「昨日はお楽しみでしたな」
モブ美が話しかけてきた。
「見てたわね」
「最初だけね」
「でも、好評だったでしょ?」
「う、うん」
モブ美のコーデが好評だったから、あまり文句は言えない…。
「ねぇねぇ、藤沢さん!」
あまり話をしたことがないクラスメイトが声をかけてきた。
「何かな?」
「昨日、一緒に歩いてた眼鏡のイケメンって彼氏?」
「ま、まだ彼氏じゃないよ!」
「でも、腕組んで仲良さそうだったじゃん。隠さなくてもいいのに。じゃあね」
「あ、あの…」
行っちゃった…。
「ほほう、眼鏡のイケメンと?」
こっちも面倒臭い。
「その辺りkwsk」
眼鏡屋さんで眼鏡をかけてもらったら似合っていたのでそのまま行動したと説明。
「ふむ。で、腕を組んでいたとは?」
「そ、それは…。比企谷先輩が見られてたから、主張したくって…」
「やりますなぁ」
もう!ニヤニヤしないでよ!
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その頃、比企谷八幡のクラスでも…
「ヒキタニく~んヒキタニく~ん!」
「んだよ、戸部。話しかけるなよ。海老名さんの噴水見たいのかよ」
「いや、だってさ、昨日モールでチョ~可愛い女の子と手を繋いで歩いてたべ」
「な、なんのことでしゅか?」
「いや、マジでヒキタニ君やるわ~」
「あ、あれだ、そう!妹だ!」
「ヒキタニ君の妹って、千葉村で見たことあるけど、違ったべ」
「うっ!戸部のクセに…」
「ヒッキー…」
「ゆ、由比ヶ浜…」
「部活の時、ゆっくり話そうか…」
「い、いやぁ、今日は…」
「逃がさないからね…」
「結衣ちゃん、超怖ぇ」
「戸部、死んだら、お前のセイだからな」
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会長から奉仕部に来るように言われたけど…。
ノックをして…。雪ノ下先輩の声で返事が。
「失礼します…」
何、この状況。
比企谷先輩が正座されられてて、三人が椅子に座ってる。しかも、あからさまに脚を組み換えてるし…。雪ノ下先輩が前にやってたやつだ。
「あの~、わざとやってますよね?」
三人とも顔真っ赤だし…。
「今日はどうしたんですか?」
「ヒッキーがモールで女の子と手を繋いで歩いてたって」
あ~、それ私です。
「どうやって、脅したのかしら?」
どちらかというと、私から誘いました。
「私とのデートは断ったのに」
会長、断られたんですね。
「だから、俺とアニメ映画を観てくれる奇特な娘なんだって」
「それで手を繋いでいるのとは別問題よ」
「そうだよ!」
比企谷先輩が誤魔化そうとしてこじれてる感じだ。
「そういえば、書記ちゃんは眼鏡イケメンとデートしてたって?噂聞いたよ、腕組んでたって」
あっ、比企谷先輩が気まずそうな顔してる。
この状況は私のセイでもある。
でも、先輩方や生徒会長のやり方は好きなれない。自分から動くことをしないのに、なんで…。
それに、比企谷先輩はきっと三人の気持ちに気がついている。だけど三人が傷つくのを恐れて動けなくなっている。比企谷先輩は優しいから…。
比企谷先輩、女の子は失恋で強くなったりするんですよ。
あっ、こっち見た。
私、比企谷先輩の少し困ったような笑顔大好きです。
今から少し困らせてしまうかもしれないですが、私は覚悟を決めました。
「あの、お話があります!」