「オラァ!!」

 

その進行を妨げるべく、間に割り込むのはウヴァだ。

右手に備えた鉤爪を振り下ろしながら、カザリを強引に止めに掛かる。

 

「…フン。相変わらず低能だね、君は。」

 

「何ッ!?喋れるのか!?」

 

それすらも難無く回避すると、カザリは一旦後退して距離を取る。

 

「そりゃ喋るさ。君達の知る()とは別人だけど。

……にしても、馬鹿の一つ覚え?そんなんだから君は僕にもアンクにも見下されるんだよ。」

 

「黙れ!!!」

 

後退したカザリ目掛け、ウヴァの角先から電撃が放たれた。だがそれすらもカザリの想定内。彼は縦横無尽に駆け回り、その全てを避け切ってみせる。

 

「この…偽物のクセにちょこまかと…!」

 

「アハハ、図星突かれて怒ってる?けど良いのかなぁ…僕だけ見てて。」

 

「────!しまっ…!」

 

挑発に冷静さを欠いていたウヴァへ、頭上から迫るピラニアヤミーの群れ。咄嗟に雷で迎撃するも多量のヤミーを全て撃ち落とす事は叶わず、数体のヤミーがウヴァの体へ噛み付いた。

 

「この、邪魔だ…!」

 

一匹一匹を引き剥がす事はウヴァにとって造作も無い。だが群れで襲い来るピラニアヤミーは次々に迫り、剥がすより次なる襲撃の方が早いのは目に見えている。

 

「呆気無かったね、ウヴァ。それじゃ…」

 

「─────私も居るんだから!勝手に終わりにしないで!!」

 

瞬間、ウヴァ目掛けて殺到していたピラニアヤミーの群れが沈黙する。

両者が声の方向へ視線を向ければ、眼帯を外したイリヤがピラニアヤミー達を睨み付けていた。

 

「魔眼か!」

 

「でかした小娘!消し飛べ!!」

 

張り付いていたヤミーを引きちぎり、ウヴァは周囲のヤミーを一気に消し炭と化す雷撃を放つ。好機とばかりに攻め込もうとしていたカザリは、想定外の反撃に堪らず後退を余儀無くされた。

 

「チッ…余計な真似を…。」

 

苛立たしげに舌打ちを飛ばすカザリ。一方ウヴァも深追いはせず、一旦イリヤの傍へ合流した。

 

「大、丈夫…ですか…?────っ!」

 

「フン…まあ、正直助かった。感謝はするが、人の心配をしてる場合か…?」

 

『そうですよ、無茶し過ぎですイリヤさん!一度カードを解除して下さい…すぐに限界が来てしまいますから。』

 

息を荒くしながら問うイリヤの全身を襲う強烈な倦怠感。立香(マスター)からの魔力供給に加え、セルメダルの魔力で補強されている現状はすぐに限界を迎える程では無い…が、全開の宝具解放直後に、不意討ちをかけられそのまま突入した戦闘だ。肉体的にも魔力的にも精神的にも、万全とも言えないのは事実。

おまけに相手の敏捷性は凄まじい。ただでさえ負担の大きい英霊化(インストール)状態を維持したまま、相手に翻弄され長期戦を強いられれば先にガス欠を起こすのは目に見えている。

 

「あのカザリってグリード…本当に速い…!」

 

『相手はこちらを殺る気満々ですけど、極論こっちの攻撃全部避けられて持久戦に持ち込まれたら厄介ですね。仮にその後倒せても、その間は映司さん達の援護に行けませんし…最初に立てた作戦が水の泡です。』

 

攻防の中で把握出来たのは、今のカザリの能力自体は倒せない相手ではないという事。コアの枚数は足りず、英霊の力も無い…強敵に違いは無いが、メダルを七枚有するウヴァは勿論イリヤでも決して分の悪い相手とまではいかない。

だが厄介なのは相手の素早さだ。アンクやウヴァの見立てが確かなら、相手はチーターのメダルを所持していない…にも関わらず、恐らくアタランテやクー・フーリンにも引けを取らないスピードで動ける。そしてもう一つの難点は、周囲のヤミーによる援護だ。大局的に見れば、ここで時間を稼がれるだけでこちらの敗北に近付いていくのは容易に想像がつく。

