今日も昼休みに八幡さんを呼びに行く。
…なんで、八幡さんと相模先輩達が話をしてるんですかね?
「八幡さん、お待たせしました」
「あ、おう。じゃあな相模」
「またね」
相模先輩、手のひら返しも甚だしい…。由比ヶ浜先輩は唸ってるし。
八幡さんが告白した人って、このクラスなのか?
ん?赤眼鏡の人と目があったけど…。あの人『腐女子』っぽいんだよなぁ。まさか、あの人じゃ…。
「どうした?行かないのか?」
「あ、行きます」
放課後。今日は書類仕事をするために生徒会室に向かっている。早く終わらせて八幡さんに会いたいな。
「はろはろ~」
ん?八幡さんと同じクラスの赤眼鏡の人だ。
「こんにちは」
「ヒキタニ君の彼女だよね?」
まだこの呼び方。
「ヒキタニって誰ですか?」
「あぁ、ごめんごめん。このアダ名定着してて。比企谷君の彼女だよね?」
「そうですけど」
「私、海老名姫菜っていうんだ」
この人が…。
「藤沢さんだっけ?ちょっとお話しいいかな?」
「私も聞きたいことがあったので」
「それは好都合」
人気のないベンチまで移動。な、殴られたりしないよね?
「はい。紅茶でよかったかな?」
「あ、ありがとうございます」
八幡さんなら、間違いなくMAXコーヒーなんだろうな。
「MAXコーヒーの方が良かったかな?」
「いえ、大丈夫です」
読まれてる。
「私と比企谷君のウワサは聞いたことある?」
「はい」
「実はね、私の為にやってくれたんだ」
「え?」
「私、戸部っち…。同じグループの男の子に告白されそうだったの。それでね、私は誰とも付き合うつもりがなかったから、告白を受けたくなかったんだ」
「でも、それならそう言えば…」
「それだとグループの雰囲気悪くなっちゃうでしょ。だから、比企谷君にお願いしたんだ。そしたら、告白される直前に割って入って嘘の告白をしてくれた」
だから、『告白を邪魔した』とか『横取りした』とか言われてたんだ。
「お陰で『誰とも付き合うつもりはない』って、間接的だけど戸部っちに伝えられたんだ」
「それって、ヒドクないですか?そのグループって、八幡さんの犠牲の上に成り立っているんですよね?」
「そうだね、ヒドイグループだよ。グループの一人にも相談したんだけど、結局はなにもしてくれなかったし…。比企谷君は何も言わないんだ。私を責めてくれない…」
海老名先輩、なんか悲しそう。
「私と比企谷君て似てるのかもね。私も元々はネクラな腐女子だから。一人でも平気だったのにな、耐性なくなっちゃった」
わかるなぁ。
「もうダメかな。せっかく比企谷君が守ってくれたんだけど…。また告白されそうなんだ」
「海老名先輩、烏滸がましいですが、ちゃんとぶつかってください。それで壊れるグループならそれまでです」
「そうするよ」
「え?いいんですか?」
「藤沢さんは比企谷君と真正面からぶつかったから、付き合っているんでしょ?」
「えぇ、まあ」
「そうじゃなきゃ、難攻不落の比企谷君は落ちないよ」
なんか恥ずかしい。
「次はちゃんと言うんだ。『好きな人がいる』って。『お友達でいよう』って」
へぇ、好きな人がいるんだ。
「八幡さんが何も言わないなら、私が言うことはありません。ただ、好きな人への告白も頑張ってくださいね」
「そうだね。頑張って『比企谷君、好きです』って言うよ」
え?え!えぇ~~~~~!!!
「え、海老名先輩…」
「うん、そうだよ。でも、やめないよ。好きな気持ちは止まらない。藤沢さんもわかるよね?」
「いや、それはわかりますけど、彼氏に告白するって宣言されても『どうぞ』とはさすがに言えないです」
「フラレるのはわかってる。比企谷君、藤沢さんにベタぼれだもん」
そ、そういわれると…。
「それと一緒にもう一回、ありがとうって伝える。どちらかというと、こっちが本命かな」
「そういうことなら」
「間違ってNTRしちゃったら、ごめんね」
「絶対に離しません!」
「ふふふっ」
「あははっ」
海老名先輩は、いい顔で帰っていった。
八幡さんは、あちこちでフラグを立ててるんですね。困ったラノベ主人公です。
あっ!もうこんな時間!
…今日は生徒会はいいかな。
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生徒会室では…。
「書記ちゃん、遅い!!今日作業するって聞いたから待ってるのに!」