八幡さんとの交際を三人にしてから数日後、今日も一緒に登校。毎日が薔薇色…。
「アンタ、生徒会の書記だっけ?ヒキタニと付き合ってるの?趣味悪いね」
知ってる…。元・文化祭実行委員長の相模先輩。
「ヒキタニって誰ですか?」
クラスメイトの名前を間違って覚えてるの?それとも、わざと?
「そこの陰キャだよ」
「クラスメイトの名前もまともに覚えてないんですか?『ヒキガヤ』って読むんですよ。進学校の総武に通っていて読めないんですか?それともワザとですか?ワザとならイジメですよね?」
相模先輩が苦虫を噛み潰したような顔になった。
「おい沙和子、そのへんで…」
八幡さんもお人好し過ぎますよ。
「どうせヒキタニと付き合ってるんだから、アンタだって陰キャでどうしよもない人間なんでしょ」
言うに事欠いて…。
「おい、相模!」
えっ?今の声…。八幡さん?
「俺のことは目を瞑る」
八幡さんが相模先輩を睨んでる…。怖い。
「沙和子のことを悪く言うな。何も知らないクセに」
「だって…」
「『だって』じゃねぇ。ここじゃ人目がある、放課後に奉仕部に来い。そこで聞いてやる」
「嫌だよ。アウェイじゃん」
「だったら、友達二人も連れてこい。それともなにか?自分は悪くないと思いながら逃げるのか?」
「わ、わかった。行ってやる」
相模先輩が去って行った…。怖くて八幡さんの顔が見れない。
ん?頭撫でられてる。
「ありがとな沙和子。俺の為に怒ってくれて」
え?す、凄い笑顔…。格好いい…。
はわわわわわわ。
「すいません、八幡さんのこと悪く言われたから」
ど、どうしよう。八幡さんと目が合わせられない。たぶん私の顔真っ赤だ。
「ま、放課後に決着つけるさ。教室行くわ、またな」
「は、はい」
八幡さんが行って、やっと顔があげられる。
ん?何人か女子がぽ~っとしてる。
教室に入ると、『藤沢さんの彼氏格好いい』とか、『沙和子ちゃんの彼氏とお話ししたい』とか…。八幡さんのギャップ萌えにやられた人が数名。
昼休み、八幡さんのクラスに行くと、教室を覗く同学年の女子達…。
『あの人だよ。格好いい』とか『生徒会の娘が羨ましい』とか聞こえる。…行きずらい。
こんなことで八幡さんを待たせてはいけない。意を決して…。
「八幡さん、お待たせしました」
「おう」
「では、行きましょう」
由比ヶ浜先輩が、ガルルルとか言ってる。
赤眼鏡の先輩、『ハヤ×ハチが』って泣かないでください。なんですか?八幡先輩で変な妄想しないでください。
相模先輩はっと…、こちらを睨んでますね。おぉ怖い。
お弁当を食べてる最中に八幡さんが申し訳なさそうな顔をしている。
「どうしたんですか?」
「…相模とのイザコザに沙和子を巻き込んでしまって、すまないなぁと…」
「何を言ってるんですか。私が自分から首を突っ込んだんですよ」
「それでもなぁ…」
「放課後、決着をつけるんですよね?」
「それでいいじゃないですか」
「ありがとな」
放課後、相模先輩をギャフンと言わせないと!