 

「どうすれば…。」

 

「………おい、小娘。一つだけ策がある。

───だが文字通り捨て身の策だ。俺も、お前もな。」

 

「え…?」

 

それは、と問うより早く肩を引かれ耳打ちされるイリヤ。告げられた作戦に彼女は目を見開き、驚きに満ちた表情でウヴァを見た。

 

「……どうだ。やれるか?」

 

『危険過ぎます!幾らなんでもイリヤさんの負担が大きいですし、破られたらウヴァさん自身も───』

 

「……ううん、やる。こんな所で立ち止まってなんていられない…だから、やらせて!」

 

『イリヤさん…!?』

 

覚悟を決めて、強い眼差しで敵を見据える。

形振り構ってなどいられない。彼女が短い言葉に込めた決意に、ウヴァもまた満足そうに頷いた。

 

「よし。やるぞガキんちょ!!」

 

「その呼び方は嫌だよ!?く、クラスカード・狂戦士(バーサーカー)!"夢幻召喚(インストール)"!!」

 

イリヤが手にしたカードの力を解放する。

その身に纏うは魔法少女のファンシーな衣装から、必要最低限のサラシと腰蓑に。その手が握る武器は魔法のステッキから武骨な石の斧剣に。

有した力の名はバーサーカー。その真名こそギリシャ神話最強にして、人類史に名を刻んだ英霊達の中でも最高峰の大英雄…ヘラクレス。

 

「ふぅん…能力を変えたのか。確かにさっきのより強そうだし、多分スピードもそれなりにはあるんだろうけど。それだけで僕に勝てると思うなら、甘く…」

 

「甘く見られていた方がお前には幸運だったな、カザリ!お前のお喋りはウンザリだ!!」

 

カザリの言葉を遮り、ウヴァは手にした数枚のメダルをイリヤへ投げ与えた。

 

「……!?バカな…それは…!」

 

セルメダルは良い。先のヤミーから奪い取った物を使ったのだろう…イリヤの魔力を回復させ、カザリへ攻撃を通させる為に理に敵った行動だ。

だが彼は見逃さなかった。その中に一枚、緑色のメダル(・・・・・・)が混ざっていた事を。

投げ込まれたメダルはそのままイリヤの肉体へ入り込み…全身をグリードの力(・・・・・・)で満たす。

 

「ぁ……あああ!!」

 

「良し!今の内に───いや、これは…!」

 

「あぁ……!こ、の…動いて…!」

 

苦しい。

本来なら今の隙にカザリを倒す作戦だったのに…身体が上手く動かない。

バーサーカーのカードから流れ込む狂気に加え、コアメダルの影響で欲望が増幅させられていくのが分かる。カードとメダル、それぞれから与えられる力も強大だ。

ウヴァの意識が宿るメダルで無かった分、源頼光(メズール)と比較すればマシなのかもしれないが…制御を見誤れば同じ状況に陥る可能性は充分にある。

全身を襲う苦痛と疲労感に、思わず足がすくむ。

 

「……ハハッ!何だ!浅知恵を絞ったかと思えばそんな程度か!やれやれ、一瞬肝を冷やしたのすら損だよ。終わりだ、じゃあね!!」

 

絶好の機会を逃さず、カザリはイリヤへ飛び掛かる。避けなければ───理解はしつつも、暴走寸前の力を抑えるので精一杯だ。

時間にすれば一秒にも満たぬ間に、イリヤ目掛けて振り下ろされるカザリの爪。食らえばイリヤの肉体等、一撃で肉片となるその攻撃を。

 

「……くそっ…!使えん、ガキんちょだ…!」

 

「何…!?」

 

間に割って入り、身を挺して彼女を守ったのはウヴァだった。昆虫の強固な甲殻をも切り裂くカザリの爪は彼の肩から腹部まで通り…しかし、そこで止まる。

 

「黒焦げにしてやる…!オラァ!!」

 

両腕でカザリの腕を抑え込み、自らの肉体を裂いた攻撃をギリギリの所で振り抜かせない。咄嗟に距離を取ろうとカザリが藻掻くも時既に遅く、ウヴァの放った全力の放電が敵対者の全身を迸る。

 

「がぁぁぁぁあ!?こ、この…邪魔だよ!!」

 

