書記ちゃんの恋   作:おたふみ

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書記ちゃん VS 葉山隼人・前編

今日は生徒会の仕事をしてから、奉仕部へ。この前、すっぽかしたら会長に怒られた。反省です。

 

あれは…。八幡さんと葉山先輩?どこへ行くんだろう。海老名先輩なら鼻血を噴き出す場面なんだろうけど…。

後をつけてみよう。

 

屋上に到着。

 

「たの…、と…の告白を…れ」

 

ん?告白?

 

「ことわ…、なんで…いけない…」

 

八幡さんは断った?

 

「なぜ…は…じゃないか」

 

葉山先輩が食い下がってる。

 

「俺に…が…だろ」

 

「ちか…でも…やって…ぞ」

 

力ずく?マズイ!誰かに止めてもらわないと…。

 

えっと、LINEで会長に…『屋上至急来てください』と。

 

「お前は…が…いいのか」

 

「そうじゃ…」

 

白熱してる!会長、早く来て!

 

あっ!足音!

 

「書記ちゃん!」

 

「藤沢さん!」

 

「サワちゃん!」

 

会長!…、雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩。あっ!四人のLINEグループにメッセージしちゃった。

 

「しぃ~!今、八幡さんと葉山先輩が話をしてるんですが、雲行きが怪しくて…」

 

言い終わる前に雪ノ下先輩が扉を開けてしまった。

 

「何をやっているのかしら?」

 

「げっ!雪ノ下」

 

「やあ、雪ノ下さん」

 

葉山先輩の仮面のような笑顔…。気持ち悪い。

 

「何をやっているかと聞いているのよ?」

 

「そ、それはだな…」

 

「男同士の話だよ。じゃあ比企谷、考えておいてくれ」

 

葉山先輩が逃げちゃう。

 

「待ってください」

 

「何かな?」

 

「相談なら、奉仕部の部室でしたらどうですか?」

 

「お、おい、沙和子…」

 

「いや、大したことじゃないんだよ…」

 

「だったら、部室で出来ますよね?」

 

「藤沢さんの言うとおりだわ。葉山君、どうなの?」

 

「…」

 

「そう、黙りなのね。もう結構よ、比企谷君に聞くわ」

 

「げっ!俺かよ!」

 

「ま、待ってくれ。わかった話すよ」

 

葉山先輩が観念して奉仕部へ。

道すがら、八幡さんに釘を刺しておく。

 

「八幡さん」

 

「ん?」

 

「一人で相談にのったらダメですよ」

 

「いや、あのだな…」

 

「八幡さんは、押しに弱いし、変に優しいところがあるから心配なんですよ」

 

「うぐっ!すまん」

 

「自分が傷ついて解決しようとするし」

 

「返す言葉もごさいません」

 

奉仕部に着き、長机を挟んで5対1の構図で座る。

 

葉山先輩は俯いてるし、八幡さんは我関せずみたいな顔してるし…。とにかく、雪ノ下先輩が怖い。

 

「それで?葉山君は比企谷君と何を話していたのかしら?」

 

「そ、それは…」

 

なんか言いづらいのかな?

 

「早くしてくれないかしら」

 

雪ノ下先輩、怖い怖い。あと怖い。

 

「…戸部の告白を止めて…ほしい…」

 

あぁ海老名先輩が言った通りだ。

 

「前は成功させてほしい。そして、今回は止めてほしいと…。随分と自分勝手ね」

 

ん?

 

「隼人君は戸部っちを応援してたんじゃないの?それで前に依頼に来たんじゃないの?」

 

あれ?

 

「姫菜は誰とも付き合うつもりがないとわかっているのに、もう一度告白してもフラレるだろ。そうするとグループの雰囲気が…」

 

え?依頼したのって…

 

「すいません。依頼したのって海老名先輩じゃないんですか?」

 

「いいえ。戸部君と葉山君が海老名さんへの告白を成功させてほしいと依頼に来たのよ」

 

おかしい…。

 

「じゃあ、なんで海老名先輩は八幡さんに対して『私の為にやってくれた』なんて言ったんでしょうか?てっきり、海老名先輩から依頼があったのかと…」

「え?」

「え?」

 

雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩が驚いてる。八幡さんは目を手で覆ってるし、葉山先輩は顔色が悪くなってる気が…。

 

「藤沢さん、それはどこで聞いたのかしら?」

 

「先日、海老名先輩から聞きました」

 

「比企谷君…」

 

「はひっ!」

 

雪ノ下先輩、さらに怖くなったよぅ。

 

「どういうことかしら?」

 

「それはアレがコレで…」

 

八幡さん、誤魔化すの下手過ぎです。

 

「ここまで来たら、誤魔化せないわよ」

 

「あ~、わかったよ。戸部と葉山が来た後に海老名さんが来ただろ?その時だよ」

 

「でも、姫菜はいつも通りだったけど…」

 

「まあな。俺も謎解きが出来たのは直前だ。『戸部の告白を止めてほしい』なんてな」

 

「そんな…」

 

「じゃあ、ヒッキーは…」

 

「ふたつ…。いや、三つか…。相反する依頼があったんだよ」

 

「それで先輩は『嘘告白』をしたんですね?」

 

「そういうことだ」

 

雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩が呆然としてる。会長はなるほどといった顔。

 

「比企谷君」

「ヒッキー」

 

「ん?」

 

「その…、ごめんなさい」

「ごめんなさい」

 

雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩が八幡さんに謝ってる…。

 

「もう終わったことだ。気にするな」

 

八幡さんは優しいな。

 

「それに、あんなやり方しか出来なかった俺も悪い」

 

「でも…」

 

「でももストもねぇよ。俺が気にしてないんだから、お前らも気にするな」

 

「比企谷君…」

「ヒッキー…」

 

うん、良い光景だ。

でも、なにか引っかかる…。

 

「あの~、葉山先輩」

 

「何かな?」

 

ステキデスヨ~、ヒキツッタエガオ。

 

「もしかして、海老名先輩からも相談されてました?」

 

あっ、固まった。

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