「せんぱ~い」
「んだよ」
「暇ですか?暇ですよね?生徒会手伝ってください」
特別棟へ続く廊下で生徒会長・一色に捕まった。
「今から部活だよ」
「結衣先輩に連絡して、OKもらってます」
「外堀埋めやがって…。わかったよ」
生徒会室には、本牧・藤沢・稲村と他の役員も揃っていた。
「んで、何をすればいい?」
「この書類なんですけど…」
恙無く生徒会の業務を行い、その日は終了した。
翌日の奉仕部。扉を開けるのは、一色だった。
「先輩!大変です!助けてください!」
「嫌だ!帰れ!」
「そんなこと言わないでくださいよ!」
「ヒッキー、話だけでも聞いてあげたら」
「一色さん、どうしたのかしら?」
「副会長がインフルエンザで休んでまして…」
「ほぇ~。大変だ」
「仕方ないわね。うちの備品を貸すわ」
「備品かよ…。ほれ、一色行くぞ」
生徒会室では、藤沢と稲村が仕事をしていた。
「比企谷先輩、すいません」
「藤沢、気にするな。ずうずうしく頼んでくるヤツがいるだけだ」
「可愛い後輩がお願いしてるんですよ!」
「はいはい、あざといあざとい」
「あざとくないです!」
「おい、稲村。大丈夫か?」
「ふぇ、だ、大丈夫…じゃ…ない…でふ」
「一色」
「はい。庶務君、帰っていいよ」
「す、すいません、会長…」
「さてと、本格的にヤバいな」
「そうですね」
「比企谷先輩、すいません」
「藤沢は気にするな」
「え~!私は~?」
「一色は、もっと俺を敬え」
「敬ってますよ~」
「あざといのいらないから、作業進めるぞ」
「先輩、扱いが雑です~」
その日は、作業の目処が立つところまでで解散になる。
「明日は直接生徒会室に来るようにする」
「先輩、お願いしますね」
「比企谷先輩、お願いします」
「あいよ」
翌日、状況は悪化する。
「う~す。あれ?藤沢だけか?」
「それが…」
「どうした?」
「稲村君もインフルエンザでして、会長もインフルエンザになってしまったみたいで…」
「それは…。よし、俺と藤沢で出来るとこまでやろうか」
「はい。よろしくお願いします」
終始無言のまま作業は進み、最終下校時間の少し前…。
「よし。あとは一色の決済だけだな」
「はい、ありがとうございました」
「いや、藤沢ががんばっただけだ」
「そ、そんな…」
「よし、帰るか」
「あの、比企谷先輩…」
「ん?」
「少し、お話しいいですか?」
「あぁ、かまわんが」
「あの…、比企谷先輩はお付き合いしてる人は居るんですか?」
「男女交際的なやつか?」
「はい」
「ふっ。ボッチをなめるなよ。居る訳ないだろ」
「でも、雪ノ下先輩や由比ヶ浜先輩は…」
「あの二人か?ないない。俺の一方的な憧れだ」
「生徒会長は…」
「あれは、世話の焼ける後輩だな…。なんで、そんなことを聞くんだ?」
「それは…」
「ふざけて聞いてる…って訳でもなさそうだな」
「はい…」
「訳を聞こうか?」
「比企谷先輩って、悪い噂とかありましたけど、私は嘘だって思っています」
「根拠は?」
「私も少し文化祭のお手伝いをしました。その時、真面目に仕事をしてました。それに、生徒会の仕事もやってくれました」
「まぁ、噂を信じてないっていうのは嬉しいな」
「はい…。それに…」
「それに?」
「私、比企谷先輩のこと、好きですから…」
「へ?」
「ですから…」
「待て待て待て。なんのドッキリだ?一色あたり隠れてるのか?」
「生徒会室は、私と先輩の二人っきりです」
「録音してて、明日になったら『嘘でした』とか」
「私がそんなに不真面目に見えますか?」
「すまん」
「いえ、大丈夫です」
「俺は、恋愛に少しトラウマがあってな…」
「そうなんですね。でも、私は本気です」
「雪ノ下先輩や由比ヶ浜先輩や一色会長みたいに可愛くないけど…」
「藤沢は充分可愛いだろ」
「え?」
「心配すんな。藤沢は可愛いよ。…て、何を言ってるんだ俺は…」
「あ、ありがとうございます」
「まぁ、あれだ。藤沢がふざけて言ってる訳じゃないのはわかった」
「はい」
「だが、今すぐ返事は出来ない」
「…はい」
「これは、俺からのお願いなんだが…」
「なんでしょうか?」
「俺と友達になってくれないか?」
「え?」
「俺は藤沢のことはよく知らない。藤沢だって、俺のことをそんなに知ってるわけではないだろ?」
「はい」
「だから、友達から始めてみないか?」
「はい、比企谷先輩がよろしければ」
「じゃあ、よろしくな」
「はい」
「じゃ、じゃあ、友達として、途中まで送らせてくれ」
「はい」
数日間後
奉仕部
「せんぱ~い」
「いろはちゃん、やっはろー」
「一色さん、インフルエンザは大丈夫なのかしら?」
「ただの風邪でした。先輩は?」
「生徒会に行くって言ってたよ」
「え?まだ何もお願いしてないのに…」
「比企谷君、逃げたわね」
「ゆきのん、いろはちゃん、追いかけよう」
「はい。まだ遠くへは行ってないはずです」
生徒会室
「なあ、藤沢」
「なんですか?」
「近いんですけど…」
「今日は誰も来てないから、いいじゃないですか」
「一色は?」
「サッカー部じゃないですか」
「本牧と稲村は?」
「まだ休みです」
「なんか、大胆になってない?」
「こうしないと、他の人に勝てないので」
「いや、まだ俺達は友達だろ?」
「イヤなんですか?」
「イヤじゃないです、はい」
「じゃあ、いいですよね」
「一色が来るまでだぞ」
「はい」
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八幡がチョロくて、すいません。