全身を雷に焼かれながらも、カザリはウヴァを蹴り飛ばして拘束から抜け出す。流石にダメージの大き過ぎたウヴァはそれを受け止められず、イリヤの足元へ倒れ込んだ。

 

「ウヴァさん!ごめんなさい…私が…」

 

「黙れ小娘!」

 

必死に力を抑えながら、覚束ない動きでウヴァの傍へ寄るイリヤ。

だがウヴァは怒声混じりに彼女を突き飛ばした。

 

『ちょっ!?なんてことするんですか!鬼!悪魔!グリード!!』

 

「黙れ!!…小娘!お前は何に怯えてんだ!!バーサーカーの狂気か!?グリードの欲望か!?上等だろうが!?貴様ら人間なんてモン、グリードの俺に言わせれば薄皮一枚被っただけの欲望の塊だ!俺達を生み出したのはお前らの欲望で、バーサーカーの狂気もお前達人間の持つ感情の結果だろうが!!」

 

「……そう、だよ!!だから怖いんじゃない!呑まれたら、私は…」

 

「ガキが一丁前にオーズみたいな心配をしてる場合か!!お前もカザリみたいに俺を見くびってんのかゴルァ!?」

 

「何でそうなるの!?」

 

どういう理論の飛躍なのか。突如怒りを込めて吼えるウヴァに、イリヤは思わず尻餅を着いたまま萎縮した。

 

「そうだろうが!!お前ごときが欲望に呑まれ、狂気に呑まれた所で俺に勝てるつもりか!?アァン!?」

 

「…そんな、事は…!」

 

「なら遠慮するな!!お前ら人間はその薄皮、理性で欲望やら何やらを制御するのは得意だろうが!?例え失敗して暴走した所で、カザリさえ倒せば後は俺が貴様を殺してメダルを取り返すだけだ!!

─────無理矢理抑える必要は無い。手綱を握れ。目の前のムカつくコイツをぶっ倒したい、その衝動をコントロールしろ!!ブレーキを掛けずにハンドル切って乗りこなせガキんちょ!!」

 

「…話は終わった?じゃ、今度こそ終わりだよ。二人纏めて死んじゃいな!」

 

雷撃のダメージから立ち直ったカザリがゆらり、と身を起こす。全身に焦げ跡は残っているものの致命傷には至らなかったらしい。

 

「どうせ僕には敵わないんだからさァ!!」

 

軽く足を曲げ───その足をバネに一瞬でイリヤの眼前へと飛び掛かる。先の攻撃と変わらぬ素早さで振り下ろされるは必殺の爪撃。

ウヴァはまだ動けない。ならば遮るものはもう何も……。

 

「───がっ!?な…に…!?」

 

宙を舞うカザリは自分の攻撃が防がれた───否、弾き返された事を自覚した。完全に仕留めるつもりで放ったにも関わらず、だ。

 

「………黙って聞いてたら…好き勝手言ってくれて…!絶対に負けないんだから!!」

 

今しがたカウンターの要領で振り抜き、カザリを弾き飛ばした斧剣を杖にイリヤはゆっくりと立ち上がった。

 

「行くよ、バーサーカー!!」

 

内に宿る狂戦士(ヘラクレス)の力と、イリヤの決意が共鳴する。今の彼女を支えるものは、ただ目の前の敵に勝ちたい───そんな真っ直ぐな覚悟であり、純粋な欲望(・・)

 

「調子、に…乗るんじゃない…!!」

 

完璧なカウンターを決められた筈のカザリだったが、未だ倒れるには至らず。地面へ叩き付けられながらも即座に復帰し、殺意を剥き出しにしてイリヤ目掛け疾走する。

縦横無尽に大地を蹴り、幾度もイリヤの喉元へ放たれる鋭い爪撃。だがイリヤはその悉くを回避し、合間合間に斧剣を振り下ろして反撃に転じる。

 

(馬鹿な…!?何で僕の攻撃に付いて来れる…!?)

 

それは、大英雄ヘラクレスの持つ高い敏捷性と、彼の英雄が狂気に呑まれながらも失わなかった心眼によるもの。

だがそれを知らぬカザリの胸中には焦りが募る。手数では圧倒的にカザリが押しているが、戦況自体は拮抗している…カザリからすれば、不安と苛立ちを覚えるには充分過ぎた。

 

(落ち着け…確かに状況は五分五分、認めよう。だけど相手の武器は大振りにならざるを得ない。

────敢えて隙を作って、剣を振り抜かせた直後を狙う…!)

 

目にも止まらぬ攻防の中、彼はグリード屈指の頭脳をフル回転させて策を練り上げる。

 

「この…!」

 

「─────!チャンス!!」

 

(かかった!)

 

苛立ち、強引に隙の大きな一撃必殺を狙いにいく……演技。カザリの作戦は見事に嵌まり、イリヤは全霊で斧剣を上段から振り下ろした。

 

(速い…ッ!────けど、ギリギリいける!!)

 

当たれば一撃で粉微塵にされる、狂戦士のフルパワースイング。カザリはそれを猫科特有の柔軟性を活かし、紙一重で身を捩って回避した。

 

「馬鹿だね!今度こそ終わりだよ!!」

 

伸ばしたバネが元に戻る様に。強引な形で捩った態勢を戻しながら、その勢いを用いてカザリは爪を振り抜く。

タイミングは完璧、加速は充分。仮にイリヤが回避を試みても、射程圏外へ逃れるより爪が追い付く方が速い。

 

「僕の勝ちだ────!!」

 

 

 

 

 

「バーサーカーだけならそうだろうな。だがお前は、俺が小娘に貸したメダルの種類(・・)を考慮すべきだった…間抜けが。」

 

 

 

カザリの爪が空を切る。

 

「……え?」

 

彼は、自分の攻撃が避けられたという現実に理解が追い付かない。

当然だ。彼は先の攻防の中でイリヤの戦闘能力を完璧に見切った上で、それを基に作戦を組み立てたのだ。

一度も使わず温存していた能力(・・・・・・・・・・・・・・)なんて、想定出来る筈が無い。

 

『バッタ!』

 

「なんとなく、貴方がどういう戦い方をするかは分かってた…だから、仕掛けてくるまでウヴァさんの力は使わなかったの!!」

 

時間にしてほんのコンマ数秒間。カザリが空振りの態勢から元の姿勢に戻るまでの間に生じた僅な間に、彼の目は自分の攻撃から逃れたイリヤを捉えた。

その姿は先のバーサーカー化した魔法少女と何ら変わり無─────違う。彼女の脚部は緑のオーラを纏い、不自然に長くなっている。

伸びたその脚が大地を力強く踏み込めば。イリヤの体重と着地の勢いを吸収して、人間の体構造では有り得ない形に曲がり、収縮する。

それはまるで縮んだバネの如く…即ち、次にどの様な動きをするかと言えば────。

 

「……嘘だ…!」

 

「私はミユと約束したの!!だから負けない!貴方が私達の道を塞ぐなら、それだって私は飛び越えて行くんだから!!!」

 

バッタの脚力をフル稼働させ、イリヤは大地を蹴る。同時に全力で斧剣を横薙ぎに振り抜き────弾丸の様な勢いで、カザリが次の行動に移るより早く彼を打ち砕いた。

 

「そん…な……!この、僕が……うわぁぁぁぁ!?」

 

断末魔と共にカザリが爆発し…無数のセルメダルが四散した。

 

 

 

「……倒…した…!」

 

「…やるじゃないか。褒めてやる。」

 

『貴方途中から休んでたじゃないですか。』

 

「んだと!?」

 

「ちょ、ちょっと静かにして…もう…無理…!」

 

限界を迎え、イリヤは脱力しながら地に伏せる。

ヘロヘロになりながら呟いた彼女の願いは、残念ながら両者へ届かず。

 

『この昆虫野郎!良いですね、伊達さんのこのフレーズ気に入りました♪』

 

「上等だ!へし折ってやる!!」

 

動けぬイリヤの傍で、ウヴァとルビーは口論を繰り広げるのだった。

 

 





スピードが足りなければダイジェット積めば良いじゃない。ウヴァさんがねばねばネット使えたら…。
イリヤ+バーサーカー+バッタコア、要するにデモンズのゲノミクスチェンジ的な。つまりルビーはデモンズドライバー。となるとイリヤの先代魔法少女はベイル。通り名が『あかいあくま』ってそういう…。
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